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忘れてた過去 【飯山省吾】
閉ざされた記憶
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俺は桜井陽一。
そして、8歳で死んだことになってる。
あの夢で出てきた女性は本当の母さんだ。
4人家族で決して裕福と言うわけではないが、不自由はなく育てられてた。
それが一夜明けると父は殺人事件の容疑者とて逮捕されていた。
小さかったのでどうしてそうなったかまでは解からない。
でもその日から学校も行けず、買い物も外も行けなくなった。
外ではマスコミらしき人もいて、母は毎日震えていた。
妹も毎日泣く日々。俺もどんどん苦しくなってきた。
それが一ヵ月半も続いたとき
「一緒に楽園に行くのよ」
母は突然言い出した。
どこか吹っ切れて笑顔で言っていた。
深夜遅くに俺たちを車に乗せ、
「あっちではきっと今まで食べれなかった大好きなお菓子食べれるわよ。お母さんも欲しいのいっぱあるからあっちでいっぱい買い物するの」
と言い出した。
妹も俺も何を言ってるのかさっぱりわからなかった。
そして、川が近い芝生らしきところで車を止め、車の窓にガムテープを張り付けた。
「さぁこれから出発よ」
母は嬉しそうに言った。
「母さん最後まで一緒にいれて幸せよ。あっちで会おうね」
そう言うと、どんどんと眠くなり...
「気が付いたようだね」
あれ?ここは?
「大丈夫かい?」
おじさんが声をかけてきた。
「ここ楽園?」
「は?」
「お母さんが楽園に一緒に行くって言ったから」
目を大きく見開き
「そうか」
おじさんは悲しげな表情だった。
「お名前は?」
「桜井陽一」
「お父さんお母さんんお名前は?」
「お父さんは桜井亮二、お母さんは」
「ちょっとまって」
と、おじさんに止められる。
「お父さん、桜井亮二なんだね?」
「うん」
「そうか...」
「陽一君、ここは小さな病院なんだ。陽一君は大きな病院に連れて行こうと思ったが、ここで少し安静しないかい?」
「僕、病気なの?」
「数日休めば治るよ」
「そうなんだ。それでお母さんと妹は?」
母と妹がどこにいるか知りたかった。
「今はいないんだ。今日は疲れたんでここでおやすみ」
そう言って、眠りについた。
車で一酸化中毒で心中しようとしてたとき、このおじさん(病院の先生)が見つけ、3人を運び出し自分の病院に連れてった。
翌日目を覚まし
「陽一君おはよう」
昨日のおさじんが居た。
「気分はどうだい?」
「うん。大丈夫」
「そうか...」
「おじさん今日は会えるの?お母さんに」
「そうだな。しばらくは無理かな」
小さいながらにもしかして、お母さんと妹は死んだのではないかっと薄々感じてきてた。
でもそれを口に出すことが言えなかった。
1週間近くその病院にいた。
病室に入ってきた人は、年配のおじさんだった。
「この子か?」
「ああ」
おじさんと年配のおじさんが話してる。
「陽一君、これから陽一君は2つ選択してほしいんだ」
「選択?」
「うん。陽一君はもう感ずいてるかもだけど、お母さんと妹さんは天国にいるんだ」
ああ、やっぱり...
なんとなくわかってた。涙がぽろぽろと出てきた。
しばらくは泣いてるのをなだめてくれた。
「それでね陽一君。ここからが選択だ。1つはこのおじさんと一緒に帰って新しい家族が作れる。新しいお父さん、お母さんがいるんだ。」
新しい家族...
「もう1つは施設なんだ。親がいない陽一君くらいの年の子がいる環境で毎日生活するんだ」
施設...
「はじめまして」
年配のおじさんがニコっと挨拶した。
「君を大事に大事に育てるから、お爺さんと一緒に新しい家族のところにいかないかな?」
新しい家族か、施設か...
そして決めた先は。
そして、8歳で死んだことになってる。
あの夢で出てきた女性は本当の母さんだ。
4人家族で決して裕福と言うわけではないが、不自由はなく育てられてた。
それが一夜明けると父は殺人事件の容疑者とて逮捕されていた。
小さかったのでどうしてそうなったかまでは解からない。
でもその日から学校も行けず、買い物も外も行けなくなった。
外ではマスコミらしき人もいて、母は毎日震えていた。
妹も毎日泣く日々。俺もどんどん苦しくなってきた。
それが一ヵ月半も続いたとき
「一緒に楽園に行くのよ」
母は突然言い出した。
どこか吹っ切れて笑顔で言っていた。
深夜遅くに俺たちを車に乗せ、
「あっちではきっと今まで食べれなかった大好きなお菓子食べれるわよ。お母さんも欲しいのいっぱあるからあっちでいっぱい買い物するの」
と言い出した。
妹も俺も何を言ってるのかさっぱりわからなかった。
そして、川が近い芝生らしきところで車を止め、車の窓にガムテープを張り付けた。
「さぁこれから出発よ」
母は嬉しそうに言った。
「母さん最後まで一緒にいれて幸せよ。あっちで会おうね」
そう言うと、どんどんと眠くなり...
「気が付いたようだね」
あれ?ここは?
「大丈夫かい?」
おじさんが声をかけてきた。
「ここ楽園?」
「は?」
「お母さんが楽園に一緒に行くって言ったから」
目を大きく見開き
「そうか」
おじさんは悲しげな表情だった。
「お名前は?」
「桜井陽一」
「お父さんお母さんんお名前は?」
「お父さんは桜井亮二、お母さんは」
「ちょっとまって」
と、おじさんに止められる。
「お父さん、桜井亮二なんだね?」
「うん」
「そうか...」
「陽一君、ここは小さな病院なんだ。陽一君は大きな病院に連れて行こうと思ったが、ここで少し安静しないかい?」
「僕、病気なの?」
「数日休めば治るよ」
「そうなんだ。それでお母さんと妹は?」
母と妹がどこにいるか知りたかった。
「今はいないんだ。今日は疲れたんでここでおやすみ」
そう言って、眠りについた。
車で一酸化中毒で心中しようとしてたとき、このおじさん(病院の先生)が見つけ、3人を運び出し自分の病院に連れてった。
翌日目を覚まし
「陽一君おはよう」
昨日のおさじんが居た。
「気分はどうだい?」
「うん。大丈夫」
「そうか...」
「おじさん今日は会えるの?お母さんに」
「そうだな。しばらくは無理かな」
小さいながらにもしかして、お母さんと妹は死んだのではないかっと薄々感じてきてた。
でもそれを口に出すことが言えなかった。
1週間近くその病院にいた。
病室に入ってきた人は、年配のおじさんだった。
「この子か?」
「ああ」
おじさんと年配のおじさんが話してる。
「陽一君、これから陽一君は2つ選択してほしいんだ」
「選択?」
「うん。陽一君はもう感ずいてるかもだけど、お母さんと妹さんは天国にいるんだ」
ああ、やっぱり...
なんとなくわかってた。涙がぽろぽろと出てきた。
しばらくは泣いてるのをなだめてくれた。
「それでね陽一君。ここからが選択だ。1つはこのおじさんと一緒に帰って新しい家族が作れる。新しいお父さん、お母さんがいるんだ。」
新しい家族...
「もう1つは施設なんだ。親がいない陽一君くらいの年の子がいる環境で毎日生活するんだ」
施設...
「はじめまして」
年配のおじさんがニコっと挨拶した。
「君を大事に大事に育てるから、お爺さんと一緒に新しい家族のところにいかないかな?」
新しい家族か、施設か...
そして決めた先は。
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