逢いたくて逢えない先に...

詩織

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幻覚?幻?

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空港の人から、何かあったら連絡するのでご帰宅してくださいと言われた。

時間も夜中1時を過ぎ、タクシーを乗って帰ることにした。

何も考えられないというのはこういうことなのか...

ただもう頭も身体も視点が合わない。

何かがぼーっとしてる感じがして、人の声も周りの声も遠く感じる。

私、どうしたらいいんだろ?

タクシーを乗ろうとしたが、真っすぐ歩いてないのか、先に進んでない。

空港の関係者の方が、大丈夫ですか?っと遠くで言ってるきがする。

全てがもう遠くに感じてた。

病院を進められが、自宅に帰ると言ってタクシー乗り場まで付き添ってくれた。

タクシーに乗り窓の外をぼーっと見るも、私だけが時間が止まってる感じした。

マンションの前にタクシーが止まった。

玄関を開けたとき


あれ?

電気つけっぱなしで出てしまったんだっと、はじめは思った。

でも何かおかしい。

リビングに行くと

「おい」

え?

何?幻覚!?

私もう、そこまでおかしくなった?

「何度も電話したのに、何で出ない?」

え?

スマホを見ると、凄い数の着信履歴。メールも、LINEも未読があった。

「ど…どういうこと?」

省吾の幻みてるの?

「親父から聞いたが、空港に居たんだって?」

私はただ泣くだけだ。

「遥?」

「幻覚?幻?」

私が泣きながら言うと

「しっかりして?遥」

と、肩を掴まれ

「幻覚でも幻でもないよ」

「だって」

「俺、あの便に乗ろうとしたんだ。でも遥前俺に…」



『このコスメR社って韓国のでね、ネットで買えないのよ。会社の人がお土産で買ってきてくれて気に入ってるんだけど、行かないと手に入らないのよね。今度韓国旅行行ったら大量に買いたい。あと韓国海苔も好きだし、韓国にしか売ってない焼酎もあってね』


だから韓国経由にして帰って来たと言う。

手には韓国で欲しかったコスメ、焼酎などがあった。

「まさか、乗ろうとした便がこんなことになるとは。乗る前に遥が韓国の欲しいものふっと思い出したんだ。で、韓国に寄って帰るかなと」

こんなことって…

「遥のお陰だな」

私は脱力して意識を失ってしまった。




目を開けると

心配そうな省吾の顔

「遥?」

「こんな時になんだけど、遥俺のことマジで愛してくれてるんだな。」

涙が一気に出て大声で泣いてしまった。

省吾は私を抱きしてくれて

「遥が教えてくれたんだよ。きっと」

ワンワンなく私に、泣き止むまでずっと抱きしめてくれた。


少し落ち着いたとき、省吾をみると愛しそうに見てる。

「省吾がいないと思えなかった。思うことができなかった。省吾が全てなの」

「遥」

「省吾お願い、抱いて」

少しビックリした顔を省吾はしてた

「省吾を感じたい。省吾に満たされたい」

「遥」

省吾は答えてくれて、全てが愛しくって、省吾も私の気持ちを察してくれて、何度も何度も見つめながらキスをしながら、

「俺は遥の側にいるから」

と言ってくれて、何度も確かめるように優しくししてくれた。


目が覚めたら、省吾が抱きしめてくれてる。
 
「遥」

キスをしてくれて

「俺ももし遥が居なくなったと思ったら、そんなの怖くって考えられないよ。本当に生きて帰れて、遥かのところに戻ってこれてよかった」

「うん」

省吾なしなんて、もう考えられない。


でも気になったこと...

この時から省吾が少し変わった気がした。
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