逢いたくて逢えない先に...

詩織

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幸せだけど不安

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省吾君は、マメに連絡をくれる。

逢えることがなくても、LINEとかでメッセージを毎日くれる。

優しいな。


私はいつも一歩的に連絡をしてる方だった。

それが今では連絡をくれる。

それだけで心が癒される。

でも、やっぱり現実は不安だ。

いつかそのうち、やっぱり私とは別れる運命だと思ってしまう。




<週末、泊まりに来ない?>

まだお互いの家も行ったこともないのに、しかもまだ抱き合っただけだしそれでお泊り?

それでも会いたい気持ちのが強かった。


金曜日の夜、指定された場所に待ち合わせをした。


「遥さんお待たせ」

省吾君はニコニコして近くまで来てくれた。

「2人でご飯食べたいから、これから材料買って家で作りたいんだ。それでもいい?ご飯食べながらゆっくり話したい」

そう言って、スーパーに立ち寄り材料を買った

「2人で買い物とか、なんかドキドキするな」

私も思った。凄いドキドキする。

今日も冷えて寒いから鍋でもしようってことで、鍋の材料を買った。



スーパーの近くの高層マンション、そこが省吾君の家らしい。

しかも最上階。

こんな高そうなマンション入ったことない。

どう見てもホテルのロビーでしょ?

マンションなのに入口に受付嬢?高級マンションの仕組みがよくわからない。

「省吾君、こんな高そうなマンション入ったことないから、どうしていいかわからないよ」

もう凡人丸出しだけど、それが私だもん。びびって腰抜けそう。

「これから慣れればいいんだから問題ないよ」

そう言って、笑顔で答えられた。

「慣れるって何度も来るってこと?」

「彼女なんだもん、当たり前でしょ?」

サラリと言われ、やっぱりなんか場違いな気が...


部屋に入ったら、お金持ちでは当たり前の大理石があって、ホテルのスイートですか?っていうくらいの部屋だった。(ホテルのスイート入ったことないけど)

省吾君が

「じゃ準備しよう」

と言って、準備しだすので

「場所教えてくれたら私やるよ」

って言ったら、うれしそうに

「じゃ、2人でやろ」

2人で話しながら準備をした。

色々話しながら準備をしたので、ご飯できたのもあっと言う間だった。

「いいワインあるんだ、それで乾杯しよ」

そう言ってワインをだして乾杯した。

「遥さんと付き合った、初めての食事に乾杯!」

そう言って乾杯をした。

「省吾君、私まだ付き合うって...」

「相思相愛なんだもん、もう恋人です」

まぁ確かに泊まりにって言って来てる時点でそうだけど

「でも本当に私なんかでいいの?」

「何度も言ってるけど、遥さんじゃないとダメなの!」

なんで私なのか、いいところあるわけでもないのにな。

「俺が御曹司だからとか思ってるようだけど、俺は仕事も恋愛も他も皆と変わらないよ。才能なければ切るとも親父に言われてるし、恋愛も政略結婚的なことは絶対しないって言ってる。好きになった人でないと付き合いたくないよ」

「でも、社長は...」

「俺の親父もさ、母さんとは色々あったようなんだ。まぁ詳しくは聞いてないが、爺さんが進めた縁談蹴って結婚したと聞いてる。だからきっと理解してくれると思うよ」

結婚...

私たちはまだ付き合いだしたばかりで、そんな結婚なんか

「何?不満?」

「え?」

「難しい顔してるから」

「いや、だってまだ付き合いだしたばかりで結婚とか話が出たから」

「俺はずっと、遥さんといるつもりでいるけど」

そう言って笑顔で答えられた。

サラッとプロポーズ!?


ワインも1本飲んだ頃には、酔いが回り

「もう少し飲まない?」

と言われ、美味しい焼酎を出してくれた。

飲み始めると片づけるのが面倒なので、

「先片づけたい」

と言って、片付けはじめた。

省吾君も一緒に片づけて、そのあとリビングでソファに座り、2人で焼酎を飲んだ。

「これだけ飲んだらもう帰れないね?」

「えっ泊まらない?っていったの省吾君でしょ?」

「じゃ覚悟はそれなりにあるんだね?」

妖艶な笑みにドキッとして

「そういう言い方ずるくない?」

「ごめんごめん。」

そして

ぎゅっと抱きしめられた。

「これでもすっげー緊張してるんだ」

「省吾君?」

「だって、遥さんが手に入るってそう思ったら、緊張してもうずっとやばかった」

少し離れて、省吾君が私の顔を見る

「絶対大事にするから、俺のそばにいて?」

涙がでて、言葉にすることが出来なかった。

ただ、うなずくしかなく

「ほんと、遥さん可愛い!最高!」

キスをしてきた。

お酒で酔ったのか、キスで酔ったのかも判断できなくらいクラクラして

「遥さん、寝室いこ」

私はお姫様抱っこされて、寝室に運ばれた。



寝室の暗闇の中、手が絡み合い

「遥」

っと、色っぽい声で言われる度にドキッとして

服を1枚1枚脱がされ、首にキスをされた時にはもうおかしくなりそうで

「恥ずかしくって、おかしくなりすぎて、死にそうなんだけど」

と言ってしまった。

「そんな、煽るように言わないでよ。優しくできないでしょ?」

「優しくなんか、なんでも...、省吾君がいいの」

そこで省吾君が止まった。

「何それ?」

え?何か変なこと言った?

「欲情丸出しになるよ、そんなこと言われたら」

「省吾君がいい」

「もうたまんない!遥最高!」

そっからまたキスが降ってきて、そのキスはさっきみたいに優しくとろけるようなキスでなく、猛獣のようなすごいがっついたキスになっていた。

びっくりしたけどそれが省吾君なら私はうれしい。

服を脱がしながら、キスは止めない。

時折口が離れて、じっと見つめられるのがあまりにも色っぽすぎて見惚れてしまう。

「ほんと、遥はかわいすぎるよ」

省吾君と1つになるとき

「愛してるよ」

と言ってくれて涙がまた出てしまった。

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