愛されない女

詩織

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愛されない女

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3ヶ月前、ずっと憧れてたサークルの先輩に告白して見事成功した!

もう、涙が出るほど嬉しくって何日も興奮が収まらなかった。

先輩の名前は佐野尚靖さのなおやす、22歳であと少しで大学を卒業する。

私は下野瑠依子しものるいこ、文学部2年生、20歳。



でも、2人でいることってほとんどない。

女の子といることも多いし、一緒に帰りたくって声かけようとしても、いつも誰かといて、一緒に帰ったことってほとんどない。

キスもなければ、勿論それ以上もなく、手を繋いだこともなかった。

告白の成功は夢なのかな?とも思うこともある

「先輩!」

勇気を絞って声をかける。

今日はバレンタインデー。

「どうぞ」

「あ、ありがとう」

笑顔でお礼を言われた

「あ、あの、このあと」

っていったら

「またね!」

っと離れて行ってしまった。


もうすぐ卒業。

結局、私とは付き合うどころか、まともに話もしてくれなかった。



卒業式

私はもう先輩に声をかけず、就職活動をすこしずつしていた。

いつものサークルに顔をだし、少してバイトの時間なので部屋をでて、バイトに向かった。


「下野さん」

振り向くと、

「せ、先輩?」

先輩が近くにいた。

もう卒業してるのに何か用でもあったのかな?

「俺、下野さんに謝りたかった。ごめんなさい」

私の前で頭を下がる。

「あ、あの」

「俺、下野さんの本気な気持ちが受け止められなくって逃げてた。はじめは適当に付き合えばっと思ってた。俺、本気でなく女性とは適当に付き合ってたので同じ感じで考えてた。でも下野さんは真っすぐで真剣なので、ごめん」

ああっ

「いえ、もう。私こそすいません。無理にお付き合いを迫ってしまって」

「いや、俺が悪いんだ。俺2年のとき本気で好きな人に二股かけられて、それからもう真剣な付き合いってしても面倒って思ってしまってた。適当に付き合えば傷つかないし、相手も同じなら楽だしって」

「下野さんが言ってくれた時も同じだった。でも下野さんは真っすぐで真剣で。俺は結局真正面から下野さんを見ることができなくって」

ショックではあったけど

「先輩の本心が聞けてよかったです。私本当に嫌われてたと思ってたので」

「いや、ほんとにごめんなさい」

「いえ」

もう終わってしまったことだ。もう後戻りはできない。

「先輩、就職先でも頑張ってください。今までありがとうございました」

「下野さんも元気で」

「はい」

私は結局先輩とは付き合った形跡1つもなく終わってしまった。





新学期を迎え、サークルに1年生が入ってきた。

3年生になり、選択教科も増えてきた。

まだ選択教科を決めてなかったで

「どうしよう」

っと独り言いってると

「先輩」

っと言われた。

「え?」

「今日からこのサークルに入った、1年の佐野です」

一瞬ビクッとした。先輩の同じ名前だったので

「話は兄貴から聞いてます」

「あ、にき?」

「俺は、適当な付き合いなんかしませんから。ガッツリ攻めにいきます!先輩よろしく!」

「え?」

「俺の中ではもうドストライクなんで」

「あの」

「まぁまだ始まったばかりだし、ゆっくり落としにいきますよ」

っと言って、



「覚悟しといてください」

耳元で1言言われた。
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