片想いの恋人

詩織

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本編

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その後しばらくしてお互い別々にシャワーを浴びた。

一瞬一緒に行くものなの?とか思ったりしたが、流石に恥ずかしい。

それを察してか、先にシャワー浴びてと言われた

「…」

自分の身体をみて、印がいくつもあって、それが初めての印で…全身が赤くなる。

刺激が強すぎる。

シャワーを浴びたところで、坂下さんがチャイムを鳴らした。

中に通すと

「あれ?斎田さん?いらっしゃってたんですか?」

「父のお線香を…」

私がそう言うと

「あら、そうだったんですか」

「じゃ、行くわ」

「あっ、はい。」

そう言って斎田さんは帰って行った。

「…」

「へぇー」

「な、なに?なんですか?」

「先生、首筋キスマークが」

「えっ!?」

首筋を触ると

「へぇー、やっぱりそうか」

!?

これってもしかして、嵌められた?

「随分と豪華な指輪してますね」

あっーー!!?

「これは、その…」

「斎田さんもやっと本気に動いたか」

「えっ?坂下さん?」

もしかして、何か知ってる…?

「あ、あの…なんか斎田さんから聞いたんです?」

「聞かなくて見ればわかりますよ」

「えっ!?」

「先生…、あまりの鈍感にびっくりですよ」

な、そうなの?

気づかなかったの私だけ?

てか、本当に斎田さん私のこと…


まだ半信半疑だった。

でも、あんな愛しい目で見られたら信じたいと思ってしまう。

この指輪…、本気で受け取っちゃっていいんだよね?

まだ半分夢の途中な気がしている。


傷つけてもいけないので、指輪はちゃんとしまって大事にしとこう。

…婚約指輪。

付き合うならまだしも、まぁそれも信じられないけど。結婚って…

何かあったのかな?

さっきのときは、結婚なんて考えられなかったけど今はあの愛しい目が忘れられなくって、何でも一緒にいたいと思ってしまってる。

恋愛初心者すぎ?

それにしても、初心者すぎる私が相手だからってのもあるけど、優しかったしあんな風にするんだと考えてしまった。

思い出すだけでも、飛び跳ねそう。



それから斎田さんからはチャットもよくくるようになった。

と言っても、おはようとか、仕事無理するなとか、これって恋人として進んでするのかな?

と思ってしまう。

環境がかわったせいもあってか、ずっと悩んでた脚本の部分、みんなが少しずつ1つになろうとし始めてところが閃いて、だいぶ進みだしていた。

「なぁ、俺明後日休みなんだけど、家来れない?」

「あっ、はい。夜で良ければ」

聞くと以前住んでたマンションにそのまま住んでるという。

多分2年近くぶりの斎田さんのマンション。

あー、変わってないな。

部屋に入ると、あまり変わってないなと思った。

「あのー、何か作りますかか?」

ここに来ると家政婦癖があるのか、つい何がか作らないとって思ってしまう。

「あんたの手料理、食べてないからな。」

冷蔵庫をあけてあるもので作り始めた。

簡単だけど、チャーハン、サラダ、あと八宝菜が作れそうだったのであるもので作った。

「何立ってるの?」

こっちに託すように言ってるのがわかった。

いつも家政婦のように台所にたってるので食事だけ出して台所に下がってしまった。

「あっ、いいんです?」

「当たり前だろ!」

席に座ると、目の前に斎田さんがいる。

ヤバい、照れる。

下を向くと

「…俺の前に座っただけで照れてどうするんだよ!」

うっ…

そう言うと

えっ!?うそ!!!

少し笑った?

初めてみるかも…

「なに、固まってるんだよ」

「いえ、あの、笑顔になったんで」

「は?」

「私の前で笑顔になったことないので」

「…」

だって、初めてなんだもん。嬉しいじゃん。

そのあとは、無言で食べた。

不思議と重苦しい空気は感じなかった。

片付けして洗い物してると

「…泊まれる?」

リビングの方から聞こえた。

「え、あ、はい」

もしかしたらと思ったけど、でもそう言われると照れる。

だって、泊まるってことはもう…

前みたいな怪我してとかでないし、そういう関係で泊まるんだから、そうなるんだよね。

確かにこの間1度は経験したけど、だからって慣れるものじゃない。

シャワー浴びてくるといって、斎田さんは浴室に行ってしまった。

あーどうしよう。ドキドキする。

前回よりもいい下着にしたよな。とかそんなことばかり考えてる。

浴室から出てきたら、あんたも入ったら?と言われて、ドギマギしながら浴室に入った。

この浴室だって何度も入ってるんだよね。

うん。落ち着こう!

意味もないことばっかり考えて落ち着こうとしている。

そして浴室を出ると斎田さんはリビングで雑誌を読んでいた。

私が出たのに気がついて

「水でも飲む?」

「あっ、はい」

前にはなかったウォーターサーバーがあって、そっから水を入れて私に渡した、

受け取ってソファに座って水を飲む。

すると隣に座って

うわっ、こんな至近距離で

ど、どうしよう…

そう思ってると

後頭部を掴まれて、顔をこっちに向かせる。

顔が凄い近い!!と思ったとのと同時にキスをしていて

すぐに深くなるキスについていけないでいた。

「力抜け」

そんなこと言ったって…

そんなこともまだ解らない。

そうすると、耳にキスをしだした。

「ひやっあ」

ゾクゾクする。でも決して嫌ではない。

「あっ…」

声が勝手に

「前も言っただろ!声は我慢するな」

耳でこんなに気持ちよくなるものなの?

息を感じ余計に興奮する

「あっ」

どんどんとボーとしだす。

「んー」

そして、また口にキスをしだした。

今度はもうされるがままで、気持ちよくって、キュンキュンする。

どんどんとと深くなって、力がどんどん抜けていく。

キスってこんなに気持ちいいの?

あー、もう遠くになりそう。

唇が離れると、顔を見るのが恥ずかしくって下を向いてしまった

すると

「えー!ちょっ…」

抱きかかえられて、寝室に移動。

俗に言うお姫様だっこ。

「あ、あの重いから」

そう言うも何も返事はない。

初めて入る寝室。

あー、こういう部屋だったんだ。

ベッドに上におかれると

「もっと…」

「え?」

「もっと甘えろ」

「え?え?」

「俺を頼れ、もっと色々俺に言え」

そんなこと言われても

「あ、あの、私あまり経験ないからどうしていいか」

「じゃ、俺にしてほしいことない?」

斎田さんに?

うーん、そうだな。

「…私の隣で…笑っていて欲しい」

そういうと、フッと笑った。

あっ、笑ってくれた。

「あんたは欲がないんだな」

「女性が甘えて喜んでもらえるのとか解らなくって、ほんと初心者ですいません」

「…無理に考えてやることじゃない。」

「あっ!!」

と、私が言うと



「なんだ?」

「父の遺骨を母が眠ってるお墓に入れたいんです。こんなお願いしていいのかわかりませんが、もしよければ…」

「一緒に行こう」

そしてキスがまた始まった。

緊張して身体が固くなる。

「力抜け、疲れるぞ」

だって、緊張するよ

首筋にキスが降りてきて、それがもうゾクゾクする。

「ん」

首筋をキスしながら手は胸を触ってる。

身体がモゾモゾとする。

お構いなし、胸を触って服の中に手を入れる。

「は、恥ずかしくって」

というと答えず少し顔をみてチュッとキスをされて服を脱がされる。

「んー」

「また、声我慢してる?」

うっ

だってこんな声出したこと…

「出してくれた方が興奮するんだよ」

そんなこと言ったって…

いつの間にか全裸になってて、下半身を攻め始めて 

「あー!!いやー」

解らない波に怖さを感じる

不安そうな顔をしていると

「安心しろ!俺がついてる」

そう言って、あの愛しそうな顔になってて

「あーー!」

何度も来る波に身を任せ、斎田さんにしがみつきながら、全身麻痺をおこした。

「はぁ、はぁ…」

朦朧としてる中

「美里香…」

色っぽい声で言いながら私の中に入ってきた。

身体が締まってるのに、そんな…

「あー、んー」

前みたいな痛みはない。

凄い、狭いところに無理やり入れ込んでるような、でも痛みはなかった。

「んんー、さいた…さん」

「な…まえ、呼べ」

「遼一…さん」

「さん…なんかいらない」

「遼一…」

「美里香」

そう言いながら動き出した。

「あー!」

なにこれ?前のときは痛みを耐えてた感じだったのに、今はドクドクして、こういうのを快楽って言うのかな。

「遼一…」

朦朧と呼ぶ私に、食い入るようなキスをしてくれて

「あっ」

もう、喘ぎ声しかでない。

少し動きが止まったなと思ったら

「あっ!!!!」

目を見開いて、おかしくなりそうだった。

一気に入ってきて

「あっ、もう…」

もうダメ。こんなの今まで知らない。

「美里香…」

愛しそうに呼んでくれて、そして私は意識を手放した。


気がついたのは15分後。

目を開けると

「身体大丈夫か?」

「あっ、はい」

抱きしめられ

「このまま寝よう」

斎田さんは私を抱きしめながら目を瞑った。

緊張しつつも疲れもあってか、そのまま目を瞑ったらいつの間にか寝てしまった。


あれ?朝?

あー、そうか。あのまま寝ちゃったんだ。

斎田さんいない。

どこいったんだろ。シャワーかな?

服を着て、寝室を出ると

「あっ」

「シャワーでも浴びてきたら?」

「あっ、はい」

朝食の準備をしていた。

「おい!」

えっ?

急に言われたので振り向いたら



「おはよう」

キスをされておはようの挨拶。



「なに、赤くなってるんだよ!」

「だ、だって…」

甘すぎない?

シャワーを浴びて出てきたら、朝食は出来ていて

「ありがとうございます」

そう言って頂き始めた。

「仕事は何時から?」

「あっ、えーと今日は夕方に打ち合わせがあるけど、それ以外には脚本を書いてます」

仕事用のノートパソコンはすぐにでも作業はできる。

「斎田さんは今日はお仕事は?」

「俺はオフ」

「あ、そうなんですか」

「…」

「?」

何か言いたそうな顔をしてる。

「えっと…」

なに!?

「俺のこと昨日なんて呼んでた?」

「え?」

ま、まさか…

「いや、それは、えーと、あの時はあの時で、今は今ですから」

「全く意味がわからね」

「あっ、あと納骨、いつするか決めといて。なるべく合わせるから」

「はい」

その日は打ち合わせの時間になるまで斎田さんの家で仕事をしていた。

数日後、父の遺骨を持って母が眠ってるお墓に向かった。

「すいません」

車を出してくれた。

「しっかり報告しないとな」

「え?」

「ご両親に」

斎田さんのこと、報告か…、なんかくすぐったいな

車で2時間かかって、母が眠る墓地についた。

納骨をして手を合わせる。

小さいながら、2人は本当に仲がよかった。

私もそういう風にできるかな。

そう思ったら無性に言いたくなった。

「斎田さん…」

「…だから、いつまでそう呼…」

「大好きです!」

見開いた目で私をみる。

だって言いたかったんだもん。

次第に優しい目をして

「両親の前で普通好きとか言う?」

「だって…」

手を繋いでくれて

「2人で進もう」

「…はい」
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