消えた記憶

ここから接点があった

河野さんの恋人は店員だった。

わたしは、あの店によく行くようになって、いつしか色々話すようになったんだ。

そんなとき、河野さんが来店した。

そのときは、二人は知り合いと言っていて、河野さんは仕事先で知ってたので、ここで偶然会ったのにビックリしたんだ。

そして、私は…

そっから河野さんと交流が深くなり付き合いだした。

でも、その時から恋人だったのに何で？

何かがある。何か理由が…

まさかこの店で、大きな手掛かりが見つかるとは、やっぱり関係ないと思ってても来てよかった。



少しずつ考え始めた。

確かに会社で河野さんに会ってる。

よく来社されるので、覚えるようになって、河野さんも覚えてくれてた。

ただ、会釈や本当にちょっとした会話程度で、実際会社ではほとんど話したことがあない。

で、あの店で偶然会いそっから交流が出たんだ。

私達は、付き合いだし結婚も意識してそれで結婚した。


でも…

結婚してしばらくして、何かがあったんだ。

それは、あの恋人がずっと恋人だったのもあって、それで私は記憶を無くした？

なんか、それだけでない気がする。

もう少し何か…


歩きながら考え、家に着いた。



2週間後、凛子から連絡きた

〈河野さんの会社の人と何人かで飲みに行って少し聞いてみたのよ。河野さんのこと。何人かの人が少し大きめな女性と歩いてるの見たことあるとか言ってた〉

間違いない。あの人だ。

〈私も見たよ。凛子と別れた後〉

〈え？そうなの？話かけたの？〉

〈まさか、遠くで見てそれだけだよ〉

〈そっか、同僚の人は声かけたらしいよ。随分前に。奥様ですか？って、そしたらそうだって、答えたらしい〉

やっぱりあの人と一緒になりたかったんだな。河野さんは

〈あっ、あと別にたいしたことじゃないんだけど〉

〈うん〉

〈ちょっと失礼になるかもなんだけど、その同僚の人がね少し前までニューハーフパーにハマってて、その中の誰かに似てたとか言い出して、笑いだしたって話〉

！？

〈ちょっと待てって〉

〈え？〉

〈それって、いつの話？〉

〈いつって？〉

〈そのニューハーフバーに通ってたの〉

〈そこまで聞いてないな〉

そこで、凛子とのメッセージは終った。



もしかして、もしかして…

何か接点が見つかった気がする。

そして、河野さんが怖い理由も解った気がした。

そして、私は…


「お父さん、お母さんお願いがあるの」