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どうして?
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後ろを振り向いたら
何度も夢でみた、類さんがいたけど
でもやっぱり
「夢?」
「…どうだろ?」
類さんはそう言って近づいてきた。
「類さん…?」
「夢ならどうする?」
夢なら…
夢なら…
「夢なら、現実で出来なかったことしてほしい。」
「例えば?」
「…類さんに…愛されたい」
目を大きくして
「…他は?」
「一緒にいたい、キスして、抱きしめてもらって、一緒に寝て、たわいもない話をして、どんな仕事してるかとか、何が趣味なのか、好きなこととか色々お互いのこと話したい。」
類さんは、何も言わなくって
「…夢でも、片思いなんだね。」
私はそう言って類さんに一歩近づく。
触ろうとしたけど、居なくなりそうで怖くって、手を引っ込めた。
「触ったら消えちゃいそう」
消えるのを見たくなくって、なんとなく下がろうとしたとき
「えっ?」
腕を引っ張られて、抱きしめられていた。
「なにしてるんだよ!!」
えっ!?なに?
「どこいってたんだよ!!」
「心配させるな!」
「る、類さん?」
少し身体が離れたと思ったら
な、何!?何してる?
…キス…してる?
触れるだけのキスが離れ、次のキスは情熱的なキスがきて、硬直して思考回路が完璧に止まっていた。
様子に気がついたのか
「梨衣子ちゃん?」
と、私の顔を見た。
「…な、なんで、夢なのにこんな…」
「…梨衣子ちゃん、夢じゃないよ!俺ここにいるよ」
「えっ!?」
夢じゃない?
「う、うそ!そんなことない!夢じゃなければキスなんか私にしない!」
「梨衣子ちゃん!」
「だ、だって類さんには大事な恋人いるし、そんなの現実なわけないよ」
「嘘じゃない!夢じゃないよ!ねぇ、梨衣子ちゃん、約束して!もう絶対俺の前から居なくならないって」
「な、何を言ってるの?」
「俺の奥さんは梨衣子ちゃんだから」
「だって、離婚してる」
「してない!」
「私、名前書いた」
「俺は書いてない!!」
「えっ!?」
「俺は名前書いてないよ!だから離婚してない。」
私の目をみて
「確かに俺には恋人が居た。もうずっと決まった人が居た。このままだと結婚するだろうなっと思ってた。家族ぐるみで尚且仕事の取引先関係で、彼女とは10年一緒にいた。好きだとは思う。でも何ががずっと足りなかった」
「何か?」
「うん」
「それは、親同士が決めたから好きにならないと行けないと思ってるのか、それとも長すぎて気持ちが少し冷めてしまったのかもわからなかった。そんなときに、縁談の話がきた。」
「えっ!?なんで?」
「ずっと取引してたんだが、トラブルがあって付き合いがなくなったんだ。それで縁談話がきた。ずっと付き合ってて気持ち的にも乗り気になれず、勝手にその子と結婚するように言っといて今更だよ!だから反対したんだが…、まぁ半分脅されての結婚となった。その後も彼女とは関係は続いてたよ!梨衣子ちゃんは何度か見てたみたいだけど」
やっぱり、彼女を愛してたんだね。
ズキズキして、心臓が痛い。
「でもね、俺が結婚して、彼女も結婚することになった。俺たちはそれでも会っていた。けど…、お互い気づいたんだ。俺たち好きだし、愛し合ってもいた。でも自分たちのために愛し合ってたか?となると、わからなかった」
「自分たちのため?」
「親同士のために俺たちは愛し合わないと、みんなのために好きにならないと…、俺たちはそうやってずっと恋人としてやってきてた。お互いが結婚して、自分たちの幸せを考えはじめたら、俺たちの恋愛って少し違ったんじゃないかって」
「る、類さん?」
「彼女も見合いだったけど、凄い大事にしてくれて、愛されて幸せだと言ってた。お互いを愛し合うのがこんなに幸せなのか…て、俺はそういうの解らなかった。でも…」
私の髪の毛を触りながら
「よくは解らないけど、一緒にいて安心して落ち着いて、嬉しい顔みると嬉しくって、俺が守りたいと思って、よくこの感情は解らないけど、でもこれが本当の愛なら、梨衣子ちゃんと離れたくない!」
「る、類さん?」
「ねぇ、言って?」
な、なにを?
「私だけ見て!他の人なんか見ないでって」
「そ、そんな…」
「前言ったこと、修正して」
あっ…
『恋人といるの見たくない。せめて私の前では見えない所で会ってください。』
「そ、そんなこと、言えない…」
「なんで?」
「だって、だって私…」
類さんが私のこと?ありえない。信じられないよ
「言って!」
真剣な目で言われて
「…」
だって、そんなこと…
じっと見られる
だって…
…
…
…
「…わたし…だけ、見てほしい…」
「俺は梨衣子ちゃんしか見ない!ごめん、辛い思いさせて。それからはずっと君だけを見てるから、俺から離れないでください。」
「愛してる」
言葉が出ない。
だってそんな…
「七瀬梨衣子さん、俺と生涯一緒に居てください。結婚してください。」
「る、類さん…」
涙でいっぱいで、類さんの顔がみれない。
「これからは、絶対に幸せにするから」
「お願い!!はいって言って!」
不安そうな顔を滲んで見えて
「わ、私なんかで、いいんですか?」
「君しかいないよ」
「…はい」
そう言うと、類さんは強く抱きしめた。
何度も夢でみた、類さんがいたけど
でもやっぱり
「夢?」
「…どうだろ?」
類さんはそう言って近づいてきた。
「類さん…?」
「夢ならどうする?」
夢なら…
夢なら…
「夢なら、現実で出来なかったことしてほしい。」
「例えば?」
「…類さんに…愛されたい」
目を大きくして
「…他は?」
「一緒にいたい、キスして、抱きしめてもらって、一緒に寝て、たわいもない話をして、どんな仕事してるかとか、何が趣味なのか、好きなこととか色々お互いのこと話したい。」
類さんは、何も言わなくって
「…夢でも、片思いなんだね。」
私はそう言って類さんに一歩近づく。
触ろうとしたけど、居なくなりそうで怖くって、手を引っ込めた。
「触ったら消えちゃいそう」
消えるのを見たくなくって、なんとなく下がろうとしたとき
「えっ?」
腕を引っ張られて、抱きしめられていた。
「なにしてるんだよ!!」
えっ!?なに?
「どこいってたんだよ!!」
「心配させるな!」
「る、類さん?」
少し身体が離れたと思ったら
な、何!?何してる?
…キス…してる?
触れるだけのキスが離れ、次のキスは情熱的なキスがきて、硬直して思考回路が完璧に止まっていた。
様子に気がついたのか
「梨衣子ちゃん?」
と、私の顔を見た。
「…な、なんで、夢なのにこんな…」
「…梨衣子ちゃん、夢じゃないよ!俺ここにいるよ」
「えっ!?」
夢じゃない?
「う、うそ!そんなことない!夢じゃなければキスなんか私にしない!」
「梨衣子ちゃん!」
「だ、だって類さんには大事な恋人いるし、そんなの現実なわけないよ」
「嘘じゃない!夢じゃないよ!ねぇ、梨衣子ちゃん、約束して!もう絶対俺の前から居なくならないって」
「な、何を言ってるの?」
「俺の奥さんは梨衣子ちゃんだから」
「だって、離婚してる」
「してない!」
「私、名前書いた」
「俺は書いてない!!」
「えっ!?」
「俺は名前書いてないよ!だから離婚してない。」
私の目をみて
「確かに俺には恋人が居た。もうずっと決まった人が居た。このままだと結婚するだろうなっと思ってた。家族ぐるみで尚且仕事の取引先関係で、彼女とは10年一緒にいた。好きだとは思う。でも何ががずっと足りなかった」
「何か?」
「うん」
「それは、親同士が決めたから好きにならないと行けないと思ってるのか、それとも長すぎて気持ちが少し冷めてしまったのかもわからなかった。そんなときに、縁談の話がきた。」
「えっ!?なんで?」
「ずっと取引してたんだが、トラブルがあって付き合いがなくなったんだ。それで縁談話がきた。ずっと付き合ってて気持ち的にも乗り気になれず、勝手にその子と結婚するように言っといて今更だよ!だから反対したんだが…、まぁ半分脅されての結婚となった。その後も彼女とは関係は続いてたよ!梨衣子ちゃんは何度か見てたみたいだけど」
やっぱり、彼女を愛してたんだね。
ズキズキして、心臓が痛い。
「でもね、俺が結婚して、彼女も結婚することになった。俺たちはそれでも会っていた。けど…、お互い気づいたんだ。俺たち好きだし、愛し合ってもいた。でも自分たちのために愛し合ってたか?となると、わからなかった」
「自分たちのため?」
「親同士のために俺たちは愛し合わないと、みんなのために好きにならないと…、俺たちはそうやってずっと恋人としてやってきてた。お互いが結婚して、自分たちの幸せを考えはじめたら、俺たちの恋愛って少し違ったんじゃないかって」
「る、類さん?」
「彼女も見合いだったけど、凄い大事にしてくれて、愛されて幸せだと言ってた。お互いを愛し合うのがこんなに幸せなのか…て、俺はそういうの解らなかった。でも…」
私の髪の毛を触りながら
「よくは解らないけど、一緒にいて安心して落ち着いて、嬉しい顔みると嬉しくって、俺が守りたいと思って、よくこの感情は解らないけど、でもこれが本当の愛なら、梨衣子ちゃんと離れたくない!」
「る、類さん?」
「ねぇ、言って?」
な、なにを?
「私だけ見て!他の人なんか見ないでって」
「そ、そんな…」
「前言ったこと、修正して」
あっ…
『恋人といるの見たくない。せめて私の前では見えない所で会ってください。』
「そ、そんなこと、言えない…」
「なんで?」
「だって、だって私…」
類さんが私のこと?ありえない。信じられないよ
「言って!」
真剣な目で言われて
「…」
だって、そんなこと…
じっと見られる
だって…
…
…
…
「…わたし…だけ、見てほしい…」
「俺は梨衣子ちゃんしか見ない!ごめん、辛い思いさせて。それからはずっと君だけを見てるから、俺から離れないでください。」
「愛してる」
言葉が出ない。
だってそんな…
「七瀬梨衣子さん、俺と生涯一緒に居てください。結婚してください。」
「る、類さん…」
涙でいっぱいで、類さんの顔がみれない。
「これからは、絶対に幸せにするから」
「お願い!!はいって言って!」
不安そうな顔を滲んで見えて
「わ、私なんかで、いいんですか?」
「君しかいないよ」
「…はい」
そう言うと、類さんは強く抱きしめた。
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