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大きな転機!?
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「奈緒子、なんで?」
病室の入口にいる葉山君を見て奈緒子に言った。
あれほど、葉山君には言うなと約束したのに。
「見てられんよ!加奈がどんどん痩せていって、和真君からしたらあんたしかいないんだよ!あんた過労死でもするつもり!?」
怒鳴るようにいう奈緒子に
「いや、大丈夫だって」
「大丈夫じゃないでしょ!今倒れて大丈夫とか説得力ないじゃん」
そ、そうですね。確かに…
「お久しぶりです」
葉山君が病室に入り、でも私とはかなりの距離があった。
葉山君とは、3年半?4年近く会ってない。
奈緒子から聞いた話だと、当時私と関係あったときは、社長の息子とオープンにはいてなかったが、色々噂も出てしまったことから現在はオープンにして企画部の部長になってるとか聞いてる。
以前よりも大人ぽくなって、なんとなくだけど背も高くなった気がした。
当時はサラサラヘアだった髪型も短めで整ってて、かっこいい!と、二度見したくなるくらいの男性になっていた。
それ以上、言葉が続かない葉山君。
私もなんと返していいのか
「とりあえず、話し合いなさい!私は親友が死ぬのは見たくない!」
そう言って奈緒子は病室を出ていった。
沈黙がすごく長く感じた。何か言わなければ…と思うが何を言えば
「鳥井さんから話は聞きました。聞いたときはビックリした。急に会社辞めて居なくなるとは思わなかったから。なんで言わなかった?子供こと」
「言えるわけないじゃないですか!」
浮気相手の子供なんて、邪魔になるだけだ。
葉山君は、少し目を見開き
「貴方には婚約者もいた。他に彼女もいた。それで私が言えると思います?」
何か言い返したいけど言い返せない顔をしている。
「戸川さん」
初めて名前を呼ばれた。
そして
「俺を戸川さんの夫にしてください。その子の父親にしてください。」
いやちょっと…
「それは、無理でしょう!田上さんとはご結婚したんでしょ?」
前に奈緒子から婚約パーティーがあるとか聞いたことがあったので、既に結婚してると思っていた。
「いや、してないよ!」
「えっ?じゃ、別な方と?」
「結婚はしてない」
てっきり、結婚してるとばかり思ってたのでしばらく返す言葉がなかった。
いや、でもだからって私と?それはありえない。
「もしそうだとしても、私とってのは無理でしょう?」
「なんでてす?無理じゃないです」
お互いがチグハグして敬語だかなんだか、メチャクチャになってる
「葉山君は、ご子息だし私なんかとじゃ」
「そんなことない!!」
急に声が大きくなって、ビクッとした。
「両親にも話してる。だから問題ない」
少し間があって
「名前なんていうんですか?」
「え?」
「子供の名前」
「…和真」
「字はどういう字?」
「平和の和に、真実の真」
「俺の名前が入ってるのか…」
産む直前、名前を考えたとき二度と会えない父親の名前を一文字使おうと思うようになってた。
どんな形であれこの子に出会えたのは葉山君のお陰なんだし
「戸川さん、子供も戸川さんも俺の所にきて!」
「それは、無理ですよ!葉山君はご子息なんだから、しっかりした奥さんを貰わないと」
「俺の嫁さんは俺が決める!」
そう言い切って、見られる。
真剣な顔にビックリした。そして…
ダメだといった場合、和真は取られるじゃないんだろうか?そんな考えがふとよぎった。
仮に裁判なんかしたら私は勝てる見込みはない。
「うちで暮らそう」
何度も言う葉山君に
どうしよう…
これ以上断ったら、和真と一緒に居られないかもしれない。それだけは絶対にいやだ!
和真と離れるくらいなら、葉山君と一緒にいた方がいいのか…
愛のない結婚ってことか?
でも、和真だけは誰にも…
「わかりました。ただし今の仕事は引き継ぎとかもあるし、急に辞めるわけには行かないので時間ください。」
葉山君と暮らすとなると、都心から車で2時間くらいかかるこの街での仕事は辞めるしかない。
「わかったよ」
そう言って、少し笑顔になった気がした。
もう少し休んでたかったけど、和真のお迎えもあるし、そのまま退院手続きして、二人で和真のお迎えに行った。
初めて葉山君が和真を見たとき
「この子が…、マジか?可愛すぎる」
寝てる和真をどう触っていいのか困惑してて、私が和真を抱っこしてるのを見て、触りたくても触れなくで躊躇していた。
アパートに帰り、葉山君は寝てる和真をずっと見ていた。
「かわいいな」
何度もそう言ってほっぺたを触ったり、頭を撫でたり
「お茶でも出すね!うち何もないからほんとごめんね」
「そんなことよりゆっくり休んでよ。今日は朝までここに居させて」
葉山君は、私が布団で寝るまで近くにいて、疲れも出たのかすぐに寝てしまった。
その後、奈緒子と連絡し葉山君と籍を入れることを報告するため電話した。
「ねぇ、加奈。あんた何か勘違いしてない?」
「え?」
「和真君と離れたくないから、葉山と一緒になるって、どうしてそう考えるの?」
「だって、そうならない?」
「葉山のヤツ…、とりあえずもう少ししっかり話し合いなさい!」
奈緒子が何を言いたいのかさっぱり解らないが、葉山君と一緒に住むために、引っ越す準備、仕事を辞める報告、引き継ぎなどで1ヶ月かかった。
病室の入口にいる葉山君を見て奈緒子に言った。
あれほど、葉山君には言うなと約束したのに。
「見てられんよ!加奈がどんどん痩せていって、和真君からしたらあんたしかいないんだよ!あんた過労死でもするつもり!?」
怒鳴るようにいう奈緒子に
「いや、大丈夫だって」
「大丈夫じゃないでしょ!今倒れて大丈夫とか説得力ないじゃん」
そ、そうですね。確かに…
「お久しぶりです」
葉山君が病室に入り、でも私とはかなりの距離があった。
葉山君とは、3年半?4年近く会ってない。
奈緒子から聞いた話だと、当時私と関係あったときは、社長の息子とオープンにはいてなかったが、色々噂も出てしまったことから現在はオープンにして企画部の部長になってるとか聞いてる。
以前よりも大人ぽくなって、なんとなくだけど背も高くなった気がした。
当時はサラサラヘアだった髪型も短めで整ってて、かっこいい!と、二度見したくなるくらいの男性になっていた。
それ以上、言葉が続かない葉山君。
私もなんと返していいのか
「とりあえず、話し合いなさい!私は親友が死ぬのは見たくない!」
そう言って奈緒子は病室を出ていった。
沈黙がすごく長く感じた。何か言わなければ…と思うが何を言えば
「鳥井さんから話は聞きました。聞いたときはビックリした。急に会社辞めて居なくなるとは思わなかったから。なんで言わなかった?子供こと」
「言えるわけないじゃないですか!」
浮気相手の子供なんて、邪魔になるだけだ。
葉山君は、少し目を見開き
「貴方には婚約者もいた。他に彼女もいた。それで私が言えると思います?」
何か言い返したいけど言い返せない顔をしている。
「戸川さん」
初めて名前を呼ばれた。
そして
「俺を戸川さんの夫にしてください。その子の父親にしてください。」
いやちょっと…
「それは、無理でしょう!田上さんとはご結婚したんでしょ?」
前に奈緒子から婚約パーティーがあるとか聞いたことがあったので、既に結婚してると思っていた。
「いや、してないよ!」
「えっ?じゃ、別な方と?」
「結婚はしてない」
てっきり、結婚してるとばかり思ってたのでしばらく返す言葉がなかった。
いや、でもだからって私と?それはありえない。
「もしそうだとしても、私とってのは無理でしょう?」
「なんでてす?無理じゃないです」
お互いがチグハグして敬語だかなんだか、メチャクチャになってる
「葉山君は、ご子息だし私なんかとじゃ」
「そんなことない!!」
急に声が大きくなって、ビクッとした。
「両親にも話してる。だから問題ない」
少し間があって
「名前なんていうんですか?」
「え?」
「子供の名前」
「…和真」
「字はどういう字?」
「平和の和に、真実の真」
「俺の名前が入ってるのか…」
産む直前、名前を考えたとき二度と会えない父親の名前を一文字使おうと思うようになってた。
どんな形であれこの子に出会えたのは葉山君のお陰なんだし
「戸川さん、子供も戸川さんも俺の所にきて!」
「それは、無理ですよ!葉山君はご子息なんだから、しっかりした奥さんを貰わないと」
「俺の嫁さんは俺が決める!」
そう言い切って、見られる。
真剣な顔にビックリした。そして…
ダメだといった場合、和真は取られるじゃないんだろうか?そんな考えがふとよぎった。
仮に裁判なんかしたら私は勝てる見込みはない。
「うちで暮らそう」
何度も言う葉山君に
どうしよう…
これ以上断ったら、和真と一緒に居られないかもしれない。それだけは絶対にいやだ!
和真と離れるくらいなら、葉山君と一緒にいた方がいいのか…
愛のない結婚ってことか?
でも、和真だけは誰にも…
「わかりました。ただし今の仕事は引き継ぎとかもあるし、急に辞めるわけには行かないので時間ください。」
葉山君と暮らすとなると、都心から車で2時間くらいかかるこの街での仕事は辞めるしかない。
「わかったよ」
そう言って、少し笑顔になった気がした。
もう少し休んでたかったけど、和真のお迎えもあるし、そのまま退院手続きして、二人で和真のお迎えに行った。
初めて葉山君が和真を見たとき
「この子が…、マジか?可愛すぎる」
寝てる和真をどう触っていいのか困惑してて、私が和真を抱っこしてるのを見て、触りたくても触れなくで躊躇していた。
アパートに帰り、葉山君は寝てる和真をずっと見ていた。
「かわいいな」
何度もそう言ってほっぺたを触ったり、頭を撫でたり
「お茶でも出すね!うち何もないからほんとごめんね」
「そんなことよりゆっくり休んでよ。今日は朝までここに居させて」
葉山君は、私が布団で寝るまで近くにいて、疲れも出たのかすぐに寝てしまった。
その後、奈緒子と連絡し葉山君と籍を入れることを報告するため電話した。
「ねぇ、加奈。あんた何か勘違いしてない?」
「え?」
「和真君と離れたくないから、葉山と一緒になるって、どうしてそう考えるの?」
「だって、そうならない?」
「葉山のヤツ…、とりあえずもう少ししっかり話し合いなさい!」
奈緒子が何を言いたいのかさっぱり解らないが、葉山君と一緒に住むために、引っ越す準備、仕事を辞める報告、引き継ぎなどで1ヶ月かかった。
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