23 / 23
男前な女 【笹野智子篇】
一緒にいたい
しおりを挟む
あの旅行から1ヶ月、俊二さんから連絡はない。
あのまま終わりなのか
私から旅行誘ったんだし、わかってたとはいえでもやっぱり、実際こうなるとなんともなー
俊二さんの温もりが忘れられない。
理沙は、偽装で結婚した旦那を本気で好きになったことにをやっと認め(随分前からわかってたが)、結局今は惚気話だ。
「それでね、修吾さんが…」
ハートマーク出過ぎだって
確かに見たらかっこよかった。
それに、理沙が和田から暴力振るわれた後の旦那さんのあの顔は最愛の人を守れなかった悔しさと、理沙に対する愛しさがよくわかった。
少し残業して帰ろうとしたとき
「笹野さん」
戸塚君だった。
「空いてます?飲みにいきたいっす」
「この間みたいに泥水にならなければいいよ」
「なんか、最近飲んでなかったら久しぶりだね」
「笹野さんも忙しいそうだったし」
「え?そんなことないけど」
駅前の居酒屋でビールで乾杯からはじまった。
「好きだけど伝えられないのって、俺みたいに浦田さんが結婚して伝えられないのもあるけど、自分で幸せに出来ない不安があって言えない人もいるって知ってます?」
「へ?」
急になんだ?
「笹野さん、何言ってるかわかります?」
「わからん!!理沙のことじゃないの?」
「まじか、遠回しすぎたか」
「だから、なに?」
「俊兄ですよ」
「え?」
戸塚君がビックリしてる。
「笹野さん、俊兄って言ったとたん、顔が乙女になった」
「はぁ?何言ってるの?」
「なるほどねー」
ふふーんと、笑ってる。
「男っぽい人かと思ったら、しっかり女なんですね」
「なによ!それ」
「俊兄、俺が好きになっても俺は日本にいないことも多いから、身は固められないからって言ってます」
あっ、
「俺、はじめ笹野さんのことって知りませんでした。でも、よく恋愛相談で笹野さんに相談する話をしたら動揺してたんで、気づきました。」
私の顔を見て
「俊兄のこと、好きですか?ってか、顔に書いてありますね。もう」
言葉がでない。
「確かに仕事柄、日本にいるのも不定期です。でももしその覚悟あるなら、俊兄のことお願いできませんか?」
「戸塚君、私、俊二さんに会いたい」
「はい」
戸塚君は笑顔で返事した。
ピンポーン
「おせーよ、来るの!急になんだよ、用ってさ、お前明日仕事…」
と言って、ドアが開いた。
「え?」
俊二さんはビックリしてる。
ここは、俊二さんのマンション。
戸塚君がこれから用があるから行くと俊二さんに電話して、それでここに私がいる。
「あ、あの、ごめ、雅也かと思って」
「いえ、その戸塚君の代わりにきました。」
「あっ」
やられた!って顔にしてる。
「あの、お邪魔していいですか?」
「あ、汚いですけど」
と言って、入れてくれた。
落ち着く間もなく
「私、俊二さんが好きです」
ビックリした顔してる。
「私、俊二さんの側にいたいと言ったら迷惑ですか?」
「で、でも俺はまた週末から2週間ヨーロッパに行きます。そのあとも予定あって」
「日本で貴方を待ってるの駄目ですか?」
「…智子」
ギュッと抱きしめられた。
「寂しい思いさせちゃうし、辛いかもしれないよ。それでもいいの?」
「私のところに帰ってきてくれるなら、それでいい」
あ、俊二さんのキスだ。
情熱的で、優しくって、ドキドキする。
このキスが好き。
「智子、愛してるよ」
あのまま終わりなのか
私から旅行誘ったんだし、わかってたとはいえでもやっぱり、実際こうなるとなんともなー
俊二さんの温もりが忘れられない。
理沙は、偽装で結婚した旦那を本気で好きになったことにをやっと認め(随分前からわかってたが)、結局今は惚気話だ。
「それでね、修吾さんが…」
ハートマーク出過ぎだって
確かに見たらかっこよかった。
それに、理沙が和田から暴力振るわれた後の旦那さんのあの顔は最愛の人を守れなかった悔しさと、理沙に対する愛しさがよくわかった。
少し残業して帰ろうとしたとき
「笹野さん」
戸塚君だった。
「空いてます?飲みにいきたいっす」
「この間みたいに泥水にならなければいいよ」
「なんか、最近飲んでなかったら久しぶりだね」
「笹野さんも忙しいそうだったし」
「え?そんなことないけど」
駅前の居酒屋でビールで乾杯からはじまった。
「好きだけど伝えられないのって、俺みたいに浦田さんが結婚して伝えられないのもあるけど、自分で幸せに出来ない不安があって言えない人もいるって知ってます?」
「へ?」
急になんだ?
「笹野さん、何言ってるかわかります?」
「わからん!!理沙のことじゃないの?」
「まじか、遠回しすぎたか」
「だから、なに?」
「俊兄ですよ」
「え?」
戸塚君がビックリしてる。
「笹野さん、俊兄って言ったとたん、顔が乙女になった」
「はぁ?何言ってるの?」
「なるほどねー」
ふふーんと、笑ってる。
「男っぽい人かと思ったら、しっかり女なんですね」
「なによ!それ」
「俊兄、俺が好きになっても俺は日本にいないことも多いから、身は固められないからって言ってます」
あっ、
「俺、はじめ笹野さんのことって知りませんでした。でも、よく恋愛相談で笹野さんに相談する話をしたら動揺してたんで、気づきました。」
私の顔を見て
「俊兄のこと、好きですか?ってか、顔に書いてありますね。もう」
言葉がでない。
「確かに仕事柄、日本にいるのも不定期です。でももしその覚悟あるなら、俊兄のことお願いできませんか?」
「戸塚君、私、俊二さんに会いたい」
「はい」
戸塚君は笑顔で返事した。
ピンポーン
「おせーよ、来るの!急になんだよ、用ってさ、お前明日仕事…」
と言って、ドアが開いた。
「え?」
俊二さんはビックリしてる。
ここは、俊二さんのマンション。
戸塚君がこれから用があるから行くと俊二さんに電話して、それでここに私がいる。
「あ、あの、ごめ、雅也かと思って」
「いえ、その戸塚君の代わりにきました。」
「あっ」
やられた!って顔にしてる。
「あの、お邪魔していいですか?」
「あ、汚いですけど」
と言って、入れてくれた。
落ち着く間もなく
「私、俊二さんが好きです」
ビックリした顔してる。
「私、俊二さんの側にいたいと言ったら迷惑ですか?」
「で、でも俺はまた週末から2週間ヨーロッパに行きます。そのあとも予定あって」
「日本で貴方を待ってるの駄目ですか?」
「…智子」
ギュッと抱きしめられた。
「寂しい思いさせちゃうし、辛いかもしれないよ。それでもいいの?」
「私のところに帰ってきてくれるなら、それでいい」
あ、俊二さんのキスだ。
情熱的で、優しくって、ドキドキする。
このキスが好き。
「智子、愛してるよ」
32
お気に入りに追加
91
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完】あなたから、目が離せない。
ツチノカヲリ
恋愛
入社して3年目、デザイン設計会社で膨大な仕事に追われる金目杏里(かなめあんり)は今日も徹夜で図面を引いていた。共に徹夜で仕事をしていた現場監理の松山一成(まつやまひとなり)は、12歳年上の頼れる男性。直属の上司ではないが金目の入社当時からとても世話になっている。お互い「人として」の好感は持っているものの、あくまで普通の会社の仲間、という間柄だった。ところがある夏、金目の30歳の誕生日をきっかけに、だんだんと二人の距離が縮まってきて、、、。
・全18話、エピソードによってヒーローとヒロインの視点で書かれています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
大人な軍人の許嫁に、抱き上げられています
真風月花
恋愛
大正浪漫の恋物語。婚約者に子ども扱いされてしまうわたしは、大人びた格好で彼との逢引きに出かけました。今日こそは、手を繋ぐのだと固い決意を胸に。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
友達の肩書き
菅井群青
恋愛
琢磨は友達の彼女や元カノや友達の好きな人には絶対に手を出さないと公言している。
私は……どんなに強く思っても友達だ。私はこの位置から動けない。
どうして、こんなにも好きなのに……恋愛のスタートラインに立てないの……。
「よかった、千紘が友達で本当に良かった──」
近くにいるはずなのに遠い背中を見つめることしか出来ない……。そんな二人の関係が変わる出来事が起こる。
【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜
四片霞彩
恋愛
「貴女の残りの命を私に下さい。貴女の命を有益に使います」
度重なる上司からのパワーハラスメントに耐え切れなくなった日向小春(ひなたこはる)が橋の上から身投げしようとした時、止めてくれたのは弁護士の若佐楓(わかさかえで)だった。
事情を知った楓に会社を訴えるように勧められるが、裁判費用が無い事を理由に小春は裁判を断り、再び身を投げようとする。
しかし追いかけてきた楓に再度止められると、裁判を無償で引き受ける条件として、契約結婚を提案されたのだった。
楓は所属している事務所の所長から、孫娘との結婚を勧められて困っており、 それを断る為にも、一時的に結婚してくれる相手が必要であった。
その代わり、もし小春が相手役を引き受けてくれるなら、裁判に必要な費用を貰わずに、無償で引き受けるとも。
ただ死ぬくらいなら、最後くらい、誰かの役に立ってから死のうと考えた小春は、楓と契約結婚をする事になったのだった。
その後、楓の結婚は回避するが、小春が会社を訴えた裁判は敗訴し、退職を余儀なくされた。
敗訴した事をきっかけに、裁判を引き受けてくれた楓との仲がすれ違うようになり、やがて国際弁護士になる為、楓は一人でニューヨークに旅立ったのだった。
それから、3年が経ったある日。
日本にいた小春の元に、突然楓から離婚届が送られてくる。
「私は若佐先生の事を何も知らない」
このまま離婚していいのか悩んだ小春は、荷物をまとめると、ニューヨーク行きの飛行機に乗る。
目的を果たした後も、契約結婚を解消しなかった楓の真意を知る為にもーー。
❄︎
※他サイトにも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
Perverse
伊吹美香
恋愛
『高嶺の花』なんて立派なものじゃない
ただ一人の女として愛してほしいだけなの…
あなたはゆっくりと私の心に浸食してくる
触れ合う身体は熱いのに
あなたの心がわからない…
あなたは私に何を求めてるの?
私の気持ちはあなたに届いているの?
周りからは高嶺の花と呼ばれ本当の自分を出し切れずに悩んでいる女
三崎結菜
×
口も態度も悪いが営業成績No.1で結菜を振り回す冷たい同期男
柴垣義人
大人オフィスラブ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる