偽装夫婦

詩織

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その後

出産

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仕事は妊娠8ヶ月目までして退職した。

もう少しで、我が子に会える。

性別は楽しみにしたいから聞かないようにしてた。

つわりは酷くなかったが、精神的に不安定になることが多かった。

修吾さんはその度に抱きしてくれた。


あ、きたぁー痛い、

「吉井さん、そろそろ分娩室いきましょう」

「はい」

「理沙」

「うん、行ってるね」

そう言って、分娩室に入った。

痛い!ってか、これ死ぬんじゃない?

死ぬでしょう、これ。

苦しい、死ぬ

「力んで」

無理っす!

そんなのできない。

「痛いー!」

叫んだ

「そそ、力んでー」

死ぬよー!

「うう、無理」

「頑張って」

「息すって、吐こう」

「そそ、上手い」






「おめでとうございます」

「女の子です」 

意識の遠のく中、そう聞こえた。

ちらっと見ることが出来き、そして意識がなくなった。

「理沙」

修吾さんの声が聞こえる

そう思って目を開ける。

「理沙、ありがとう」

思いっきり涙目になってた。

「修吾さん」

「可愛いな」

「私まだしっかり見てない」

「後で十分見れるよ」

「そうだね」

と言って、なんか疲れてしまって少し寝てしまった。

その日の夕方、うちの両親とが来た。




翌日の午前中に、修吾さんのご両親がきた。

そして夕方、少し遅めにの時間帯に

「おす!」

智子がきた

「お疲れー!」

「いやー、世の中の出産さた女性尊敬するわ!」

「ハハハ」

「智子?」

「え?」

「おかしい」

「は?」

「智子あんた、恋する乙女になってる」

「へ?」

智子、雰囲気変わった。そして奇麗になってる。女らしくなったというか、こういうのが恋する乙女なのか。

「何言ってるよ?」

と、誤魔化そうとして笑うが

「あとで、きっちり聞かせて貰うからね」

びくっとしてる。


「こんにちは!」

修吾さんも仕事が終わってそのまま直行してくれた。

私が退院予定の翌日から4日は休みを取ってくれてた。

「おめでとうございます」

と、智子は修吾さんに言った。

「ありがとうございます」

「じゃ、また来るね!あっ、まだ赤ちゃん見てなかった」

「あ、案内しますよ」

そう言って、修吾さんが智子を連れて案内しにいった。

少しして修吾さんが戻ってきた。

「笹野さん、病院の入り口のところに恋人待たせてたね、挨拶したよ」

「え?そうなの?」

なんだよー、見てみたかったわ

「どんな人だった?」

「うーん、じっとは見てないからわからないな」

「そっかぁ」

全く聞いてないんだけど、明日にでも聞いてみるか



未瑠みるって、どお?」

スマホで変換して、私に見せた。

私も名前色々考えたけど、なかなか決まらずだった。

「未瑠…」

うん。いいと思う。

頷いた。そして

「理沙も未瑠も俺の宝物だ」

そう言ってキスをする




翌日、智子に連絡し付き合ってる人がいることを白状させた。

今度ゆっくりその辺話聞こうと思う。




出産から5日後、退院をした。

「未瑠、ここが家だよ!」

まだ2~3回しか抱っこしたことない修吾さん

今もオドオドしながら抱っこしてる。

「修吾さん、ありがとう」

「え?何?」

「言いたくなっただけ」

修吾さんに会わなければ、今どうなったんだろ?結婚してなかったと思うし、その前に恋愛も嫌になってたと思う。

貴方に会えて本当によかった。


出会ってくれて、ありがとう

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