偽装夫婦

詩織

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認めざるしかない

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なんか、身体が怠いと思って目が覚めた。

あれ?ここは?

私の部屋でない!

そして横に吉村さんが寝てる。

ここは吉村さんの部屋?

実は吉村さんの部屋はドアを開けたときに少し見える程度で、入ったことがなかった。

私は裸で彼も裸だ。

えっと、昨日...


急に思い出して、顔が真っ赤になる。

私えっと、やってしまったんだ!

やばい!どうしよう。こんなイケメンとやってしまった。

私はその辺に散乱してる衣服を取り、そっとベットから出た。

部屋に出てから衣服を着て、ってかシャワー浴びてなかった。

そのまま浴室に直行して出て時間を見たら、朝食作らないといけない時間だった

今日はパン食にして、スクランブルエッグにして準備する。

「おはよう」

そう言って、スーツに着替えてる吉村さん。

ダメだ、顔が見れない。どうしよう。

「お、おはようございます」

2人とも籠った感じで挨拶した。

「理沙」

「はい」

「今日も材料買って帰ってくるから」

「あ、すいません。」

心臓がバクバクいってる。どうしよう。

「理沙」

「は、はい」

「ミルクこぼしてる」

「ひっ!」

珈琲の中にミルク入れようとしたら、こぼしてた。

やばい、ダメだ!

「じゃ行ってくる」

「いってらっしゃい」

「理沙」

そう言って、軽くキスをした。

「行ってきます」

思考回路回らくなるからやめて!

もう心の中で叫んでしまった。


吉村さんのこと、好きになってしまったこと認めるしかなかった。




きっと、前からは好きだったんだと思う。

こういう結婚なんで、認めたくなかったのかもしれない。

吉村さんは、私のこと好きでいいのかな?


どうしよう。好きと認めたら急に吉村さんに会いたくってたまらなくなる。

これは、もう完璧な病気だ。



そしてその日の夜、帰ってくるのが近くなると、ドキドキとソワソワが交互で心臓は破裂しそう。

「ただいま」

きたぁーーー!

普通に、普通に。

「おかえりなさい」

「今日は、簡単に冷凍餃子と、ハンバーグと、サラダにした」

「ありがとうございます。すぐ作ります」

そう言って、準備にかかる。

ダメだ顔、まともに見れない。

自分の部屋に入って

「えっ」

って声がした。

「あ、すいません。勝手に入ってしまって。ベットのシーツだけ取り換えさせて頂きました」

言ってて恥ずかしくなる。昨日の出来事がぁ!!

「いや、いいよ。ありがとう」

そう言って、吉村さんも口に手を置いてた。

少しは思い出したんだがで、恥ずかしい感じに見えた。

私も言ってて恥ずかしい。

とりあえず、夕飯の支度だ。


夕飯の準備ができ、2人で今日も食べる。

テレビもついてるが、今日はなんかお互いにたどたどしい。


ど、ど、どうしよう。何か話したほうがいいいよね?

「あ、腫れも引いたんで、明日からは買い物行けます。色々助かりました」

「ああ、そっか。じゃあよかった」


あと拓海の件を話した。

本当は私も被害届をと思ったんだが、会社の上層部がやめてほしいとお願いされた。

拓海はすぐに北海豪に左遷されるようだ。

今後私に近づいたら解雇をし、慰謝料等請求しますと。

二度と私に近づかないと弁護士の前で一筆かかせて、それを私にメールで届けてくれた。

これで今回は被害届を出さないでほしいと。


少し考えたが、会社がそこまでしてるのであれば、事を大きくしても仕方ないので、受け入れることにした。

「そっか、もし被害届をだしてもすぐ出ると思うしな、会社がそこまでして、理沙がそででいいと思うなら俺はそれで構わないよ」

と言ってくれた。

お互い、別々でお風呂に入り

「お願いがあるんだ」

って言われた。

「何もしないから、今日は理沙を抱きしめて寝たい」

もう心臓100個あっても足りないです。

そんなイケメンでな顔で言われたら、誰がダメって言えるの?

私は縦に首を振り、今日も吉村さんのベットで一緒に寝た。
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