偽装夫婦

詩織

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幸せそうに演じる

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会社に出勤し

浦田うらたさん、おはようございます。今日も幸せそうですね」

仕事先では旧姓の浦田で仕事している。

「そお?」

とニコニコして返事する。

結婚式はしてないが、写真用だけ撮ってそれを同僚の人に見せてた。

「あんなかっこいい旦那様、どうやってゲットしたんだが詳しく教えてほしい」

「ふふふ」

と笑って返す。

智子は本当のこと知ってるから呆れられてるけどね。

「愛しの旦那様は、どお?」

「何喧嘩売ってる?」

智子には嫌味以外他ない。

「まぁ本人達がいいならいいけどね」



最近は、和田拓海、三上京香もあまり気にならなくなった。

寝取られるレベルならその程度だったのよ!っと智子に言われた。

確かに、誘惑に負けて行くようなら、結婚したとして同じことがあったら浮気とかしてたかもしれない。

吉村さんは女に懲りてるから、そういうのもなさそうだし、もし仮に彼女がいてもこっちは恋愛感情ないから別に気にはならないけど。




「えっと?」

「いや、だから部長宅でホームパーティーに誘われて」

「お断りできなかったんですか?」

夕飯を食べ、自分の部屋に戻ろうとしたとき、吉村さんが帰宅して話があると言われた。

「実は今までも何度も断ってたんだが、今日は奥さんの都合に合わせると言われてね」

まじっすか

「悪いんですが、お付き合いお願いできないですかね?」

面倒くさいっとは思うが、戸籍上は奥さんだしな。

「あと、部長の奥さんはかなり突っ込んだことを聞く方なので」

「わかりました。後で打ち合わせしますか。今みたいに事務的に話す間柄だと部長さんも怪しみますし」

っと、言うことで吉村さんが夕飯を終えた後に、2人で夫婦を演じる打ち合わせが始まった。



「気になったことあったら、言ってください」

「まずは名前でしょうか。お互い名字で言ってますからね」

「じゃ私は修吾さんと言うようにします」

「じゃ、俺は理沙にします」

「あとは、敬語とかも」

「ああ、そうですね」

「今から気をつけますか」

「ですね、さらっと出ちゃってもあれなんで」

「わかりました」

「「…」」

そう言ってるのに、お互い敬語なのに驚いてる

「では」

と、言って

「理沙」

「修吾さん」


名前はこれでよし。あとは

「どこで出会ったとかそういうことも聞かれるよ」

急に敬語でなくなったので少し驚いてるが、今から練習しとかないとな

「お見合いでいいんじゃないかな。実際そうだし」

「そうだな」

「あと、もしかしたら例の取り巻きが2人くるかもしれない。同じ部署なんだ」

「それは、1番厄介」

「だな、まぁ何もないと思うが何かあっまら言って」

「わかった」

食卓でお互い向かい合いながら話してるが、私はお互いの手を見た。

「シンプルだから気づかないと思ってたけど、こうやって見ると結構デザイン違うのね」

「あ」

修吾さんも気づいたようだ。

結婚指輪は、お互い適当にシンプルなの買っとこと言ってことで、シンプルなデザインリングを買っていた。

「合わせたほうがいいね」

「週末にでも買いに行ったほうがいいかしら?」

「そうだな」

「あとは…」


と、話が尽きない、

その後1時間半くらい念入りな打ち合わせをした。

結婚して2ヶ月だけど、ここまで話したことは今までなかった。
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