偽装夫婦

詩織

文字の大きさ
上 下
2 / 23

幸せそうに演じる

しおりを挟む
会社に出勤し

浦田うらたさん、おはようございます。今日も幸せそうですね」

仕事先では旧姓の浦田で仕事している。

「そお?」

とニコニコして返事する。

結婚式はしてないが、写真用だけ撮ってそれを同僚の人に見せてた。

「あんなかっこいい旦那様、どうやってゲットしたんだが詳しく教えてほしい」

「ふふふ」

と笑って返す。

智子は本当のこと知ってるから呆れられてるけどね。

「愛しの旦那様は、どお?」

「何喧嘩売ってる?」

智子には嫌味以外他ない。

「まぁ本人達がいいならいいけどね」



最近は、和田拓海、三上京香もあまり気にならなくなった。

寝取られるレベルならその程度だったのよ!っと智子に言われた。

確かに、誘惑に負けて行くようなら、結婚したとして同じことがあったら浮気とかしてたかもしれない。

吉村さんは女に懲りてるから、そういうのもなさそうだし、もし仮に彼女がいてもこっちは恋愛感情ないから別に気にはならないけど。




「えっと?」

「いや、だから部長宅でホームパーティーに誘われて」

「お断りできなかったんですか?」

夕飯を食べ、自分の部屋に戻ろうとしたとき、吉村さんが帰宅して話があると言われた。

「実は今までも何度も断ってたんだが、今日は奥さんの都合に合わせると言われてね」

まじっすか

「悪いんですが、お付き合いお願いできないですかね?」

面倒くさいっとは思うが、戸籍上は奥さんだしな。

「あと、部長の奥さんはかなり突っ込んだことを聞く方なので」

「わかりました。後で打ち合わせしますか。今みたいに事務的に話す間柄だと部長さんも怪しみますし」

っと、言うことで吉村さんが夕飯を終えた後に、2人で夫婦を演じる打ち合わせが始まった。



「気になったことあったら、言ってください」

「まずは名前でしょうか。お互い名字で言ってますからね」

「じゃ私は修吾さんと言うようにします」

「じゃ、俺は理沙にします」

「あとは、敬語とかも」

「ああ、そうですね」

「今から気をつけますか」

「ですね、さらっと出ちゃってもあれなんで」

「わかりました」

「「…」」

そう言ってるのに、お互い敬語なのに驚いてる

「では」

と、言って

「理沙」

「修吾さん」


名前はこれでよし。あとは

「どこで出会ったとかそういうことも聞かれるよ」

急に敬語でなくなったので少し驚いてるが、今から練習しとかないとな

「お見合いでいいんじゃないかな。実際そうだし」

「そうだな」

「あと、もしかしたら例の取り巻きが2人くるかもしれない。同じ部署なんだ」

「それは、1番厄介」

「だな、まぁ何もないと思うが何かあっまら言って」

「わかった」

食卓でお互い向かい合いながら話してるが、私はお互いの手を見た。

「シンプルだから気づかないと思ってたけど、こうやって見ると結構デザイン違うのね」

「あ」

修吾さんも気づいたようだ。

結婚指輪は、お互い適当にシンプルなの買っとこと言ってことで、シンプルなデザインリングを買っていた。

「合わせたほうがいいね」

「週末にでも買いに行ったほうがいいかしら?」

「そうだな」

「あとは…」


と、話が尽きない、

その後1時間半くらい念入りな打ち合わせをした。

結婚して2ヶ月だけど、ここまで話したことは今までなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完】あなたから、目が離せない。

ツチノカヲリ
恋愛
入社して3年目、デザイン設計会社で膨大な仕事に追われる金目杏里(かなめあんり)は今日も徹夜で図面を引いていた。共に徹夜で仕事をしていた現場監理の松山一成(まつやまひとなり)は、12歳年上の頼れる男性。直属の上司ではないが金目の入社当時からとても世話になっている。お互い「人として」の好感は持っているものの、あくまで普通の会社の仲間、という間柄だった。ところがある夏、金目の30歳の誕生日をきっかけに、だんだんと二人の距離が縮まってきて、、、。 ・全18話、エピソードによってヒーローとヒロインの視点で書かれています。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ

しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話

大人な軍人の許嫁に、抱き上げられています

真風月花
恋愛
大正浪漫の恋物語。婚約者に子ども扱いされてしまうわたしは、大人びた格好で彼との逢引きに出かけました。今日こそは、手を繋ぐのだと固い決意を胸に。

友達の肩書き

菅井群青
恋愛
琢磨は友達の彼女や元カノや友達の好きな人には絶対に手を出さないと公言している。 私は……どんなに強く思っても友達だ。私はこの位置から動けない。 どうして、こんなにも好きなのに……恋愛のスタートラインに立てないの……。 「よかった、千紘が友達で本当に良かった──」 近くにいるはずなのに遠い背中を見つめることしか出来ない……。そんな二人の関係が変わる出来事が起こる。

【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜

四片霞彩
恋愛
「貴女の残りの命を私に下さい。貴女の命を有益に使います」 度重なる上司からのパワーハラスメントに耐え切れなくなった日向小春(ひなたこはる)が橋の上から身投げしようとした時、止めてくれたのは弁護士の若佐楓(わかさかえで)だった。 事情を知った楓に会社を訴えるように勧められるが、裁判費用が無い事を理由に小春は裁判を断り、再び身を投げようとする。 しかし追いかけてきた楓に再度止められると、裁判を無償で引き受ける条件として、契約結婚を提案されたのだった。 楓は所属している事務所の所長から、孫娘との結婚を勧められて困っており、 それを断る為にも、一時的に結婚してくれる相手が必要であった。 その代わり、もし小春が相手役を引き受けてくれるなら、裁判に必要な費用を貰わずに、無償で引き受けるとも。 ただ死ぬくらいなら、最後くらい、誰かの役に立ってから死のうと考えた小春は、楓と契約結婚をする事になったのだった。 その後、楓の結婚は回避するが、小春が会社を訴えた裁判は敗訴し、退職を余儀なくされた。 敗訴した事をきっかけに、裁判を引き受けてくれた楓との仲がすれ違うようになり、やがて国際弁護士になる為、楓は一人でニューヨークに旅立ったのだった。 それから、3年が経ったある日。 日本にいた小春の元に、突然楓から離婚届が送られてくる。 「私は若佐先生の事を何も知らない」 このまま離婚していいのか悩んだ小春は、荷物をまとめると、ニューヨーク行きの飛行機に乗る。 目的を果たした後も、契約結婚を解消しなかった楓の真意を知る為にもーー。 ❄︎ ※他サイトにも掲載しています。

旦那様の愛が重い

おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。 毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。 他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。 甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。 本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。

ファミリー

詩織
恋愛
私に家族が一人できた。 私が彼を育て守る! 毎日大変だけど、一人でいるよりも生き甲斐を感じてる。

Perverse

伊吹美香
恋愛
『高嶺の花』なんて立派なものじゃない ただ一人の女として愛してほしいだけなの… あなたはゆっくりと私の心に浸食してくる 触れ合う身体は熱いのに あなたの心がわからない… あなたは私に何を求めてるの? 私の気持ちはあなたに届いているの? 周りからは高嶺の花と呼ばれ本当の自分を出し切れずに悩んでいる女 三崎結菜 × 口も態度も悪いが営業成績No.1で結菜を振り回す冷たい同期男 柴垣義人 大人オフィスラブ

処理中です...