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早朝サプライズ・奇跡の福引き(全2話)
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【早朝サプライズ】~Life's~
カヤサは早朝、普段からよく利用している駅へと向かっていた。
今日は厚史と出掛ける予定で、駅で落ち合うことになっていた。
時間より前に着いたのだが、駅のホームには珍しく厚史の姿があった。
いつもなら時間ギリギリに飛び込んでくる彼が、今日はかなり余裕が持てている様子だ。
カヤサは改札を通ると、彼に気付かれないようそっと忍び寄る。
携帯の画面から目を話さない厚史は、こちらに全く気付いていないようで。
大体3m程まで近付くと、カヤサは大きく息を吸い...。
カヤサ「おはよーございます!!」
辺り周辺に響き渡るくらいの声量で、朝の挨拶をかました。
厚史は驚きのあまり、持っていた携帯を落としそうになる。
それをなんとかキャッチしようとするが、その衝動で椅子から滑り落ちてしまった。
厚史「びっくりしたわ!!しかもいてぇし!」
腰辺りを抑えながら、そう言って立ち上がる厚史。
そんな彼にカヤサはゲラゲラと笑いながら歩み寄る。
カヤサ「そんな驚かんくてもよくね?」
厚史「いや、あんなの驚かん方がおかしいだろ!」
そんな愉快な始まり方をした今日この頃でした。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【奇跡の福引き】~電脳戦士の理~
茉愛はリーテと2人で、商店街へと来ていた。
久々にあのコロッケを食べに来たのだが、商店街はいつもより賑わっていた。
茉愛「なんだか今日はいっぱいいるね!」
リーテ「そうだね、なにかイベントでもやっているのかな。」
なんて会話をしていると、商店街の中央にはなにやら人集りができているのが見えてくる。
どうやら福引きが行われているようで、この商店街で500円の買い物をすると、1回できるという仕組みのようだった。
まさに今、イベントの真っ只中であったのだ。
茉愛「500円かぁ...コロッケ10個買わないとね!」
なんてことを口にする茉愛に、リーテは「そんなに誰が食べるのかな」と苦笑いを浮かべた。
ここでリーテは、ふとなにかを思い出した。
そういえば、読みたい本があったんだ。
もしそれがこの商店街に売っていたら、3回は回せるんじゃないかな。
そう思い立ったリーテは前方に見える本屋を指差す。
リーテ「ちょっと寄ってもいい?」
彼の問い掛けに、茉愛は「うん!」と頷くと、本屋へと赴いた。
リーテが読みたいと言っていた本は無事見つかり、それを買ったことで福引券が3枚貰えた。
リーテ「じゃあ、はいこれ。茉愛ちゃん、回してごらん。」
そう言って福引券を渡すと、茉愛は「いいの!?ありがと~!」と目を輝かせて喜んだ。
本屋を出ると早速会場へと向かい、福引券を3枚渡す。
最初に出たのは一番数の多い5等の白い玉で、景品はポケットティッシュだった。
茉愛「大丈夫、まだ2回できる...。」
謎の緊張が込み上げ来て、柄を握り直す。
続いて出たのは3等の黄色の玉で、4等だった緑の玉よりも少ないものだった。
当たりのベルが鳴ると、茉愛は景品である1,000円分のお買い物券を貰うことができた。
リーテ「お~、すごいね!」
隣でそう褒めるリーテに、茉愛は「えへへ!やるでしょ私!」と得意げになっていた。
腰に手を当てて笑みを浮かべる、楽しそうな茉愛。
そんな彼女に小さく拍手を送るリーテは、ある知識を披露する。
リーテ「そういえばこれ、反対側に回せば中身混ざるんだよ。」
それを聞いた茉愛は「そうなんだ!じゃあちょっと混ぜちゃお~!」と言って、颯爽と反対側に回す。
茉愛「まあ、お買い物券当たったし、収穫は十分だよね~!」
なんて明るく言いながら再び回す茉愛。
直後にカランと音がしてコロコロと転がってきたのは、赤色の玉だった。
リーテ「え?」
茉愛「あれ、これって...。」
そう呟きながら2人は顔を見合わせると、さっきよりも大きな音でベルが鳴った。
店主の力強い「大当たり~!」という声を聞くと、茉愛とリーテは顔を上げて景品がなにかを確認する。
一覧を見るとその赤い玉は1等で、景品はまさかの温泉旅行だった。
茉愛「え~!?嘘でしょ!?」
リーテ「そんなまさか、信じられないね!」
驚く2人に、店主は「いや~お嬢ちゃん達持ってるなぁ!はいこれ、旅行券!」と言って、封筒に入った旅行券を渡してくれた。
茉愛「やった~!ありがと~!」
そうお礼を言うと、店主は続けて「その旅行券、ペアチケットだから2人で行ってきたらどうだい?」と耳打ちをする。
茉愛は「そうなの!?だって、リーテ君!一緒に行こうよ!」とリーテを誘うと、彼は「僕でいいの?」と尋ね返す。
茉愛「リーテ君がいいの!」
そんな彼に強く推すと、リーテは微笑みを浮かべて「ありがとう、それじゃあ今度行こうね。」と言った。
茉愛は「やった!約束ね!」と言って、小指を差し出す。
リーテも小指を出すと、茉愛は小指を絡め合い指切りをする。
2人は歩き出すと、商店街の奥へと向かって行った。
カヤサは早朝、普段からよく利用している駅へと向かっていた。
今日は厚史と出掛ける予定で、駅で落ち合うことになっていた。
時間より前に着いたのだが、駅のホームには珍しく厚史の姿があった。
いつもなら時間ギリギリに飛び込んでくる彼が、今日はかなり余裕が持てている様子だ。
カヤサは改札を通ると、彼に気付かれないようそっと忍び寄る。
携帯の画面から目を話さない厚史は、こちらに全く気付いていないようで。
大体3m程まで近付くと、カヤサは大きく息を吸い...。
カヤサ「おはよーございます!!」
辺り周辺に響き渡るくらいの声量で、朝の挨拶をかました。
厚史は驚きのあまり、持っていた携帯を落としそうになる。
それをなんとかキャッチしようとするが、その衝動で椅子から滑り落ちてしまった。
厚史「びっくりしたわ!!しかもいてぇし!」
腰辺りを抑えながら、そう言って立ち上がる厚史。
そんな彼にカヤサはゲラゲラと笑いながら歩み寄る。
カヤサ「そんな驚かんくてもよくね?」
厚史「いや、あんなの驚かん方がおかしいだろ!」
そんな愉快な始まり方をした今日この頃でした。
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【奇跡の福引き】~電脳戦士の理~
茉愛はリーテと2人で、商店街へと来ていた。
久々にあのコロッケを食べに来たのだが、商店街はいつもより賑わっていた。
茉愛「なんだか今日はいっぱいいるね!」
リーテ「そうだね、なにかイベントでもやっているのかな。」
なんて会話をしていると、商店街の中央にはなにやら人集りができているのが見えてくる。
どうやら福引きが行われているようで、この商店街で500円の買い物をすると、1回できるという仕組みのようだった。
まさに今、イベントの真っ只中であったのだ。
茉愛「500円かぁ...コロッケ10個買わないとね!」
なんてことを口にする茉愛に、リーテは「そんなに誰が食べるのかな」と苦笑いを浮かべた。
ここでリーテは、ふとなにかを思い出した。
そういえば、読みたい本があったんだ。
もしそれがこの商店街に売っていたら、3回は回せるんじゃないかな。
そう思い立ったリーテは前方に見える本屋を指差す。
リーテ「ちょっと寄ってもいい?」
彼の問い掛けに、茉愛は「うん!」と頷くと、本屋へと赴いた。
リーテが読みたいと言っていた本は無事見つかり、それを買ったことで福引券が3枚貰えた。
リーテ「じゃあ、はいこれ。茉愛ちゃん、回してごらん。」
そう言って福引券を渡すと、茉愛は「いいの!?ありがと~!」と目を輝かせて喜んだ。
本屋を出ると早速会場へと向かい、福引券を3枚渡す。
最初に出たのは一番数の多い5等の白い玉で、景品はポケットティッシュだった。
茉愛「大丈夫、まだ2回できる...。」
謎の緊張が込み上げ来て、柄を握り直す。
続いて出たのは3等の黄色の玉で、4等だった緑の玉よりも少ないものだった。
当たりのベルが鳴ると、茉愛は景品である1,000円分のお買い物券を貰うことができた。
リーテ「お~、すごいね!」
隣でそう褒めるリーテに、茉愛は「えへへ!やるでしょ私!」と得意げになっていた。
腰に手を当てて笑みを浮かべる、楽しそうな茉愛。
そんな彼女に小さく拍手を送るリーテは、ある知識を披露する。
リーテ「そういえばこれ、反対側に回せば中身混ざるんだよ。」
それを聞いた茉愛は「そうなんだ!じゃあちょっと混ぜちゃお~!」と言って、颯爽と反対側に回す。
茉愛「まあ、お買い物券当たったし、収穫は十分だよね~!」
なんて明るく言いながら再び回す茉愛。
直後にカランと音がしてコロコロと転がってきたのは、赤色の玉だった。
リーテ「え?」
茉愛「あれ、これって...。」
そう呟きながら2人は顔を見合わせると、さっきよりも大きな音でベルが鳴った。
店主の力強い「大当たり~!」という声を聞くと、茉愛とリーテは顔を上げて景品がなにかを確認する。
一覧を見るとその赤い玉は1等で、景品はまさかの温泉旅行だった。
茉愛「え~!?嘘でしょ!?」
リーテ「そんなまさか、信じられないね!」
驚く2人に、店主は「いや~お嬢ちゃん達持ってるなぁ!はいこれ、旅行券!」と言って、封筒に入った旅行券を渡してくれた。
茉愛「やった~!ありがと~!」
そうお礼を言うと、店主は続けて「その旅行券、ペアチケットだから2人で行ってきたらどうだい?」と耳打ちをする。
茉愛は「そうなの!?だって、リーテ君!一緒に行こうよ!」とリーテを誘うと、彼は「僕でいいの?」と尋ね返す。
茉愛「リーテ君がいいの!」
そんな彼に強く推すと、リーテは微笑みを浮かべて「ありがとう、それじゃあ今度行こうね。」と言った。
茉愛は「やった!約束ね!」と言って、小指を差し出す。
リーテも小指を出すと、茉愛は小指を絡め合い指切りをする。
2人は歩き出すと、商店街の奥へと向かって行った。
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