毎日！アルスの日常366

広がる鳩の群れ・あの日の出会いは奇跡だった(全2話)

【広がる鳩の群れ】～Life's～

駅へ向かうため歩いていると、クレ達は公園を通りかかった。
ベンチには一人の男性が座っており、彼の周りには鳩が群がっていた。

飛鳥「餌でもあげてるのかな」

それを遠目で見ながら、飛鳥はその場を通り過ぎようとする。
しかし、興味を示したクレは「近くで見たい！」と言って、その鳩達の元へとかけだした。

飛鳥「全くあの子は...」

そう呟く飛鳥に、カヤサは「まあいいんじゃね。待っといてやろうぜ？」と声を掛ける。

厚史「俺も見てぇな！行ってくるわ！」
飛鳥「あんたが行ったら逃げるかもよ」

そう言うと彼は「大丈夫だ！慎重に近付くからな！」と返す。

飛鳥「いや、あの人が逃げ出すかも。」
厚史「なんでだよ！」



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【あの日の出会いは奇跡だった】～古今戦士の理～

試験が終わると、さくらとよもぎは帰路についていた。
川の流れる土手の上を歩いていると、さくらは空を見上げる。

さくら「覚えてるかな、あの日のこと。」

そう話を切り出すと、さくらはこう続けた。

さくら「2年半前、僕達はあの木の下で出会ったんだよね。懐かしいな～。」

そう呟くと、歩く先に立つ桜の木を見やる。
すっかり緑の葉っぱに生え変わり、桜の面影はないのだが。

よもぎ「そうだね～。よく覚えているよ、あの時のことは。」

微笑みながら、よもぎもそう呟く。

よもぎ「君は急に現れたよね、予兆もなしに。」

そう言うと、さくらは目を細め「うん」と頷く。

さくら「あの日ここでよもぎと出会えたから、今の僕がいると思うんだ。」

風になびく髪を抑えながら、さくらはそう口にする。

よもぎ「あの出会いが奇跡だとでも言いたいのかい？」

そう尋ねると、さくらはゆっくりと「...うん」と答えた。
しかしまだ、彼の視線は桜の木から反れないままでいる。

さくら「よもぎは僕の親友。これからもよろしくね。」

ようやくよもぎと目を合わせると、小さく笑った。

よもぎ「どうしたの、急に改まっちゃって。」

それを見てよもぎも笑うと、小さく「こちらこそ、これからもよろしくね。」と返事をした。