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交換の回・きた(全2話)
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【交換の回】~アルスの日常~
ジリジリとした暑さの中、杏姉は木陰で休憩をしていた。
水筒の飲み口に唇を吸い付け、お手製のスポーツ飲料を飲む。
そこへ、隣でソフトボールの練習試合に参加していた、チア部のクレがやって来た。
クレ「お疲れ~!今日も暑いね~!」
そう声をかけながら、私の隣に腰掛けるクレ。
手にはめていたグローブを外すと、ポケットからなにかを取り出す。
それは非常食にも用いられる、固形タイプの栄養調整食品だった。
袋からブロック状のそれを1本取り出すと、口に運びながら「杏姉ちゃんも食べて食べて!」と言って差し出してきた。
杏姉「い、いいんですか?」
遠慮気味な私に、クレは「うん!まだいっぱいあるから大丈夫!」と、笑みを浮かべながら言った。
杏姉「あ、ありがとうございます...あ。」
礼を述べると、なにかを思い出し近くにあった保冷バッグを漁る。
中からエネルギー補給のゼリーを取り出すと、それをクレに渡した。
杏姉「よかったこれ...間違えて2個持ってきてしまったので...」
そう言うと彼女は「いいの!?」と声を上げる。
杏姉「はい、それにまだ家にたくさんあるので...。」
そこまで話すと、クレは「ありがと~!」と言って肩を抱き寄せる。
突然のことに、杏姉はあわあわとしていた。
その時、陸上部の顧問が笛を鳴らした。
宇栄「はい集合!このあとの練習メニュー発表するよ~!倉庫付近にいる人は中からタイマー取ってきて!」
その声を聞いた杏姉はクレに「それでは、私はこれで...。」と呟く。
クレは手を離すと「うん!いってらっしゃい!」と笑顔で見送る。
クレ「ゼリーありがと!これ飲んで私も頑張るね~!」
そう言ってクレも立ち上がり、陸上部が使用するグラウンドの反対側へと歩いていった。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【きた】~四元戦士の理~
閏は改札を抜けると、駅の出入り口へと向かった。
外に出ると、駅周辺の建造物を見渡す。
閏「遂に来たー!」
両手を広げる私の背後から、キャリーケースを引く音が聞こえてきた。
千咲「はしゃぎすぎよ、閏。」
襟に下げていたサングラスを掛けながら、千咲がそう言う。
注意をされた私は、舌を出しながら「ごめ~ん」と軽く返しておいた。
冥「閏~!上陸記念の写真!」
千咲のあとを着いていた冥は、そう言ってカメラを取り出しながら閏の元へ駆け寄る。
閏「そうだね!2人も早く~!」
背景に駅が映るように画角を調整しながら、閏は千咲とゆみを招く。
ゆみ「ここって大陸だったっけ?」
千咲「さあね、冥が言うならそうなんじゃない?」
なんて会話をしながら、カメラを構える2人の元へと向かった。
ジリジリとした暑さの中、杏姉は木陰で休憩をしていた。
水筒の飲み口に唇を吸い付け、お手製のスポーツ飲料を飲む。
そこへ、隣でソフトボールの練習試合に参加していた、チア部のクレがやって来た。
クレ「お疲れ~!今日も暑いね~!」
そう声をかけながら、私の隣に腰掛けるクレ。
手にはめていたグローブを外すと、ポケットからなにかを取り出す。
それは非常食にも用いられる、固形タイプの栄養調整食品だった。
袋からブロック状のそれを1本取り出すと、口に運びながら「杏姉ちゃんも食べて食べて!」と言って差し出してきた。
杏姉「い、いいんですか?」
遠慮気味な私に、クレは「うん!まだいっぱいあるから大丈夫!」と、笑みを浮かべながら言った。
杏姉「あ、ありがとうございます...あ。」
礼を述べると、なにかを思い出し近くにあった保冷バッグを漁る。
中からエネルギー補給のゼリーを取り出すと、それをクレに渡した。
杏姉「よかったこれ...間違えて2個持ってきてしまったので...」
そう言うと彼女は「いいの!?」と声を上げる。
杏姉「はい、それにまだ家にたくさんあるので...。」
そこまで話すと、クレは「ありがと~!」と言って肩を抱き寄せる。
突然のことに、杏姉はあわあわとしていた。
その時、陸上部の顧問が笛を鳴らした。
宇栄「はい集合!このあとの練習メニュー発表するよ~!倉庫付近にいる人は中からタイマー取ってきて!」
その声を聞いた杏姉はクレに「それでは、私はこれで...。」と呟く。
クレは手を離すと「うん!いってらっしゃい!」と笑顔で見送る。
クレ「ゼリーありがと!これ飲んで私も頑張るね~!」
そう言ってクレも立ち上がり、陸上部が使用するグラウンドの反対側へと歩いていった。
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【きた】~四元戦士の理~
閏は改札を抜けると、駅の出入り口へと向かった。
外に出ると、駅周辺の建造物を見渡す。
閏「遂に来たー!」
両手を広げる私の背後から、キャリーケースを引く音が聞こえてきた。
千咲「はしゃぎすぎよ、閏。」
襟に下げていたサングラスを掛けながら、千咲がそう言う。
注意をされた私は、舌を出しながら「ごめ~ん」と軽く返しておいた。
冥「閏~!上陸記念の写真!」
千咲のあとを着いていた冥は、そう言ってカメラを取り出しながら閏の元へ駆け寄る。
閏「そうだね!2人も早く~!」
背景に駅が映るように画角を調整しながら、閏は千咲とゆみを招く。
ゆみ「ここって大陸だったっけ?」
千咲「さあね、冥が言うならそうなんじゃない?」
なんて会話をしながら、カメラを構える2人の元へと向かった。
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