毎日!アルスの日常366

星月

文字の大きさ
上 下
81 / 318

春分の過ごし方・見掛けぼた餅の回・君はどっち派?(全3話)

しおりを挟む

【春分の過ごし方】~電脳戦士の理~

家に招かれたサトシは、リリー宅へと上がっていた。
客室の座布団にドカッと座ると、リリーが飲み物を用意してくれた。

それを客室まで運ぶと、お盆に乗せた煎茶を机の上に置く。

サトシ「んで、今日はなんの用や?」

出されたお茶を飲み干すと、正面に座るリリーに尋ねた。
するとリリーは立ち上がり、戸棚からあるものを取り出す。

リリー「久しぶりに折り紙やりたいな~って思ってぇ。」

そう言って見せてきたのは、何十枚も入った折り紙のケースだった。

リリー「でも折り方が分からなくってぇ」
サトシ「自分で調べろや」

そう冷たく突き放そうにも、リリーは笑みを向けながら「サトシ君に教わりたいのぉ~!」と言ってくる。

それを聞いたサトシは、目の前に置かれたお盆とお茶をどかす。
取り寄せた座布団を自分の横に敷くと、「隣来い」と言って座布団を軽く叩く。

リリーは嬉しそうに、折り紙を持って駆け付ける。
そしてサトシの隣に、寄り添うようにして座った。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【見掛けぼた餅の回】~アルスの日常~

アルスは祖父母の家へ訪問すると、リビングルームにはクレの姿があった。
椅子に座り、出されたぼた餅を食べている。

クレ「やっほ~アルス君!お餅美味しいよ~!」

ぼた餅を片手に手を振ると、手招きをして呼び寄せる。
俺は手洗いを済ませると、クレの隣に座りぼた餅に手を伸ばした。

アルス「おっすおっす。どれ、早速味わうとするか...。」

そう言ってぼた餅を手に取ると、あることに気が付いた。

アルス「...これ、おはぎ?」

そう尋ねるとクレは「あちゃ~、バレちゃった!」と舌を出した。

アルス「春分はぼた餅やぞ」
クレ「分かってるよ!でもおはぎも食べたかったからつい食べちゃった!」

因みにアルスとクレは共に、おはぎ派である。
しかし、風習的にこれは見逃せなかったのだ。

クレ「アルス君はどっちがすきなんだっけ?」
アルス「そりゃあおはぎやろ。」

俺がそう答えると彼女は「ほら~!」と声を上げる。

そういう問題じゃないんだがなぁ。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【君はどっち派?】~Life's~

パルムース「なんだか騒がしいね、一体なんの騒ぎだい?」

別室で作業をしていたパルムースが、荷物を持ってやってきた。

アルス「ぼた餅じゃなくておはぎやったんや、これどうにかならんかね?」

そう説明すると、そのことを知っていたパルムースはこちらへ歩み寄りながら話す。

パルムース「ただ単に間違えたみたいで、今買い直しに行ってるみたいだよ。だからそれまではこっちで我慢しなさい。」

持ってきた小道具を机に置きながら、そう弁解するパルムース。
今日のお墓参り用のだろうか、見たところ人数分はありそうだ。

クレ「というわけだから、さ!食べよ食べよ!」

笑みを浮かべ、そう説得するクレ。
そんな彼女の表情を無下にしないためにも、アルスは「ほんならしゃーないな、いただくとするか。」と行って再度おはぎに手を伸ばした。

クレ「いいじゃん!アルス君もおはぎすきなんだから!」

隣でそう言うクレに「まあな」と返事をすると、アルスはパルムースと顔を合わせた。

アルス「因みにお前は...」
パルムース「ぼた餅だけど、なにか文句あるの?」

腕を組み、こちらを見下ろすパルムース。
なんだか圧が掛かっているように思える。

アルス「いや全然、むしろいいと思うぜ?」

すぐさまフォローに回ると、彼女は「あぁ、そう。」と呟きそっぽを向いてしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生意気な女の子久しぶりのお仕置き

恩知らずなわんこ
現代文学
久しくお仕置きを受けていなかった女の子彩花はすっかり調子に乗っていた。そんな彩花はある事から久しぶりに厳しいお仕置きを受けてしまう。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...