毎日!アルスの日常366

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春分の過ごし方・見掛けぼた餅の回・君はどっち派?(全3話)

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【春分の過ごし方】~電脳戦士の理~

家に招かれたサトシは、リリー宅へと上がっていた。
客室の座布団にドカッと座ると、リリーが飲み物を用意してくれた。

それを客室まで運ぶと、お盆に乗せた煎茶を机の上に置く。

サトシ「んで、今日はなんの用や?」

出されたお茶を飲み干すと、正面に座るリリーに尋ねた。
するとリリーは立ち上がり、戸棚からあるものを取り出す。

リリー「久しぶりに折り紙やりたいな~って思ってぇ。」

そう言って見せてきたのは、何十枚も入った折り紙のケースだった。

リリー「でも折り方が分からなくってぇ」
サトシ「自分で調べろや」

そう冷たく突き放そうにも、リリーは笑みを向けながら「サトシ君に教わりたいのぉ~!」と言ってくる。

それを聞いたサトシは、目の前に置かれたお盆とお茶をどかす。
取り寄せた座布団を自分の横に敷くと、「隣来い」と言って座布団を軽く叩く。

リリーは嬉しそうに、折り紙を持って駆け付ける。
そしてサトシの隣に、寄り添うようにして座った。



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【見掛けぼた餅の回】~アルスの日常~

アルスは祖父母の家へ訪問すると、リビングルームにはクレの姿があった。
椅子に座り、出されたぼた餅を食べている。

クレ「やっほ~アルス君!お餅美味しいよ~!」

ぼた餅を片手に手を振ると、手招きをして呼び寄せる。
俺は手洗いを済ませると、クレの隣に座りぼた餅に手を伸ばした。

アルス「おっすおっす。どれ、早速味わうとするか...。」

そう言ってぼた餅を手に取ると、あることに気が付いた。

アルス「...これ、おはぎ?」

そう尋ねるとクレは「あちゃ~、バレちゃった!」と舌を出した。

アルス「春分はぼた餅やぞ」
クレ「分かってるよ!でもおはぎも食べたかったからつい食べちゃった!」

因みにアルスとクレは共に、おはぎ派である。
しかし、風習的にこれは見逃せなかったのだ。

クレ「アルス君はどっちがすきなんだっけ?」
アルス「そりゃあおはぎやろ。」

俺がそう答えると彼女は「ほら~!」と声を上げる。

そういう問題じゃないんだがなぁ。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【君はどっち派?】~Life's~

パルムース「なんだか騒がしいね、一体なんの騒ぎだい?」

別室で作業をしていたパルムースが、荷物を持ってやってきた。

アルス「ぼた餅じゃなくておはぎやったんや、これどうにかならんかね?」

そう説明すると、そのことを知っていたパルムースはこちらへ歩み寄りながら話す。

パルムース「ただ単に間違えたみたいで、今買い直しに行ってるみたいだよ。だからそれまではこっちで我慢しなさい。」

持ってきた小道具を机に置きながら、そう弁解するパルムース。
今日のお墓参り用のだろうか、見たところ人数分はありそうだ。

クレ「というわけだから、さ!食べよ食べよ!」

笑みを浮かべ、そう説得するクレ。
そんな彼女の表情を無下にしないためにも、アルスは「ほんならしゃーないな、いただくとするか。」と行って再度おはぎに手を伸ばした。

クレ「いいじゃん!アルス君もおはぎすきなんだから!」

隣でそう言うクレに「まあな」と返事をすると、アルスはパルムースと顔を合わせた。

アルス「因みにお前は...」
パルムース「ぼた餅だけど、なにか文句あるの?」

腕を組み、こちらを見下ろすパルムース。
なんだか圧が掛かっているように思える。

アルス「いや全然、むしろいいと思うぜ?」

すぐさまフォローに回ると、彼女は「あぁ、そう。」と呟きそっぽを向いてしまった。
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