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朝と白・お返し・314の日・贈り物の山(全4話)
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【朝と白】~電脳戦士の理~
ホームシイク「行ってらっしゃいませ、リーテ様。」
リーテは送迎の車から降りると、ホームシイクと使い人に見送られながら校舎へと向かった。
2人に「行ってくるね」と告げると、その場をあとにした。
校舎に踏み入ると、階段下に茉愛が立っているのが見える。
彼女はこちらに気が付くと、僕の元まで駆け寄ってきた。
茉愛「おはよ~リーテ君!」
両手を広げる彼女に「おはよう」と返すと、抱きつかれる前にある物を差し出した。
白系の包装紙でラッピングされたそれは、あるブランドのホワイトチョコだった。
リーテ「はいこれ、バレンタインのお返しだよ。」
そう説明すると、茉愛は目を輝かせ「やった~!ありがと~!」と歓喜した。
そしてやはり抱きつかれた。
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【お返し】~ナタモチ~
学校についた美優は1人、教室までの廊下を歩いていた。
マフラーを掛け直そうと、一度首からほどく。
再び首に巻こうとしていると...。
隼士「美優!」
背後から、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
聞き馴染みのある声に振り返ると、やはりそこには隼士がいた。
美優「あ、おはよう隼士君。」
軽く挨拶を交わす私に続いて、彼は「お、おはよう...。」と呟くように返した。
...と思いきや、突然私に紙袋を突きつけてきた。
なんだろうと目を見やると、隼士は視線を反らす。
隼士「その、なんだ...バレンタインのお返しってことで...。」
その言葉で思い出し、私はハッとした。
美優「あ~、そういえばホワイトデーだね!忘れてた!」
そう言うと彼は驚いたような目をしていた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【314の日】~四元戦士の理~
マリンと共に登校してきたカツキは、教室に入ると「おっはよ~みんな!」と元気な姿を見せた。
挨拶をすると、いつも通り教卓で作業をする浜瀬先生の元へと駆け寄る。
カツキ「はまちん!今日はなんの日でしょう!」
そう問いかけると、浜瀬先生は「再試の日」と即答した。
カツキ「嫌なワード出さないで!ていうか全部消化したし!」
そういえばそうだった。
もう彼女には、再試を行う必要が無かった。
カツキ「そうじゃなくて、なにかないの!?例えばチョコとかさ~!」
そう言うカツキに詰め寄られ、浜瀬先生はため息をつくと、ポケットからのど飴を取り出した。
浜瀬先生「これやるから、静かにしてくれ。」
差し出された飴を受け取ると、カツキは「やった~!」と喜んでいた。
スキップしながらロッカーへ向かうカツキを見送ると、マリンも鞄を下ろすために自分の席へと歩み始める。
浜瀬先生「マリン、ちょっといいか。」
そんな彼女を、俺は呼び止めた。
手招きをして隣に立たせると、教卓の中に忍ばせていた紙袋を取り出す。
それを周りの生徒に見えないように、マリンに渡した。
浜瀬先生「今のうちに渡しておくが、これはあいつとお前の分のだ。気付かれないようあいつの鞄にでも入れておいてくれ。」
小声でそう耳打ちをすると、マリンは微笑みを浮かべる。
マリン「ありがと!」
そうお礼を述べるマリンに、思わず目を見開いてしまった。
浜瀬先生「本当に急に喋るよなお前」
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【贈り物の山】~Life's~
朝部活を終えたアルスとエルは、部活の道具を持って教室へと戻る。
教室には、自分の席の前に立つクレの姿があった。
エル「おはよ~クレちゃん」
彼女の背中に向け、挨拶を交わすエル。
声が聞こえたクレは、こちらへ振り向き「おはよ!」と返してくれた。
ここで気が付く衝撃の光景。
クレの机の上には、大量の贈り物が積まれていた。
クレ「見て見て~!お返しいっぱい貰っちゃった!」
1ヶ月前、クラス全員にチョコを渡したクレ。
そのことが関係しているのか、クラスの男子の大半が用意していたというのだ。
クレ「こんなにたくさん、食べきれるかな~?」
アルス「お前なら余裕やろ」
ホームシイク「行ってらっしゃいませ、リーテ様。」
リーテは送迎の車から降りると、ホームシイクと使い人に見送られながら校舎へと向かった。
2人に「行ってくるね」と告げると、その場をあとにした。
校舎に踏み入ると、階段下に茉愛が立っているのが見える。
彼女はこちらに気が付くと、僕の元まで駆け寄ってきた。
茉愛「おはよ~リーテ君!」
両手を広げる彼女に「おはよう」と返すと、抱きつかれる前にある物を差し出した。
白系の包装紙でラッピングされたそれは、あるブランドのホワイトチョコだった。
リーテ「はいこれ、バレンタインのお返しだよ。」
そう説明すると、茉愛は目を輝かせ「やった~!ありがと~!」と歓喜した。
そしてやはり抱きつかれた。
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【お返し】~ナタモチ~
学校についた美優は1人、教室までの廊下を歩いていた。
マフラーを掛け直そうと、一度首からほどく。
再び首に巻こうとしていると...。
隼士「美優!」
背後から、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
聞き馴染みのある声に振り返ると、やはりそこには隼士がいた。
美優「あ、おはよう隼士君。」
軽く挨拶を交わす私に続いて、彼は「お、おはよう...。」と呟くように返した。
...と思いきや、突然私に紙袋を突きつけてきた。
なんだろうと目を見やると、隼士は視線を反らす。
隼士「その、なんだ...バレンタインのお返しってことで...。」
その言葉で思い出し、私はハッとした。
美優「あ~、そういえばホワイトデーだね!忘れてた!」
そう言うと彼は驚いたような目をしていた。
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【314の日】~四元戦士の理~
マリンと共に登校してきたカツキは、教室に入ると「おっはよ~みんな!」と元気な姿を見せた。
挨拶をすると、いつも通り教卓で作業をする浜瀬先生の元へと駆け寄る。
カツキ「はまちん!今日はなんの日でしょう!」
そう問いかけると、浜瀬先生は「再試の日」と即答した。
カツキ「嫌なワード出さないで!ていうか全部消化したし!」
そういえばそうだった。
もう彼女には、再試を行う必要が無かった。
カツキ「そうじゃなくて、なにかないの!?例えばチョコとかさ~!」
そう言うカツキに詰め寄られ、浜瀬先生はため息をつくと、ポケットからのど飴を取り出した。
浜瀬先生「これやるから、静かにしてくれ。」
差し出された飴を受け取ると、カツキは「やった~!」と喜んでいた。
スキップしながらロッカーへ向かうカツキを見送ると、マリンも鞄を下ろすために自分の席へと歩み始める。
浜瀬先生「マリン、ちょっといいか。」
そんな彼女を、俺は呼び止めた。
手招きをして隣に立たせると、教卓の中に忍ばせていた紙袋を取り出す。
それを周りの生徒に見えないように、マリンに渡した。
浜瀬先生「今のうちに渡しておくが、これはあいつとお前の分のだ。気付かれないようあいつの鞄にでも入れておいてくれ。」
小声でそう耳打ちをすると、マリンは微笑みを浮かべる。
マリン「ありがと!」
そうお礼を述べるマリンに、思わず目を見開いてしまった。
浜瀬先生「本当に急に喋るよなお前」
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朝部活を終えたアルスとエルは、部活の道具を持って教室へと戻る。
教室には、自分の席の前に立つクレの姿があった。
エル「おはよ~クレちゃん」
彼女の背中に向け、挨拶を交わすエル。
声が聞こえたクレは、こちらへ振り向き「おはよ!」と返してくれた。
ここで気が付く衝撃の光景。
クレの机の上には、大量の贈り物が積まれていた。
クレ「見て見て~!お返しいっぱい貰っちゃった!」
1ヶ月前、クラス全員にチョコを渡したクレ。
そのことが関係しているのか、クラスの男子の大半が用意していたというのだ。
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アルス「お前なら余裕やろ」
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