31 / 318
昼休みにお惣菜の回・ある雨部活の日(全2話)
しおりを挟む
【昼休みにお惣菜の回】~アルスの日常~
昼休み、アルスとサトシは学校を抜け出し、スーパーの駐輪場で昼食をとっていた。
お惣菜コーナーで選んだものを、それぞれが食べている。
アルス「ようそんな食えるな」
唐揚げ弁当を食べていたアルスが、手にしている箸でサトシの惣菜を指し示す。
サトシは惣菜コーナーで選んだ、メンチカツと手巻き、いなり寿司を食べていた。
メンチカツは4枚入っており、一口では済まされない大きさである。
手巻きといなり寿司も、合わせて10貫と少なくはない。
サトシ「寿司は食うけどよ、こっちは部活用にとっとくわ。」
そう言って、メンチカツを2枚だけ寿司のパックに取り分ける。
アルス「いい案やな、それでも多いけど。」
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ある雨部活の日】~ナタモチ~
隼士は放課後、体育館下の広場でストレッチをしていた。
雨が降ってきた関係でグラウンドが使えず、屋根下で室内練習のメニューを行うことになったからである。
隼士「あれ、サトシは?」
体を前に倒し、ふくらはぎを延ばすストレッチをしていた隼士。
辺りを見渡すが、彼の姿は見当たらなかった。
カゲ「そういやさっき、教室でリリーと話してたな。」
教室を出る際に見たことを思い出し、隣で肩甲骨を延ばしていたカゲが言った。
隼士「まったくおめでたいやつめ...。」
なんて話をしていると、ちょうどサトシとリリーが本棟から歩いてくるのが見えた。
噂してたら本当に来て、ちょっとビビった。
一応部活用の服装に着替えてはいるものの、サトシは開口するなり「悪い、今日は帰るわ。」と告げた。
サトシ「こいつを家まで送らんといかん、迎えも来れんらしいでな。」
両手で傘の柄を握っていたリリーは「みんなごめんねぇ」と謝る。
隼士「そ、それは仕方ないな~!」
それを聞いた隼士は、頭を掻きながらそう返した。
サトシ「ったく忘れやがって」
細めた目を向けられたリリーは「えへへぇ~」と舌を出していた。
彼女が手にしていたのは、サトシの傘らしい。
サトシ「今日は顧問も来んし、見るやつがおらんで自主練にするわ。一応指示はするが、やるやらないの判断はそれぞれに委ねる。」
サトシがそう言うと隼士、「そうか、分かったぜ!」と親指を立てた。
カゲ「じゃあ俺は少し残ってくか、1年のことは任せとけ!」
サトシは「すまんな、頼むわ。」と言って、今日の部活のことを2人に託した。
サトシ「それとよ」
部活の準備に入ろうとする2人を呼び止め、手に提げていたビニール袋からあるものを取り出した。
それは今日の部活用に取っておいた、昼ご飯のメンチカツだった。
サトシ「俺にはもう必要ない、お前らで食ってくれ。」
耳打ちするようにそう呟くと、隼士とカゲは「マジで!?」と同時に歓喜した。
昼休み、アルスとサトシは学校を抜け出し、スーパーの駐輪場で昼食をとっていた。
お惣菜コーナーで選んだものを、それぞれが食べている。
アルス「ようそんな食えるな」
唐揚げ弁当を食べていたアルスが、手にしている箸でサトシの惣菜を指し示す。
サトシは惣菜コーナーで選んだ、メンチカツと手巻き、いなり寿司を食べていた。
メンチカツは4枚入っており、一口では済まされない大きさである。
手巻きといなり寿司も、合わせて10貫と少なくはない。
サトシ「寿司は食うけどよ、こっちは部活用にとっとくわ。」
そう言って、メンチカツを2枚だけ寿司のパックに取り分ける。
アルス「いい案やな、それでも多いけど。」
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ある雨部活の日】~ナタモチ~
隼士は放課後、体育館下の広場でストレッチをしていた。
雨が降ってきた関係でグラウンドが使えず、屋根下で室内練習のメニューを行うことになったからである。
隼士「あれ、サトシは?」
体を前に倒し、ふくらはぎを延ばすストレッチをしていた隼士。
辺りを見渡すが、彼の姿は見当たらなかった。
カゲ「そういやさっき、教室でリリーと話してたな。」
教室を出る際に見たことを思い出し、隣で肩甲骨を延ばしていたカゲが言った。
隼士「まったくおめでたいやつめ...。」
なんて話をしていると、ちょうどサトシとリリーが本棟から歩いてくるのが見えた。
噂してたら本当に来て、ちょっとビビった。
一応部活用の服装に着替えてはいるものの、サトシは開口するなり「悪い、今日は帰るわ。」と告げた。
サトシ「こいつを家まで送らんといかん、迎えも来れんらしいでな。」
両手で傘の柄を握っていたリリーは「みんなごめんねぇ」と謝る。
隼士「そ、それは仕方ないな~!」
それを聞いた隼士は、頭を掻きながらそう返した。
サトシ「ったく忘れやがって」
細めた目を向けられたリリーは「えへへぇ~」と舌を出していた。
彼女が手にしていたのは、サトシの傘らしい。
サトシ「今日は顧問も来んし、見るやつがおらんで自主練にするわ。一応指示はするが、やるやらないの判断はそれぞれに委ねる。」
サトシがそう言うと隼士、「そうか、分かったぜ!」と親指を立てた。
カゲ「じゃあ俺は少し残ってくか、1年のことは任せとけ!」
サトシは「すまんな、頼むわ。」と言って、今日の部活のことを2人に託した。
サトシ「それとよ」
部活の準備に入ろうとする2人を呼び止め、手に提げていたビニール袋からあるものを取り出した。
それは今日の部活用に取っておいた、昼ご飯のメンチカツだった。
サトシ「俺にはもう必要ない、お前らで食ってくれ。」
耳打ちするようにそう呟くと、隼士とカゲは「マジで!?」と同時に歓喜した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】
まぁ
恋愛
【1分先の未来を生きる言葉を口にしろ】
天野玖未(あまのくみ)飲食店勤務
玖の字が表す‘黒色の美しい石’の通りの容姿ではあるが、未来を見据えてはいない。言葉足らずで少々諦め癖のある23歳
須藤悠仁(すどうゆうじん) 東日本最大極道 須藤組若頭
暗闇にも光る黒い宝を見つけ、垂涎三尺…狙い始める
心に深い傷を持つ彼女が、信じられるものを手に入れるまでの……波乱の軌跡
そこには彼の底なしの愛があった…
作中の人名団体名等、全て架空のフィクションです
また本作は違法行為等を推奨するものではありません
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
最後に、お願いがあります
狂乱の傀儡師
恋愛
三年間、王妃になるためだけに尽くしてきた馬鹿王子から、即位の日の直前に婚約破棄されたエマ。
彼女の最後のお願いには、国を揺るがすほどの罠が仕掛けられていた。
聖女なので公爵子息と結婚しました。でも彼には好きな人がいるそうです。
MIRICO
恋愛
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。
カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。
勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?
アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。
なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。
やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!!
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。誤字もお知らせくださりありがとうございます。修正します。ご感想お返事ネタバレになりそうなので控えさせていただきます。
ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む
紫楼
ファンタジー
酔っ払って寝て起きたらなんか手が小さい。びっくりしてベットから落ちて今の自分の情報と前の自分の記憶が一気に脳内を巡ってそのまま気絶した。
私は放置された16歳の少女リーシャに転生?してた。自分の状況を理解してすぐになぜか王様の命令で辺境にお嫁に行くことになったよ!
辺境はイケメンマッチョパラダイス!!だったので天国でした!
食べ物が美味しくない国だったので好き放題食べたい物作らせて貰える環境を与えられて幸せです。
もふもふ?に出会ったけどなんか違う!?
もふじゃない爺と契約!?とかなんだかなーな仲間もできるよ。
両親のこととかリーシャの真実が明るみに出たり、思わぬ方向に物事が進んだり?
いつかは立派な辺境伯夫人になりたいリーシャの日常のお話。
主人公が結婚するんでR指定は保険です。外見とかストーリー的に身長とか容姿について表現があるので不快になりそうでしたらそっと閉じてください。完全な性表現は書くの苦手なのでほぼ無いとは思いますが。
倫理観論理感の強い人には向かないと思われますので、そっ閉じしてください。
小さい見た目のお転婆さんとか書きたかっただけのお話。ふんわり設定なので軽ーく受け流してください。
描写とか適当シーンも多いので軽く読み流す物としてお楽しみください。
タイトルのついた分は少し台詞回しいじったり誤字脱字の訂正が済みました。
多少表現が変わった程度でストーリーに触る改稿はしてません。
カクヨム様にも載せてます。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
水の巫覡と炎の天人は世界の音を聴く
井幸ミキ
BL
僕、シーラン・マウリは小さな港街の領主の息子だ。領主の息子と言っても、姉夫婦が次代と決まっているから、そろそろ将来の事も真面目に考えないといけない。
海もこの海辺の街も大好きだから、このままここで父や姉夫婦を助けながら漁師をしたりして過ごしたいのだけど、若者がこんな田舎で一生を過ごしたいなんていうと遠慮していると思われてしまうくらい、ここは何もない辺鄙な街で。
15歳になる年、幼馴染で婚約者のレオリムと、学園都市へ留学しないといけないみたい……?
え? 世界の危機? レオリムが何とかしないといけないの? なんで? 僕も!?
やけに老成したおっとり少年シーラン(受)が、わんこ系幼馴染婚約者レオリム(攻)と、将来やりたい事探しに学園都市へ行くはずが……? 世界創生の秘密と、世界の危機に関わっているかもしれない?
魂は巡り、あの時別れた半身…魂の伴侶を探す世界。
魔法は魂の持つエネルギー。
身分制度はありますが、婚姻は、異性・同性の区別なく認められる世界のお話になります。
初めての一次創作BL小説投稿です。
魔法と、溺愛と、ハッピーエンドの物語の予定です。
シーランとレオリムは、基本、毎回イチャイチャします。
ーーーーー
第11回BL小説大賞、無事一か月毎日更新乗り切れました。
こんなに毎日小説書いたの初めてでした。
読んでくださった皆様のおかげです。ありがとうございます。
勢いで10月31日にエントリーをして、準備も何もなくスタートし、進めてきたので、まだまだ序盤で、あらすじやタグに触れられていない部分が多いのですが、引き続き更新していきたいと思います。(ペースは落ちますが)
良かったら、シーランとレオリムのいちゃいちゃにお付き合いください。
(話を進めるより、毎話イチャイチャを入れることに力をいれております)
(2023.12.01)
長らく更新が止まっていましたが、第12回BL大賞エントリーを機に再始動します。
毎日の更新を目指して、続きを投稿していく予定です。
よろしくお願いします。
(2024.11.01)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる