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霜月
メロンボールとローストビーフの回・無料券(全2話)
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【メロンボールとローストビーフの回】~アルスの日常~
サトシはメロンボールに口付けると、ローストビーフを目の前に寄せた。
野菜を乗せ、それらを包み込むようにして箸でつまむ。
サトシ「なんやて」
カシスオレンジの入ったグラスを置きながら、リリーは彼を眺めている。
それが気になったサトシは手を止め、リリーに目を合わせた。
リリー「えぇ~、かっこいいなぁ~ってぇ。」
微笑みを浮かべるリリーに、サトシは「なにがや」と言いながらローストビーフを口にした。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【無料券】
カヤサと厚史は、クレと飛鳥の4人でラーメン屋に来ていた。
今日は3人部活があり、その帰りにここへ寄ったというわけだ。
この中のうちのカヤサだけ部活が無かったが、ある目的のためにわざわざ電車に乗ってここまで来たという。
入り口の前の待合席に座り、順番待ちをしていた4人の元へ、店員がやってきた。
店舗内へ移動すると、空いた席に案内をしてくれる。
飛鳥「それで、なんのためにここにしたの?誘うときなにか理由がありそうだったじゃん。」
置かれたおしぼりで手を拭きながら、飛鳥が厚史にそう尋ねる。
厚史「お前から言ったれよ!」
隣に座るカヤサに視線を向け、ニヤリとした表情を浮かべる厚史。
そう言われるとカヤサは「仕方ねぇな~」と、座り直して説明を始めようとする。
飛鳥「え、あんたがここ選んだの?」
これまでてっきり、言い出した厚史が来たいのかと思っていた。
カヤサ「実は今日と昨日でな...」
携帯の画面をスクロールし、あるサイトの見出しを見せる。
そこには、開催中のキャンペーンについてが書かれていた。
カヤサ「ラーメンを一杯食うと、無料券が貰えるってのがやってんだよ!」
興奮気味に、カヤサがそう言った。
飛鳥「でた、あんたの一番すきなの。」
目的とは、このキャンペーンでもらえる無料券のことだった。
こういうのには本当に目がないよね、この男は。
食事を終えた一同。
会計を済ませると店を出て、外の空気を吸った。
カヤサ「じゃあこれは俺の...」
会計時に貰った4枚の無料券を、自分の財布に忍ばせようとするカヤサ。
厚史「お前やば!」
慌てて彼の手を抑えると、カヤサは「冗談やて!」と無料券を1枚ずつ配り始める。
厚史と飛鳥には渡ったが、クレはそれを受け取らなかった。
クレ「私はいいよ~、カヤサ君にあげる!」
そう言うと、カヤサは「マジで!?」と目を輝かせていた。
クレ「あまり得意じゃないからね~、私の分まで食べておいで!」
クレはラーメン系になると、あまり食べれないようだ。
脂が原因なのか、その辺りの真意は不明であるが。
ただ、無料券を譲ってくれると言うので、カヤサはありがたく受け取ることにした。
カヤサ「サンキューな!やりぃ!」
厚史「お前だけずるいぞ!」
その様子を見ていた厚史がカヤサに飛びかかる。
カヤサ「俺が貰ったやつだからな!お前には渡さねぇよ!」
厚史「なんだと!?ここは半分こだろ!」
カヤサ「無理だろ!」
懸命になって抗うカヤサと、まとわりつく厚史。
飛鳥「私も行く機会無いからあげるよ」
そんな、取り合いをする2人の元に近付き、飛鳥は先ほど貰った無料券を差し出した。
厚史「マジかよ!?よっしゃ3回も行けるぜ!」
カヤサ「いやいや1枚は俺のな!?」
サトシはメロンボールに口付けると、ローストビーフを目の前に寄せた。
野菜を乗せ、それらを包み込むようにして箸でつまむ。
サトシ「なんやて」
カシスオレンジの入ったグラスを置きながら、リリーは彼を眺めている。
それが気になったサトシは手を止め、リリーに目を合わせた。
リリー「えぇ~、かっこいいなぁ~ってぇ。」
微笑みを浮かべるリリーに、サトシは「なにがや」と言いながらローストビーフを口にした。
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【無料券】
カヤサと厚史は、クレと飛鳥の4人でラーメン屋に来ていた。
今日は3人部活があり、その帰りにここへ寄ったというわけだ。
この中のうちのカヤサだけ部活が無かったが、ある目的のためにわざわざ電車に乗ってここまで来たという。
入り口の前の待合席に座り、順番待ちをしていた4人の元へ、店員がやってきた。
店舗内へ移動すると、空いた席に案内をしてくれる。
飛鳥「それで、なんのためにここにしたの?誘うときなにか理由がありそうだったじゃん。」
置かれたおしぼりで手を拭きながら、飛鳥が厚史にそう尋ねる。
厚史「お前から言ったれよ!」
隣に座るカヤサに視線を向け、ニヤリとした表情を浮かべる厚史。
そう言われるとカヤサは「仕方ねぇな~」と、座り直して説明を始めようとする。
飛鳥「え、あんたがここ選んだの?」
これまでてっきり、言い出した厚史が来たいのかと思っていた。
カヤサ「実は今日と昨日でな...」
携帯の画面をスクロールし、あるサイトの見出しを見せる。
そこには、開催中のキャンペーンについてが書かれていた。
カヤサ「ラーメンを一杯食うと、無料券が貰えるってのがやってんだよ!」
興奮気味に、カヤサがそう言った。
飛鳥「でた、あんたの一番すきなの。」
目的とは、このキャンペーンでもらえる無料券のことだった。
こういうのには本当に目がないよね、この男は。
食事を終えた一同。
会計を済ませると店を出て、外の空気を吸った。
カヤサ「じゃあこれは俺の...」
会計時に貰った4枚の無料券を、自分の財布に忍ばせようとするカヤサ。
厚史「お前やば!」
慌てて彼の手を抑えると、カヤサは「冗談やて!」と無料券を1枚ずつ配り始める。
厚史と飛鳥には渡ったが、クレはそれを受け取らなかった。
クレ「私はいいよ~、カヤサ君にあげる!」
そう言うと、カヤサは「マジで!?」と目を輝かせていた。
クレ「あまり得意じゃないからね~、私の分まで食べておいで!」
クレはラーメン系になると、あまり食べれないようだ。
脂が原因なのか、その辺りの真意は不明であるが。
ただ、無料券を譲ってくれると言うので、カヤサはありがたく受け取ることにした。
カヤサ「サンキューな!やりぃ!」
厚史「お前だけずるいぞ!」
その様子を見ていた厚史がカヤサに飛びかかる。
カヤサ「俺が貰ったやつだからな!お前には渡さねぇよ!」
厚史「なんだと!?ここは半分こだろ!」
カヤサ「無理だろ!」
懸命になって抗うカヤサと、まとわりつく厚史。
飛鳥「私も行く機会無いからあげるよ」
そんな、取り合いをする2人の元に近付き、飛鳥は先ほど貰った無料券を差し出した。
厚史「マジかよ!?よっしゃ3回も行けるぜ!」
カヤサ「いやいや1枚は俺のな!?」
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