毎日!アルスの日常365

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メロンボールとローストビーフの回・無料券(全2話)

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【メロンボールとローストビーフの回】~アルスの日常~

サトシはメロンボールに口付けると、ローストビーフを目の前に寄せた。
野菜を乗せ、それらを包み込むようにして箸でつまむ。

サトシ「なんやて」

カシスオレンジの入ったグラスを置きながら、リリーは彼を眺めている。

それが気になったサトシは手を止め、リリーに目を合わせた。

リリー「えぇ~、かっこいいなぁ~ってぇ。」

微笑みを浮かべるリリーに、サトシは「なにがや」と言いながらローストビーフを口にした。



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【無料券】

カヤサと厚史は、クレと飛鳥の4人でラーメン屋に来ていた。

今日は3人部活があり、その帰りにここへ寄ったというわけだ。
この中のうちのカヤサだけ部活が無かったが、ある目的のためにわざわざ電車に乗ってここまで来たという。

入り口の前の待合席に座り、順番待ちをしていた4人の元へ、店員がやってきた。
店舗内へ移動すると、空いた席に案内をしてくれる。

飛鳥「それで、なんのためにここにしたの?誘うときなにか理由がありそうだったじゃん。」

置かれたおしぼりで手を拭きながら、飛鳥が厚史にそう尋ねる。

厚史「お前から言ったれよ!」

隣に座るカヤサに視線を向け、ニヤリとした表情を浮かべる厚史。
そう言われるとカヤサは「仕方ねぇな~」と、座り直して説明を始めようとする。

飛鳥「え、あんたがここ選んだの?」

これまでてっきり、言い出した厚史が来たいのかと思っていた。

カヤサ「実は今日と昨日でな...」

携帯の画面をスクロールし、あるサイトの見出しを見せる。
そこには、開催中のキャンペーンについてが書かれていた。

カヤサ「ラーメンを一杯食うと、無料券が貰えるってのがやってんだよ!」

興奮気味に、カヤサがそう言った。

飛鳥「でた、あんたの一番すきなの。」

目的とは、このキャンペーンでもらえる無料券のことだった。
こういうのには本当に目がないよね、この男は。



食事を終えた一同。
会計を済ませると店を出て、外の空気を吸った。

カヤサ「じゃあこれは俺の...」

会計時に貰った4枚の無料券を、自分の財布に忍ばせようとするカヤサ。

厚史「お前やば!」

慌てて彼の手を抑えると、カヤサは「冗談やて!」と無料券を1枚ずつ配り始める。

厚史と飛鳥には渡ったが、クレはそれを受け取らなかった。

クレ「私はいいよ~、カヤサ君にあげる!」

そう言うと、カヤサは「マジで!?」と目を輝かせていた。

クレ「あまり得意じゃないからね~、私の分まで食べておいで!」

クレはラーメン系になると、あまり食べれないようだ。
脂が原因なのか、その辺りの真意は不明であるが。

ただ、無料券を譲ってくれると言うので、カヤサはありがたく受け取ることにした。

カヤサ「サンキューな!やりぃ!」
厚史「お前だけずるいぞ!」

その様子を見ていた厚史がカヤサに飛びかかる。

カヤサ「俺が貰ったやつだからな!お前には渡さねぇよ!」
厚史「なんだと!?ここは半分こだろ!」
カヤサ「無理だろ!」

懸命になって抗うカヤサと、まとわりつく厚史。

飛鳥「私も行く機会無いからあげるよ」

そんな、取り合いをする2人の元に近付き、飛鳥は先ほど貰った無料券を差し出した。

厚史「マジかよ!?よっしゃ3回も行けるぜ!」
カヤサ「いやいや1枚は俺のな!?」
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