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長月
見学の候補の回・コーデについて(全2話)
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【見学の候補の回】~アルスの日常~
近藤「杏姉、見学のやつ決まったか?」
昼休みが始まり、鞄からお弁当を取り出す杏姉。
私のもとに、1枚の紙を持った近藤がやってきた。
その紙には、見学希望用紙という文字がでかでかと書いてあった。
内容は10月にある企業見学に備え、自分の気になる職業を5つ挙げる...といったものだ。
杏姉「あ、え~と...まだです...。」
引き出しから用紙を取り出すが、希望の職種を書く欄は空白であった。
サトシ「製菓工場とかにしとけって」
いつからこの場にいたのか、サトシが顔を出す。
菓子パンを食べながら、適当に案を出した。
杏姉は首を横に振り、断固拒否の様子。
サトシ「ああそうか、てめぇ料理できんもんな。」
分かっていたはずのサトシは、いじわるなことに彼女をからかう。
蔑ろにするサトシに、近藤は「バカにしてんのか!!」と一喝する。
杏姉「で、ですが!今日の玉子焼きは自分で作ってみました!」
杏姉がそう言うと、近藤は「本当か!」とサトシを押しのけて弁当箱の中身を覗く。
近藤「おぉ!前よりも上手くなったんじゃないか!?」
サトシ「不出来」
形のバランスは多少崩れているが、目立った焦げ目等は見られなかった。
近藤はそれを褒め上げるが、サトシが一瞬で雰囲気をぶち壊した。
サトシ「スクランブルエッグかと思ったわ」
近藤「この野郎!!」
パックの牛乳をストローで飲むサトシの頭を、近藤は拳でぐりぐりとにじった。
マッサージ感覚なのか、サトシは顔をしかめることなく平然としている。
近藤「トレーナーやコーチとかなんかどうだ?」
杏姉「指示やまとめ役は、私には務まらないと思いますが...。」
サトシ「だろうな」
今の私には、将来的になにになりたいかとか、定まった目標や夢がなかった。
部活ではいい記録を出したいという想いがあるが、引退したあとの進路が私には全くもって不明瞭である。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【コーデについて】
休み時間の教室、エルはクレと2人でファッションの雑誌を読んでいた。
エル「次こういうの着てみたいな~」
クレ「いいね~!似合うと思う!」
1つの椅子に2人で腰掛け、身を寄せ合いながらコーデを見ていた。
藍夏「なに見てんの?」
椅子の背もたれに手をかけ、エルとクレの間から覗き込む。
エル「ファッションの雑誌!次のコーディネートを決めてるんだ!」
私がそう言うと、藍夏は「へぇ、ちょっと見せてよ。」と見開きのページに目を通す。
藍夏「...あたし、こういうキラキラしたコーデ分かんないんだよね。合わせ方とか難しくない?」
眉を潜め、雑誌に載っている服装を見つめる。
なんていうか、こう、法則性が分からない。
エル「そういえば藍夏ちゃん、確かにあまりこういうの着てないよね。」
クレ「ストリート系が強いからいきなり着てみるよりも、まずはカジュアルからいってみた方がいいかもね~。」
クレは藍夏の腕を引き、顔を近付ける。
クレ「放課後見に行こ!いいところがあるんだ~!」
藍夏「え、今日!?」
あまりにも急すぎて、少しばかり驚いた。
近藤「杏姉、見学のやつ決まったか?」
昼休みが始まり、鞄からお弁当を取り出す杏姉。
私のもとに、1枚の紙を持った近藤がやってきた。
その紙には、見学希望用紙という文字がでかでかと書いてあった。
内容は10月にある企業見学に備え、自分の気になる職業を5つ挙げる...といったものだ。
杏姉「あ、え~と...まだです...。」
引き出しから用紙を取り出すが、希望の職種を書く欄は空白であった。
サトシ「製菓工場とかにしとけって」
いつからこの場にいたのか、サトシが顔を出す。
菓子パンを食べながら、適当に案を出した。
杏姉は首を横に振り、断固拒否の様子。
サトシ「ああそうか、てめぇ料理できんもんな。」
分かっていたはずのサトシは、いじわるなことに彼女をからかう。
蔑ろにするサトシに、近藤は「バカにしてんのか!!」と一喝する。
杏姉「で、ですが!今日の玉子焼きは自分で作ってみました!」
杏姉がそう言うと、近藤は「本当か!」とサトシを押しのけて弁当箱の中身を覗く。
近藤「おぉ!前よりも上手くなったんじゃないか!?」
サトシ「不出来」
形のバランスは多少崩れているが、目立った焦げ目等は見られなかった。
近藤はそれを褒め上げるが、サトシが一瞬で雰囲気をぶち壊した。
サトシ「スクランブルエッグかと思ったわ」
近藤「この野郎!!」
パックの牛乳をストローで飲むサトシの頭を、近藤は拳でぐりぐりとにじった。
マッサージ感覚なのか、サトシは顔をしかめることなく平然としている。
近藤「トレーナーやコーチとかなんかどうだ?」
杏姉「指示やまとめ役は、私には務まらないと思いますが...。」
サトシ「だろうな」
今の私には、将来的になにになりたいかとか、定まった目標や夢がなかった。
部活ではいい記録を出したいという想いがあるが、引退したあとの進路が私には全くもって不明瞭である。
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【コーデについて】
休み時間の教室、エルはクレと2人でファッションの雑誌を読んでいた。
エル「次こういうの着てみたいな~」
クレ「いいね~!似合うと思う!」
1つの椅子に2人で腰掛け、身を寄せ合いながらコーデを見ていた。
藍夏「なに見てんの?」
椅子の背もたれに手をかけ、エルとクレの間から覗き込む。
エル「ファッションの雑誌!次のコーディネートを決めてるんだ!」
私がそう言うと、藍夏は「へぇ、ちょっと見せてよ。」と見開きのページに目を通す。
藍夏「...あたし、こういうキラキラしたコーデ分かんないんだよね。合わせ方とか難しくない?」
眉を潜め、雑誌に載っている服装を見つめる。
なんていうか、こう、法則性が分からない。
エル「そういえば藍夏ちゃん、確かにあまりこういうの着てないよね。」
クレ「ストリート系が強いからいきなり着てみるよりも、まずはカジュアルからいってみた方がいいかもね~。」
クレは藍夏の腕を引き、顔を近付ける。
クレ「放課後見に行こ!いいところがあるんだ~!」
藍夏「え、今日!?」
あまりにも急すぎて、少しばかり驚いた。
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