204 / 369
文月
720mlの贈り物・持ちにくい・ハンバーガーの日・ビリヤード(全4話)
しおりを挟む
【720mlの贈り物】
クレ「あ~いた!パルちゃ~ん!」
付き人のミヤコと共に、クラスメイトのノートを運んでいたパルムース。
パルムース「なんだいクレ、なにか用かい?」
背を向ける彼女の名前を口にして呼び止めると、体の向きをこちらへと変え足を止めた。
通って来た廊下の先から、クレはが5本のなにかを抱えて駆け足で寄ってきた。
クレ「これあげる!またいっぱい貰っちゃった!」
そう言って、抱えた物を強調するように体を前に反った。
それは、1本720mlも入った牛乳瓶だった。
パルムース「ちょっと...ここで渡すつもり?」
彼女に顔を近付け、こそっと耳打ちをするが、クレは首を傾げながら「なにかあるの?」と聞き返すだけだ。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【持ちにくい】~電脳戦士の理~
ミヤコ「クレさん、やはり素敵なお方ですね。」
クレと別れたパルムースの隣から、表情をうかがおうと覗き込むミヤコ。
その口元は、いつの間にか綻んでいた。
クレから貰った牛乳瓶を、渋々と両手で持ち歩くパルムース。
パルムース「陽気さもいいところだよ」
あのあとクレは、用事があると言ってどこかへと行ってしまった。
まったく、こっちは2人でノートを運んでたと言うのに。
結局、半分ずつに分けていたノートは全てミヤコが持ち、クレに渡された5本の牛乳瓶は私が持っていると言うわけだ。
アルス「お、クレから貰ったんだな。」
正面から歩いて来たアルスは、パルムースの手持ちを見てそう言った。
パルムース「悪いが、1本持ってくれないか?」
アルスは「飲めばよくね?」と言うが、そんな痛飲じみたことはお断りだ。
アルス「じゃあ、そのまま1本俺にくれね?ちょうど喉乾いてるし。」
人差し指を掲げ、アルスは牛乳を求めた。
パルムースは「別にいいけど」と言って、5本の牛乳瓶を差し出した。
パルムース「こっから引き抜いて、できれば真ん中。」
真ん中が無くなれば、持ち直すのが楽となる。
そう推測したパルムースはそこを取ることを求めた。
アルス「じゃあ端っこを」
隅にある1本を抜き取ろうと手を掛けると、パルムースは「足空いてるけどいいの?」と、片足をトントンとしながら顔を近付ける。
アルスは「サーセ~ン」と言いながら真ん中の牛乳瓶を引き抜いた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ハンバーガーの日】~ナタモチ~
隼士「く~っ!やはりシェイクを片手に食べるハンバーガーは格別だな!」
シェイクとハンバーガーという、自称贅沢な組み合わせの2品を手に賞味していた。
美浦「あんた本来の目的忘れてない?」
と言いつつ、美浦もフラッペの味を堪能している様子。
因みに今日ここに集まった理由は、夏休みの課題を早めに終わらせようと言い出した隼士が、勉強会を開くまでに話を展開させたからだ。
藍夏「今日はハンバーガーの日だよ~、だから狙いは見失ってないって。」
椅子に大胆にもたれ掛かり、ポテトを食べながら携帯をいじる藍夏。
チキンナゲット用のバーベキューソースをつけ、味変をしながら食べ進めている。
藍夏さん、あなた全然ハンバーガーに手を付けてませんけど。
肝心なハンバーガーよりも、ポテトの減りの方が早かった。
賢澄「君達、そのペースで一体いつ頃に終わる予定なんだい?僕はあと10分もしないうちに終えることができそうなんだが。」
飲み物に口を付け、眼鏡の位置を整えながら現状を述べた。
隼士「なにっ!?早くね!?」
隼士が身を乗り出し、賢澄が開いているテキストのページ数を確認する。
賢澄は呆れた表情で「君がのんびりしてるからだよ」と答えた。
藍夏「て言うか賢澄、ジュースしか頼まなかったじゃん。ナゲット多いから食いなよ。」
机中央に置かれた、ファミリーサイズのナゲットの箱を顎で指す。
賢澄「間食は控えているんだ」
藍夏「これ夜飯なんだけど」
藍夏がそう言うと、賢澄は「いただくよ」と即答した。
隼士「切り変えはっや!」
言い忘れていたが、賢澄が頼んだのはジュースではなくコーヒーである。
メインのハンバーガー等は、勉強が終わってから買いに行くようです。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ビリヤード】~アルスの日常~
あるゲームコーナーのビリヤードで、サトシはカヤサと厚史の対決を見ていた。
残るは一球だが、かなり白熱した戦いとなっていたので、この球を入れた側の勝ちということにした。
しかしそれから6ターンが経過したが、変に緊張して、ミスを連発していた。
終わりが見えず向かえた7ターン目。
厚史はこれまでにない程集中をした。
球はヘッドスポット辺りにあり、ちょうど一直線上に反対側のコーナーポケットへ入りそうだ。
カヤサ「もうちょい右、あー行きすぎ、もうちょい手前から、角度が違う。」
厚史「うるっせーよ!!」
惑わすカヤサに厚史が声を上げる。
集中力を欠かぬよう真剣な顔をする厚史を見て、カヤサはニヤニヤしている。
厚史「このやろう...とりゃあ!!」
遂に球を突き、それはコーナーポケットに目掛けて転がって行った。
その様子を3人は凝視する。
結果、球はコーナーポケットの手前で止まってしまった。
膝から崩れる厚史を見て更に声を上げて笑い出すカヤサ。
最後はしっかりカヤサが決めました。
クレ「あ~いた!パルちゃ~ん!」
付き人のミヤコと共に、クラスメイトのノートを運んでいたパルムース。
パルムース「なんだいクレ、なにか用かい?」
背を向ける彼女の名前を口にして呼び止めると、体の向きをこちらへと変え足を止めた。
通って来た廊下の先から、クレはが5本のなにかを抱えて駆け足で寄ってきた。
クレ「これあげる!またいっぱい貰っちゃった!」
そう言って、抱えた物を強調するように体を前に反った。
それは、1本720mlも入った牛乳瓶だった。
パルムース「ちょっと...ここで渡すつもり?」
彼女に顔を近付け、こそっと耳打ちをするが、クレは首を傾げながら「なにかあるの?」と聞き返すだけだ。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【持ちにくい】~電脳戦士の理~
ミヤコ「クレさん、やはり素敵なお方ですね。」
クレと別れたパルムースの隣から、表情をうかがおうと覗き込むミヤコ。
その口元は、いつの間にか綻んでいた。
クレから貰った牛乳瓶を、渋々と両手で持ち歩くパルムース。
パルムース「陽気さもいいところだよ」
あのあとクレは、用事があると言ってどこかへと行ってしまった。
まったく、こっちは2人でノートを運んでたと言うのに。
結局、半分ずつに分けていたノートは全てミヤコが持ち、クレに渡された5本の牛乳瓶は私が持っていると言うわけだ。
アルス「お、クレから貰ったんだな。」
正面から歩いて来たアルスは、パルムースの手持ちを見てそう言った。
パルムース「悪いが、1本持ってくれないか?」
アルスは「飲めばよくね?」と言うが、そんな痛飲じみたことはお断りだ。
アルス「じゃあ、そのまま1本俺にくれね?ちょうど喉乾いてるし。」
人差し指を掲げ、アルスは牛乳を求めた。
パルムースは「別にいいけど」と言って、5本の牛乳瓶を差し出した。
パルムース「こっから引き抜いて、できれば真ん中。」
真ん中が無くなれば、持ち直すのが楽となる。
そう推測したパルムースはそこを取ることを求めた。
アルス「じゃあ端っこを」
隅にある1本を抜き取ろうと手を掛けると、パルムースは「足空いてるけどいいの?」と、片足をトントンとしながら顔を近付ける。
アルスは「サーセ~ン」と言いながら真ん中の牛乳瓶を引き抜いた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ハンバーガーの日】~ナタモチ~
隼士「く~っ!やはりシェイクを片手に食べるハンバーガーは格別だな!」
シェイクとハンバーガーという、自称贅沢な組み合わせの2品を手に賞味していた。
美浦「あんた本来の目的忘れてない?」
と言いつつ、美浦もフラッペの味を堪能している様子。
因みに今日ここに集まった理由は、夏休みの課題を早めに終わらせようと言い出した隼士が、勉強会を開くまでに話を展開させたからだ。
藍夏「今日はハンバーガーの日だよ~、だから狙いは見失ってないって。」
椅子に大胆にもたれ掛かり、ポテトを食べながら携帯をいじる藍夏。
チキンナゲット用のバーベキューソースをつけ、味変をしながら食べ進めている。
藍夏さん、あなた全然ハンバーガーに手を付けてませんけど。
肝心なハンバーガーよりも、ポテトの減りの方が早かった。
賢澄「君達、そのペースで一体いつ頃に終わる予定なんだい?僕はあと10分もしないうちに終えることができそうなんだが。」
飲み物に口を付け、眼鏡の位置を整えながら現状を述べた。
隼士「なにっ!?早くね!?」
隼士が身を乗り出し、賢澄が開いているテキストのページ数を確認する。
賢澄は呆れた表情で「君がのんびりしてるからだよ」と答えた。
藍夏「て言うか賢澄、ジュースしか頼まなかったじゃん。ナゲット多いから食いなよ。」
机中央に置かれた、ファミリーサイズのナゲットの箱を顎で指す。
賢澄「間食は控えているんだ」
藍夏「これ夜飯なんだけど」
藍夏がそう言うと、賢澄は「いただくよ」と即答した。
隼士「切り変えはっや!」
言い忘れていたが、賢澄が頼んだのはジュースではなくコーヒーである。
メインのハンバーガー等は、勉強が終わってから買いに行くようです。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ビリヤード】~アルスの日常~
あるゲームコーナーのビリヤードで、サトシはカヤサと厚史の対決を見ていた。
残るは一球だが、かなり白熱した戦いとなっていたので、この球を入れた側の勝ちということにした。
しかしそれから6ターンが経過したが、変に緊張して、ミスを連発していた。
終わりが見えず向かえた7ターン目。
厚史はこれまでにない程集中をした。
球はヘッドスポット辺りにあり、ちょうど一直線上に反対側のコーナーポケットへ入りそうだ。
カヤサ「もうちょい右、あー行きすぎ、もうちょい手前から、角度が違う。」
厚史「うるっせーよ!!」
惑わすカヤサに厚史が声を上げる。
集中力を欠かぬよう真剣な顔をする厚史を見て、カヤサはニヤニヤしている。
厚史「このやろう...とりゃあ!!」
遂に球を突き、それはコーナーポケットに目掛けて転がって行った。
その様子を3人は凝視する。
結果、球はコーナーポケットの手前で止まってしまった。
膝から崩れる厚史を見て更に声を上げて笑い出すカヤサ。
最後はしっかりカヤサが決めました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる