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卯月
シャワー・雨と銭湯の回(全2話)
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【シャワー】~電脳戦士の理~
うちの学校の室内プールには、男女それぞれ10人ずつが使えるシャワー室がある。
雨で濡れたリリーは、パルムースと一緒にシャワーを借りに来ていた。
リリー「朝からシャワー、気持ちいいねぇ~。」
備え付けのリンスで髪を洗うリリー。
冷たい雨に打たれたあとだからか、ここのシャワーが適温だからなのか、なんだかいつもより癒されるような気がする。
リリー「たまにはこういう日があってもいいんじゃないかなぁ」
シャワーを浴びながら、鼻唄を歌う
そんな時、隣の個室からパルムースの声が聞こえてきた。
パルムース「...リリー、さっきはすまなかったな。」
リリー「えぇ、なにかあったかなぁ。」
急に謝られても、さっきの出来事が思い出せない。
今日、パルムースは送迎の車で通学をしていた。
正門に差し掛かる前の道路に、小さな溝のようなものがある。
そこを通る際、たまたま近くを歩いていたリリーに、その溝に溜まった雨が跳ねて掛かってしまった。
制服はびしょ濡れで、スカートについた泥の汚れはひどく目立っていた。
そう言うわけで、パルムースがシャワーを浴びないかと提案したのだった。
リリー「いいんだよぉ。強い雨だからねぇ、あんなことが起きちゃっても仕方がないと思うよぉ。」
パルムース「だけど...」
いつもはクールに振る舞うパルムースだが、今日はなんだか自責の念にかられているようで、威勢がなく感じる。
リリー「でもぉ、こうして2人でいられるこの時間はぁ、私にとってはとっても楽しい大切な時間なんだよねぇ。」
今過ごしているこの時間について、明言する。
決して慰めなんかではなく、本心で。
リリー「雨が降ったら、またいつか一緒に来たいな。」
髪を洗っていた手を止め、若干俯きながらそう呟いた。
パルムース「...だから、私はあなたを憎めないの。」
この空間には今、シャワーに打たれる音だけが響いていた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【雨と銭湯の回】~アルスの日常~
藍夏「アルス~、銭湯行こうよ。」
放課後の教室で、帰りの支度をするアルスに藍夏がお出掛けに誘う。
アルス「お、ちょうど行こうと思ってたんだわ。」
筆記具や小説を鞄に詰め込みながら、アルスは受け答える。
藍夏「マジ?じゃあ行こうよ!」
アルス「たりめぇだ」
そんなこんなで、彼女の誘いに乗った。
エル「でも雨降ってるよ?露天風呂とか行けなくない?」
アルス「雨に打たれながら浸かるのがまたいいんだよな」
冷たい雨に吹かれる風と、それを調和させる熱いお湯。
天気は雨だが、これがまた気晴らしとなる。
藍夏「分かってんじゃん。ほらエルも、ボサッとしてないで行くよ!」
エル「え、私も!?」
うちの学校の室内プールには、男女それぞれ10人ずつが使えるシャワー室がある。
雨で濡れたリリーは、パルムースと一緒にシャワーを借りに来ていた。
リリー「朝からシャワー、気持ちいいねぇ~。」
備え付けのリンスで髪を洗うリリー。
冷たい雨に打たれたあとだからか、ここのシャワーが適温だからなのか、なんだかいつもより癒されるような気がする。
リリー「たまにはこういう日があってもいいんじゃないかなぁ」
シャワーを浴びながら、鼻唄を歌う
そんな時、隣の個室からパルムースの声が聞こえてきた。
パルムース「...リリー、さっきはすまなかったな。」
リリー「えぇ、なにかあったかなぁ。」
急に謝られても、さっきの出来事が思い出せない。
今日、パルムースは送迎の車で通学をしていた。
正門に差し掛かる前の道路に、小さな溝のようなものがある。
そこを通る際、たまたま近くを歩いていたリリーに、その溝に溜まった雨が跳ねて掛かってしまった。
制服はびしょ濡れで、スカートについた泥の汚れはひどく目立っていた。
そう言うわけで、パルムースがシャワーを浴びないかと提案したのだった。
リリー「いいんだよぉ。強い雨だからねぇ、あんなことが起きちゃっても仕方がないと思うよぉ。」
パルムース「だけど...」
いつもはクールに振る舞うパルムースだが、今日はなんだか自責の念にかられているようで、威勢がなく感じる。
リリー「でもぉ、こうして2人でいられるこの時間はぁ、私にとってはとっても楽しい大切な時間なんだよねぇ。」
今過ごしているこの時間について、明言する。
決して慰めなんかではなく、本心で。
リリー「雨が降ったら、またいつか一緒に来たいな。」
髪を洗っていた手を止め、若干俯きながらそう呟いた。
パルムース「...だから、私はあなたを憎めないの。」
この空間には今、シャワーに打たれる音だけが響いていた。
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【雨と銭湯の回】~アルスの日常~
藍夏「アルス~、銭湯行こうよ。」
放課後の教室で、帰りの支度をするアルスに藍夏がお出掛けに誘う。
アルス「お、ちょうど行こうと思ってたんだわ。」
筆記具や小説を鞄に詰め込みながら、アルスは受け答える。
藍夏「マジ?じゃあ行こうよ!」
アルス「たりめぇだ」
そんなこんなで、彼女の誘いに乗った。
エル「でも雨降ってるよ?露天風呂とか行けなくない?」
アルス「雨に打たれながら浸かるのがまたいいんだよな」
冷たい雨に吹かれる風と、それを調和させる熱いお湯。
天気は雨だが、これがまた気晴らしとなる。
藍夏「分かってんじゃん。ほらエルも、ボサッとしてないで行くよ!」
エル「え、私も!?」
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