毎日!アルスの日常365

星月

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卯月

シャワー・雨と銭湯の回(全2話)

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【シャワー】~電脳戦士の理~

うちの学校の室内プールには、男女それぞれ10人ずつが使えるシャワー室がある。
雨で濡れたリリーは、パルムースと一緒にシャワーを借りに来ていた。

リリー「朝からシャワー、気持ちいいねぇ~。」

備え付けのリンスで髪を洗うリリー。
冷たい雨に打たれたあとだからか、ここのシャワーが適温だからなのか、なんだかいつもより癒されるような気がする。

リリー「たまにはこういう日があってもいいんじゃないかなぁ」

シャワーを浴びながら、鼻唄を歌う
そんな時、隣の個室からパルムースの声が聞こえてきた。

パルムース「...リリー、さっきはすまなかったな。」
リリー「えぇ、なにかあったかなぁ。」

急に謝られても、さっきの出来事が思い出せない。

今日、パルムースは送迎の車で通学をしていた。

正門に差し掛かる前の道路に、小さな溝のようなものがある。
そこを通る際、たまたま近くを歩いていたリリーに、その溝に溜まった雨が跳ねて掛かってしまった。

制服はびしょ濡れで、スカートについた泥の汚れはひどく目立っていた。

そう言うわけで、パルムースがシャワーを浴びないかと提案したのだった。

リリー「いいんだよぉ。強い雨だからねぇ、あんなことが起きちゃっても仕方がないと思うよぉ。」
パルムース「だけど...」

いつもはクールに振る舞うパルムースだが、今日はなんだか自責の念にかられているようで、威勢がなく感じる。

リリー「でもぉ、こうして2人でいられるこの時間はぁ、私にとってはとっても楽しい大切な時間なんだよねぇ。」

今過ごしているこの時間について、明言する。
決して慰めなんかではなく、本心で。

リリー「雨が降ったら、またいつか一緒に来たいな。」

髪を洗っていた手を止め、若干俯きながらそう呟いた。

パルムース「...だから、私はあなたを憎めないの。」

この空間には今、シャワーに打たれる音だけが響いていた。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【雨と銭湯の回】~アルスの日常~

藍夏「アルス~、銭湯行こうよ。」

放課後の教室で、帰りの支度をするアルスに藍夏がお出掛けに誘う。

アルス「お、ちょうど行こうと思ってたんだわ。」

筆記具や小説を鞄に詰め込みながら、アルスは受け答える。

藍夏「マジ?じゃあ行こうよ!」
アルス「たりめぇだ」

そんなこんなで、彼女の誘いに乗った。

エル「でも雨降ってるよ?露天風呂とか行けなくない?」
アルス「雨に打たれながら浸かるのがまたいいんだよな」

冷たい雨に吹かれる風と、それを調和させる熱いお湯。
天気は雨だが、これがまた気晴らしとなる。

藍夏「分かってんじゃん。ほらエルも、ボサッとしてないで行くよ!」
エル「え、私も!?」
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