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如月
2月の雨・雨の影響・ニット帽の回・金曜日の放課後(全4話)
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【2月の雨】~ナタモチ~
雨雲が空一帯を覆う朝。
今日は一日中雨だと、天気予報で言っていた。
美浦「2月の雨って一番滅入るよね」
傘を回し、水滴を飛ばしながら美浦は言う。
美優「分かる。寒い上に冷たいなんて、本当に参っちゃうよ。」
それに私は同調する。
隼士「美浦、それやめてくれね?すごい飛んでくるんだが...。」
美浦の傘をつまみ、回転を止める。
よく見ると、私と隼士のブレザーは飛んできた水滴でかなり濡れていた。
美浦「あ、ごめん。」
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【雨の影響】~電脳戦士の理~
リーテは、ホームシイクから渡された傘を持ち、教室に向かっていた。
屋根がないのは、校門から生徒玄関までなので、別に傘をささなくてもいいんだけど。
それでもホームシイクと召し使いは、傘を持たせてきた。
折り畳み傘持ってるんだから、なにもそこまで心配しなくてもいいのではと。
茉愛「ホント最悪、せっかくセットしたのに濡れちゃった。」
教室につくと、茉愛の話し声が聞こえた。
廊下から、向かい側に座るリリーと話している茉愛の姿が見える。
リリー「それでも茉愛ちゃんは可愛いよぉ。」
微笑むリリーに、茉愛は少し動揺する。
茉愛「ちょ、なに言ってんの...そういうのはリーテ君に言われたいの!」
リーテ「呼んだ?」
後ろで聞いていた僕が声をかける。
気付いていなかったようで、茉愛は肩を大きく弾ませるのと同時に、短い悲鳴を上げる。
その衝撃からか、椅子から派手に転げ落ちた。
茉愛「いった~い...もう!びっくりしたよ!」
驚かせようといういたずら心はあったが、まさかここまで発展するとは思わなかった。
リーテ「ごめんごめん、わざとじゃないんだ。」
そう言ったが、わざとではある。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【ニット帽の回】~アルスの日常~
サトシが、エル達と雑談している颯太の背後に忍び寄る。
片手を伸ばし、彼女のニット帽をずらした。
颯太「なにするの!」
両手で抑えながら、後ろを振り返る。
サトシ「今日はニット帽の日らしいな」
ポケットに手を突っ込み、目を合わせる。
サトシは、颯太のニット帽に指を差した。
サトシ「これなんか意味あんの?」
颯太「暖かいから被ってる」
生地は結構厚く、本人は気に入っているようだ。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【金曜日の放課後】~四元戦士の理~
放課後、帰宅の支度をするマリンに、カツキは予定を立てる。
カツキ「せっかくの金曜日なんだし、どっか食べに行こっか!」
明日は休みだし、遅くまで遊んでもいいよね。
マリンはニコッと笑って頷く。
カツキ「あ、はまちんも来る?」
教卓でプリント等をまとめている、担任の浜瀬先生を冗談半分で誘う。
浜瀬「その呼び方やめろって言ってんだろ。あと部活だ。」
持参しているファイルに、授業で使う資料や古い掲示物を入れているようだ。
カツキ「ちえ、冷たい。」
浜瀬「てかカツキ、お前再試いつやるんだ?」
再試験の先延ばしをいつまでもし続けるカツキに、鋭い眼光を向ける。
カツキ「ギクッ!」
浜瀬「なんなら部活をオフにして今からやってもいいんだが?」
ファイルから、再試験のものであろう問題用紙を取り出した。
カツキ「マリン、行くよ!」
マリンの手を引き、逃げるように教室を出る。
浜瀬「まったくあいつは...」
雨雲が空一帯を覆う朝。
今日は一日中雨だと、天気予報で言っていた。
美浦「2月の雨って一番滅入るよね」
傘を回し、水滴を飛ばしながら美浦は言う。
美優「分かる。寒い上に冷たいなんて、本当に参っちゃうよ。」
それに私は同調する。
隼士「美浦、それやめてくれね?すごい飛んでくるんだが...。」
美浦の傘をつまみ、回転を止める。
よく見ると、私と隼士のブレザーは飛んできた水滴でかなり濡れていた。
美浦「あ、ごめん。」
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【雨の影響】~電脳戦士の理~
リーテは、ホームシイクから渡された傘を持ち、教室に向かっていた。
屋根がないのは、校門から生徒玄関までなので、別に傘をささなくてもいいんだけど。
それでもホームシイクと召し使いは、傘を持たせてきた。
折り畳み傘持ってるんだから、なにもそこまで心配しなくてもいいのではと。
茉愛「ホント最悪、せっかくセットしたのに濡れちゃった。」
教室につくと、茉愛の話し声が聞こえた。
廊下から、向かい側に座るリリーと話している茉愛の姿が見える。
リリー「それでも茉愛ちゃんは可愛いよぉ。」
微笑むリリーに、茉愛は少し動揺する。
茉愛「ちょ、なに言ってんの...そういうのはリーテ君に言われたいの!」
リーテ「呼んだ?」
後ろで聞いていた僕が声をかける。
気付いていなかったようで、茉愛は肩を大きく弾ませるのと同時に、短い悲鳴を上げる。
その衝撃からか、椅子から派手に転げ落ちた。
茉愛「いった~い...もう!びっくりしたよ!」
驚かせようといういたずら心はあったが、まさかここまで発展するとは思わなかった。
リーテ「ごめんごめん、わざとじゃないんだ。」
そう言ったが、わざとではある。
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【ニット帽の回】~アルスの日常~
サトシが、エル達と雑談している颯太の背後に忍び寄る。
片手を伸ばし、彼女のニット帽をずらした。
颯太「なにするの!」
両手で抑えながら、後ろを振り返る。
サトシ「今日はニット帽の日らしいな」
ポケットに手を突っ込み、目を合わせる。
サトシは、颯太のニット帽に指を差した。
サトシ「これなんか意味あんの?」
颯太「暖かいから被ってる」
生地は結構厚く、本人は気に入っているようだ。
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【金曜日の放課後】~四元戦士の理~
放課後、帰宅の支度をするマリンに、カツキは予定を立てる。
カツキ「せっかくの金曜日なんだし、どっか食べに行こっか!」
明日は休みだし、遅くまで遊んでもいいよね。
マリンはニコッと笑って頷く。
カツキ「あ、はまちんも来る?」
教卓でプリント等をまとめている、担任の浜瀬先生を冗談半分で誘う。
浜瀬「その呼び方やめろって言ってんだろ。あと部活だ。」
持参しているファイルに、授業で使う資料や古い掲示物を入れているようだ。
カツキ「ちえ、冷たい。」
浜瀬「てかカツキ、お前再試いつやるんだ?」
再試験の先延ばしをいつまでもし続けるカツキに、鋭い眼光を向ける。
カツキ「ギクッ!」
浜瀬「なんなら部活をオフにして今からやってもいいんだが?」
ファイルから、再試験のものであろう問題用紙を取り出した。
カツキ「マリン、行くよ!」
マリンの手を引き、逃げるように教室を出る。
浜瀬「まったくあいつは...」
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