毎日!アルスの日常365

星月

文字の大きさ
上 下
42 / 369
如月

2月の雨・雨の影響・ニット帽の回・金曜日の放課後(全4話)

しおりを挟む
【2月の雨】~ナタモチ~

雨雲が空一帯を覆う朝。
今日は一日中雨だと、天気予報で言っていた。

美浦「2月の雨って一番滅入るよね」

傘を回し、水滴を飛ばしながら美浦は言う。

美優「分かる。寒い上に冷たいなんて、本当に参っちゃうよ。」

それに私は同調する。

隼士「美浦、それやめてくれね?すごい飛んでくるんだが...。」

美浦の傘をつまみ、回転を止める。
よく見ると、私と隼士のブレザーは飛んできた水滴でかなり濡れていた。

美浦「あ、ごめん。」



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【雨の影響】~電脳戦士の理~

リーテは、ホームシイクから渡された傘を持ち、教室に向かっていた。

屋根がないのは、校門から生徒玄関までなので、別に傘をささなくてもいいんだけど。
それでもホームシイクと召し使いは、傘を持たせてきた。

折り畳み傘持ってるんだから、なにもそこまで心配しなくてもいいのではと。

茉愛「ホント最悪、せっかくセットしたのに濡れちゃった。」

教室につくと、茉愛の話し声が聞こえた。
廊下から、向かい側に座るリリーと話している茉愛の姿が見える。

リリー「それでも茉愛ちゃんは可愛いよぉ。」

微笑むリリーに、茉愛は少し動揺する。

茉愛「ちょ、なに言ってんの...そういうのはリーテ君に言われたいの!」
リーテ「呼んだ?」

後ろで聞いていた僕が声をかける。

気付いていなかったようで、茉愛は肩を大きく弾ませるのと同時に、短い悲鳴を上げる。

その衝撃からか、椅子から派手に転げ落ちた。

茉愛「いった~い...もう!びっくりしたよ!」

驚かせようといういたずら心はあったが、まさかここまで発展するとは思わなかった。

リーテ「ごめんごめん、わざとじゃないんだ。」

そう言ったが、わざとではある。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【ニット帽の回】~アルスの日常~

サトシが、エル達と雑談している颯太の背後に忍び寄る。
片手を伸ばし、彼女のニット帽をずらした。

颯太「なにするの!」

両手で抑えながら、後ろを振り返る。

サトシ「今日はニット帽の日らしいな」

ポケットに手を突っ込み、目を合わせる。
サトシは、颯太のニット帽に指を差した。

サトシ「これなんか意味あんの?」
颯太「暖かいから被ってる」

生地は結構厚く、本人は気に入っているようだ。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



【金曜日の放課後】~四元戦士の理~

放課後、帰宅の支度をするマリンに、カツキは予定を立てる。

カツキ「せっかくの金曜日なんだし、どっか食べに行こっか!」

明日は休みだし、遅くまで遊んでもいいよね。
マリンはニコッと笑って頷く。

カツキ「あ、はまちんも来る?」

教卓でプリント等をまとめている、担任の浜瀬先生を冗談半分で誘う。

浜瀬「その呼び方やめろって言ってんだろ。あと部活だ。」

持参しているファイルに、授業で使う資料や古い掲示物を入れているようだ。

カツキ「ちえ、冷たい。」
浜瀬「てかカツキ、お前再試いつやるんだ?」

再試験の先延ばしをいつまでもし続けるカツキに、鋭い眼光を向ける。

カツキ「ギクッ!」
浜瀬「なんなら部活をオフにして今からやってもいいんだが?」

ファイルから、再試験のものであろう問題用紙を取り出した。

カツキ「マリン、行くよ!」

マリンの手を引き、逃げるように教室を出る。

浜瀬「まったくあいつは...」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性転換タイムマシーン

廣瀬純一
SF
バグで性転換してしまうタイムマシーンの話

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

ドレスを着たら…

奈落
SF
TSFの短い話です

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

処理中です...