ラブ米書いてみた

永久保セツナ

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ラブ米書いてみた~スリーアウト~

第10話 かわいい後輩

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「あ、おはようございます、下田しもだ先輩、姫月ひめづき先輩」
「やあ、おはよう、猫君」
動物の猫が挨拶したわけではない。
校舎に入ると、後輩の一年生、中島なかじま猫春ねこはるが俺たちに挨拶したのだ。二年生の雪華ゆきかは女顔の猫春を気に入って、『猫君』と呼んでいる。ちなみに俺は高校の最高位、三年生なわけだが、何故か、後輩からあまり尊敬されてる気がしない。
「人望ないんですね、先輩」
雪華が言った。また思考を読みやがった。
「うるさいな」
「?」
俺と雪華の突然の会話に、猫春は首をかしげた。
「……やっぱり、下田先輩と姫月先輩は、付き合ってるだけあって仲が良いですね」
突然の会話を理解できないまま、猫春はそう言った。
「だろ?」
「いや、付き合ってないよ」
前者が俺、後者が雪華。
「え? お二人は付き合ってるって、学校中で有名じゃないですか」
猫春は眼鏡の中のぱっちりした目を丸くして言った。
「猫君、それ、誰から聞いたんだい?」
雪華は無表情で猫春に問う。多分答えはわかりきっている。
「えーっと、ぼくはクラスの女子から聞いて、その女子は下田先輩が言ってた、って言ってましたけど」
「やっぱお前か!」
雪華は振り向きざまに、まだダメージが残っているみぞおちにチョップした。
「俺ですスイマセンッ」
あれ、やべっ、なんか目から塩水が……。
「変なうわさ流さないでください。身の程を知れ」
「ううう……もういいじゃん彼女で……」
「あくまでも私たちは友達です。そこを変える気はないのでよろしく」
再びうずくまる俺とそれを見下ろす雪華。
玄関近くの廊下で繰り広げられているので目立つ目立つ。
「じゃあ、先輩方は付き合ってはいないんですね」
「そうだよ。下田先輩よりは猫君と付き合った方がマシだよ。あ、なんなら猫君、私と付き合ってみるかい?」
雪華は妖しく笑って猫春に言った。
「え……」
猫春は顔を真っ赤にした。
「ちょ! 待て雪華! お前、男嫌いの設定はどうした!?」
「設定言うな。女顔はギリギリセーフです」
「アウトだよ! 余裕でアウトだよ!」
と、言っていると、チャイムが鳴ってしまった。
ここから、教室が別で、書くことが何もないので、大幅に省かせていただく。

〈続く〉
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