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ラブ米書いてみた~スリーアウト~
第9話 狗郎と雪華の登校風景
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「あ、にゃんこ」
登校中に、突然隣で姫月雪華が言った。
雪華の視線を追うと、確かに道の端に猫がいる。
「ホントだ。猫だ」
俺、下田狗郎はそう返した。
「ちょっと触ってきていいですか」
雪華は相変わらずの無表情で俺に問う。
「ああ、いいよ。まだ時間あるし」
俺はケータイを取り出し、時間を確認して言った。
っていうか、『にゃんこ』って言ったよ雪華。可愛いなオイ。
雪華は、そっと猫に近寄って、目の前に手を差し出す。人懐っこい猫らしく、くんくんと雪華の手の匂いを嗅ぐと、ペロッとなめ始めた。
俺も雪華の手なめたいハアハア。
雪華は俺の邪心に気づいたのか、眉間にしわを寄せて俺を睨んだ。時々、雪華は俺の心が読めるらしい。そこまで俺を想っているのか、と思いきや、本人いわく、『先輩の考えていることは単純でわかりやすいです。っていうか、知りたくもないのにダダ漏れです。やめて下さい迷惑なんで』らしい。
みんな、わかってあげて! この子恥ずかしがり屋なの! 一種のツンデレなの! 可愛いな全く!
と考えている間に、雪華と猫は打ち解けたらしい。猫は雪華に身を任せ、雪華はかすかに笑みを浮かべながら猫の頭や体をなでている。
その光景があまりに可愛く和やかだったので、手に持っていたケータイで撮影した。
ピロリロリン♪
予想以上にシャッター音が大きかった。
猫はその音に驚いて、一瞬毛を逆立てて逃げてしまった。
「あ……」
雪華は残念そうな声を上げて、逃げ去る猫を見送った。
「……あ、そろそろ時間だぞ。行こう行こう」
俺は雪華に声をかけた。
「下田先輩てめえ何さらしとんじゃゴルアアア!」
雪華は俺のみぞおちを回転を加えて思いっきり殴った。
「グッハウ!」
俺は思わず変な声を出してうずくまる。
「謝れ……お前まず謝れ……」
雪華はうずくまる俺の胸ぐらをつかんで、俺を見下してボソボソ呟いた。とても先輩にする仕打ちとは思えない。
「……すいませんでした……あの……ほんとにすいません……」
散々な朝だったが、雪華の微笑写真が撮れたので、まあ良しとしよう。
〈続く〉
登校中に、突然隣で姫月雪華が言った。
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〈続く〉
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