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ラブ米書いてみた~セカンドシーズン~
第6話 下田狗郎の授業風景
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前回までのあらすじ。
去年の秋、下田狗郎は姫月雪華に告白した。
しかし、雪華の答えは「勘弁して下さい」だった。狗郎の頑張りの結果、なんとか下僕は免れて友達にしてもらった。だが狗郎は彼女ができたと思い込むことにした。
そして、現在。
友達から、全く進展なし。
***
「ロージー……雪華がいなくて寂しいよう……」
「まあ、学年違うからな」
ちなみに現在授業中。この時間が終われば昼休み。
「畜生……彼女いないからって他人事みたいに……」俺、狗郎は声をひそめて言った。
「俺は恋愛より受験に集中したいんだよ。っていうかお前ら、付き合ってはいないんだろ?」
狼路もひそひそ声で応対する。
「今世紀最高のカップルに何言ってんだお前は? 太陽系から追放してやろうか」
「じゃあ聞くけど、お前らどこまで進んでんの? キスは?」
「今朝未遂」
「拒否されたんだろうが。ゼロ回な。手はつないだ?」
「う……これから」
「はい、ゼロ回と」
「で、でも抱きつかれたことはあるぞ」
「手つなぎをすっ飛ばしてか? 雪華ちゃんがそんなことするのか?」
「嘘じゃねーよ!」
「何が嘘じゃねーんだ?」
男性教師が言った。思わず声が大きくなってしまったらしい。狼路が、ばーか、という目で俺を見た。
「随分楽しそうだな。ん? 何が嘘じゃないんだ?」
「い、いや、あの、……え、えへっ☆」
「可愛くねーぞ」
男性教師は心底ウザそうに言った。
運がいいことに、チャイムが鳴って、それ以上の追及は免れた。
〈続く〉
去年の秋、下田狗郎は姫月雪華に告白した。
しかし、雪華の答えは「勘弁して下さい」だった。狗郎の頑張りの結果、なんとか下僕は免れて友達にしてもらった。だが狗郎は彼女ができたと思い込むことにした。
そして、現在。
友達から、全く進展なし。
***
「ロージー……雪華がいなくて寂しいよう……」
「まあ、学年違うからな」
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〈続く〉
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