クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃

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第四章 暗殺者の選択編

第169話 朝からオークション会場に向かう一行

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 オークションは朝から開催される。この日はモンドもオークション終了まで会場にいることになる。その為、俺たちもオークションでの護衛に専念することになる。
 
 オークションの会場は広いため俺たちも二人一組で行動することになる。とりあえず朝の朝食を摂りその時にオークション会場での仕事の流れを確認しあった。

「今回は二人一組だからな。出来るだけ連携が取りやすいのがいいだろうからリョウガはマリスと組むべきだろうな」
「うん。やっぱりそうだよね!」

 ゴングに言われマリスが何故か喜んでいたが俺はそこは誰でもいい。組む相手によって力を発揮できないなどと言ってるようではプロ失格だからな。

「そうなるとゴングはパルコだろうね」
「なんでそうなるんだよ」
「本当よ。こいつとはただの腐れ縁ってだけなんだからね」

 イザベラが笑って二人に言うもゴングとパルコは不満そうに答えていた。

「そうは言ってもね。私はクルスと相性良さそうだからわりと気に入ってるのさ」
「えぇぇえ!」

 イザベラの発言にクルスが飛び上がらんばかりの反応を示した。

「何だいクルスそんな顔を赤くしてぇ」
「いや、そんな急に言われても」

 ニヤケ顔でからかうように指摘するイザベラ。実際クルスの顔は赤い。

「ちなみ相性と言ってもあくまで仲間のだからな?」
「あ、そ、そうですよね」
「はは。ま、そういうことさ。でもアンタの事は嫌いじゃないから安心しな」
「は、はぁ」

 イザベラの言葉にクルスが曖昧に頷いた。随分と翻弄されているな。イザベラにとってはクルスは扱いやすい相手なのかもしれない。

「ま、そういうわけだから必然的にあんたら二人がコンビで決定ってわけさ」
「チッ」
「ま、仕事だから文句も言えないけどね」

 結局イザベラの意見が通り俺とマリス、ゴングとパルコ、イザベラとクルスの三組で会場の護衛にあたることとなった。

「朝食もしっかりとれたかな? まぁオークション専用の護衛もかなりの数配置されるらしいからそこまで危険なことにはならないと思うが娘ともどもよろしく頼むよ」
「今日はどうぞ宜しくお願い致します」
 
 朝食を食べ終えエントランスに向かった後でモンドが言った。隣に立っているエンデルも俺たちに頭を下げていた。

「大丈夫だよエンデル。私も頑張るしリョウガは勿論、皆頼りになる仲間だからね」
「は、はい! 凄く頼もしいです」

 マリスの発言にエンデルが笑顔を見せた。さっきまでのエンデルには緊張の色が見えたがマリスのおかげでそれも和らいだようだな。

「では会場に向かうとしよう」

 そして俺たちはホテルから馬車に乗りオークション会場に向かった。トルネイルは都市として知られているほど広い街だからな。会場までは馬車で三十分程度は掛かる。もっとも俺一人なら歩いた方が早い距離だが。

「これまたデケェ建物だな」

 オークションの会場につくなりゴングが驚きの声を上げた。パルコやイザベラも会場に使われる建物を見上げている。その作りはドーム型であり規模は俺の感覚でいえば日本で有名だったドーム球場ぐらいはあるだろう。

「あ、マリスじゃんか。それにリョウガも一緒だったんだねぇ」

 馬車から降りた俺たちに気がついたのか赤髪の女が近づいてきて声を掛けてきた。

「また会えたねスカーレッド。今日は仕事?」
「あぁ。今日はこの会場の護衛を任されているからね」
 
 マリスに聞かれスカーレッドが答えた。モンドの言っていた会場の護衛の一人がスカーレッドってわけか。

「そういえば結局目的の物は買えたの?」
「あぁ。この袋に入ってるぜ。実は」
「マリス。お喋りはそこまでは会場に入るぞ」
「あ、うん! ごめんねスカーレッドじゃあまたね」
「あぁ。そっちも仕事頑張れよ」

 俺が注意したことでマリスとスカーレッドが会話を切り上げた。そしてそのまま受付に向かうことになった――。
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