クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃

文字の大きさ
上 下
138 / 177
第四章 暗殺者の選択編

第136話 モンドとゴルドー

しおりを挟む
 戻ってすぐにエンデルが途中で起きたことを説明していた。その後ゴルドーに出会った事も話すとモンドがゴルドーと挨拶を交わす。

「これはこれは市長。お久しぶりです」
「久しぶりだね君も元気そうで何よりだよ」

 モンドがゴルドーと挨拶をかわしたあとモンドが俺に目を向けた。

「リョウガもご苦労さま。どうやら途中で娘が襲われたようだね。君に同行させて良かったよ」
「本当にリョウガさんのおかげで助かりました」

 モンドにお礼を言われた。エンデルも微笑みかけてきたが俺としてはやるべきことをやっただけだ。褒められるようなことではない。

「今回雇った護衛はかなり優秀なようだね。いい冒険者を見つけたものだ」
「はは、確かに。彼には今回初めて依頼したが予想通りの腕前でしたよ」

「うむ。そうだなこれだけの腕があるなら今度は私もお願いしたいぐらいだよ」

 そんな話を二人で交わしていた。仕事が増えるのは悪いことではないがそれ以外には特に興味はなかった。二人の話はそのままエンデルの話題に移っていく。

「それにしてもエンデルも随分と美しく成長したものだ。久しぶりに見て驚いたよ」
「はは、そう言って頂けると光栄ですね」
「うむ。流石は育て方も一級だな。これなら――」

 そこまでいったゴルドーの視線がエンデルに向けられた。どことなく値踏みするような目だった。

「やったね! また勝ったよ!」
「へぇ。やるじゃないイザベラ」
 
 その時耳に届いたのは興奮したイザベラの声だった。どうやら次の賭けでも的中したようだな。この試合は魔物や魔獣を集めて生き残ったのが勝ちというものだったらしく賭けの対象が増える分当てるのは難しそうだが、イザベラは賭けに関しての嗅覚が優れているのかもな。

「彼女たちも護衛かな?」
「そうです。今回はリョウガも含めて六人雇ってますからな。皆、腕は確かですよ」
「ほう。それならこの後楽しんで貰えるかもしれないな」

 この後、か、妙に意味深な発言だな。

『さぁ会場の皆様お待たせいたしました! 今回の目玉となる特別試合を開始致します! 先ずは今をときめく新進気鋭のA級冒険者! パトリエ選手の入場です!』

 ふと試合場に響き渡る声。見ると闘技場の中心にメガネを掛けた男の姿。その手にはマイクのような物も握られていた。あれも魔導具の一種なのだろう。

 そして出入り口から姿を見せたのは鎧姿で銀髪の美丈夫だった。そしてパトリエという冒険者が姿を見せた途端コロシアム内の盛り上がりが増した。

 女のファンも多いのか黄色い声援も飛び交う。もっとも入ってきたパトリエは特に声援に答えることもなくどこか面白くなさそうでもある。

「いやはや、やはり大した人気だね」
「うむ。今回の目玉だからな。君も彼を見たくてきたのだろう?」
「勿論。彼の噂は私も耳にしていましたからね」

 ゴルドーがモンドとそんな会話をしていた。モンドが見たいと言っていた試合はこれか。確かにパトリエという男から発せられる空気はこれまでの冒険者と異なる。これがこの世界のA級の実力ということか。

「しかし市長。彼をよく説得できましたね」
「最初はなかなか首を縦に振ってくれなかったが今回は護衛を依頼するのと一緒にギルドマスターを通してお願いしてもらったのだよ」

 モンドに聞かれゴルドーが答えた。その話を聞いてしっくりきた。パトリエが面白くなさそうなのは今回の試合に参加するのが不本意だったからなのだろう。

 観衆の目に晒され見世物扱いされてるようで気分が悪いのかもな。その気持ちはわからなくもない。

『パトリエ選手は今回開かれるオークションの護衛たちのリーダーとしても期待される程の逸材! そんなパトリエ選手が相手するのは――この魔獣たちだ!』

 闘技場に立つ男が派手なリアクションを見せると同時に屈強な男たちの手によって巨大な檻が三つ運ばれてきた。檻にはカバーが掛けられていて今はまだその姿が確認できない。

 そして闘技場まで運ばれると同時にカバーが外され中身が顕になったわけだが――
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

同級生の女の子を交通事故から庇って異世界転生したけどその子と会えるようです

砂糖琉
ファンタジー
俺は楽しみにしていることがあった。 それはある人と話すことだ。 「おはよう、優翔くん」 「おはよう、涼香さん」 「もしかして昨日も夜更かししてたの? 目の下クマができてるよ?」 「昨日ちょっと寝れなくてさ」 「何かあったら私に相談してね?」 「うん、絶対する」 この時間がずっと続けばいいと思った。 だけどそれが続くことはなかった。 ある日、学校の行き道で彼女を見つける。 見ていると横からトラックが走ってくる。 俺はそれを見た瞬間に走り出した。 大切な人を守れるなら後悔などない。 神から貰った『コピー』のスキルでたくさんの人を救う物語。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

称号は神を土下座させた男。

春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」 「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」 「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」 これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。 主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。 ※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。 ※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。 ※無断転載は厳に禁じます

ボッチはハズレスキル『状態異常倍加』の使い手

Outlook!
ファンタジー
経緯は朝活動始まる一分前、それは突然起こった。床が突如、眩い光が輝き始め、輝きが膨大になった瞬間、俺を含めて30人のクラスメイト達がどこか知らない所に寝かされていた。 俺達はその後、いかにも王様っぽいひとに出会い、「七つの剣を探してほしい」と言われた。皆最初は否定してたが、俺はこの世界に残りたいがために今まで閉じていた口を開いた。 そしてステータスを確認するときに、俺は驚愕する他なかった。 理由は簡単、皆の授かった固有スキルには強スキルがあるのに対して、俺が授かったのはバットスキルにも程がある、状態異常倍加だったからだ。 ※不定期更新です。ゆっくりと投稿していこうと思いますので、どうかよろしくお願いします。 カクヨム、小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

処理中です...