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第四章 暗殺者の選択編
第92話 ギルドの判断
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俺は村を出てすぐに街に戻った。報告は早くしたほうがいいと思ったからだ。行きは村長に合わせたが俺だけなら三十分も掛からず戻れる。
既に日は暮れていたが、ギルドがやってる時間にはまだ間に合うだろう。
「おおリョウガ。今日は一人かい?」
「あれ? でも出た時はマリスと一緒だったような?」
「ちょっと色々あってな」
衛兵と軽く話しながら門から入った。既に衛兵とは顔なじみでもあるので冒険者証を出さなくても顔パスで通してくれるようになっている。
そしてその足で一直線に冒険者ギルドに向かった。時間が時間だけに多くの冒険者が依頼を終えて戻ってきていた。
「お、リョウガじゃん。珍しく一人なのか?」
「何だ今日は彼女と一緒じゃないのか? いや冗談だってそんな顔するなって」
冒険者も俺を見て割と気軽に話しかけてくるようになった。その中には今みたいに面白くもない冗談を言う連中もいる。睨めば大体大人しくなるけどな。
「おうリョウガじゃないか」
「あれ? リョウガさんもう戻られたんですね」
カウンターに行くとギルドマスターと今朝俺達に依頼を持ってきた受付嬢がいた。しかしギルドマスターとは良く会うな。
「ああ。ちょっと面倒な話があってな」
そう返しながら俺はカウンターに依頼書を置いた。
「これは今受けられてる依頼ですね」
「そうだが問題が起きた。村を襲っていたのはラミアという魔獣だった。聞いていた話とは随分違う」
「え! ラミアですか!?」
単刀直入に伝えると受付嬢が驚きギルドマスターも眉を顰めていた。
「リョウガの受けた依頼はたしかオオクサ村で家畜を襲ってる巨大蛇を討伐するだったな」
ギルドマスターが思い出すように述べた。流石マスターだけあって依頼はしっかり把握しているようだな。
「そうだが――」
俺はとりあえず今村で起こっていることを伝えた。ギルドマスターも真顔で話を聞いていた。
「村から生贄を求めるラミアか。それはまた厄介なのに目をつけられたな」
「厄介どころじゃないですよ! そもそも聞いていたのと話が全く違いますからね! ましてそこまで知能のあるラミアなんて上級冒険者が絡む案件ですよ!」
ギルドマスターがやれやれといった様子で口にした。一方で受付嬢は興奮気味に語気を強めている。
「同じラミアでも違いがあるものなのか?」
「あぁ。ラミアは確かに知能の高い魔獣で多少は人の言葉も介すが、そこまで流暢に話せるわけじゃない。まして人に化けて姿を見せるとなるとかなり珍しいタイプだな。それだけに実力が高いと思われ厄介と言える」
「そうか」
どうやらラミアの中でも実力には差があるようだな。
「それでリョウガ。話はわかったが何でお前一人だけで戻ってきた?」
ギルドマスターが射抜くような目で俺に聞いてきた。マリスを連れてこなかったことを言っているようだな。
「マリスが依頼を続けると言い張ったからだ。意見が分かれたなら仕方ない。言い合ってる時間のほうが勿体ないからな」
「……そうか。お前はそういうところはドライだが、パーティーを組む冒険者としては失格だな。仲間を見捨ててるような物だ」
「悪いが元々マリスと組んだのも成り行きだ。可能ならすぐにパーティーを解消したっていいと思ってる」
俺が答えるとギルドマスターの眉間に皺が刻まれた。一瞬の沈黙――ギルドマスターはジッと俺を見つめ続けていた。オレの心の中でも見透かそうとしているように。
既に日は暮れていたが、ギルドがやってる時間にはまだ間に合うだろう。
「おおリョウガ。今日は一人かい?」
「あれ? でも出た時はマリスと一緒だったような?」
「ちょっと色々あってな」
衛兵と軽く話しながら門から入った。既に衛兵とは顔なじみでもあるので冒険者証を出さなくても顔パスで通してくれるようになっている。
そしてその足で一直線に冒険者ギルドに向かった。時間が時間だけに多くの冒険者が依頼を終えて戻ってきていた。
「お、リョウガじゃん。珍しく一人なのか?」
「何だ今日は彼女と一緒じゃないのか? いや冗談だってそんな顔するなって」
冒険者も俺を見て割と気軽に話しかけてくるようになった。その中には今みたいに面白くもない冗談を言う連中もいる。睨めば大体大人しくなるけどな。
「おうリョウガじゃないか」
「あれ? リョウガさんもう戻られたんですね」
カウンターに行くとギルドマスターと今朝俺達に依頼を持ってきた受付嬢がいた。しかしギルドマスターとは良く会うな。
「ああ。ちょっと面倒な話があってな」
そう返しながら俺はカウンターに依頼書を置いた。
「これは今受けられてる依頼ですね」
「そうだが問題が起きた。村を襲っていたのはラミアという魔獣だった。聞いていた話とは随分違う」
「え! ラミアですか!?」
単刀直入に伝えると受付嬢が驚きギルドマスターも眉を顰めていた。
「リョウガの受けた依頼はたしかオオクサ村で家畜を襲ってる巨大蛇を討伐するだったな」
ギルドマスターが思い出すように述べた。流石マスターだけあって依頼はしっかり把握しているようだな。
「そうだが――」
俺はとりあえず今村で起こっていることを伝えた。ギルドマスターも真顔で話を聞いていた。
「村から生贄を求めるラミアか。それはまた厄介なのに目をつけられたな」
「厄介どころじゃないですよ! そもそも聞いていたのと話が全く違いますからね! ましてそこまで知能のあるラミアなんて上級冒険者が絡む案件ですよ!」
ギルドマスターがやれやれといった様子で口にした。一方で受付嬢は興奮気味に語気を強めている。
「同じラミアでも違いがあるものなのか?」
「あぁ。ラミアは確かに知能の高い魔獣で多少は人の言葉も介すが、そこまで流暢に話せるわけじゃない。まして人に化けて姿を見せるとなるとかなり珍しいタイプだな。それだけに実力が高いと思われ厄介と言える」
「そうか」
どうやらラミアの中でも実力には差があるようだな。
「それでリョウガ。話はわかったが何でお前一人だけで戻ってきた?」
ギルドマスターが射抜くような目で俺に聞いてきた。マリスを連れてこなかったことを言っているようだな。
「マリスが依頼を続けると言い張ったからだ。意見が分かれたなら仕方ない。言い合ってる時間のほうが勿体ないからな」
「……そうか。お前はそういうところはドライだが、パーティーを組む冒険者としては失格だな。仲間を見捨ててるような物だ」
「悪いが元々マリスと組んだのも成り行きだ。可能ならすぐにパーティーを解消したっていいと思ってる」
俺が答えるとギルドマスターの眉間に皺が刻まれた。一瞬の沈黙――ギルドマスターはジッと俺を見つめ続けていた。オレの心の中でも見透かそうとしているように。
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