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第三章 冒険者となった暗殺者編
第78話 暴虐の狼の終わり
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「そんな……ガンギルがあんなにあっさりと……」
俺がガンギルを始末したのを認め、マリスと戦っていたネイラが目を白黒させていた。俺がやられると思いこんでいたようだな。
「これであんたたちも終わりね。観念したら?」
「……そうね。この場は素直に負けを認めておくわ」
「え?」
諦めにも似た発言を見せるネイラ。かと思えばネイラの体がドロドロに溶けていく。
「ちょ、なにこれ!?」
「マリスどけ」
俺はマリスを言葉でどかし火吹きでドロドロになったらネイラを焼いた――だが焼けたのは一部か。地面の中に浸透してしまい気配も消えてしまった。
自ら死を選んだと考えられなくもないが、あれも特別なスキルの一つだと考えた方がいいだろう。
「ご、ごめんリョウガ」
マリスがしゅんとした顔で謝ってきた。あれで倒せたとはマリスも思ってないか。
「いや、今のは仕方ないだろう。俺も間に合わなかった」
液体化まで思ったより早かったからな。ガンギルは自分ほどじゃないにしてもネイラは強いと言っていたが、強さはともかくあのネイラの方がよっぽど曲者だったな。
「とにかく暴虐の頭の頭は潰したからな。後はダリバをどこか治療できる場所に運んでからギルドに報告か」
「う、うんそうだね!」
そして俺たちは一旦ダリバを担いで依頼人の下へ戻った。スカーレッドもダリバの姿を見て心を痛めていたがそれでも生きていたことについては安堵もしていたようだ。
「こういう場合どこか治療出来るとことがあるのか?」
「治療院に行くのが一番だと思います! 治療魔法の使い手もおりますから」
治療魔法か。そういう便利な力もあるんだな。
「それならこの足も戻るのか?」
「……それは、正直何とも……とにかく行きましょう。この街の治療院は私も知ってますので」
そして依頼人の案内で俺たちは治療院に向かった。そこでダリバの怪我も診てもらえた。その後はギルドにも暴虐の狼と一悶着あったこと報告しそこからは色々質問攻めにあい気がつけば日が暮れていた――
それから更に時が経ち、依頼人を送り届ける日になったが、とにかくダリバにはこの街で一旦治療に専念してもらうことになった。
「……悪いな。途中で抜けることになっちまった。依頼料はお前らだけでわけてもらっていいからよ」
「何言ってるんだい! ここまでしっかり仕事をこなしたんだからあんたにだって報酬を受け取る権利はあるさ。とにかく今はここでしっかり体を休めな!」
「スカーレッド、済まねぇ。そうだなとりあえずは大人しくしてるよ……」
流石にダリバも気落ちしているか。依頼人も心配していたが先ずは残った俺たちだけで依頼人と帰路についた。帰りも獣などに襲われることはあったが、そこまで苦労することもなく依頼人を送り届ける事が出来た。
「この度は本当にありがとうございました。ただダリバさんの事が心配ですね」
「あんたが気に病むことじゃないさ。冒険者やってればこれぐらいのトラブルはつきものなんだからねぇ」
ダリバを気にかける依頼人に対応したのはスカーレッドだった。冒険者という仕事を選んだ以上五体満足でいられる保証はどこにもないということなのだろう。
かつての暗殺業もそんなところだったな。もっともあの仕事は失敗することはそのまま死に直結することになったわけだが。
とにかく護衛の任務自体はこなせたため依頼料は入ることになった。
「依頼をよくこなしてくれたな。だがダリバは残念なことになったがな」
「ちょっとよしとくれよ。別に死んだわけじゃないんだからさ」
依頼が終わりギルドでは暴虐の狼についてギルドマスターとも話すことになった。その流れでダリバの話題になった。ギルドマスターは残念そうにしているがスカーレッドは笑っていた。
ただどこか寂しさの残る笑顔だな――
俺がガンギルを始末したのを認め、マリスと戦っていたネイラが目を白黒させていた。俺がやられると思いこんでいたようだな。
「これであんたたちも終わりね。観念したら?」
「……そうね。この場は素直に負けを認めておくわ」
「え?」
諦めにも似た発言を見せるネイラ。かと思えばネイラの体がドロドロに溶けていく。
「ちょ、なにこれ!?」
「マリスどけ」
俺はマリスを言葉でどかし火吹きでドロドロになったらネイラを焼いた――だが焼けたのは一部か。地面の中に浸透してしまい気配も消えてしまった。
自ら死を選んだと考えられなくもないが、あれも特別なスキルの一つだと考えた方がいいだろう。
「ご、ごめんリョウガ」
マリスがしゅんとした顔で謝ってきた。あれで倒せたとはマリスも思ってないか。
「いや、今のは仕方ないだろう。俺も間に合わなかった」
液体化まで思ったより早かったからな。ガンギルは自分ほどじゃないにしてもネイラは強いと言っていたが、強さはともかくあのネイラの方がよっぽど曲者だったな。
「とにかく暴虐の頭の頭は潰したからな。後はダリバをどこか治療できる場所に運んでからギルドに報告か」
「う、うんそうだね!」
そして俺たちは一旦ダリバを担いで依頼人の下へ戻った。スカーレッドもダリバの姿を見て心を痛めていたがそれでも生きていたことについては安堵もしていたようだ。
「こういう場合どこか治療出来るとことがあるのか?」
「治療院に行くのが一番だと思います! 治療魔法の使い手もおりますから」
治療魔法か。そういう便利な力もあるんだな。
「それならこの足も戻るのか?」
「……それは、正直何とも……とにかく行きましょう。この街の治療院は私も知ってますので」
そして依頼人の案内で俺たちは治療院に向かった。そこでダリバの怪我も診てもらえた。その後はギルドにも暴虐の狼と一悶着あったこと報告しそこからは色々質問攻めにあい気がつけば日が暮れていた――
それから更に時が経ち、依頼人を送り届ける日になったが、とにかくダリバにはこの街で一旦治療に専念してもらうことになった。
「……悪いな。途中で抜けることになっちまった。依頼料はお前らだけでわけてもらっていいからよ」
「何言ってるんだい! ここまでしっかり仕事をこなしたんだからあんたにだって報酬を受け取る権利はあるさ。とにかく今はここでしっかり体を休めな!」
「スカーレッド、済まねぇ。そうだなとりあえずは大人しくしてるよ……」
流石にダリバも気落ちしているか。依頼人も心配していたが先ずは残った俺たちだけで依頼人と帰路についた。帰りも獣などに襲われることはあったが、そこまで苦労することもなく依頼人を送り届ける事が出来た。
「この度は本当にありがとうございました。ただダリバさんの事が心配ですね」
「あんたが気に病むことじゃないさ。冒険者やってればこれぐらいのトラブルはつきものなんだからねぇ」
ダリバを気にかける依頼人に対応したのはスカーレッドだった。冒険者という仕事を選んだ以上五体満足でいられる保証はどこにもないということなのだろう。
かつての暗殺業もそんなところだったな。もっともあの仕事は失敗することはそのまま死に直結することになったわけだが。
とにかく護衛の任務自体はこなせたため依頼料は入ることになった。
「依頼をよくこなしてくれたな。だがダリバは残念なことになったがな」
「ちょっとよしとくれよ。別に死んだわけじゃないんだからさ」
依頼が終わりギルドでは暴虐の狼についてギルドマスターとも話すことになった。その流れでダリバの話題になった。ギルドマスターは残念そうにしているがスカーレッドは笑っていた。
ただどこか寂しさの残る笑顔だな――
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