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第三章 冒険者となった暗殺者編
第47話 奴隷少女の願い
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「ば、馬鹿な! グングがこうもあっさり殺られるとは!」
ゴイスが驚きワナワナと震えていた。そんなにこいつを頼りにしていたのか。正直弱すぎたからな。護衛を頼む相手はもう少し吟味をした方がいいとは思うぞ。
「おいスカーレッド! こいつらを何とかしろ!」
「私がかい?」
ゴイスが赤毛の女に顔を向け助けを求めていた。声にも表情にも余裕が全くないな。
とは言えそっちの女も護衛というなら殺っておくか。
「――いやいや無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理ムリィイィイィィィィィイイイ!」
しかしスカーレッドはゴイスの期待に反してあっさりと諦めていた。これでもかというぐらい無理を連発して両手でバッテンまで作って出来ないことをアピールしていた。
「おま、ふざけるな! 貴様わしの護衛だろうが! だったらつべこべ言わず仕事せんか!」
「いやいや、本当意味ないから。私が戦ったところで秒で殺られるのは目に見えてるからね。それなのに戦ったって無駄に死体が一個増えるだけだし、結局あんたの未来は変わらないんだからさ。だったら素直に諦めた方が得策だって」
「何だと貴様! わしが死ぬだと? そんなわけあるか! わしは大金を手に入れるんだ!」
どうやらスカーレッドは護衛でありながら雇い主を見捨てる考えのようだ。俺と戦っても死体が一つ増えるだけだから諦めるか。中々合理的な考え方だと思うぞ。
それに以前の俺ならともかく、今の俺はやり合う気のない相手をわざわざ殺したいとは思わないからな。
ただゴイスも何か勘違いしているようなのでそれを教えてやる。
「安心しろ。ゴイスお前は殺しはしない。生け捕りという依頼だからな。それには従う」
「ほら。良かったじゃないか。とりあえず死なないってさ」
「ふざけるな貴様!」
「おい! 頼む私の枷を外して!」
ゴイスとスカーレッドが話していると奴隷の女が俺にお願いしてきた。確かに身動きしづらそうな枷をしているが。
「そう言われてもな。俺の判断では出来ないぞ」
「そんなこと言わないでお願いだよ。いえ、お願いします」
奴隷の女がそう言って頭を下げてきたが、この女を助ける事は別に依頼に入ってないんだよな。
「枷を外すぐらいならいいんじゃないかい」
「お、お前さっきから何を言ってるんだ! どっちの味方だ貴様は!」
「少なくとも、もうあんたの味方じゃないよ」
スカーレッドが俺に私見を述べてきた。それに憤るゴイスだがスカーレッドは軽くあしらっていた。
「その子は違法に連れ去られた奴隷さ。それは間違いないけど首輪まで外すと後々面倒だろうし勝手に外すと死ぬことも有るからね。だけど枷ならね。そのままじゃ動きにくいだろうし」
それがスカーレッドの考えだったようだ。
「それにゴイスの運んでいた奴隷ならどうせギルドまで連れ帰る必要はあるだろう? だったら動きやすくしておいたほうが帰るのに楽だろうさ」
「それで逃げたらどうするつもりだ貴様!」
「ムリムリ。逃げたってあんたならあっさり捕まえるだろう?」
そう言って俺にウィンクを決めてきた。話を聞いていてわかったのはどうやらこの奴隷の女はギルドまで連れ帰る必要があるってことだ。
確かにそれなら枷は外しておいたほうがいいか。スカーレッドの言うように逃げたところで捕まえるのは容易だ。
「わかった」
「本当か!」
「あぁ。ただし手枷と足枷だけだ」
そう言って俺は奴隷の女の枷を外してやった――
ゴイスが驚きワナワナと震えていた。そんなにこいつを頼りにしていたのか。正直弱すぎたからな。護衛を頼む相手はもう少し吟味をした方がいいとは思うぞ。
「おいスカーレッド! こいつらを何とかしろ!」
「私がかい?」
ゴイスが赤毛の女に顔を向け助けを求めていた。声にも表情にも余裕が全くないな。
とは言えそっちの女も護衛というなら殺っておくか。
「――いやいや無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理ムリィイィイィィィィィイイイ!」
しかしスカーレッドはゴイスの期待に反してあっさりと諦めていた。これでもかというぐらい無理を連発して両手でバッテンまで作って出来ないことをアピールしていた。
「おま、ふざけるな! 貴様わしの護衛だろうが! だったらつべこべ言わず仕事せんか!」
「いやいや、本当意味ないから。私が戦ったところで秒で殺られるのは目に見えてるからね。それなのに戦ったって無駄に死体が一個増えるだけだし、結局あんたの未来は変わらないんだからさ。だったら素直に諦めた方が得策だって」
「何だと貴様! わしが死ぬだと? そんなわけあるか! わしは大金を手に入れるんだ!」
どうやらスカーレッドは護衛でありながら雇い主を見捨てる考えのようだ。俺と戦っても死体が一つ増えるだけだから諦めるか。中々合理的な考え方だと思うぞ。
それに以前の俺ならともかく、今の俺はやり合う気のない相手をわざわざ殺したいとは思わないからな。
ただゴイスも何か勘違いしているようなのでそれを教えてやる。
「安心しろ。ゴイスお前は殺しはしない。生け捕りという依頼だからな。それには従う」
「ほら。良かったじゃないか。とりあえず死なないってさ」
「ふざけるな貴様!」
「おい! 頼む私の枷を外して!」
ゴイスとスカーレッドが話していると奴隷の女が俺にお願いしてきた。確かに身動きしづらそうな枷をしているが。
「そう言われてもな。俺の判断では出来ないぞ」
「そんなこと言わないでお願いだよ。いえ、お願いします」
奴隷の女がそう言って頭を下げてきたが、この女を助ける事は別に依頼に入ってないんだよな。
「枷を外すぐらいならいいんじゃないかい」
「お、お前さっきから何を言ってるんだ! どっちの味方だ貴様は!」
「少なくとも、もうあんたの味方じゃないよ」
スカーレッドが俺に私見を述べてきた。それに憤るゴイスだがスカーレッドは軽くあしらっていた。
「その子は違法に連れ去られた奴隷さ。それは間違いないけど首輪まで外すと後々面倒だろうし勝手に外すと死ぬことも有るからね。だけど枷ならね。そのままじゃ動きにくいだろうし」
それがスカーレッドの考えだったようだ。
「それにゴイスの運んでいた奴隷ならどうせギルドまで連れ帰る必要はあるだろう? だったら動きやすくしておいたほうが帰るのに楽だろうさ」
「それで逃げたらどうするつもりだ貴様!」
「ムリムリ。逃げたってあんたならあっさり捕まえるだろう?」
そう言って俺にウィンクを決めてきた。話を聞いていてわかったのはどうやらこの奴隷の女はギルドまで連れ帰る必要があるってことだ。
確かにそれなら枷は外しておいたほうがいいか。スカーレッドの言うように逃げたところで捕まえるのは容易だ。
「わかった」
「本当か!」
「あぁ。ただし手枷と足枷だけだ」
そう言って俺は奴隷の女の枷を外してやった――
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