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第三章 冒険者となった暗殺者編
第41話 暗殺者は冒険者として本格的に動き出す
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「仕事が欲しいならそこのボードを見てみろ。依頼書が貼ってあるからな。冒険者は大体そっから選んでいくんだよ」
ギルドマスターに聞くと指をさしてボードの場所を教えてくれた。そこにはコルクで出来たようなボードがあり色々と貼られていた。
「それと正規の冒険者証と昨日の依頼の報酬が出てるからな。それは後から受付嬢に貰っておくといいさ。魔石の買い取り分と一緒に貰えるはずだ」
「そうか。わかった」
「じゃあ俺は仕事に戻るからな。いい依頼があったら後は受付嬢に相手してもらえ。一応言っていくが依頼書には条件が付けられてる場合もあるからちゃんとチェックしておけよ」
そう言い残しギルドマスターは階段を上っていった。俺はボードに向かいどんな依頼があるか確認してみる。
しかし、結構条件付きが多いな。E級だとそんなに多くも無い気がするし仲間がいることが前提なのも多いな。
「この中だとこの森の薬草採取ぐらいか――」
一人呟きつつ依頼書を取った。その横に一つ気になったのがあった。
◯依頼内容
違法奴隷商の捕縛。
依頼主
・商業ギルド
依頼条件:特になし。
報酬:金貨二十枚
内容
最近、商業ギルドの許可なく違法に奴隷を扱っていると噂される商人が街に出入りするのが目撃されている。まだ確証は得られていないが、可能性としてその商人が違法に奴隷を売りさばいている可能性が高い。よって生け捕りとし冒険者ギルドに連れ帰るのが依頼内容となる。条件は特にないが商人が護衛を雇っている可能性もある為十分注意すること。
どうやらこの依頼は条件がないらしいな。ふむ、どうせならこれも一緒に受けてみるか。
ボードから薬草採取の依頼書と奴隷商の依頼書を外しカウンターに持っていった。
「この依頼を受けたい」
「はい。あ、昨日の――」
受付嬢がハッとした顔を見せた。そういえば最初に対応してくれた受けて受付嬢が彼女だったな。
「無事正規の冒険者になれたのですね。おめでとうございます。それで冒険者証と依頼分の報酬、そして魔石の買取分の金額出てますのでお渡ししますね」
そう言って受付嬢が冒険者証と金貨の詰まった袋をカウンターに乗せた。内訳とやらが紙に書かれているが魔石と合わせて金貨五十枚なようだ。
「ありがとう助かる」
冒険者証も確認したがしっかりE級冒険者となってたな。
「それにしてもいきなりE級からとは凄いですね。ステータスがないのにこれは異例中の異例ですよ」
受付嬢が驚きながらも褒めてくれた。そういえばダリバもそんなことを言っていたな。
「では依頼書の方を確認しますね」
そう言って受付嬢が俺が渡した依頼書に目を通してくれた。
「薬草採取と奴隷商の捕縛、両方を受けられるのですか?」
「あぁ。奴隷商はもしもどこかで見つけた時の為だけどな」
「なるほど。ただお気をつけくださいね。E級からスタートとは言え薬草採取は危険な仕事です。それに奴隷商も強力な護衛を雇っている可能性があります。危険だと思ったら逃げるのも手ですからね。命が一番大事なんです」
人差し指を立てて俺を諭すように受付嬢が言った。まぁ心配してくれているのだから素直に受け取っておこう。
「わかった肝に銘じて置くよ」
「よろしい。それでは商人の似顔絵を渡しておきますね」
受付嬢が俺に紙を一枚手渡してきた。依頼書もそうだがこっちの紙は現代のとは質が異なる。動物の皮を使った紙である。
「これがその似顔絵です。見かけましたらそのまま捕まえてくださいね」
「わかった」
そして受付嬢と別れ俺はギルドを後にした――
ギルドマスターに聞くと指をさしてボードの場所を教えてくれた。そこにはコルクで出来たようなボードがあり色々と貼られていた。
「それと正規の冒険者証と昨日の依頼の報酬が出てるからな。それは後から受付嬢に貰っておくといいさ。魔石の買い取り分と一緒に貰えるはずだ」
「そうか。わかった」
「じゃあ俺は仕事に戻るからな。いい依頼があったら後は受付嬢に相手してもらえ。一応言っていくが依頼書には条件が付けられてる場合もあるからちゃんとチェックしておけよ」
そう言い残しギルドマスターは階段を上っていった。俺はボードに向かいどんな依頼があるか確認してみる。
しかし、結構条件付きが多いな。E級だとそんなに多くも無い気がするし仲間がいることが前提なのも多いな。
「この中だとこの森の薬草採取ぐらいか――」
一人呟きつつ依頼書を取った。その横に一つ気になったのがあった。
◯依頼内容
違法奴隷商の捕縛。
依頼主
・商業ギルド
依頼条件:特になし。
報酬:金貨二十枚
内容
最近、商業ギルドの許可なく違法に奴隷を扱っていると噂される商人が街に出入りするのが目撃されている。まだ確証は得られていないが、可能性としてその商人が違法に奴隷を売りさばいている可能性が高い。よって生け捕りとし冒険者ギルドに連れ帰るのが依頼内容となる。条件は特にないが商人が護衛を雇っている可能性もある為十分注意すること。
どうやらこの依頼は条件がないらしいな。ふむ、どうせならこれも一緒に受けてみるか。
ボードから薬草採取の依頼書と奴隷商の依頼書を外しカウンターに持っていった。
「この依頼を受けたい」
「はい。あ、昨日の――」
受付嬢がハッとした顔を見せた。そういえば最初に対応してくれた受けて受付嬢が彼女だったな。
「無事正規の冒険者になれたのですね。おめでとうございます。それで冒険者証と依頼分の報酬、そして魔石の買取分の金額出てますのでお渡ししますね」
そう言って受付嬢が冒険者証と金貨の詰まった袋をカウンターに乗せた。内訳とやらが紙に書かれているが魔石と合わせて金貨五十枚なようだ。
「ありがとう助かる」
冒険者証も確認したがしっかりE級冒険者となってたな。
「それにしてもいきなりE級からとは凄いですね。ステータスがないのにこれは異例中の異例ですよ」
受付嬢が驚きながらも褒めてくれた。そういえばダリバもそんなことを言っていたな。
「では依頼書の方を確認しますね」
そう言って受付嬢が俺が渡した依頼書に目を通してくれた。
「薬草採取と奴隷商の捕縛、両方を受けられるのですか?」
「あぁ。奴隷商はもしもどこかで見つけた時の為だけどな」
「なるほど。ただお気をつけくださいね。E級からスタートとは言え薬草採取は危険な仕事です。それに奴隷商も強力な護衛を雇っている可能性があります。危険だと思ったら逃げるのも手ですからね。命が一番大事なんです」
人差し指を立てて俺を諭すように受付嬢が言った。まぁ心配してくれているのだから素直に受け取っておこう。
「わかった肝に銘じて置くよ」
「よろしい。それでは商人の似顔絵を渡しておきますね」
受付嬢が俺に紙を一枚手渡してきた。依頼書もそうだがこっちの紙は現代のとは質が異なる。動物の皮を使った紙である。
「これがその似顔絵です。見かけましたらそのまま捕まえてくださいね」
「わかった」
そして受付嬢と別れ俺はギルドを後にした――
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