クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃

文字の大きさ
上 下
42 / 178
第三章 冒険者となった暗殺者編

第41話 暗殺者は冒険者として本格的に動き出す

しおりを挟む
「仕事が欲しいならそこのボードを見てみろ。依頼書が貼ってあるからな。冒険者は大体そっから選んでいくんだよ」
 
 ギルドマスターに聞くと指をさしてボードの場所を教えてくれた。そこにはコルクで出来たようなボードがあり色々と貼られていた。

「それと正規の冒険者証と昨日の依頼の報酬が出てるからな。それは後から受付嬢に貰っておくといいさ。魔石の買い取り分と一緒に貰えるはずだ」
「そうか。わかった」
「じゃあ俺は仕事に戻るからな。いい依頼があったら後は受付嬢に相手してもらえ。一応言っていくが依頼書には条件が付けられてる場合もあるからちゃんとチェックしておけよ」
 
 そう言い残しギルドマスターは階段を上っていった。俺はボードに向かいどんな依頼があるか確認してみる。

 しかし、結構条件付きが多いな。E級だとそんなに多くも無い気がするし仲間がいることが前提なのも多いな。

「この中だとこの森の薬草採取ぐらいか――」

 一人呟きつつ依頼書を取った。その横に一つ気になったのがあった。

◯依頼内容
違法奴隷商の捕縛。
依頼主
・商業ギルド
依頼条件:特になし。
報酬:金貨二十枚
内容
最近、商業ギルドの許可なく違法に奴隷を扱っていると噂される商人が街に出入りするのが目撃されている。まだ確証は得られていないが、可能性としてその商人が違法に奴隷を売りさばいている可能性が高い。よって生け捕りとし冒険者ギルドに連れ帰るのが依頼内容となる。条件は特にないが商人が護衛を雇っている可能性もある為十分注意すること。

 どうやらこの依頼は条件がないらしいな。ふむ、どうせならこれも一緒に受けてみるか。

 ボードから薬草採取の依頼書と奴隷商の依頼書を外しカウンターに持っていった。

「この依頼を受けたい」
「はい。あ、昨日の――」

 受付嬢がハッとした顔を見せた。そういえば最初に対応してくれた受けて受付嬢が彼女だったな。

「無事正規の冒険者になれたのですね。おめでとうございます。それで冒険者証と依頼分の報酬、そして魔石の買取分の金額出てますのでお渡ししますね」

 そう言って受付嬢が冒険者証と金貨の詰まった袋をカウンターに乗せた。内訳とやらが紙に書かれているが魔石と合わせて金貨五十枚なようだ。

「ありがとう助かる」
 
 冒険者証も確認したがしっかりE級冒険者となってたな。

「それにしてもいきなりE級からとは凄いですね。ステータスがないのにこれは異例中の異例ですよ」

 受付嬢が驚きながらも褒めてくれた。そういえばダリバもそんなことを言っていたな。

「では依頼書の方を確認しますね」

 そう言って受付嬢が俺が渡した依頼書に目を通してくれた。

「薬草採取と奴隷商の捕縛、両方を受けられるのですか?」
「あぁ。奴隷商はもしもどこかで見つけた時の為だけどな」
「なるほど。ただお気をつけくださいね。E級からスタートとは言え薬草採取は危険な仕事です。それに奴隷商も強力な護衛を雇っている可能性があります。危険だと思ったら逃げるのも手ですからね。命が一番大事なんです」
 
 人差し指を立てて俺を諭すように受付嬢が言った。まぁ心配してくれているのだから素直に受け取っておこう。

「わかった肝に銘じて置くよ」
「よろしい。それでは商人の似顔絵を渡しておきますね」

 受付嬢が俺に紙を一枚手渡してきた。依頼書もそうだがこっちの紙は現代のとは質が異なる。動物の皮を使った紙である。

「これがその似顔絵です。見かけましたらそのまま捕まえてくださいね」
「わかった」

 そして受付嬢と別れ俺はギルドを後にした――
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...