クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃

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第三章 冒険者となった暗殺者編

第31話 暗殺者は新天地を目指す

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 盗賊のアジトを去った俺はゴーガンから教えてもらった街に向けて歩いている。勿論、地図は頭に叩き込んでいるので道には迷わない。
 
 ミトラに教わったとおりに動いてもよかったが道中、ショートカット出来そうな森があったのでそこを抜けることにした。

 中々騒がしい森だった。歩いているだけでもやたらと襲われる。見た目には狼やゴリラみたいなのも多かったが俺がいた世界の獣よりは凶暴だった。パワーも強いし中には奇妙な攻撃を仕掛けてくるのもいた。

 爪を伸ばしたり牙を鋭くさせたりだ。これも魔法のある異世界ならではってところか。ゴーガンたちとの生活で魔獣や魔物がいることもわかっていたから驚きはしなかったがな。

 道中に現れる相手は中々変わった獣ではあったが俺の敵ではなかった。

 森で他に目立つと言えばやたらと人骨が落ちていることだ。恐らくここで襲われて散っていった連中だろう。もしかしたらゴーガンに勧められた冒険者の末路なのかもしれない。装備品が転がっていることもあったからな。

 俺の腕っぷしが強いから冒険者に向いているとゴーガンは言っていたが、なるほど。確かに中途半端な腕前だと冒険者になったところでその末路は中々厳しい物があるようだ。

 とは言えこれまで出てきたような相手にやられるようでは確かに生き残るのは厳しいか。何せここは異世界だ。平和な日本のようにはいかないのだろう。当たり前に人が死ぬような世界だとしても不思議ではない。

 そんなことを考えながら歩いていると横の藪から三人の男女が飛び出してきた。

「あ、あんた良かった助けてくれ!」
「私たち凶悪な魔物に襲われてるの!」
「だから一緒に、へ?」

 長剣を携えた男の首をまず刎ねた。首から下だけとなった体は暫く虚空を掴みながら酔っぱらいのように動き回りそのまま地面に倒れた。

「な、何してるのよあんた!」
「頭おかしいんじゃな――」
「黙れ」
「「ヒッ!?」」
  
  俺が殺気を込めて睨むと二人が短く悲鳴を上げへたり込んだ。

「質問だ。まずお前らは冒険者なのか?」
「そ、そうよ、それなのに、な、なんでこんなこと」

  俺が問いかけると女の方が口を開いて答えた。ローブを纏った女だった。ファンタジーでよく見る魔法使いの格好だな。杖も持っているし恐らく魔法使いで間違いないのだろう。

 実際に召喚されたあの場所でも魔法を見ているしな。その時も魔法を使っているのは大体杖持ちだった。

「そうか。なら更に聞くがなんで冒険者が俺の命を狙ったんだ?」
「な、何言ってるんだよ。僕たちは別にそんなことしてないだろう?」
「隠しても無駄だ。俺に駆け寄ってきた時に明らかな殺気を感じ取ったからな。だから一人殺した」

 まぁ見せしめのようなものだ。残り二人をすぐに殺してもよかったが一応理由ぐらい聞いておきたかった。俺がこれから目指すのも冒険者だからな。

 ゴーガンの話を聞く限り冒険者が人殺しの集団という感じはなかった。にも関わらず命を狙ってくるのだからその心理を知っておきたい。

「言いがかりよそんなの!」
「そっちの男は矢に毒を塗ってるな。それで俺の動きを封じるのが目的だったか? 最初の男も毒を使ってたようだからそれが常套手段だったのだろう。そうなると女のお前も相手を動きを封じる魔法が得意といったところか」
「な、なんでわかった!」
「ちょ、馬鹿!」

 女が男を止めたがもう遅い。まぁわかり切っていたことだが。

「質問に答えろ。俺を狙ったのは何故だ?」
 
 実は一つ予想できることもあった。それは国に雇われた可能性だ。何せ召喚した国のお偉いさんは全て俺が始末した。

 その上委員長には俺のことを隠す必要はないと言ってあるからな。もしかしたら俺のことは既に国中に広がっていて指名手配にでもなってる可能性がある。

 もしそうなら計画そのものを変えないといけないかもしれない。

「べ、別にあんただから狙ったわけじゃない。こんなに強いと知ってたら狙わなかったさ」
「そうだよ。私たちは新人キラー。だからこんなところをたった一人で彷徨くなんて世間知らずの新人冒険者に違いないと思ったんだ」

 だが、二人の回答で俺の考えが杞憂だったことがわかった。なるほど。一人で動き回ってる俺が大したことないと思ったのか。

「なんで冒険者だと思ったんだ?」
「こんな危険な森、普通の人間は立ち寄らないよ」

 そういうことか。ミトラが何故この森を越えるルートを教えてくれなかったのかも得心が言った。危険だと思って敢えて迂回するルートを示したんだな。

「しかし危険な森を一人で歩いているなら逆に手練れの人物だと思わなかったのか?」
「お前みたいな強いガキがいるとは思わないだろう!」

 男がツッコミをいれてきた。どうやら俺がまだ若いから何も知らない初心者冒険者のガキだと思ったようだ。気持ちはわからなくもないが考えが浅いな。

「な、なぁこれでいいだろう? もう命を狙ったりしないから許してくれよ」

「反省してるからお願い!」
 
 二人が命乞いしてきた。こいつらの実力を考えれば、ま、俺がやる・・までもないか。

「もういい。好きにしろ俺は行くぞ」

 そう言い残して俺は先を急いだ。

「ば、馬鹿め! だからガキだってんだよ!」

  背後から弓を引く気配を感じた。全くこうも予想通りだと逆に笑えるぞ。

「馬鹿はどっちだ。全く気配に鈍感だな」
「へ? 何言って?」
「ギェギェ~!」
「グギャッ!」
「え? ちょ、うそゴブリン!」
「ヒッ、待ってあんた助け、い、いやだぁあああぁああ!」

 二人の悲鳴が聞こえたが気にすること無く俺は先を急いだ。しかしゴブリンと言っていたな。ファンタジーでは定番の魔物だったか。

 まぁこっちの世界のゴブリンがどんなのかは知らないがな。どちらにせよ俺はまだ冒険者じゃないからな。仕事でもないのに助ける義理はない。

 さて、とりあえず問題はなさそうだからな。後少しで街だし急ぐか――
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