クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃

文字の大きさ
上 下
28 / 178
第二章 暗殺者の異世界ライフの始まり編

第28話 どうやら七割だったらしい

しおりを挟む
「す、少しはやるようだな人間。こんな魔法まで使うとは」
「いや。今のはただの拳圧だが?」

 拳を放った時の圧で吹っ飛んだだけだ。魔法なんて大層なものじゃない。

「いやだからそれは魔法より凄いって……」

 ゴーガンがそう呟いていた。まぁこいつが脆いだけだと思うんだがな。

「ふ、ふざけやがって! だがこれで終わりだ!」

 グレスが腕を振り下ろすと同時に無数の火球が直進してきた。どうやら全員まとめてふっ飛ばそうという魂胆なようだな。

「やべぇ! 逃げるぞリョウガ!」
「問題ないさ」

 ゴーガンの慌てふためく声を背に受けながら、俺は大きく息を吸い込み口から炎を吹き出した。迫る火球は俺の業火にまきこまれ爆散する。

「うぉ!」
「すごい衝撃さね!」
「キャッ!」
「ウキィ!?」

 三人と一匹の叫ぶ声が聞こえた。確かにそれなりの衝撃だが大して影響はないはずだ。

「馬鹿な! ばかなッッ! バカなぁあぁあああぁああ!」

 グレスがまた叫んだ。さっきからうるさい奴だ。

「お前は叫ぶしか能がないのか?」
「リョウガ……ナチュラルに煽ってるわね……」

 ミトラの呆れる声が聞こえてきた。一方でグレスの表情は怒りに満ちている。

「フンッ!」

 するとふっとばした方の肩口からニョキッと腕が伸びた。蜥蜴かコイツは。

「ハハハッ! 残念だったな! 俺は腕ぐらい自由に再生出来るのだ!」
「そうかい」

 俺は呆れつつその場で腕を振り解放前の姿に戻った。

「え? リョウガお前もとに戻って……」
「クカ、カカカカカカッ! なるほどそうかそういうことか!」
「何こいつ急に笑いだして」

 変化した姿に各々が反応を示した。ミトラの言うように何がおかしいのかグレスはニヤニヤしている。

「貴様の変身には制限時間があるということだろう? きっと消耗が激しいのだろう。その時間が過ぎてしまったわけだ」
「え? そうなのリョウガ!」
「ウキィ!」

 セラの驚く声とモナの鳴き声が聞こえてきた。グレスの考察に驚いているのか。

「はは、沈黙が正解ってところか。それなら更に絶望に叩き落としてやろう。今までこのグレス様は七割程度の力しか出していない」
「そんな、あれで本気じゃなかったって言うのかよ」
「うん? 何だ七割も出していたのか?」
「え?」

 グレスの言葉にゴーガンが驚いていたが俺としては正直何がそんなに凄いのかわからなかった。俺の発言にセラは驚いているようだがな。

「強がりか? 見苦しい」
「別にそういうわけじゃないが、俺は一割も力を出してなかったからな」
「――ハハッ、何だそれはハッタリか! バカが。変身が解けている時点で嘘だとわかっている」
「いや、これはもうあの状態を維持している必要がないから戻しただけだぞ。何せ既に片がついているからな」

 俺がそう告げると、グレスが怪訝な表情を見せた。だがその意味を奴はすぐに理解することになる。

「はれ? 何か変だぞ、視界がズレて、ふぇ? なんだ、こ、れ?」
「だから言っただろう。もう切ってる」
「な! バカ、にゃ、ぎ、ギャァアアアァアアァアア!」

 そしてグレスが細切れになり事切れた。この状態に戻す前に何度も切りつけていたのだが本当に気づいていなかったようだな――
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...