クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃

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第二章 暗殺者の異世界ライフの始まり編

第25話 ダンジョン探索

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「なぁリョウガ。ダンジョンが初めてなのによく罠がわかったな」
「ウキィ」 
 
 ふとセラが罠について聞いてきた。モナも興味深そうだな。

「別に不思議なことじゃないだろう。ダンジョンは確かに謎が多いがこういったものは完全に想像の埒外というのは考えにくい。それに罠というのは独特の気配を発しているものだからな」

 ダンジョンとやらの仕組みはよくわからんが暗殺者として培ってきた経験は十分通じるようだ。

「て! お前ら少しは俺にも注目してくれよ!」
 
 グリズリーエイブの攻撃から必死に耐えながらゴーガンが叫んだ。ふむ。特に手助けは必要ないと思ったが……

「てかこいつやけに強いぞ!」

 どうやらグリズリーエイプはゴーガンには少々厳しい相手なようだな。泣き言も言ってきてるし。

「やれやれ――」

 俺はグリズリーエイブに殺気を集束させた。殺縛――圧倒的な殺意で相手の動きを封じる暗殺術だ。グリズリーエイブの動きが完全に止まった。

「動きが鈍った? 今がチャンスだ!」

 相手の動きが止まったことでゴーガンが追い打ちをかけた。そのまま戦斧を一気に振り下ろす。真っ二つに切り裂かれたグリズリーエイプは声も上げることなく倒れそのまま絶命した。

「ハハッ、や、やったぜ。多少はやる奴だったが、まぁ俺様の敵ではなかったな」

 斧を肩に乗せてゴーガンが笑い声を上げた。

「あれ、あんたが何かしたんだろう?」

 ミトラが俺に耳打ちしてきた。嫁は中々鋭いみたいだな。

「まぁ想像におまかせする」
「それは答えてるようなもんさね。だけど、あんたも変わったもんだね」
「変わった?」

 ミトラの言葉がピンっとこなかった。俺が何か変わったというのか。

「最初はやっぱり近寄り難い雰囲気があったけどそれも随分と落ち着いて、なんだろうね。ちょっとだけ普通っぽさが出てきたよ」
「普通――」

 俺が、か。思えば普通とは縁のない生活を送って来た。日本にいたころは幼い頃から暗殺術を叩き込まれたし物心ついたころには殺しの手伝いもさせられていた。

 そんな俺が普通か――異世界にきて今後どうしようかと思っていたけどわりとそういうのも悪くないのかもな。

「……リョウガどうしたのさ。そんな顔して」
「ウキィ」

 セラとモカが不思議そうな顔で聞いてきた。普段は自然と顔に出ないように振る舞っていたつもりだが、それが崩れていたようだ。

  それも俺に変化が出ている兆しなんだろうか。

「なぁ? 俺って普通か?」
「は? 何だよ突然。リョウガが普通って……」
「やっぱり違うか」
「え? いや、その、上手く言えないけど、まぁ普通っぽいところもあるんじゃないか、な……」

 セラは考え込んだ末歯切れ悪い解答をした。ただ何故か顔が赤いぞ。

「何か赤いぞ。熱でもあるのか?」
「ち、ちげぇよ馬鹿!」
「お~いリョウガ。何やってんだそろそろ行くぞ」
「ほ、ほら! 読んでるぞ! さっさと行こうぜ!」
 
 ふむ。セラの奴、急に不機嫌になったな。あぁいう機微は俺にはいまいち理解できないな――
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