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第二章 新天地での活躍編
第23話 ゴブリン討伐依頼
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「紹介状にあったが君たち二人だけで盗賊団を退治したのかい?」
ダンバルが聞いていた。別に疑っているようではなく確認といったところだろう。
紹介状には僕たちと書かれていたのだと思う。アークスに仲間と一緒に倒したと言ってあったからだ。
「そうです」
「でも功績の殆どはマークにあると思うにゃ」
「いやいや! 本当フェレスも凄いのですよ。僕だけじゃ無理でした」
そんなやり取りをしている僕たちをダンガルがマジマジと見てきた。これは何かまずかっただろうか。
「ハッハッハ。なるほどなるほど。それだけお互いが力を信じあっているということか。それはパーティーを組む上でとても大事なことだよ。アークスが君たちを推してきた理由がわかった気がするよ」
ダンガルが大声を上げて笑い出した。どうやら僕たちは気に入ってもらえたようだ。
「さて本題に入ろうか。今ギルドが大変でね。それでアークスが君たちを紹介してくれたのだろうけど、恐らくもう予想はついていると思うが問題は――ゴブリンだ」
ダンガルが真剣な目で話を切り出した。予想はしていたけどやはりゴブリンだったか。
「そんなにゴブリンが増えているのかにゃ?」
「そうなんだ。情けない話だがいつもならゴブリンは一匹でも見つけた時点で依頼を出し完全に駆除されるまで討伐を続けるのだが今回は対応が遅れてしまい至るところでゴブリンが見つかっていてね……」
面目なさげにダンガルが語った。少ないうちは対処出来るゴブリンも増えると相当厄介なのだろう。
「ゴブリンがいきなり増えたのかにゃ?」
「そういうことだと思う。流石に時間を掛けて増えたとしたらここまで全く気が付かないとは思えない」
「――それはかなり厄介かもしれないにゃ。特殊な個体が生まれた可能性もありえるにゃ」
特殊な個体――単体でも弱いゴブリンには繁殖力が強い以外にも変異しやすいという特徴がある。
フェレスが今言ったのはゴブリンで特殊な変異をしたのがいるという意味なのだろう。
「流石だね。私もあまり考えたくはないがゴブリンロードあたりが生まれたのではないかと危惧していてね」
「にゃ! だとしたら大変にゃ!」
ゴブリンロードか……ゴブリンが変異するタイプでは最上位に位置するタイプだったかな。
それが生まれたとしたら確かに大事なんだと思う。放ってはおけないだろう。
「あくまで可能性ではあるのだけど、ゴブリンが根城にしている場所を斥候役を買ってくれた冒険者が見つけてきてね。近々討伐隊を結成してゴブリン殲滅作戦を決行することになったんだ」
マスターが真剣な顔で今後の予定を教えてくれた。これまでの流れを聞くに僕たちにも殲滅作戦員参加して欲しいという事なのだろうね。
「にゃ、手が足りてないかにゃ?」
「正直言うとそうだ。これまでのゴブリン戦で冒険者も消耗していて現在声を上げてくれたのも八人で心もとない。そこで君たちにも協力してもらえると嬉しい。募集も今日までで明日には決行予定だったから戦力が増えるのは助かるんだ。これは領主からの依頼でもあるし君たちを含めた参加者への報酬は弾むつもりだしお願い出来ないかな?」
くだけた語り方をするギルドマスターではあるけどその目は真剣そのものだ。ゴブリンの勢力が増すのを懸念しているのだろう。
僕はフェレスの様子を見た。すると僕を見て力強く頷いてくれている。それで腹は決まった。
「――わかりました。丁度僕たちも仕事を探していたところです。ゴブリン討伐に参加させてください」
「勿論こちらから頼んでることだしね。強力な助っ人が参加してくれて助かるよ」
ギルドマスターは嬉しそうに対応してくれた。改めて報酬についても説明してくれて基本的な報酬だけで金貨五枚。
ただまだ情報が足りないからあくまで基本であって後からの報告で変わるという。下がることはないから安心して欲しいという話でもあった。
「実は今丁度明日のゴブリン討伐に参加するメンバーが集まっていたんだ。酒場にいるから話を聞いてみるといい」
依頼を受けることに決めた後ギルドマスターが教えてくれた。
確かに顔合わせはしておいた方がいいかもしれない。
「折角だから顔をだしておこうか」
「その方がいいと思うにゃ。互いの能力も含めて事前に知っておいた方が仕事がスムーズに進むにゃ」
フェレスもこう言ってくれているからマスターに僕たちの考えを伝えた。
「それならアイア彼らのこと紹介して上げてくれるかい?」
「わかりました。では話してきますね」
ギルドマスターに言われアイアという受付嬢が酒場に向かった。
そして暫くしてアイアと一緒に一人の剣士がやってきた。この人が参加者の一人かな――
ダンバルが聞いていた。別に疑っているようではなく確認といったところだろう。
紹介状には僕たちと書かれていたのだと思う。アークスに仲間と一緒に倒したと言ってあったからだ。
「そうです」
「でも功績の殆どはマークにあると思うにゃ」
「いやいや! 本当フェレスも凄いのですよ。僕だけじゃ無理でした」
そんなやり取りをしている僕たちをダンガルがマジマジと見てきた。これは何かまずかっただろうか。
「ハッハッハ。なるほどなるほど。それだけお互いが力を信じあっているということか。それはパーティーを組む上でとても大事なことだよ。アークスが君たちを推してきた理由がわかった気がするよ」
ダンガルが大声を上げて笑い出した。どうやら僕たちは気に入ってもらえたようだ。
「さて本題に入ろうか。今ギルドが大変でね。それでアークスが君たちを紹介してくれたのだろうけど、恐らくもう予想はついていると思うが問題は――ゴブリンだ」
ダンガルが真剣な目で話を切り出した。予想はしていたけどやはりゴブリンだったか。
「そんなにゴブリンが増えているのかにゃ?」
「そうなんだ。情けない話だがいつもならゴブリンは一匹でも見つけた時点で依頼を出し完全に駆除されるまで討伐を続けるのだが今回は対応が遅れてしまい至るところでゴブリンが見つかっていてね……」
面目なさげにダンガルが語った。少ないうちは対処出来るゴブリンも増えると相当厄介なのだろう。
「ゴブリンがいきなり増えたのかにゃ?」
「そういうことだと思う。流石に時間を掛けて増えたとしたらここまで全く気が付かないとは思えない」
「――それはかなり厄介かもしれないにゃ。特殊な個体が生まれた可能性もありえるにゃ」
特殊な個体――単体でも弱いゴブリンには繁殖力が強い以外にも変異しやすいという特徴がある。
フェレスが今言ったのはゴブリンで特殊な変異をしたのがいるという意味なのだろう。
「流石だね。私もあまり考えたくはないがゴブリンロードあたりが生まれたのではないかと危惧していてね」
「にゃ! だとしたら大変にゃ!」
ゴブリンロードか……ゴブリンが変異するタイプでは最上位に位置するタイプだったかな。
それが生まれたとしたら確かに大事なんだと思う。放ってはおけないだろう。
「あくまで可能性ではあるのだけど、ゴブリンが根城にしている場所を斥候役を買ってくれた冒険者が見つけてきてね。近々討伐隊を結成してゴブリン殲滅作戦を決行することになったんだ」
マスターが真剣な顔で今後の予定を教えてくれた。これまでの流れを聞くに僕たちにも殲滅作戦員参加して欲しいという事なのだろうね。
「にゃ、手が足りてないかにゃ?」
「正直言うとそうだ。これまでのゴブリン戦で冒険者も消耗していて現在声を上げてくれたのも八人で心もとない。そこで君たちにも協力してもらえると嬉しい。募集も今日までで明日には決行予定だったから戦力が増えるのは助かるんだ。これは領主からの依頼でもあるし君たちを含めた参加者への報酬は弾むつもりだしお願い出来ないかな?」
くだけた語り方をするギルドマスターではあるけどその目は真剣そのものだ。ゴブリンの勢力が増すのを懸念しているのだろう。
僕はフェレスの様子を見た。すると僕を見て力強く頷いてくれている。それで腹は決まった。
「――わかりました。丁度僕たちも仕事を探していたところです。ゴブリン討伐に参加させてください」
「勿論こちらから頼んでることだしね。強力な助っ人が参加してくれて助かるよ」
ギルドマスターは嬉しそうに対応してくれた。改めて報酬についても説明してくれて基本的な報酬だけで金貨五枚。
ただまだ情報が足りないからあくまで基本であって後からの報告で変わるという。下がることはないから安心して欲しいという話でもあった。
「実は今丁度明日のゴブリン討伐に参加するメンバーが集まっていたんだ。酒場にいるから話を聞いてみるといい」
依頼を受けることに決めた後ギルドマスターが教えてくれた。
確かに顔合わせはしておいた方がいいかもしれない。
「折角だから顔をだしておこうか」
「その方がいいと思うにゃ。互いの能力も含めて事前に知っておいた方が仕事がスムーズに進むにゃ」
フェレスもこう言ってくれているからマスターに僕たちの考えを伝えた。
「それならアイア彼らのこと紹介して上げてくれるかい?」
「わかりました。では話してきますね」
ギルドマスターに言われアイアという受付嬢が酒場に向かった。
そして暫くしてアイアと一緒に一人の剣士がやってきた。この人が参加者の一人かな――
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