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第五章 転生忍者吸血鬼出現編
第三百三十一話 転生忍者、と全裸とゼンラ
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「な、なにか来たぁあああぁああ!」
「な、何なのだ! なんなのだこの全裸の筋肉は!」
「もう嫌だぁ、もう!」
「……凄く既視感がある」
「ガウガウ」
「キキィ」
「変態なのじゃ! ジン、変態がい、いるのじゃ! 曲者じゃ出会うのじゃ!」
「ピィピィ!」
うん。わかっていたことだが大体みんなの反応が一緒だ。ただしマグだけは冷静だった。
「あ~はっはっはっは!」
「こ、この笑い声はまさか!」
そして、また新たな笑い声が響き渡り、ミモザが反応した。そして俺は誰か予想がついた。
「父上ーーーーーここにいたのだなーーーー!」
「おお娘よ! 相変わらずいい全裸しているではないか!」
「あ~はっは! 当然だ! 私はいつだって全裸なのだから! 余所行きはマントだがな!」
「ふむ、我の余所行きは筋肉であーーーーーーる!」
「意味がわからねぇよ!」
あぁもう予想がついていたけど! ついていたけど!
「きくまでもないが、さてはこの変態はお前の父親だな!」
「ワッハッハ! 藪から棒に変態とは酷い言い草ではないか!」
「酷くない服を着ろ!」
「何? 服を着ろ? 断る! 我が生涯に一片も着衣無し!」
な、なんなんだこの親子は。ゼンラだけでも扱いに困るのに、父親までやってきたら収集がつかないぞ!
「あ~はっは! 流石は全裸の覇者裸王と呼ばれた父であるな! 素晴らしい全裸かつ最高の立ち振舞いだ!」
「うむ、わかるか娘よ!」
「勿論だ! ジンもわかるであろう!」
「いや、本当さっぱりわかりません」
「貴方――」
と、その時俺の背中に悪寒が走る。振り返るとメトロンがすぐそこに迫っていた。
しまったこいつらのインパクトが強烈過ぎて聖女のことを忘れていたが、仮にも聖女と呼ばれるほどの存在だ。
こんな全裸の親子がいたら、何を言われるかわかったもんじゃない。罰当たりだとか何とかいい出して、すぐに行動に移してくる可能性だってある。
そもそもこの二人と知り合いというだけで、姫様への悪影響を理由に連れ去る為の口実にされる可能性は十分にありえる。
なぜならその心配は俺にもあるからだ! 最近姫様がゼンラに慣れてきていることすら懸念していたのだからな!
「貴方、その裸……」
くっ、やっぱりそこに反応したか!
「待て、こいつらは!」
「かの有名な裸の一族、その党首にして大陸唯一の裸爵を授かった、スパダカ・ハ・ダーカ裸爵ではありませんか!」
「て、はぁああぁああああああぁああ!?」
く、くそあまりの衝撃に声がでてしまったじゃないか! てか、何だよその裸爵って! きいたことないし、何ならどの程度の偉さなのかもわからん!
「うむ、いかにも我は裸の一族が党首! スパダカ・ハ・ダーカ裸爵なのであーーーーる!」
また叫んだ! どんだけ叫ぶんだよお前は!
「ふぅ、相変わらず父上の裸声はほれぼれするぞ!」
「裸声ってなんだよ!」
もういちいちツッコミが追いつかないぞ!
「はぁぁああ、それにしても素晴らしい! 素晴らしい筋肉! これは愛! まさに愛の結晶なのねぇえ!」
「は? き、筋肉?」
「そう! 筋肉は愛! 自らの身体を信じ、愛し、愛して愛して愛して愛して愛して愛してそして愛し続けて出来た愛の結晶それが筋肉なのです!」
両手で祈るようなポーズをとって、そんなことをメトロンが言い出した。相変わらず無表情だがな。
「ふぅ、とても愛のある良い筋肉を見せてもらいました、が、何故裸爵のあなたがこんな場所に?」
「ふむ。元々は我が娘が世話になっているというエイガ家に挨拶しようと勝手に入らせてもらったわけだが」
「勝手に入るなよ」
何堂々と不法侵入を口にしているのか。言っちゃ何だがこんな怪しいの、見つけた時点で即御用だぞ。
「父上、私が案内すると言っていたというのに」
「ワッハッハ! 済まないな娘よ。サプ裸ーイズのつもりだったのだ」
ラのイントネーションがおかしかったぞ明らかに。
「うむ、父上ときたら皆をそうやって驚かせるのが大好きなのだからな」
「あぁ、それなら確かに大成功だな。本当驚いたから」
全員がもれなく驚いているからな。サプライズ成功とは決しておもわないけどな!
「とにかく、勝手に侵入してみたところ、聖女の姿と話に聞いていた娘の知り合いを見かけてな。困っているようだから放ってはおけなくなったのだ! 全裸として!」
「うむ、全裸であれば当然なのだな!」
「ワッハッハ!」
「あっはっは!」
「いや、もうわかったから服を着ろ!」
「「断る!」」
もう嫌だこの親子――
「話はわかりました」
「わかったのかよ!」
聖女がそんなことを言い出したけど、いまので何がわかったのか本気で知りたい!
「ですが、例え愛あるいい筋肉をしていたとしても、私達のやり方に口出すとは、そこに愛はあるのか? ありませんよね?」
そしてまた、愛とかなんとか言い出したな。全裸親子の登場で有耶無耶にならないかとちょっとだけ期待したが甘かったか――
「な、何なのだ! なんなのだこの全裸の筋肉は!」
「もう嫌だぁ、もう!」
「……凄く既視感がある」
「ガウガウ」
「キキィ」
「変態なのじゃ! ジン、変態がい、いるのじゃ! 曲者じゃ出会うのじゃ!」
「ピィピィ!」
うん。わかっていたことだが大体みんなの反応が一緒だ。ただしマグだけは冷静だった。
「あ~はっはっはっは!」
「こ、この笑い声はまさか!」
そして、また新たな笑い声が響き渡り、ミモザが反応した。そして俺は誰か予想がついた。
「父上ーーーーーここにいたのだなーーーー!」
「おお娘よ! 相変わらずいい全裸しているではないか!」
「あ~はっは! 当然だ! 私はいつだって全裸なのだから! 余所行きはマントだがな!」
「ふむ、我の余所行きは筋肉であーーーーーーる!」
「意味がわからねぇよ!」
あぁもう予想がついていたけど! ついていたけど!
「きくまでもないが、さてはこの変態はお前の父親だな!」
「ワッハッハ! 藪から棒に変態とは酷い言い草ではないか!」
「酷くない服を着ろ!」
「何? 服を着ろ? 断る! 我が生涯に一片も着衣無し!」
な、なんなんだこの親子は。ゼンラだけでも扱いに困るのに、父親までやってきたら収集がつかないぞ!
「あ~はっは! 流石は全裸の覇者裸王と呼ばれた父であるな! 素晴らしい全裸かつ最高の立ち振舞いだ!」
「うむ、わかるか娘よ!」
「勿論だ! ジンもわかるであろう!」
「いや、本当さっぱりわかりません」
「貴方――」
と、その時俺の背中に悪寒が走る。振り返るとメトロンがすぐそこに迫っていた。
しまったこいつらのインパクトが強烈過ぎて聖女のことを忘れていたが、仮にも聖女と呼ばれるほどの存在だ。
こんな全裸の親子がいたら、何を言われるかわかったもんじゃない。罰当たりだとか何とかいい出して、すぐに行動に移してくる可能性だってある。
そもそもこの二人と知り合いというだけで、姫様への悪影響を理由に連れ去る為の口実にされる可能性は十分にありえる。
なぜならその心配は俺にもあるからだ! 最近姫様がゼンラに慣れてきていることすら懸念していたのだからな!
「貴方、その裸……」
くっ、やっぱりそこに反応したか!
「待て、こいつらは!」
「かの有名な裸の一族、その党首にして大陸唯一の裸爵を授かった、スパダカ・ハ・ダーカ裸爵ではありませんか!」
「て、はぁああぁああああああぁああ!?」
く、くそあまりの衝撃に声がでてしまったじゃないか! てか、何だよその裸爵って! きいたことないし、何ならどの程度の偉さなのかもわからん!
「うむ、いかにも我は裸の一族が党首! スパダカ・ハ・ダーカ裸爵なのであーーーーる!」
また叫んだ! どんだけ叫ぶんだよお前は!
「ふぅ、相変わらず父上の裸声はほれぼれするぞ!」
「裸声ってなんだよ!」
もういちいちツッコミが追いつかないぞ!
「はぁぁああ、それにしても素晴らしい! 素晴らしい筋肉! これは愛! まさに愛の結晶なのねぇえ!」
「は? き、筋肉?」
「そう! 筋肉は愛! 自らの身体を信じ、愛し、愛して愛して愛して愛して愛して愛してそして愛し続けて出来た愛の結晶それが筋肉なのです!」
両手で祈るようなポーズをとって、そんなことをメトロンが言い出した。相変わらず無表情だがな。
「ふぅ、とても愛のある良い筋肉を見せてもらいました、が、何故裸爵のあなたがこんな場所に?」
「ふむ。元々は我が娘が世話になっているというエイガ家に挨拶しようと勝手に入らせてもらったわけだが」
「勝手に入るなよ」
何堂々と不法侵入を口にしているのか。言っちゃ何だがこんな怪しいの、見つけた時点で即御用だぞ。
「父上、私が案内すると言っていたというのに」
「ワッハッハ! 済まないな娘よ。サプ裸ーイズのつもりだったのだ」
ラのイントネーションがおかしかったぞ明らかに。
「うむ、父上ときたら皆をそうやって驚かせるのが大好きなのだからな」
「あぁ、それなら確かに大成功だな。本当驚いたから」
全員がもれなく驚いているからな。サプライズ成功とは決しておもわないけどな!
「とにかく、勝手に侵入してみたところ、聖女の姿と話に聞いていた娘の知り合いを見かけてな。困っているようだから放ってはおけなくなったのだ! 全裸として!」
「うむ、全裸であれば当然なのだな!」
「ワッハッハ!」
「あっはっは!」
「いや、もうわかったから服を着ろ!」
「「断る!」」
もう嫌だこの親子――
「話はわかりました」
「わかったのかよ!」
聖女がそんなことを言い出したけど、いまので何がわかったのか本気で知りたい!
「ですが、例え愛あるいい筋肉をしていたとしても、私達のやり方に口出すとは、そこに愛はあるのか? ありませんよね?」
そしてまた、愛とかなんとか言い出したな。全裸親子の登場で有耶無耶にならないかとちょっとだけ期待したが甘かったか――
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