119 / 158
第五章 転生忍者吸血鬼出現編
第三百十四話 不浄と精霊
しおりを挟む
sideマグノリア
風の精霊の剣でドルドの右腕を切り飛ばした。
ドルドが苦しそうにうめき声を上げている。
マガミを見た。マガミは今もダルクという騎士と戦っていたけど、さっきの遠吠えのおかげでドルドの動きは止まった。
理由はわからないけど、とにかくそれでチャンスが生まれた。後でマガミはたっぷりもふってあげたいと思う。
「畜生がぁ、この高貴な私の腕がぁ!」
「……それはお前らに殺された村人の分」
こいつらはあまりに多くの人を殺した。そしてその要因はこの吸血鬼。絶対に許せないし生かしておいてはいけない。
それにしても高貴? ちゃんちゃらおかしい。こんな奴らの何が高貴なのか。
「あぁあ、く、くぉおぉぉおそぉおお! な~んちゃって」
「……は?」
ドルドが突然顔を上げ、片眼鏡を直しながらほくそ笑んだ。強がり、とは思えない。
「はは、少しは優越感を抱けたかね? だけど残念――フンッ!」
「……な!?」
ドルドが切断面から腕を生やした。新しい腕をもちあげぐっぐっと手を握り締めしている。
「……蜥蜴みたいな奴」
「ふん、好きに言いたまえ。さて、どうかな折角のチャンスがふいになった気分は?」
ニヤニヤしながら聞いてきた。腹の立つ吸血鬼。
「……それなら、全身を切り刻む。燃やす。土の養分にする」
「はは、怖い怖い。それにしても、忌々しい狼だ。カイエンお前はあっちを援護しろ。絶対に吠えさせるな」
「わかリまシたドルド様」
「……させない!」
「お前の相手は私だーーーー!」
ドルドの手から不気味な色をした槍が飛んできた。これは、触れたら不味い!
「ほう避けたか。良い判断だな」
振り返ると槍が樹木に当たり、途端に幹からドロドロに溶けていった。
「はは、どうかな? カオスウーズという魔法だ。私の得意魔法さ」
「……悪趣味」
「そう言うな。お前にとってはたしかに最悪だろうがな」
私にとって最悪? 意味がわからない。とにかくマガミが気になった。ちらりと見てみるとカイエンとダルク相手に奮闘していた。
だけど、余裕はないと思う。なら――
「土精霊の人形」
土の精霊ピグみんの力。精霊の力で人形が動く。マガミを守ってとお願いするとコクンと頷いて走り出した。
「ほう、器用なものだな」
「……余裕ぶっていられるのも今のうち」
「はは、それはどうかな?」
この余裕に腹が立つ。なら、目にもの見せる!
「風精霊の怒り!」
「ムッ!」
ドルドの足元から竜巻が発生し飲み込まれた。これはシルっぴの力でも一番強い。逃れられない。
ドルドは私を舐めすぎ、え?
「ふぅ、危ない危ない」
「……うそ、竜巻が消えた――」
どうして……それに、ドルドのいた場所で生じていた精霊の力が感じられない。
ドルド、そういえばドルドの体の周りに、あの不気味な色の液体が漂っている。
「やはり予想通り貴様は精霊使いだったか。はは、ならお前は私には勝てないさ。これは不浄の力――精霊さえも侵す程のな」
不浄の、ちか、ら? 精霊も侵す――そんなこと!
「火蜥蜴の雄叫び」
サラぽんの力を一点に集めた熱光線! これなら。
「無駄だと言っているだろう」
それを、ドルドの手から生み出された毒々しい色の口が呑み込んだ。これでも貫けないなんて――
「相性というものは大事だと思わないかい?」
今度は玉のような形になったブヨブヨの液体が一斉に飛んできた。気持ち悪い――風の盾、駄目だ! 防げない!
「ほう、動きが急に速くなったな。それは風の精霊の力か。だが精霊頼みでいいのかな? 言ったはずだぞ。この魔法は精霊すらも侵すと」
精霊を? そういえば、シルっぴとサラぽんから明らかな動揺を感じる。この力を恐れている?
「ところで、まさか避けた程度で逃げられると思っていないだろうね?」
ドルドが片眼鏡をクイッと直しながら不敵なことを――ぶよぶよした玉は全て地面に落ちていた。
そして、一斉に触手のようなものが伸びてきて私を囲った。玉が土の中で変化した?
「逃げ場なし、かな?」
眼鏡をいじりながら、ドルドがニヤリと不気味に笑う。
駄目だ、逃げ場が――
「……シルっぴ、サラぽん、ありがとう――」
私はシルっぴとサラぽんを精霊界に戻した。これでやられることはない。
「おやおや、どうしたのかな? 悪あがきはやめたのかね?」
「……クソ野郎」
「躾のなってない餓鬼だ」
一斉に触手が私に迫る。躱しきれない。鞭のように振るわれて激痛が私の全身を襲った。
「はは、無様だなぁ混じり物」
「……ぐっ!」
触手にやられて私の着ていた服がボロボロに崩れていく。
「ほう、まだ立てるのか。しかし、混じり物でも一丁前に恥ずかしいものなのか?」
「……お前みたいなゲス野郎に見られたくないだげだ!」
「はは、言うねぇ」
ドルドが指をぱちんと鳴らすと、触手が絡みついてきて私を持ち上げた。
「……ぐっ、この、変態め」
「勘違いしないでくれたまえよ。私はお前みたいなお子様には興味なんてないのさ。まぁ、一部の変態貴族が悦びそうではあるだね。しかし、不浄で出来た触手だ。捕まっているだけでも激痛を伴いだろうに」
くっ、確かに焼けるように熱い……でも、それ以上にこいつら吸血鬼が悪い!
「はは、その目。随分と私が憎そうだな。いや、それとも吸血鬼がか? ふむ、しかし奇妙だな。我らは人様に恨まれる覚えなど――ありすぎてわからないぐらいだ。あっはっは!」
こいつ――
「本当なら貴様のような穢らわしい血の種族を生かしておく理由もないが、この私の腕を切り飛ばしたわけだしな。無駄なことだったとは言え、それなりに、お仕置きしないとなぁ!」
「アグゥ!」
ドルドの手に不浄で出来た鞭が出現した。触手が絡みついて自由が効かない。鞭が何度も何度も振るわれた。
痛い、こんな奴に、意識が飛びそうになる。でも、駄目だ絶対に負けちゃ――
「中々しぶといじゃないか。混じり者の癖に」
「ドルド様、こイつをどういたシますか?」
「!? マガミ!」
カイエンモドキがマガミの首を掴んでやってきた。マガミが弱々しい目で私を見ている。
更にダルクや私が吹き飛ばした騎士、それにモドキに変わった他の村人もいる――土精霊の人形もこいつらに……
「ふん、こっちにも穢らわしい狼がいたな。忌々しい銀狼が」
「……やめろ、マガミに手を出したら、絶対に、許さない!」
痛みなんて関係ない。こいつを殺したい! マガミ、私のせいで、私の!
「ははは、何だお前、こいつがそんなに大事なのか? それはいい! なら、お前の目の前でこの忌々しい銀狼の首を刎ねてやろう。その後、折角だからこいつの肉でも食わせてやるか。うむ、そうしよう。腹が減ってるだろう? はは」
「……ふざけるな! そんな真似してみろ! 殺してやる! お前を絶対に殺してやる!」
「おおこわ。だけど、何も出来ないのさお前みたいな混じり者にはな。さぁカイエンやれ! その剣でそいつの首を――」
『ケーーーーーーーーーーン!』
空から鳴き声が聞こえた。大きな聞き覚えのある鳴き声。そして雷が降り注ぐ。
「な、雷だと! 一体どうなってる!」
ドルドと他の棋士たちが飛び退く。騎士やモドキと化した村人には避けられず消し飛んだのもいる。
そして――
「くそ、何だあの怪鳥!」
「鳥だけじゃないぜ」
「な! グボォオオオ!」
ドルドの背後にジンが、そして振り返ったドルドに拳がめり込み吹っ飛んでいく。そして地面を転がった後、片膝をつき、ジンを睨んできた。
「き、貴様――ジン・エイガーーーーーー!」
「よぉ害虫。しぶといテメェを今度こそきっちり踏み潰しに来たぜ」
風の精霊の剣でドルドの右腕を切り飛ばした。
ドルドが苦しそうにうめき声を上げている。
マガミを見た。マガミは今もダルクという騎士と戦っていたけど、さっきの遠吠えのおかげでドルドの動きは止まった。
理由はわからないけど、とにかくそれでチャンスが生まれた。後でマガミはたっぷりもふってあげたいと思う。
「畜生がぁ、この高貴な私の腕がぁ!」
「……それはお前らに殺された村人の分」
こいつらはあまりに多くの人を殺した。そしてその要因はこの吸血鬼。絶対に許せないし生かしておいてはいけない。
それにしても高貴? ちゃんちゃらおかしい。こんな奴らの何が高貴なのか。
「あぁあ、く、くぉおぉぉおそぉおお! な~んちゃって」
「……は?」
ドルドが突然顔を上げ、片眼鏡を直しながらほくそ笑んだ。強がり、とは思えない。
「はは、少しは優越感を抱けたかね? だけど残念――フンッ!」
「……な!?」
ドルドが切断面から腕を生やした。新しい腕をもちあげぐっぐっと手を握り締めしている。
「……蜥蜴みたいな奴」
「ふん、好きに言いたまえ。さて、どうかな折角のチャンスがふいになった気分は?」
ニヤニヤしながら聞いてきた。腹の立つ吸血鬼。
「……それなら、全身を切り刻む。燃やす。土の養分にする」
「はは、怖い怖い。それにしても、忌々しい狼だ。カイエンお前はあっちを援護しろ。絶対に吠えさせるな」
「わかリまシたドルド様」
「……させない!」
「お前の相手は私だーーーー!」
ドルドの手から不気味な色をした槍が飛んできた。これは、触れたら不味い!
「ほう避けたか。良い判断だな」
振り返ると槍が樹木に当たり、途端に幹からドロドロに溶けていった。
「はは、どうかな? カオスウーズという魔法だ。私の得意魔法さ」
「……悪趣味」
「そう言うな。お前にとってはたしかに最悪だろうがな」
私にとって最悪? 意味がわからない。とにかくマガミが気になった。ちらりと見てみるとカイエンとダルク相手に奮闘していた。
だけど、余裕はないと思う。なら――
「土精霊の人形」
土の精霊ピグみんの力。精霊の力で人形が動く。マガミを守ってとお願いするとコクンと頷いて走り出した。
「ほう、器用なものだな」
「……余裕ぶっていられるのも今のうち」
「はは、それはどうかな?」
この余裕に腹が立つ。なら、目にもの見せる!
「風精霊の怒り!」
「ムッ!」
ドルドの足元から竜巻が発生し飲み込まれた。これはシルっぴの力でも一番強い。逃れられない。
ドルドは私を舐めすぎ、え?
「ふぅ、危ない危ない」
「……うそ、竜巻が消えた――」
どうして……それに、ドルドのいた場所で生じていた精霊の力が感じられない。
ドルド、そういえばドルドの体の周りに、あの不気味な色の液体が漂っている。
「やはり予想通り貴様は精霊使いだったか。はは、ならお前は私には勝てないさ。これは不浄の力――精霊さえも侵す程のな」
不浄の、ちか、ら? 精霊も侵す――そんなこと!
「火蜥蜴の雄叫び」
サラぽんの力を一点に集めた熱光線! これなら。
「無駄だと言っているだろう」
それを、ドルドの手から生み出された毒々しい色の口が呑み込んだ。これでも貫けないなんて――
「相性というものは大事だと思わないかい?」
今度は玉のような形になったブヨブヨの液体が一斉に飛んできた。気持ち悪い――風の盾、駄目だ! 防げない!
「ほう、動きが急に速くなったな。それは風の精霊の力か。だが精霊頼みでいいのかな? 言ったはずだぞ。この魔法は精霊すらも侵すと」
精霊を? そういえば、シルっぴとサラぽんから明らかな動揺を感じる。この力を恐れている?
「ところで、まさか避けた程度で逃げられると思っていないだろうね?」
ドルドが片眼鏡をクイッと直しながら不敵なことを――ぶよぶよした玉は全て地面に落ちていた。
そして、一斉に触手のようなものが伸びてきて私を囲った。玉が土の中で変化した?
「逃げ場なし、かな?」
眼鏡をいじりながら、ドルドがニヤリと不気味に笑う。
駄目だ、逃げ場が――
「……シルっぴ、サラぽん、ありがとう――」
私はシルっぴとサラぽんを精霊界に戻した。これでやられることはない。
「おやおや、どうしたのかな? 悪あがきはやめたのかね?」
「……クソ野郎」
「躾のなってない餓鬼だ」
一斉に触手が私に迫る。躱しきれない。鞭のように振るわれて激痛が私の全身を襲った。
「はは、無様だなぁ混じり物」
「……ぐっ!」
触手にやられて私の着ていた服がボロボロに崩れていく。
「ほう、まだ立てるのか。しかし、混じり物でも一丁前に恥ずかしいものなのか?」
「……お前みたいなゲス野郎に見られたくないだげだ!」
「はは、言うねぇ」
ドルドが指をぱちんと鳴らすと、触手が絡みついてきて私を持ち上げた。
「……ぐっ、この、変態め」
「勘違いしないでくれたまえよ。私はお前みたいなお子様には興味なんてないのさ。まぁ、一部の変態貴族が悦びそうではあるだね。しかし、不浄で出来た触手だ。捕まっているだけでも激痛を伴いだろうに」
くっ、確かに焼けるように熱い……でも、それ以上にこいつら吸血鬼が悪い!
「はは、その目。随分と私が憎そうだな。いや、それとも吸血鬼がか? ふむ、しかし奇妙だな。我らは人様に恨まれる覚えなど――ありすぎてわからないぐらいだ。あっはっは!」
こいつ――
「本当なら貴様のような穢らわしい血の種族を生かしておく理由もないが、この私の腕を切り飛ばしたわけだしな。無駄なことだったとは言え、それなりに、お仕置きしないとなぁ!」
「アグゥ!」
ドルドの手に不浄で出来た鞭が出現した。触手が絡みついて自由が効かない。鞭が何度も何度も振るわれた。
痛い、こんな奴に、意識が飛びそうになる。でも、駄目だ絶対に負けちゃ――
「中々しぶといじゃないか。混じり者の癖に」
「ドルド様、こイつをどういたシますか?」
「!? マガミ!」
カイエンモドキがマガミの首を掴んでやってきた。マガミが弱々しい目で私を見ている。
更にダルクや私が吹き飛ばした騎士、それにモドキに変わった他の村人もいる――土精霊の人形もこいつらに……
「ふん、こっちにも穢らわしい狼がいたな。忌々しい銀狼が」
「……やめろ、マガミに手を出したら、絶対に、許さない!」
痛みなんて関係ない。こいつを殺したい! マガミ、私のせいで、私の!
「ははは、何だお前、こいつがそんなに大事なのか? それはいい! なら、お前の目の前でこの忌々しい銀狼の首を刎ねてやろう。その後、折角だからこいつの肉でも食わせてやるか。うむ、そうしよう。腹が減ってるだろう? はは」
「……ふざけるな! そんな真似してみろ! 殺してやる! お前を絶対に殺してやる!」
「おおこわ。だけど、何も出来ないのさお前みたいな混じり者にはな。さぁカイエンやれ! その剣でそいつの首を――」
『ケーーーーーーーーーーン!』
空から鳴き声が聞こえた。大きな聞き覚えのある鳴き声。そして雷が降り注ぐ。
「な、雷だと! 一体どうなってる!」
ドルドと他の棋士たちが飛び退く。騎士やモドキと化した村人には避けられず消し飛んだのもいる。
そして――
「くそ、何だあの怪鳥!」
「鳥だけじゃないぜ」
「な! グボォオオオ!」
ドルドの背後にジンが、そして振り返ったドルドに拳がめり込み吹っ飛んでいく。そして地面を転がった後、片膝をつき、ジンを睨んできた。
「き、貴様――ジン・エイガーーーーーー!」
「よぉ害虫。しぶといテメェを今度こそきっちり踏み潰しに来たぜ」
0
第四章大会編の一部を幕間という章に移動する作業を行ってます。ご不便をおかけしますができるだけ急ぐように致します。書籍の3巻は12月17日から出荷される予定です。書籍発売と同時にレンタルに移行する話もあります。詳しくは近況ボードにて書かせて頂いておりますので一読頂けると嬉しく思いますm(_ _)m
お気に入りに追加
5,972
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。