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第68話 メリッサの意地
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「あはははは、ほらほらどうした!」
マリーンがアサルトライフル片手にメリッサに連射していた。それをなんとか避けるメリッサ。だがその顔には怒りが滲んでいた。
「貴方、わざと外してますね!」
「何だわかってたのかい」
そう言ってマリーンがアサルトライフルを持ち上げ肩に乗せた。
「あたしはねあんたみたいな女が嫌いなのさ。男に媚びて守られるだけの分際で調子に乗ってるあんたがね」
「嫉妬ですか? 醜いですね。少しでも相手に好かれたいならその醜悪な心を改めた方がいいと思いますよ」
「プッ、アハハハハハッ! 言うじゃないかい。いいねそれぐらい気が強い方が狩りがいがある。いいかい? あんたは私に狙われただけのか弱いウサギさ。さぁ踊りな!」
マリーンが再びアサルトライフルを連射した。しかしマリーンは気がついていなかった。ただ守られているだけと思いこんでいたメリッサの瞳に鋭い光が宿っていることを。
「パワーショット――そして鑑定。相手の行動を分析」
「さっきから何ブツブツ言ってるんだい!」
「アースシールド!」
マリーンが更にアサルトライフルを連射した。だがそれはメリッサの魔法で生み出された土の盾で妨げられる。
「チッ、生意気な――」
瞳を激しく動かしメリッサの動きを注視するマリーン。狙いを定め引き金を引くがソレとほぼ同時にメリッサが矢を射った。
「そんなものがなんだっていうんだい!」
マリーンが叫ぶが――ボンッ! という音ととともにマリーンの持っているアサルトライフルが爆ぜた。
「な! バカな暴発なんてありえない! これは魔法弾を撃ってるだけなんだよ!」
「魔力弾だからですよ。例え魔力で出来た弾でも魔力には異なる波長という物があります。そして干渉する波長の組み合わせ次第で今のような現象を引き起こすことも可能なのです」
「クソ女がァア!」
激情しメリッサに向かってマリーンが何かを投げつけた。まるでちょっとした果実を思わせるそれはメリッサの足元に転がりそして爆発した。
「はっはぁ! どうだいあたしの手榴弾は! これで全身粉々さ! 情けないね!」
「残念ながらそうはなりません」
メリッサの声が響く。マリーンがぎょっとした顔でメリッサを見た。
「そんな、どうして!」
「鑑定で貴方の行動は見え見えだったんですよ。だから土魔法で壁を作っておいた。さぁ決着をつけましょう! 連射!」
メリッサが武芸を行使。無数の矢玉がマリーンの身を貫いた。
「そんな、こんな女に、ち、く、しょう――」
メリッサの矢を受けたマリーンが倒れ起き上がることはなかった――
◇◆◇
「オラオラオラオラオラオラオラオラァアアアア!」
クラッシュが大剣をやたらめったらと振り回した。周囲に斬撃が飛びまわり地面を切り刻んでいく。
「……鬱陶しい」
「グルゥ」
そんなクラッシュの行動を冷めた目で見ていたのがセイラとフェンリィであった。
「フンッ!」
力強くクラッシュが大剣を振り下ろすとより大きな斬撃が飛んできた。セイラが鞭を鳴らしつつ飛び退くとフェンリィの動きが機敏になりクラッシュの巨大斬撃を避け瞬時に距離を詰めた。
「チッ! 生意気な!」
クラッシュの喉笛に噛みつこうとするフェンリィだったがとっさに大剣を噛ませクラッシュが攻撃を防いだ。
「グルルゥ」
「フェンリィ戻って」
セイラがそう命じるとフェンリィが口を離し飛び退いた。と同時に衝撃波が発生する。
「チッ、勘のいいやつだ」
大剣を構えつつクラッシュが言い放つ。地面は大きく陥没していた。今のが直撃していたらフェンリィも危なかったことだろう――
マリーンがアサルトライフル片手にメリッサに連射していた。それをなんとか避けるメリッサ。だがその顔には怒りが滲んでいた。
「貴方、わざと外してますね!」
「何だわかってたのかい」
そう言ってマリーンがアサルトライフルを持ち上げ肩に乗せた。
「あたしはねあんたみたいな女が嫌いなのさ。男に媚びて守られるだけの分際で調子に乗ってるあんたがね」
「嫉妬ですか? 醜いですね。少しでも相手に好かれたいならその醜悪な心を改めた方がいいと思いますよ」
「プッ、アハハハハハッ! 言うじゃないかい。いいねそれぐらい気が強い方が狩りがいがある。いいかい? あんたは私に狙われただけのか弱いウサギさ。さぁ踊りな!」
マリーンが再びアサルトライフルを連射した。しかしマリーンは気がついていなかった。ただ守られているだけと思いこんでいたメリッサの瞳に鋭い光が宿っていることを。
「パワーショット――そして鑑定。相手の行動を分析」
「さっきから何ブツブツ言ってるんだい!」
「アースシールド!」
マリーンが更にアサルトライフルを連射した。だがそれはメリッサの魔法で生み出された土の盾で妨げられる。
「チッ、生意気な――」
瞳を激しく動かしメリッサの動きを注視するマリーン。狙いを定め引き金を引くがソレとほぼ同時にメリッサが矢を射った。
「そんなものがなんだっていうんだい!」
マリーンが叫ぶが――ボンッ! という音ととともにマリーンの持っているアサルトライフルが爆ぜた。
「な! バカな暴発なんてありえない! これは魔法弾を撃ってるだけなんだよ!」
「魔力弾だからですよ。例え魔力で出来た弾でも魔力には異なる波長という物があります。そして干渉する波長の組み合わせ次第で今のような現象を引き起こすことも可能なのです」
「クソ女がァア!」
激情しメリッサに向かってマリーンが何かを投げつけた。まるでちょっとした果実を思わせるそれはメリッサの足元に転がりそして爆発した。
「はっはぁ! どうだいあたしの手榴弾は! これで全身粉々さ! 情けないね!」
「残念ながらそうはなりません」
メリッサの声が響く。マリーンがぎょっとした顔でメリッサを見た。
「そんな、どうして!」
「鑑定で貴方の行動は見え見えだったんですよ。だから土魔法で壁を作っておいた。さぁ決着をつけましょう! 連射!」
メリッサが武芸を行使。無数の矢玉がマリーンの身を貫いた。
「そんな、こんな女に、ち、く、しょう――」
メリッサの矢を受けたマリーンが倒れ起き上がることはなかった――
◇◆◇
「オラオラオラオラオラオラオラオラァアアアア!」
クラッシュが大剣をやたらめったらと振り回した。周囲に斬撃が飛びまわり地面を切り刻んでいく。
「……鬱陶しい」
「グルゥ」
そんなクラッシュの行動を冷めた目で見ていたのがセイラとフェンリィであった。
「フンッ!」
力強くクラッシュが大剣を振り下ろすとより大きな斬撃が飛んできた。セイラが鞭を鳴らしつつ飛び退くとフェンリィの動きが機敏になりクラッシュの巨大斬撃を避け瞬時に距離を詰めた。
「チッ! 生意気な!」
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「グルルゥ」
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「チッ、勘のいいやつだ」
大剣を構えつつクラッシュが言い放つ。地面は大きく陥没していた。今のが直撃していたらフェンリィも危なかったことだろう――
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