上 下
64 / 68

第64話 魔物が増殖した原因

しおりを挟む
 疑問が掠めたのはほんの一瞬だ。アオイから与えられる快感にすぐに頭が真っ白になり、そんな疑問は立ち消えてしまった。
 アオイはようやくペニスを握ってくれた。
 緩やかな速度でそれを扱きながら、チュッチュと啄ばむように乳首も吸われる。反対の手では乳首を捏ねたり陰嚢いんのうをやわやわと揉んだりと忙しない。

 そのうち義松は無意識にゆらゆらと腰を振りはじめた、そのとき。突然ぎゅっと根元を強く握られ義松は瞠目した。

「やっ……何……?」

 アオイは乳首に吸い付いたまま、上目遣いにチラリと義松の顔を見ただけで、構わず根元を握りしめたままで扱きたてる。

 絶頂はどんどん迫ってくるのに、強く握られているせいで中々そこまで辿り着けない。
 腰をガクガクと震わせて「やだ、イきたい……イかせて!」と強請れば、今度はアオイの手がパッと離れた。
「あ……」

 突然快楽の渦の中から放り出され、愕然とする。縋るような目で仰ぎ見ると、アオイは緩慢な動作で体を起こしながらタイマーを確認するところだった。
「まだ十分しか経ってないんだけど。もうイきたいの? どんだけ早漏なんだよ。折角来たんだし、もうちょっと我慢しようよ」
「うぅ……」

「できるよな?」そしてアオイは小首を傾げ、にこりと微笑む。
 思わず義松はこくんと頷いた。

「あ……、俺も……アオイさんのおっぱい触りたい……」
 押し倒されていた体勢から、義松はよろよろと起き上がった。
 せっかくオプション①②をつけたというのに、今日はまだアオイのおっぱいに触れていない。入室早々に押し倒されたのだから当然だ。

「いーよ、俺のおっぱい気に入った?」
「あ、待って」

 くすりと笑って、自ら脱ごうとするアオイの手首を掴み義松はストップをかけた。
「俺が、脱がせたい……」
 アオイは無言のまま微笑んで、ボタンにかけていた手を下ろす。
 義松は息を呑んで、向かい合わせで膝の上に乗っかるアオイのシャツに手を伸ばした。
 今日のアオイは淡い水色に白のパイピングの入った、半袖のパジャマシャツを着ていた。ボタンを一つ、また一つと外す度に興奮が募っていくようだ。

「ねぇ手、震えてない?」

 揶揄するように笑ったアオイを、義松は無言で睨みつけた。興奮のあまり気持ちばかりがはやり、指先が上手く動かない。

 不器用にボタンを外し終えた義松は、露わになった美味しそうな乳首に切羽詰まった様子で早速かぶりついた。
 さっき自分がされたように、唇で啄むように乳首を引っ張ったり舌先でつついたり。
「んっ」とアオイが堪え切れず声を零した。

 アオイの股間に手を伸ばすと、やはりそこは勃っている。

 喜びを感じるのもつかの間、ぴしゃりと手を叩かれて「チョーシ乗んな」と怒られてしまった。
 次の瞬間、ペニスをむんずと握られ「う」と義松は呻き声を上げる。
 ものすごいスピードで扱かれ始めると、アオイのおっぱいを堪能する余裕もなくなり、ぎゅっとアオイの裸の胸に縋りつくように抱き着いた。

「ああっ⁉ な、何っ」
「チョーシ乗ったお仕置き~。ちゃんと耐えてね」
「あっ、あっ、あっ! や、声……っ、出ちゃうっ!」
「いいよ、いっぱい出せば」
「あ、あっ! ダメ、イく、イく、イく……ツ!」

 そして義松はあえなく達してしまった。

「あ~あ、耐えてって言ったのに」と、どことなく楽しそうな声が頭に降ってくる。

 しかし義松の耳には入らなかった。
 はぁはぁと肩で息をしながらも、目の前の美味しそうなアオイのおっぱいに気が付いてしまったのだ。義松は魅入られたように釘付けになり、思わずぱくりとその愛らしい突起をふたたび口に含んだ。

「……おい」
「ん……も、ひょっとらけ……」

 ちゅうちゅうと赤ん坊のように乳首を吸いはじめた義松に、アオイはわざとらしいほど深々と溜め息を吐いてみせた。

「でっかい赤ん坊だな」

 何とでも言ってくれ。
 さっきは余裕がなさすぎて、心ゆくまでおっぱいを堪能できなかったのだ。
 構わず吸い続ける義松に、ときどきアオイが「んっ……」と声を押し殺して身動ぎをする。彼も感じているかと思うと、ムラッと、先ほど吐き出したばかりのはずの欲望がふたたび湧き上がってくる。兆しはじめた自身を感じながら、もう一度アオイに触れてもらいたいと思った。彼の手を取り、ふたたび自身のペニスに誘おうとしたとき――……。



 ピピピピピピピ。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

没落貴族に転生した俺、外れ職【吟遊詩人】が規格外のジョブだったので無双しながら領地開拓を目指す

名無し
ファンタジー
 現実世界で事故死したはずの主人公だったが、気付いたときには異世界の貴族として転生していた。  貴族の名はシオン=ギルバートといって、気弱で怠惰な少年で知られており、不良たちに遊ぶ金を渡すために父親の形見を売り払う有様だった。  そんな没落寸前のシオンがある日、酒に酔って転倒し、頭を打って気絶してしまう。  そこに警備員として働いていた主人公の魂が入り込む形になり、【吟遊詩人】というジョブを授かることに。  外れだと思われていたが実は至高のジョブで、さらに主人公は剣道の達人であったため、それまで彼をバカにしていた周囲の人間を見返しつつ、剣と音の力で領地開拓を目指す第二の人生が幕を開けるのであった。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...