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第二章 サムジャともふもふ編
第115話 サムジャと眷属との戦い
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見上げるほどデカいダエーワが動き出した。口から液体をダラダラと垂れ流している。
溶解液は地面に達するとジュージューと音を立てて道路を溶かし穴をあけ広げていく。しかもその直後に気化し瘴気として充満し始めた。
既に住人の避難は始まっている。駆けつけた冒険者が誘導してくれているし瘴気にあてられた人はセイラが離れた場所で治療に当たっていた。
パピィがセイラの前で目を光らせているがもしあの化け物に生贄と認識されたら厄介だ。
「二人に力の刻印を施すわね」
「助かる」
「忝ない」
ルンが俺たちに刻印を付与してくれた。そしてルンは火の刻印で火球で攻撃してくれるようだ。ルンはあまり近づかないほうがいいだろうしな。
「瘴気の平気な俺が先ず前に出る。マスカは相手を俺が引きつけている隙に援護をお願いしていいか?」
「わかった!」
そして宣言通り先ず俺が先手を打った。
「居合忍法・抜刀影分身業火竜巻三刃返し!」
我ながら長いと思うが、重ねられるスキル増し増しでやってみた。通常で抜刀影分身は十二可能だが、そこに新たに覚えた三刃で三十六に加え燕返しで更に倍の七十二、そこに業火弾と竜巻が加わった。
炎に包まれた七十二の竜巻がダエーワに襲いかかる。
「ぐぁあぁあううぉおぉおああぁああああ! あづーーーいぃいいいィィイィィイイ! ガァアァッ」
お? 聞いてるなしっかりと。炎に包み込まれ全身が焼け焦げていく。ひどい匂いが漂ってきた。
「……私の出番なくないか?」
マスカがちょっと不満そうに言った。目の前でダエーワが景気良く燃えている。焦げた肉片がボロボロと落ちてきた。
「あれ? もしかしてもう終わり?」
ルンが意外そうに呟いた。確かにこれで終わりなら拍子抜けだが――
「グァアアアラァアアァアァアガアアァアアァアア!」
しかし、炎に包まれ焦げた肉眼が落としたことで炎が消え、更にダエーワの肉体が再生していった。
「こいつ再生するのか?」
「……どうやら自己再生のスキル持ちなようだな」
マスカが答える。そういえば確かにかつてもそんなスキルがあったな。
「ど、どうするの? 再生持ちなんて……」
「厄介だが、無限に再生出来るものではない筈だ」
「あぁ。大体限界がある。しつこく攻撃するほかないな」
マスカが答え俺もうなずくが、どの程度で再生の効果が切れるかはやってみないとわからないのが難点だ。
「グォォォォオオオォオ!」
ダエーワが叫びあげ、全身から伸びた触手が襲いかかってきた。更に上空にどす黒い雲が現出しどんどんと膨張していく。
あれはちょっとヤバいな。
「パピィ! セイラを連れて雲の範囲から逃げろ! 他の全員もとにかく離れろ!」
そういいつつマスカの腕を取る。
「ちょ! な、何を!」
慌ててるが話してる暇はないな。ルンに駆け寄ってルンの腰にも腕を回す。
「ふぇ! そ、そんないきなり……」
「飛ぶぞ」
「はい?」
「居合省略・風舞の術!」
術を行使すると同時に突風で俺の体が宙を舞った。この忍法は風の力で大きく飛ぶことが出来る。
「ひゃぁ!」
「こ、これは凄いな――」
ルンは流石に空中でバランスを取れないと思い腰に手を回した。マスカは流石に運動神経がいいな。仮面ないとちょっとドジっ子なようだが。
「火吹の術!」
追ってくる触手は焼き払う。二人も抱えてるとあまり強力な術は使えないな。何とかなってはいるが。
そして範囲外に逃げた直後膨れ上がった雲から紫色の雨が降り注いだ。
建物や地面がどろどろに溶けていく。広範囲の瘴気の雨だ。全くこれでもかってぐらいはた迷惑な奴だな――
溶解液は地面に達するとジュージューと音を立てて道路を溶かし穴をあけ広げていく。しかもその直後に気化し瘴気として充満し始めた。
既に住人の避難は始まっている。駆けつけた冒険者が誘導してくれているし瘴気にあてられた人はセイラが離れた場所で治療に当たっていた。
パピィがセイラの前で目を光らせているがもしあの化け物に生贄と認識されたら厄介だ。
「二人に力の刻印を施すわね」
「助かる」
「忝ない」
ルンが俺たちに刻印を付与してくれた。そしてルンは火の刻印で火球で攻撃してくれるようだ。ルンはあまり近づかないほうがいいだろうしな。
「瘴気の平気な俺が先ず前に出る。マスカは相手を俺が引きつけている隙に援護をお願いしていいか?」
「わかった!」
そして宣言通り先ず俺が先手を打った。
「居合忍法・抜刀影分身業火竜巻三刃返し!」
我ながら長いと思うが、重ねられるスキル増し増しでやってみた。通常で抜刀影分身は十二可能だが、そこに新たに覚えた三刃で三十六に加え燕返しで更に倍の七十二、そこに業火弾と竜巻が加わった。
炎に包まれた七十二の竜巻がダエーワに襲いかかる。
「ぐぁあぁあううぉおぉおああぁああああ! あづーーーいぃいいいィィイィィイイ! ガァアァッ」
お? 聞いてるなしっかりと。炎に包み込まれ全身が焼け焦げていく。ひどい匂いが漂ってきた。
「……私の出番なくないか?」
マスカがちょっと不満そうに言った。目の前でダエーワが景気良く燃えている。焦げた肉片がボロボロと落ちてきた。
「あれ? もしかしてもう終わり?」
ルンが意外そうに呟いた。確かにこれで終わりなら拍子抜けだが――
「グァアアアラァアアァアァアガアアァアアァアア!」
しかし、炎に包まれ焦げた肉眼が落としたことで炎が消え、更にダエーワの肉体が再生していった。
「こいつ再生するのか?」
「……どうやら自己再生のスキル持ちなようだな」
マスカが答える。そういえば確かにかつてもそんなスキルがあったな。
「ど、どうするの? 再生持ちなんて……」
「厄介だが、無限に再生出来るものではない筈だ」
「あぁ。大体限界がある。しつこく攻撃するほかないな」
マスカが答え俺もうなずくが、どの程度で再生の効果が切れるかはやってみないとわからないのが難点だ。
「グォォォォオオオォオ!」
ダエーワが叫びあげ、全身から伸びた触手が襲いかかってきた。更に上空にどす黒い雲が現出しどんどんと膨張していく。
あれはちょっとヤバいな。
「パピィ! セイラを連れて雲の範囲から逃げろ! 他の全員もとにかく離れろ!」
そういいつつマスカの腕を取る。
「ちょ! な、何を!」
慌ててるが話してる暇はないな。ルンに駆け寄ってルンの腰にも腕を回す。
「ふぇ! そ、そんないきなり……」
「飛ぶぞ」
「はい?」
「居合省略・風舞の術!」
術を行使すると同時に突風で俺の体が宙を舞った。この忍法は風の力で大きく飛ぶことが出来る。
「ひゃぁ!」
「こ、これは凄いな――」
ルンは流石に空中でバランスを取れないと思い腰に手を回した。マスカは流石に運動神経がいいな。仮面ないとちょっとドジっ子なようだが。
「火吹の術!」
追ってくる触手は焼き払う。二人も抱えてるとあまり強力な術は使えないな。何とかなってはいるが。
そして範囲外に逃げた直後膨れ上がった雲から紫色の雨が降り注いだ。
建物や地面がどろどろに溶けていく。広範囲の瘴気の雨だ。全くこれでもかってぐらいはた迷惑な奴だな――
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