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第二章 サムジャともふもふ編

第105話 サムジャと試練のダンジョン 其の三

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 それから別の、いかにもダンジョンといった造りの場所に移動した。洞窟ではなく石材を積んだような壁に囲まれた場所だ。

 進んでいくと今度は盾と剣を持ったスケルトンが襲いかかってきた。得物を持っている分ゾンビよりは強そうだ。その分ゾンビほどの数はいなかったがそれでも同時に十体ぐらいが襲いかかってきた。

 ただ骨だけに普通の攻撃でも破壊することはそこまで難しくなかった。ただ、魂力を込めていない攻撃だと一旦ばらばらになってもしばらくして復活してしまう。
 
 とは言え暫くは動けないようなので無理して倒す必要はないと判断した。

 ただ、このあたりから魔物以外にもやっかいなトラップがあちこちに仕掛けられていた。

 俺は魂の状態だからか矢が刺さっても落ちてきた巨大な髑髏に潰されても痛みこそなかったが、魂力は問答無用で減っていく。

 痛みがないのは寧ろやっかいでもあるな。単発ならなんとなく魂力が減ったとわかるが、他の魔物と戦っている時に矢を受けても気づかないこともある。

 それでもまだ対処は可能か。そのまま進むと変わった空間に出た。次々と床が動き穴が出来るのだ。穴に落ちたらどうなるか、いきなり終わりってことはないだろうが、慎重に行かざるを得ない。

 だが、パターンは何となくわかった。↑↑↓↓←→←→と、更に進む。今度は┛←┗↓┛→┗→と更に┗→┛↓┗←┛だな。

 こうして消える床の空間は抜けた。そこから先に進むと今度は半月状の巨大な刃が左右に振り子のように揺れている通路に来た。
 
 ……魂の身だから痛みはないんだろうが、それでもこんなのをまともに喰らうのはゾッとしないな。

 何より魂力がガッツリと持っていかれそうだ。上手くタイミングを見て潜り抜けていく。だが更に奥では崖のような状態で下が見えないぐらいの穴が広がっていた。動く床があり途中にはまたあの刃が天井から吊り下がっていてブンブンと揺れている。

 更にゴトンっと音がして後ろからゴロゴロと岩が転がってきた。殺る気満々すぎだろう。あれにあたったら穴に落ちてしまう。この穴、落ちたら流石にヤバいんだろうか――

『ウォオォン――ウォォオォオオォオン』

 ヤバい声が聞こえてる。間違いなく大丈夫ではないな。岩が迫る前に動く床に飛び移った。床はそのまま移動していき振り子のように動く刃の前までやってきた。このまま黙っていたら間違いなく当たる。当たらないようにするには正面に見える動く床に上手く飛び移らないと駄目みたいだ。

 まごまごしている場合じゃない。もうすぐそこに迫っている。俺は意を決して床を蹴った。半月状の刃は抜けた。だが、前の床が思ったより早く下がっていた。距離が足りない、がチャクラ操作で空中を蹴って何とか着地できた。

 ふう、チャクラ操作があって良かった。しかしこれで終わりじゃない。床が更に動いていくと今度は左右から火の玉が飛んできた。この床の上で避けろとでも言うつもりかよ。

「居合忍法・土返しの術!」

 狭い床ではあったが、忍法は発動した。めくれた土で火の玉を防ぐ。

 そしてやっと先の通路が見えてきた。あそこまでいければ、と思った矢先に骨が寄り集まって出来たような怪鳥が襲いかかってきた。

「狭い足場でも問答無用か。居合忍法・抜刀雷咆!」

 直進した雷が骨の怪鳥を貫いた。そして俺は反対端の通路に飛び移り移動を続ける。

 その先ではシルクハットを被り杖をもって骨の馬に跨る貴族風な骸骨が駆け回っていた。

「ヒャッハーーーーーー!」
「こいつ、喋るのか……」

 ヒャッハーヒャッハーうるさい骸骨だな。

「ヒャッハー! フレイムウィップ!」

 そして手に炎の鞭を現出させた。骨の癖にこいつ、火が平気なのか?

「ファイヤーバーン!」

 そして鞭を振ると同時に爆発が発生した。これもスキルか。鞭も速いが爆発も厄介だな。

「ファイヤーバーン! ファイヤーバーン!」

 更に鞭と爆発が続く。

「居合忍法・抜刀氷結弾!」

 火を扱うなら氷が効くかも知れないと思い、行使した。氷の弾丸が当たった腕が凍てつく。

 しっかり効いたか? と思ったらこいつあっさりと自分の腕を破壊した。

 そして腕はすぐに他のスケルトンのように戻っていく。時間を置かなくてもいいのかこいつは。

「フレイムボーン!」

 全身が発火し、その状態で突撃してきた。避けるが床に炎が残っていて、火に塗れたスケルトンが生まれて襲いかかってきた。

 面倒が更に面倒を呼んだか。

 そこでふと俺は思ったことを試す。

「居合忍法・抜刀水手裏剣!」

 抜刀と同時に生まれた水の手裏剣が火に塗れたスケルトンに命中し倒れていった。

 水の攻撃はしっかり効いたか。しかし予想通りそもそも魂力が物を言うここなら水場でなくても水の忍法の効果は発揮できる。

 よしこの調子で残ったこいつも。

「ファイヤーフルドーン!」

 だが、その瞬間俺の視界が炎一色に染まった。とんでもない範囲の爆発魔法だった。流石にこれは避けられない――
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