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第二章 サムジャともふもふ編
第104話 サムジャと試練のダンジョン 其の二
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ダンジョンを進むと様々なゴーストが姿を見せ、途中からはゾンビ化した犬やカラスまで出てくるようになった。
動きが素早い分、人のゾンビより厄介だ。犬はしっかり噛み付いたり引っ掻いたりしてくる。カラスも爪やくちばしで攻撃してきてそのたびに魂力が減っていくことになる。
ゾンビは単体では対して強くないが数でくるので厄介ではある。長丁場になりかねないからあまりスキルをぽんぽん連発するわけにもいかないだろう。
ここで役立つのは円殺陣などのサムライの技だった。やはり魂の消費が少ないのは助かる。
「抜刀燕返し!」
ゾンビカラスと犬を纏めて片付ける。抜刀燕返しもローコストで使えるから助かるな。
こうして進んでいる内に広めで円形な空間に出た。中心には直立したままめそめそと泣いている髪の長い女がいる。
嫌な予感がする。というかこのタイプには記憶がある。俺は慎重に女に近づいていく。そして距離が一定以内に近づいたその時、顔を上げた女が悲鳴を上げた。
『ギャヒャヒャヒャァアァアアァアアァアアアギイィイイィイィイイィイアアァアアアァアアア! ギィイイィイイイイイ!』
チャクラ操作で耳を塞ぐようにして声が聞こえないようにした。やはりバンシーだったか。
これもアンデッドの一種でゴースト系の魔物だ。この悲鳴も一つの攻撃手段で悲鳴を聞くと動きが止まり精神的に弱いと恐怖で足が竦む。
体力も減るのでこのダンジョンだと魂力が持っていかれることだろう。
チャクラ操作のおかげでまともなダメージは避けられた。後はこのまま近づいて切る、といいたいところだが、今度はバンシーの体内から出てきたゴーストが牙をむき出しにこっちに向かってきた。
凶悪な顔をしたゴーストだ。現世ならゾンビのように肉を喰らってきそうな獰猛さを感じる。
こっちだと狙いは魂力なのだろう。チャクラで強化した抜刀で撃ち落としていく。しかし、バンシーはこんな攻撃もっていたか?
記憶にない攻撃だ。かと思えばバンシーが口を大きく開け、そこに光が集束していった。
「不味いな――」
『ギヒイィイィイィイイヤアアァアァアアアアアアアアアァアアアァアアァアアアアアアアァアア!』
またも悲鳴、というより絶叫か。しかも同時に口から光線が放たれた。避けるが地面が大きく抉れていく。
大した破壊力だ。しかも頭の動きに連動して迫ってくる。面倒だが大技過ぎたな。
「居合忍法・抜刀鎌鼬」
飛んでいた鎌鼬でスパパァアアアァアン! とバンシーが左右に割れた。今の技は隙が大きすぎだったな。だから無防備な体に忍法を叩き込めた。
さて、バンシーを片付けて先に進むと今度は広い空間に七つの魔法陣が設置されていた。
ぐるりと中心を囲むように設置された魔法陣だ。
魔法陣は淡い光を放ち続けている。先は行き止まりだ。
どうやら魔法陣に乗るほか無いようだな。俺は適当に一つの魔法陣に乗ってみた。入口に戻っていた。
そうだ。この光景には見覚え上がる。ダンジョンに入ってすぐの場所だ。どうやらあの魔法陣にはダンジョン内のどこかに転移する仕掛けが施されていたようだ。
しかも戻ったのが入り口とは。おかげでまた次の階層目掛けて移動する必要が出てきてしまった。
しかもゾンビもまたわらわら出てきた。とにかく今回は極力忍法を封印して乗り越えていく。
「ギギイィイエェエエェェエエエエエ!」
「やかましい」
「エ?」
二度目のバンシーは来ると判っていたのですぐにチャクラのこもった苦無を投擲して事なきを得た。
そしてまた魔法陣のある空間。これ、外れたら全部入り口に戻るのだろうか?
流石にそれもやっていられないので――
「居合忍法・影分身の術!」
これで俺の分身が三体出てきた。分身に命じてそれぞれ魔法陣に乗ってもらった。全員が消えるも俺は分身の感覚を掴むことも出来る。
これはおそらく全員入り口に戻ったか。俺は分身を解除し、再び三体の分身を生み出し魔法陣に乗ってもらう。
そのうちの一人は入り口でなかったとおどろいたようだ。
それが正解か。分身を解き入れ替わるように該当の魔法陣に乗ると別の景色が目に飛び込んでいた。
よし、これで面倒そうな地点はクリアー出来た。もっともまだまだ序盤だ。油断は禁物だろうな――
動きが素早い分、人のゾンビより厄介だ。犬はしっかり噛み付いたり引っ掻いたりしてくる。カラスも爪やくちばしで攻撃してきてそのたびに魂力が減っていくことになる。
ゾンビは単体では対して強くないが数でくるので厄介ではある。長丁場になりかねないからあまりスキルをぽんぽん連発するわけにもいかないだろう。
ここで役立つのは円殺陣などのサムライの技だった。やはり魂の消費が少ないのは助かる。
「抜刀燕返し!」
ゾンビカラスと犬を纏めて片付ける。抜刀燕返しもローコストで使えるから助かるな。
こうして進んでいる内に広めで円形な空間に出た。中心には直立したままめそめそと泣いている髪の長い女がいる。
嫌な予感がする。というかこのタイプには記憶がある。俺は慎重に女に近づいていく。そして距離が一定以内に近づいたその時、顔を上げた女が悲鳴を上げた。
『ギャヒャヒャヒャァアァアアァアアァアアアギイィイイィイィイイィイアアァアアアァアアア! ギィイイィイイイイイ!』
チャクラ操作で耳を塞ぐようにして声が聞こえないようにした。やはりバンシーだったか。
これもアンデッドの一種でゴースト系の魔物だ。この悲鳴も一つの攻撃手段で悲鳴を聞くと動きが止まり精神的に弱いと恐怖で足が竦む。
体力も減るのでこのダンジョンだと魂力が持っていかれることだろう。
チャクラ操作のおかげでまともなダメージは避けられた。後はこのまま近づいて切る、といいたいところだが、今度はバンシーの体内から出てきたゴーストが牙をむき出しにこっちに向かってきた。
凶悪な顔をしたゴーストだ。現世ならゾンビのように肉を喰らってきそうな獰猛さを感じる。
こっちだと狙いは魂力なのだろう。チャクラで強化した抜刀で撃ち落としていく。しかし、バンシーはこんな攻撃もっていたか?
記憶にない攻撃だ。かと思えばバンシーが口を大きく開け、そこに光が集束していった。
「不味いな――」
『ギヒイィイィイィイイヤアアァアァアアアアアアアアアァアアアァアアァアアアアアアアァアア!』
またも悲鳴、というより絶叫か。しかも同時に口から光線が放たれた。避けるが地面が大きく抉れていく。
大した破壊力だ。しかも頭の動きに連動して迫ってくる。面倒だが大技過ぎたな。
「居合忍法・抜刀鎌鼬」
飛んでいた鎌鼬でスパパァアアアァアン! とバンシーが左右に割れた。今の技は隙が大きすぎだったな。だから無防備な体に忍法を叩き込めた。
さて、バンシーを片付けて先に進むと今度は広い空間に七つの魔法陣が設置されていた。
ぐるりと中心を囲むように設置された魔法陣だ。
魔法陣は淡い光を放ち続けている。先は行き止まりだ。
どうやら魔法陣に乗るほか無いようだな。俺は適当に一つの魔法陣に乗ってみた。入口に戻っていた。
そうだ。この光景には見覚え上がる。ダンジョンに入ってすぐの場所だ。どうやらあの魔法陣にはダンジョン内のどこかに転移する仕掛けが施されていたようだ。
しかも戻ったのが入り口とは。おかげでまた次の階層目掛けて移動する必要が出てきてしまった。
しかもゾンビもまたわらわら出てきた。とにかく今回は極力忍法を封印して乗り越えていく。
「ギギイィイエェエエェェエエエエエ!」
「やかましい」
「エ?」
二度目のバンシーは来ると判っていたのですぐにチャクラのこもった苦無を投擲して事なきを得た。
そしてまた魔法陣のある空間。これ、外れたら全部入り口に戻るのだろうか?
流石にそれもやっていられないので――
「居合忍法・影分身の術!」
これで俺の分身が三体出てきた。分身に命じてそれぞれ魔法陣に乗ってもらった。全員が消えるも俺は分身の感覚を掴むことも出来る。
これはおそらく全員入り口に戻ったか。俺は分身を解除し、再び三体の分身を生み出し魔法陣に乗ってもらう。
そのうちの一人は入り口でなかったとおどろいたようだ。
それが正解か。分身を解き入れ替わるように該当の魔法陣に乗ると別の景色が目に飛び込んでいた。
よし、これで面倒そうな地点はクリアー出来た。もっともまだまだ序盤だ。油断は禁物だろうな――
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