8 / 125
第一章 天職はサムジャ編
第7話 サムジャ、囲まれる
しおりを挟む
俺は後日、朝からダンジョン探索に同行することとなった。
話も決まったので今日のところは依頼を受けずギルドを出る。さて、あとは宿を探さないとな。
とりあえず冒険者ギルドの近くで探してみるか。どこかいいところがあればいいんだけどな。
「おい見つけたぞ!」
適当に宿を探して街を歩いていると、何者かの叫ぶ声が耳に入ってきた。随分と騒がしいなと思っていたらぞろぞろとやってきた男たちに囲まれてしまった。
「おい兄ちゃん。ちょっと面かしな」
「嫌だと言ったら?」
「テメェに拒否権はねぇ! 黙ってこい!」
背中に硬いものが当たった。ナイフか。抵抗したら刺すということなのだろう。この程度どうとでもできそうだが、随分と殺気立っているし下手なことしてこんなところで暴れだしたら周りに迷惑だな。
仕方ないので男たちに付き合うことにした。しかし、一体俺に何のようなのか? 人に恨みを買われる覚えはないんだがな。
「よし、ここでいいだろう」
人気のない街の外れに俺を連れてきたところで男が言った。しかし、どう考えてもこんな真似をされる覚えがない。
「なぁ、あんたらこんなところまで連れてきて一体何のようなんだ?」
「テメェ、俺らのこと忘れたわけじゃないだろうな?」
男の一人がそんなことを聞いていた。忘れた? はて、どこかで会っただろうか?
俺が思い出そうと頭を悩ませていると、イライラした顔で男が叫んだ。
「テメェのせいで女が一人手に入らなかったんだよ! 何忘れてんだコラ!」
「上手くやれば初物が楽しめた上に、金になったってのによ」
「こっちの稼ぎが無くなったんだぞてめえのせいでな。一体どう落とし前つける気だ!」
女……あぁ、そういえばいたな。あのセイラという少女に絡んでいたゴロツキが。そうか、それで思い出した。
しかし、稼ぎ? ふむ、もしかしたらこいつら人さらいか? 奴隷制度というのがあるから、それであの子をどこかに売るつもりだったのかもしれない。
時代が変わり表向きは正規の奴隷は借金がどうしても返せなくて本人が望んだ場合や犯罪奴隷が主になり、攫ってきた相手を奴隷として売るようは非人道的行為は禁止されるようになった。見つかれば当然重罪だが、それでも裏稼業として続ける奴らはいる。
「そうだな。とりあえずは持ってる金を全部出してもらうか。そのうえで足りない分はキツい仕事専用の奴隷として働いてもらうかな。勿論タダ働きでな!」
「その分の稼ぎは俺らのもんってことだ」
「それでも女を売るよりは稼げねぇんだ。家族がいるならそいつらにも責任とってもらわないとな」
「なるほど、つまりお前らは碌でもない社会のゴミってことだな?」
「「「「「「あぁああん!?」」」」」」
凄みを利かせてきたが、特に恐れることもない。強者には強者なりの空気というものがあるが、こいつらからは一切感じられないからな。
「使えない天職持ちの癖に調子に乗りやがって」
「この人数相手に前みたいに逃げられると思ったら大間違いだぞ!」
「逃げる? バカを言うな。俺はもう冒険者だ。冒険者は人のために働かなければいけない。特に依頼を受けたわけでもないが、罪もない少女を捕まえて乱暴するような連中を放ってはおけないしな」
そう宣言し、柄に手をかけると、連中が顔を見合わせ笑いだした。
「おい聞いたかよ! こいつ冒険者だってよ!」
「サムライとニンジャを組み合わせた使えない天職持ちが何の冗談だ!」
「冒険者なんて死に急ぐようなもんだろう!」
どうやら俺は侮られているようだな。やれやれ、確かにサムライとニンジャは中途半端な外れ天職とされた。だが、例えそのどちらかであったとしても、装備さえしっかりしていればこんな連中に負ける気はしない。
「しかしよぉ、こいつ刀持ってんじゃね?」
「ふん、どうせモドキだろ? 刀なんてまともに作ってる職人いやしねぇよ」
「そんな鈍ら持って得意がってるんだから随分とお花畑の頭してるぜ」
「やれやれ、俺からしてみればお前らの方が脳内お花畑どころか、完全に枯れ果ててるんじゃないかってところなんだがな」
俺が逆に挑発で返してやると、男の一人が蟀谷をピクピクさせながら剣を俺に向けてきた。
「……テメェ、調子こいてんじゃねぇぞ!」
そして俺に剣を振り下ろしてきたが動きが荒っぽすぎる。半身になって避けると更にブンブンと剣を振り回してきた。
「くそ! こいつちょこまかと! お前らもやれ!」
男に言われ更に二人が戦いに加わる。だが何人来ても一緒だ。こんなもので遅れをとることはない。
「居合忍法・抜刀火吹!」
刀を一振りすると同時に刀身から火が吹き出て三人が燃焼した。熱い熱いと地面を転げ回った後、気を失い動きを止めた。
「な、なんだ? 今何をした?」
「抜刀と忍法だよ」
「は? 抜刀、忍法?」
残った連中が動揺する。
「お前らも言っていただろう? サムライとニンジャの複合職、それがサムジャだ」
俺がそう継げると、パキンッと音がし、腰に吊るしておいた刀が光の粒子となって消え去った。
ふむ、込めたチャクラが消えたか。土錬金で作った物はチャクラがなくなると消え去るからな。
「は、は、ぎゃははははは! やっぱそうだ! こいつ刀を手に入れたはいいが、粗悪品を掴まされたようだぜ!」
「ご愁傷さまだな。これでお前はもう戦えない!」
残ったゴロツキ連中が俺をあざ笑う。確かに刀を失ってしまうと俺はサムジャの力を十全には扱えない。刀がなくなると土錬金も印を結んで行使する必要がある。だが――
「ならこれを使うか」
苦無を取り出し戦う姿勢を見せた。土錬金で作った物はその大きさや構造で持ち時間も変わる。やはり大きかったり複雑な物の方が維持するのが大変だからだ。
逆に苦無程度の大きさなら刀より長持ちする。こいつらを倒す程度なら十分だろう。
「そんなものでやられるかよ!」
「死ねカスが!」
おいおい、殺したら奴隷送りに出来ないだろう? ま、殺される気も捕まって奴隷になる気もないんだがな。
「ハッ!」
「「「「「ギャァアァアアアァア」」」」」
指に挟めた苦無を投げつけるとみごとに全員のアキレス腱を切断して地面に突き刺さった。
連中が足首を押さえて転げ回る。もうこれで立ち上がることはないだろう。
「おい! 何があった!」
「見てのとおりだよ。後はお前だけだがどうする?」
「な、舐めてんじゃねぇ! 使えない不遇職持ちの雑魚が!」
残った一人が曲刀を振り下ろしてくる。しかし問題はない。軽く躱して背後から首をめがけて蹴りを叩き込んだ。いい感じに当たったからかそのまま地面に顔面を突っ込んで豚みたいな鳴き声を上げて意識を失った。
さて、この連中このあとどうしようかな? と考えていたら衛兵がやってきた。どうやら俺が連れて行かれるのを見た誰かが通報してくれたらしい。
ギルドカードを見せて事情を話すと、連中はそのまま御用とされることとなった。
「いや君凄いね。この連中は手配書が回っている闇ギルドの構成員でね。おかげで助かったよ」
どうやら連中は他にも色々やらかしていたようだ。衛兵の話だとギルドを通して賞金も出るはずだと言っていた。ギルドカードで俺の身分もわかったしな。Fランクということには驚かれたが。
さて、思いがけないところで冒険者らしいことをしてしまった。もういい時間だし宿を見つけるか。
話も決まったので今日のところは依頼を受けずギルドを出る。さて、あとは宿を探さないとな。
とりあえず冒険者ギルドの近くで探してみるか。どこかいいところがあればいいんだけどな。
「おい見つけたぞ!」
適当に宿を探して街を歩いていると、何者かの叫ぶ声が耳に入ってきた。随分と騒がしいなと思っていたらぞろぞろとやってきた男たちに囲まれてしまった。
「おい兄ちゃん。ちょっと面かしな」
「嫌だと言ったら?」
「テメェに拒否権はねぇ! 黙ってこい!」
背中に硬いものが当たった。ナイフか。抵抗したら刺すということなのだろう。この程度どうとでもできそうだが、随分と殺気立っているし下手なことしてこんなところで暴れだしたら周りに迷惑だな。
仕方ないので男たちに付き合うことにした。しかし、一体俺に何のようなのか? 人に恨みを買われる覚えはないんだがな。
「よし、ここでいいだろう」
人気のない街の外れに俺を連れてきたところで男が言った。しかし、どう考えてもこんな真似をされる覚えがない。
「なぁ、あんたらこんなところまで連れてきて一体何のようなんだ?」
「テメェ、俺らのこと忘れたわけじゃないだろうな?」
男の一人がそんなことを聞いていた。忘れた? はて、どこかで会っただろうか?
俺が思い出そうと頭を悩ませていると、イライラした顔で男が叫んだ。
「テメェのせいで女が一人手に入らなかったんだよ! 何忘れてんだコラ!」
「上手くやれば初物が楽しめた上に、金になったってのによ」
「こっちの稼ぎが無くなったんだぞてめえのせいでな。一体どう落とし前つける気だ!」
女……あぁ、そういえばいたな。あのセイラという少女に絡んでいたゴロツキが。そうか、それで思い出した。
しかし、稼ぎ? ふむ、もしかしたらこいつら人さらいか? 奴隷制度というのがあるから、それであの子をどこかに売るつもりだったのかもしれない。
時代が変わり表向きは正規の奴隷は借金がどうしても返せなくて本人が望んだ場合や犯罪奴隷が主になり、攫ってきた相手を奴隷として売るようは非人道的行為は禁止されるようになった。見つかれば当然重罪だが、それでも裏稼業として続ける奴らはいる。
「そうだな。とりあえずは持ってる金を全部出してもらうか。そのうえで足りない分はキツい仕事専用の奴隷として働いてもらうかな。勿論タダ働きでな!」
「その分の稼ぎは俺らのもんってことだ」
「それでも女を売るよりは稼げねぇんだ。家族がいるならそいつらにも責任とってもらわないとな」
「なるほど、つまりお前らは碌でもない社会のゴミってことだな?」
「「「「「「あぁああん!?」」」」」」
凄みを利かせてきたが、特に恐れることもない。強者には強者なりの空気というものがあるが、こいつらからは一切感じられないからな。
「使えない天職持ちの癖に調子に乗りやがって」
「この人数相手に前みたいに逃げられると思ったら大間違いだぞ!」
「逃げる? バカを言うな。俺はもう冒険者だ。冒険者は人のために働かなければいけない。特に依頼を受けたわけでもないが、罪もない少女を捕まえて乱暴するような連中を放ってはおけないしな」
そう宣言し、柄に手をかけると、連中が顔を見合わせ笑いだした。
「おい聞いたかよ! こいつ冒険者だってよ!」
「サムライとニンジャを組み合わせた使えない天職持ちが何の冗談だ!」
「冒険者なんて死に急ぐようなもんだろう!」
どうやら俺は侮られているようだな。やれやれ、確かにサムライとニンジャは中途半端な外れ天職とされた。だが、例えそのどちらかであったとしても、装備さえしっかりしていればこんな連中に負ける気はしない。
「しかしよぉ、こいつ刀持ってんじゃね?」
「ふん、どうせモドキだろ? 刀なんてまともに作ってる職人いやしねぇよ」
「そんな鈍ら持って得意がってるんだから随分とお花畑の頭してるぜ」
「やれやれ、俺からしてみればお前らの方が脳内お花畑どころか、完全に枯れ果ててるんじゃないかってところなんだがな」
俺が逆に挑発で返してやると、男の一人が蟀谷をピクピクさせながら剣を俺に向けてきた。
「……テメェ、調子こいてんじゃねぇぞ!」
そして俺に剣を振り下ろしてきたが動きが荒っぽすぎる。半身になって避けると更にブンブンと剣を振り回してきた。
「くそ! こいつちょこまかと! お前らもやれ!」
男に言われ更に二人が戦いに加わる。だが何人来ても一緒だ。こんなもので遅れをとることはない。
「居合忍法・抜刀火吹!」
刀を一振りすると同時に刀身から火が吹き出て三人が燃焼した。熱い熱いと地面を転げ回った後、気を失い動きを止めた。
「な、なんだ? 今何をした?」
「抜刀と忍法だよ」
「は? 抜刀、忍法?」
残った連中が動揺する。
「お前らも言っていただろう? サムライとニンジャの複合職、それがサムジャだ」
俺がそう継げると、パキンッと音がし、腰に吊るしておいた刀が光の粒子となって消え去った。
ふむ、込めたチャクラが消えたか。土錬金で作った物はチャクラがなくなると消え去るからな。
「は、は、ぎゃははははは! やっぱそうだ! こいつ刀を手に入れたはいいが、粗悪品を掴まされたようだぜ!」
「ご愁傷さまだな。これでお前はもう戦えない!」
残ったゴロツキ連中が俺をあざ笑う。確かに刀を失ってしまうと俺はサムジャの力を十全には扱えない。刀がなくなると土錬金も印を結んで行使する必要がある。だが――
「ならこれを使うか」
苦無を取り出し戦う姿勢を見せた。土錬金で作った物はその大きさや構造で持ち時間も変わる。やはり大きかったり複雑な物の方が維持するのが大変だからだ。
逆に苦無程度の大きさなら刀より長持ちする。こいつらを倒す程度なら十分だろう。
「そんなものでやられるかよ!」
「死ねカスが!」
おいおい、殺したら奴隷送りに出来ないだろう? ま、殺される気も捕まって奴隷になる気もないんだがな。
「ハッ!」
「「「「「ギャァアァアアアァア」」」」」
指に挟めた苦無を投げつけるとみごとに全員のアキレス腱を切断して地面に突き刺さった。
連中が足首を押さえて転げ回る。もうこれで立ち上がることはないだろう。
「おい! 何があった!」
「見てのとおりだよ。後はお前だけだがどうする?」
「な、舐めてんじゃねぇ! 使えない不遇職持ちの雑魚が!」
残った一人が曲刀を振り下ろしてくる。しかし問題はない。軽く躱して背後から首をめがけて蹴りを叩き込んだ。いい感じに当たったからかそのまま地面に顔面を突っ込んで豚みたいな鳴き声を上げて意識を失った。
さて、この連中このあとどうしようかな? と考えていたら衛兵がやってきた。どうやら俺が連れて行かれるのを見た誰かが通報してくれたらしい。
ギルドカードを見せて事情を話すと、連中はそのまま御用とされることとなった。
「いや君凄いね。この連中は手配書が回っている闇ギルドの構成員でね。おかげで助かったよ」
どうやら連中は他にも色々やらかしていたようだ。衛兵の話だとギルドを通して賞金も出るはずだと言っていた。ギルドカードで俺の身分もわかったしな。Fランクということには驚かれたが。
さて、思いがけないところで冒険者らしいことをしてしまった。もういい時間だし宿を見つけるか。
1
『砂魔法の建国者~砂属性なんて使えないと砂漠に追放されたから砂の城でのんびりスローライフ満喫してた筈なのにいつの間にか巨大国家に成長してた!~』という新作をはじめました。こちらも興味が湧きましたら宜しくお願い致しますm(__)m
お気に入りに追加
883
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

婚約破棄は誰が為の
瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。
宣言した王太子は気付いていなかった。
この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを……
10話程度の予定。1話約千文字です
10/9日HOTランキング5位
10/10HOTランキング1位になりました!
ありがとうございます!!

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる