29 / 90
第2章 球技を扱う冒険者編
第24話 溝を支配するネズミ
しおりを挟む
「まさか、ゴホッ、町中にモンスターが出るなんて驚きだねぇ」
「モンスターと言っても大小様々いますからね。こういったネズミのようなモンスターはどこからでも入り込むんです」
「それで、ケホッ危険なのかい?」
「えぇ……お婆ちゃんも、他の皆さんも咳をしてましたよね? あれはこのモンスターがばらまく病原菌の影響で起きる初期症状なのです」
「え!」
お婆ちゃんは目玉が飛び出そうなぐらいに驚き、他の皆にも慌てて教えてあげた。それにより周りにいたお爺ちゃんお婆ちゃんも慌てふためき出す。
「わしら、死ぬのか……」
「老い先短い人生とは思ってましたけどねぇ」
「まさかネズミの影響で死ぬとは……」
「いやいやお待ち下さい。そこまで大げさに考えなくても大丈夫です。確かにモンスターの影響は出てますがまだ初期症状ですから、今の内に薬を飲み、安静にしておけば十分に治ります」
「え? そうなのかい?」
「はい。ただこのグルーブシックラットは放置してはおけない。恐らく既にかなりの数が街全体に潜伏してると思うので。このモンスターは初期症状のうちはまだいいとして、時間が経つとばら撒く病原菌もより厄介なものに変化するので、今のうちに駆除しないと」
キングの発言に老人たちはざわめき出すが。
「しかし、ゲホッ、こんなどこにでも隠れられそうなネズミのモンスター、簡単に駆除できるかね?」
「はい。今はまだ昼間ですからね。夜になると活発に動き出すモンスターですが、太陽が昇っている間は溝の中に隠れているのです。つまり今なら一掃出来る」
「一掃って、この町全体で言えば溝は広範囲に設置されてるのじゃぞ?」
「ここの溝だけにいるならなんとかなるかもだけどねぇ」
街全体にネズミが潜んでいるとなると駆除するのも容易なことではないが――
「大丈夫。そのために冒険者がいる。ところでこの辺りで水はどこかにありますか?」
「あぁ、ケホッ、それならそこに蛇口があるから好きに使いなよ」
「ありがとうございます」
見ると地面から柱が飛び出し水が出る蛇口が備わっていた。今でも村などでは井戸もまだまだ多いが、ある程度大きな町では水道が行き渡っていることも多い。蛇口は異世界の技術が伝わったもので、そして水道は魔法技術に応用されて敷設されている。
「よし、ボール頼んだぞ」
「キュ~」
そして蛇口の下にボールを移動さえ栓を回して水を流した。
「随分と沢山飲むんだねぇ」
「いえこれは飲んでるのではなく溜めているんです」
「溜める?」
「ネズミの駆除と同時に溝も綺麗にしないといけないですからね」
ある程度ボールに水が吸収された段階で栓を閉め、そして溝にまで移動した。一体何が起きるのか? とお爺ちゃんお婆ちゃんが興味深そうに見ている。
「よし、アレに変化だボール!」
「キュ!」
キングが声をかけるとボールの姿が変化。なんと穴の空いた黒い鉄球と化した。
「こ、これはたまげた~」
「たまだけに、てか?」
ドッ! と笑いが起きた。こんな状況でも冗談が言えてそれを笑いあえる逞しさには見習うべきところも多いキングである。
「で、ケホッ、それをどうするんだい?」
「はい、これは元々、十柱戯と呼ばれる球技の一つ。それで見事モンスターをストライクしてみせましょう」
「ぼう、? よくわからないけど、期待してるよ!」
コクリとキングが頷いた。ボウリング……本来であればレーンに並べられたピンを倒した数の合計で勝敗を決めるというスポーツである。
そしてキングはこれをボーウリングキングというスポ根漫画で知った。この漫画は元神業的技術を誇ったボーリングの天才が、ひょんなことから実家のボウリング稼業を継ぐこととなるも、ボウリング人気の低迷から経営に喘ぎ、ならば自分がプロになって人気を復活させる、ボーリングで天下を取った俺がボウリングで天下をとれないわけがない! という理由でプロボーラーを目指すという物語であった。
そしてキングは溝の前に立ち、ボウリングの球となったボールを持って構えてみせた。それだけでも周囲から、お~、という感嘆の声が上がる。キングのフォームはそれほどまでに美しかった。
そしてキングは助走し、溝に向けてボールを、投げる!
「モールストライク!」
キングが投げた球は、溜まっていた汚泥に突き刺さるようにめり込み、かと思えば一気に加速して突き進んだ。
これはボーウリングキングを読んで会得した技であった。ボーウリングキングでは主人公の釜露 棒羅がこのモールストライクでストライクを量産するのが特徴であり、なんと敢えてガターにボールを転がしそこから生まれる回転力によりピン近くで飛び出し全てのピンを破壊してしまうという離れ業をやってのけたのである。
そしてこれの影響でニホンの大手ネット通販サイトのレビューでは、作者ボウリングのルール知らねぇんじゃねの? という絶賛の嵐と星一つという称号が与えられ続け、人気作となったのだ。
ちなみに作者は後の展開でわりと強引な手法によりこの必殺技をルール上問題ないとしたのだがそれはまた別の話である。
閑話休題――キングの投げたボールはピンもとい、多くの汚泥を除去しつつ、更に溝に潜んでいたグルーブシックラットを磨り潰しながら進んでいく。ここでボールに取り込まれていた水も役に立った。何故なら投げたボールは溝を突き進みつつ序に放水も行っていたからである。
これにより汚泥も洗い流され更に溝は綺麗になっていく。そう、これはまさにキングとボールによる見事なコンビネーションであった。友情と努力で勝利を得るスポ根の真髄がここにあった。
そしてそれから少ししてボールがまるで投球した後自動で手元に戻ってくるボウリングの球のように戻ってきた。
「よし、よくやったぞボール」
「キュッキュッ~」
「驚いた、本当にあのスライムなんだねぇ~」
鉄球から聞こえたのはまさにボールの声であった。キングがボールを袖で拭って上げるとボールが嬉しそうに鳴いた。
「ボールの能力もあるからこの溝を綺麗にすることも出来ました。私が読んだ本でもそうでしたがコンビネーションの勝利です」
「なるほど、キングとボールのコンビネーションなのじゃな。言うならばきんた――」
「よし、第二投だ!」
お爺ちゃんがとんでもないことを言い出す前にキングは再びボールを投げた。
そして戻ってきては構えをとって更に続ける。街中に敷設された溝渠は長く所々で分岐もしている。当然一球だけでは全てを処理できない。しかしグルーブシックラットは街中の溝に潜んでいる可能性あるため、全ての溝渠を掃除する必要がある。
そのためキングはボウリングの球と化したボールを繰り返し投げた。そう実際のボウリングのように10フレーム分を投げたのである。
「よし、これで完了だな」
「キュ~♪」
全てを投げ終えるとボールも満足そうにプルプルし鳴いた。掃除の終わった溝を見た老人達から驚きの声が上がる。
「これはまたとんでもなく綺麗になってるよ」
「まるで新品のようじゃないか」
「これなら安心して過ごせるねぇ」
依頼者である老人達から喜びの声が上がった。その光景にキングはうんうんと頷く。
「さて、掃除は終わりましたが、初期症状は出ているのでどうか安静にしていてください」
「ありがとうねぇ。でもここまでしてもらってあんな少ない依頼料で良かったのかい?」
「あくまで依頼のついでに発見したモンスターを駆除しただけですからな。それにこれを放置しておくわけにはいきませんので、まぁ私もグルーブシックラットを倒した分程度は報酬はもらえるでしょうから」
勿論それを期待していたわけではなく、依頼者に余計な心配をかけないよう口にした言葉ではあったが、おかげで気持ちよく仕事を終えることが出来た。
「なら、これを持っていきなよ。うちの畑でとれた野菜さ」
「ならわしはあんたに秘蔵の酒を一本やろう」
「お菓子持っていきな」
「あたしを嫁にどうだい?」
「これはこれはありがとうございます」
するとなんと依頼者達が気持ちばかりといろいろな物をわけてくれた。キングはこれは逆にこれを断るのは失礼に当たると大体のものはお礼を述べて受け取った。ただ、嫁に貰うという話だけは丁重にお断りしたが。
「よし、これで一つ依頼が片付いたな。次へいくとするか」
「キュ~♪」
そしてキングは次の依頼、迷い猫の捜索を行うため、依頼人の下へ向かうのだった――
「モンスターと言っても大小様々いますからね。こういったネズミのようなモンスターはどこからでも入り込むんです」
「それで、ケホッ危険なのかい?」
「えぇ……お婆ちゃんも、他の皆さんも咳をしてましたよね? あれはこのモンスターがばらまく病原菌の影響で起きる初期症状なのです」
「え!」
お婆ちゃんは目玉が飛び出そうなぐらいに驚き、他の皆にも慌てて教えてあげた。それにより周りにいたお爺ちゃんお婆ちゃんも慌てふためき出す。
「わしら、死ぬのか……」
「老い先短い人生とは思ってましたけどねぇ」
「まさかネズミの影響で死ぬとは……」
「いやいやお待ち下さい。そこまで大げさに考えなくても大丈夫です。確かにモンスターの影響は出てますがまだ初期症状ですから、今の内に薬を飲み、安静にしておけば十分に治ります」
「え? そうなのかい?」
「はい。ただこのグルーブシックラットは放置してはおけない。恐らく既にかなりの数が街全体に潜伏してると思うので。このモンスターは初期症状のうちはまだいいとして、時間が経つとばら撒く病原菌もより厄介なものに変化するので、今のうちに駆除しないと」
キングの発言に老人たちはざわめき出すが。
「しかし、ゲホッ、こんなどこにでも隠れられそうなネズミのモンスター、簡単に駆除できるかね?」
「はい。今はまだ昼間ですからね。夜になると活発に動き出すモンスターですが、太陽が昇っている間は溝の中に隠れているのです。つまり今なら一掃出来る」
「一掃って、この町全体で言えば溝は広範囲に設置されてるのじゃぞ?」
「ここの溝だけにいるならなんとかなるかもだけどねぇ」
街全体にネズミが潜んでいるとなると駆除するのも容易なことではないが――
「大丈夫。そのために冒険者がいる。ところでこの辺りで水はどこかにありますか?」
「あぁ、ケホッ、それならそこに蛇口があるから好きに使いなよ」
「ありがとうございます」
見ると地面から柱が飛び出し水が出る蛇口が備わっていた。今でも村などでは井戸もまだまだ多いが、ある程度大きな町では水道が行き渡っていることも多い。蛇口は異世界の技術が伝わったもので、そして水道は魔法技術に応用されて敷設されている。
「よし、ボール頼んだぞ」
「キュ~」
そして蛇口の下にボールを移動さえ栓を回して水を流した。
「随分と沢山飲むんだねぇ」
「いえこれは飲んでるのではなく溜めているんです」
「溜める?」
「ネズミの駆除と同時に溝も綺麗にしないといけないですからね」
ある程度ボールに水が吸収された段階で栓を閉め、そして溝にまで移動した。一体何が起きるのか? とお爺ちゃんお婆ちゃんが興味深そうに見ている。
「よし、アレに変化だボール!」
「キュ!」
キングが声をかけるとボールの姿が変化。なんと穴の空いた黒い鉄球と化した。
「こ、これはたまげた~」
「たまだけに、てか?」
ドッ! と笑いが起きた。こんな状況でも冗談が言えてそれを笑いあえる逞しさには見習うべきところも多いキングである。
「で、ケホッ、それをどうするんだい?」
「はい、これは元々、十柱戯と呼ばれる球技の一つ。それで見事モンスターをストライクしてみせましょう」
「ぼう、? よくわからないけど、期待してるよ!」
コクリとキングが頷いた。ボウリング……本来であればレーンに並べられたピンを倒した数の合計で勝敗を決めるというスポーツである。
そしてキングはこれをボーウリングキングというスポ根漫画で知った。この漫画は元神業的技術を誇ったボーリングの天才が、ひょんなことから実家のボウリング稼業を継ぐこととなるも、ボウリング人気の低迷から経営に喘ぎ、ならば自分がプロになって人気を復活させる、ボーリングで天下を取った俺がボウリングで天下をとれないわけがない! という理由でプロボーラーを目指すという物語であった。
そしてキングは溝の前に立ち、ボウリングの球となったボールを持って構えてみせた。それだけでも周囲から、お~、という感嘆の声が上がる。キングのフォームはそれほどまでに美しかった。
そしてキングは助走し、溝に向けてボールを、投げる!
「モールストライク!」
キングが投げた球は、溜まっていた汚泥に突き刺さるようにめり込み、かと思えば一気に加速して突き進んだ。
これはボーウリングキングを読んで会得した技であった。ボーウリングキングでは主人公の釜露 棒羅がこのモールストライクでストライクを量産するのが特徴であり、なんと敢えてガターにボールを転がしそこから生まれる回転力によりピン近くで飛び出し全てのピンを破壊してしまうという離れ業をやってのけたのである。
そしてこれの影響でニホンの大手ネット通販サイトのレビューでは、作者ボウリングのルール知らねぇんじゃねの? という絶賛の嵐と星一つという称号が与えられ続け、人気作となったのだ。
ちなみに作者は後の展開でわりと強引な手法によりこの必殺技をルール上問題ないとしたのだがそれはまた別の話である。
閑話休題――キングの投げたボールはピンもとい、多くの汚泥を除去しつつ、更に溝に潜んでいたグルーブシックラットを磨り潰しながら進んでいく。ここでボールに取り込まれていた水も役に立った。何故なら投げたボールは溝を突き進みつつ序に放水も行っていたからである。
これにより汚泥も洗い流され更に溝は綺麗になっていく。そう、これはまさにキングとボールによる見事なコンビネーションであった。友情と努力で勝利を得るスポ根の真髄がここにあった。
そしてそれから少ししてボールがまるで投球した後自動で手元に戻ってくるボウリングの球のように戻ってきた。
「よし、よくやったぞボール」
「キュッキュッ~」
「驚いた、本当にあのスライムなんだねぇ~」
鉄球から聞こえたのはまさにボールの声であった。キングがボールを袖で拭って上げるとボールが嬉しそうに鳴いた。
「ボールの能力もあるからこの溝を綺麗にすることも出来ました。私が読んだ本でもそうでしたがコンビネーションの勝利です」
「なるほど、キングとボールのコンビネーションなのじゃな。言うならばきんた――」
「よし、第二投だ!」
お爺ちゃんがとんでもないことを言い出す前にキングは再びボールを投げた。
そして戻ってきては構えをとって更に続ける。街中に敷設された溝渠は長く所々で分岐もしている。当然一球だけでは全てを処理できない。しかしグルーブシックラットは街中の溝に潜んでいる可能性あるため、全ての溝渠を掃除する必要がある。
そのためキングはボウリングの球と化したボールを繰り返し投げた。そう実際のボウリングのように10フレーム分を投げたのである。
「よし、これで完了だな」
「キュ~♪」
全てを投げ終えるとボールも満足そうにプルプルし鳴いた。掃除の終わった溝を見た老人達から驚きの声が上がる。
「これはまたとんでもなく綺麗になってるよ」
「まるで新品のようじゃないか」
「これなら安心して過ごせるねぇ」
依頼者である老人達から喜びの声が上がった。その光景にキングはうんうんと頷く。
「さて、掃除は終わりましたが、初期症状は出ているのでどうか安静にしていてください」
「ありがとうねぇ。でもここまでしてもらってあんな少ない依頼料で良かったのかい?」
「あくまで依頼のついでに発見したモンスターを駆除しただけですからな。それにこれを放置しておくわけにはいきませんので、まぁ私もグルーブシックラットを倒した分程度は報酬はもらえるでしょうから」
勿論それを期待していたわけではなく、依頼者に余計な心配をかけないよう口にした言葉ではあったが、おかげで気持ちよく仕事を終えることが出来た。
「なら、これを持っていきなよ。うちの畑でとれた野菜さ」
「ならわしはあんたに秘蔵の酒を一本やろう」
「お菓子持っていきな」
「あたしを嫁にどうだい?」
「これはこれはありがとうございます」
するとなんと依頼者達が気持ちばかりといろいろな物をわけてくれた。キングはこれは逆にこれを断るのは失礼に当たると大体のものはお礼を述べて受け取った。ただ、嫁に貰うという話だけは丁重にお断りしたが。
「よし、これで一つ依頼が片付いたな。次へいくとするか」
「キュ~♪」
そしてキングは次の依頼、迷い猫の捜索を行うため、依頼人の下へ向かうのだった――
0
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
俺の異世界生活は最初からどこか間違っている。
六海 真白
ファンタジー
黒川 翔は突然天使に死んだことを告げられた。魂の管理をしているという天使 サリエルにお約束であるはずのチート能力を与えられず、魔王を倒してほしいと異世界に送られる。少年は異世界で出会った自分を神であると名乗る少女 アリアとパーティーを組むことになったのだが……。 少年のどこか間違っている異世界生活が始まる。
冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます
里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。
だが実は、誰にも言えない理由があり…。
※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。
全28話で完結。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました
香木陽灯(旧:香木あかり)
恋愛
伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。
実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。
「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」
もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。
一方の元夫は、財政難に陥っていた。
「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」
元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。
「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」
※ふんわり設定です
私はただ、憧れのテントでゴロゴロしたいだけ。
もりのたぬき
ファンタジー
ある日、樹は残業続きでヘロヘロになりながら人通りの少ない真夜中の大通りを歩いていると、足元が突然光だし訳も分からないうちに真っ白な空間にへたりこんでいた。
「ここは何処…」
「ここは世界と世界の狭間じゃよ」
樹のつぶやきに答えた声の方を振り向くと、そこには真っ白な髭をたくわえた老人と、やけにお色気ムンムンの女性が居た。
なんだか知らないけど、異世界に召喚されてしまったらしい主人公、山野 樹(やまの いつき)
とりあえず安全な所に引きこもって、憧れのテントでゴロゴロしたい。ただそれだけの為に、異世界で生活を始める。
どんな物語になるか、作者もわかりません。
※小説家になろうにも投稿しています。
向こうの方がストーリーが先行していますので早く読みたい方はそちらをどうぞ。
放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます
長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました
★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★
★現在三巻まで絶賛発売中!★
「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」
苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。
トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが――
俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ?
※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる