四天王最弱と馬鹿にされ続けた俺が現代日本でダンジョンを喰いまくりレベルを上げまくっていたらいつのまにか日本を救ってました

空地大乃

文字の大きさ
上 下
3 / 11

第3話 現代日本に来てまでダンジョン攻略することになるとは

しおりを挟む
 ここに来て新しい可能性に気がついてしまった。勿論平和な日本であればそもそもそんなことを考える必要もないのだが、実際ダンジョンが生まれてしまったわけだしな。

 とにかくダンジョンを見つけた以上放置してはおけないな。先ずはダンジョン攻略と行くか。

 ダンジョンに足を踏み入れる。内部は一見すると普通の洞窟だ。だがやはり魔力が感じられるな。

 しかしまさかこっちに来てまでダンジョン攻略するハメになるなんて思わなかった。

 中は薄暗いがまぁ何とかなるレベルだ。これ以上暗かったら明かりの確保が必要かもしれないけどな。

 魔法で何とかならないこともないけど、今後は懐中電灯ぐらい持ってきてもいいかもしれない。ライト付きのヘルメットでもいいかもな。

 さて、先を進むと奥からピョンピョンっと丸っこい物体が近づいてきた。

 あれはスライムか。スライムは元いた世界では弱小な魔物として有名だ。レベルも含めたステータスが低いし外で見るスライムはそもそも闘争本能が低い。

 増えすぎて作物への被害が増えて仕方がないというときに駆除されることはあったが、それ以外なら無視されることも多かった。

 だがダンジョン内となると話は変わる。基本ダンジョンで出現する魔物は好戦的だ。故に外ではおとなしいスライムもダンジョンでは侵入者と見るやいなや攻撃を仕掛けてくる。

 事実俺に気がついたスライムは近づいてきて体当たりを仕掛けてきた。俺の体にあたったが――やはり戦闘力は低いな。

 例えるなら蹴られたサッカーボールがあたった程度の衝撃だ。これば別に俺のレベルが高いからそう感じるというわけでもなく、この地球で暮らす人間がスライムを相手することがあったとしても似たような感覚だろう。
 
 つまりその程度の相手ということだ。

「ウィンドカッター」

 魔法を行使すると風の刃が走りスライムを切り裂いた。するとスライムが弾けて粒子状になって消えた。一発だったな。やはり弱い。

 ウィンドカッターは初級の風魔法だ。つまり魔法としては基礎の基礎といった類なんだがそれでもスライム相手なら十分な武器になる。

 魔法の威力は魔導力にも影響されるのも大きいか。スライム相手なら今の俺のレベルと魔導力でも十分すぎるほどだし。

 しかし倒した後の消え方も一緒だったな。元の世界でもそうだがダンジョンの魔物は外の魔物と異なり死体が残らない。
 
 片付ける手間が省けるという利点はあるが、素材が手に入らないという欠点もあった。

 ただしダンジョンの魔物は消滅後に魔石を落とす可能性がある。魔石は貴重だからそれを目的としてダンジョンの魔物を狙う人間もいたって話だ。

 もっとも、この世界で魔石を手に入れても仕方ないか。そんなことを考えつつダンジョンに出現したスライムを狩っていく。

 このスライムだが外では無視しても問題ない存在だがダンジョンとなると異なる。ダンジョンのスライムは分裂しやすくその分増えやすい。

 ダンジョンでは放置して魔物などが増えるほど、魔物が外に出てくる可能性が上がりスタンビードも起こりやすくなる。

 だからダンジョンのスライムは見つけたらすぐに倒した方がいい。もっとも今回はすぐにでもダンジョン攻略を終えダンジョンごと消し去るつもりなのだが。

 さて、一層は特に何もなくスライムだけ倒して終わった。地下一層に向かうが相変わらずスライム多めだったが、このあたりで見た目の違うスライムも出現し始めた。

 ダンジョンは基本層が進むほど敵が強力になる。地下に向かうタイプなら一層より地下一層、地下二層と進むほどに下がっていく度に、城や塔状のダンジョンなどのタイプなら二層、三層と階層が上がるごとにだ。

 地球に突如現れたこのダンジョンも仕組みは元いた世界と変わらなそうだ。

 さて地下一掃もこえてと。俺の目的は最下層にあるダンジョンコアの破壊だ。ダンジョンはコアさえ破壊すれば消滅する。
 
 ダンジョンは放置しておくと定期的にお宝も設置される。日本で暮らし始めると中々謎システムに感じるがそういう風に出来ている。

 だから元の世界では敢えてダンジョンコアを破壊せず残しておくことも多かったようだが、流石に地球ではそうもいかない。こんな厄介な物はとっとと消すに限る。

 地下三層までやってきた。ここでボロボロの外套を纏い顔にイカみたいな触手の生えた魔物も現れた。

 この魔物は確かイカレメイジという名前だったか。簡単な魔法を使ってくる相手で、実際魔法で石礫を飛ばしてきた。

 初級土魔法のストーンボルトだ。

「風魔法・ウィンドステップ」

 対して俺も初級の風魔法を行使。これは風を足に纏わせることで軽やかなステップが披露できる魔法だ。

 単純に機動力が増すので相手の攻撃を避けるのに役立つ。

「風魔法・ウィンドカッター!」

 相手の魔法を避け俺はお返しとばかりに風魔法で反撃した。イカレメイジはその一撃であっさりと消滅した。

「今のところ問題なく進んでるな――ん?」
 
 攻略は順調なペースで進んでいたが、地下三層の途中で元の世界で馴染みだった物を見つけることが漏れた。

 そこには宝箱が一つ置かれていたのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

寝て起きたら世界がおかしくなっていた

兎屋亀吉
ファンタジー
引きこもり気味で不健康な中年システムエンジニアの山田善次郎38歳独身はある日、寝て起きたら半年経っているという意味不明な状況に直面する。乙姫とヤった記憶も無ければ玉手箱も開けてもいないのに。すぐさまネットで情報収集を始める善次郎。するととんでもないことがわかった。なんと世界中にダンジョンが出現し、モンスターが溢れ出したというのだ。そして人類にはスキルという力が備わったと。変わってしまった世界で、強スキルを手に入れたおっさんが生きていく話。※この作品はカクヨムにも投稿しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~

尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。 ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。 亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。 ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!? そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。 さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。 コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く! はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...