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第2話 現代日本で見つけたダンジョン
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ダンジョンは元の世界でよく攻略した。人間からは魔族が生み出したと勘違いされていたようだが、魔界にもダンジョンは存在し魔族にとっても放置しておくわけにはいかない代物だった。
そもそも魔物は別に魔族に従順なわけじゃない。勿論魔族が従えることも多かったが基本的には魔族に対しても敵対的だ。
特にダンジョンに潜む魔物や魔獣などはそのきらいが強かった。しかもダンジョンは放置しているとダンジョン内の魔物が増え続けたり外に出てきたりし、しまいには大量に外に溢れ出す。
これが結果的にスタンビードに繋がったりした。スタンビードになると魔物は興奮状態に陥り脅威度が増すからな。
大量に押し寄せる魔物によって村や町が軽く蹂躙され滅ぼされたりする。
まぁ問題は肝心の魔王軍もそれを理解してなかったことなんだけどな。俺は何度もダンジョンについて説明したのだが魔王も四天王も鼻で笑って取り合ってくれなかった。
いや、四天王で唯一マリリスだけが話を聞いてくれたっけか。魔王にも聞いてみるとか言っていたがそれからも対応が変わらなかったから結局魔王には言わなかったのかもな。
まぁそのおかげでダンジョン攻略は主に俺の仕事だったわけだが。魔王にとってはちょっとした掃除程度の感覚だったのだろ。ろくな兵も用意してくれなかったな。
おかげでほぼほぼソロ攻略だった。いや、そういえばマリリスも同行してくれたことあったっけ。まぁ攻略中もやたらあたりが強かったが。
しかしあの魔王。ダンジョンを軽視していた上に俺が攻略しても全く評価してくれなかったが、手に入った宝だけはしっかり報告しろとうるさかったな。
今思えばそういうところだけはちゃっかりしていたよ。そんなんだから俺がどれだけ進言してもダンジョンの破壊だけは中々許してくれなかった。
ダンジョンがあれば、勝手にお宝を生み出してくれるのだから壊す理由がないと言って聞かなかったんだ。
これは人間側も似たような理由でダンジョンを放置しがちだったというのも影響しているのかもしれない。
それでもいよいよやばくなり、スタンピードが発生した時はなりふり構わずダンジョンを破壊して消滅させた。
でも、それでさえ文句を言われて魔界の資源を無駄に失わせたと責任とらされたっけ。
本当今思えばよくあんな環境で俺も仕事続けられてたな。
ま、それももう過去のことか。だけど俺がいなくなってからダンジョン攻略の仕事はどうなったんだろうな。
引き継ぎとかされたんだろうか。いや、もう俺が気にすることじゃないか。それに流石の魔王だって俺がいないからといってずっと放置するほど馬鹿じゃないだろう。
そもそも俺にはもう関係ない話だな。それよりも問題なのはいま目の前にあるダンジョンだ。
ちなみにこれがダンジョンだとわかったのは俺の能力と奥から感じられる魔力の為だ。この地球には本来魔力がない。霊力はあるが魔力とは似てるようで異なる。
しかしこの洞窟の奥からは俺の世界で感じた魔力が漂っている。ダンジョン内には自然と魔力が溢れるからこそだな。
だからわかった。しかし見つけた以上放置はしておけない。これがあると折角手にした俺の平穏な日々が崩れる可能性がある。
だから俺はとにかくこのダンジョンを攻略し潰してしまおうと考えた。
だけどその前に――ステータス。
ステータス
名前 飛斗
レベル18
戦闘力850
気力1000
魔導力900
魔力1100
スキル
・迷宮喰らい・デスケープ・風魔法・魔法耐性(小)・罠解除・迷宮察知
称号
・迷宮殺し・異世界の交流者
うん出てきたな。ステータスはこっちではゲームや創作の中でしか見られないものだ。
だが俺のいた世界には普通に存在した。ステータスと発すれば自分のステータスが空中に投影される。ちなみにステータス画面は許可しない限りは自分以外には見えない。まぁ鑑定などがあればまた別だがそれはいいとして。
実は俺自身地球に来てからステータスを見るのは久しぶりだ。こっちではステータスを確認する必要がなかったからだ。
こっちに来て間もない頃には流石に確認したがそれぐらいだ。
とは言えこれからダンジョン攻略だし一応再確認ってところだが――
うん。やっぱり変わってないな。こっちでは特に戦闘もなかったわけだし当然と言えば当然か。
しかし見れば見る程に微妙なステータスだ。良くこれで四天王やれていたな俺。
どのぐらい微妙かと言えば、例えば他の四天王は全員レベルが30を超えている。それだけでも俺のステータスが微妙なのがわかるというものだ。
戦闘力、気力、魔導力、魔力にそれほどの差がない、つまりバランスがいいのは唯一の利点か。
逆に言えば器用貧乏と言えるかもしれない。ちなみに戦闘力は直接的な戦闘に係る数値、気力はスキルの効果に関係し、魔導力は高いほど魔法の効果が上がり、魔力は魔法を扱う上で必要になるエネルギーといったところだ。
後こっちに来て一点称号が追加されていた。異世界の交流者がそれだ。
だけどどんな効果かはわからない。称号はどうやら得ると何かしら効果があるようなんだけど、称号の効果はステータスで見てもわからないんだ。
それはそれとして改めてスキルについてだが、先ず迷宮察知。これは文字通り迷宮の場所を察知出来るスキルだ。
俺が地球にも迷宮が現れたと察することが出来たのもこのスキルのおかげだな。
後はデスケープのスキルに目を向けた。これは死んだ時、いや正確には死にそうになった時に勝手に発動しどこかに飛ばされるという効果がある。
問題はこの飛ばされる先がどこになるか全く読めないことだが、改めて思い出すと元の世界からこっちにこれたのはこのスキルの影響なのかもしれない。
つまり死んだと覚悟を決めた瞬間スキルが発動し地球に飛ばされてしまったと……なぜ世界を越えたのかは正直よくわからないが。
後は、俺が馬鹿にされてきた原因の迷宮喰らいだが……これってもしかして上手くやれば――
そもそも魔物は別に魔族に従順なわけじゃない。勿論魔族が従えることも多かったが基本的には魔族に対しても敵対的だ。
特にダンジョンに潜む魔物や魔獣などはそのきらいが強かった。しかもダンジョンは放置しているとダンジョン内の魔物が増え続けたり外に出てきたりし、しまいには大量に外に溢れ出す。
これが結果的にスタンビードに繋がったりした。スタンビードになると魔物は興奮状態に陥り脅威度が増すからな。
大量に押し寄せる魔物によって村や町が軽く蹂躙され滅ぼされたりする。
まぁ問題は肝心の魔王軍もそれを理解してなかったことなんだけどな。俺は何度もダンジョンについて説明したのだが魔王も四天王も鼻で笑って取り合ってくれなかった。
いや、四天王で唯一マリリスだけが話を聞いてくれたっけか。魔王にも聞いてみるとか言っていたがそれからも対応が変わらなかったから結局魔王には言わなかったのかもな。
まぁそのおかげでダンジョン攻略は主に俺の仕事だったわけだが。魔王にとってはちょっとした掃除程度の感覚だったのだろ。ろくな兵も用意してくれなかったな。
おかげでほぼほぼソロ攻略だった。いや、そういえばマリリスも同行してくれたことあったっけ。まぁ攻略中もやたらあたりが強かったが。
しかしあの魔王。ダンジョンを軽視していた上に俺が攻略しても全く評価してくれなかったが、手に入った宝だけはしっかり報告しろとうるさかったな。
今思えばそういうところだけはちゃっかりしていたよ。そんなんだから俺がどれだけ進言してもダンジョンの破壊だけは中々許してくれなかった。
ダンジョンがあれば、勝手にお宝を生み出してくれるのだから壊す理由がないと言って聞かなかったんだ。
これは人間側も似たような理由でダンジョンを放置しがちだったというのも影響しているのかもしれない。
それでもいよいよやばくなり、スタンピードが発生した時はなりふり構わずダンジョンを破壊して消滅させた。
でも、それでさえ文句を言われて魔界の資源を無駄に失わせたと責任とらされたっけ。
本当今思えばよくあんな環境で俺も仕事続けられてたな。
ま、それももう過去のことか。だけど俺がいなくなってからダンジョン攻略の仕事はどうなったんだろうな。
引き継ぎとかされたんだろうか。いや、もう俺が気にすることじゃないか。それに流石の魔王だって俺がいないからといってずっと放置するほど馬鹿じゃないだろう。
そもそも俺にはもう関係ない話だな。それよりも問題なのはいま目の前にあるダンジョンだ。
ちなみにこれがダンジョンだとわかったのは俺の能力と奥から感じられる魔力の為だ。この地球には本来魔力がない。霊力はあるが魔力とは似てるようで異なる。
しかしこの洞窟の奥からは俺の世界で感じた魔力が漂っている。ダンジョン内には自然と魔力が溢れるからこそだな。
だからわかった。しかし見つけた以上放置はしておけない。これがあると折角手にした俺の平穏な日々が崩れる可能性がある。
だから俺はとにかくこのダンジョンを攻略し潰してしまおうと考えた。
だけどその前に――ステータス。
ステータス
名前 飛斗
レベル18
戦闘力850
気力1000
魔導力900
魔力1100
スキル
・迷宮喰らい・デスケープ・風魔法・魔法耐性(小)・罠解除・迷宮察知
称号
・迷宮殺し・異世界の交流者
うん出てきたな。ステータスはこっちではゲームや創作の中でしか見られないものだ。
だが俺のいた世界には普通に存在した。ステータスと発すれば自分のステータスが空中に投影される。ちなみにステータス画面は許可しない限りは自分以外には見えない。まぁ鑑定などがあればまた別だがそれはいいとして。
実は俺自身地球に来てからステータスを見るのは久しぶりだ。こっちではステータスを確認する必要がなかったからだ。
こっちに来て間もない頃には流石に確認したがそれぐらいだ。
とは言えこれからダンジョン攻略だし一応再確認ってところだが――
うん。やっぱり変わってないな。こっちでは特に戦闘もなかったわけだし当然と言えば当然か。
しかし見れば見る程に微妙なステータスだ。良くこれで四天王やれていたな俺。
どのぐらい微妙かと言えば、例えば他の四天王は全員レベルが30を超えている。それだけでも俺のステータスが微妙なのがわかるというものだ。
戦闘力、気力、魔導力、魔力にそれほどの差がない、つまりバランスがいいのは唯一の利点か。
逆に言えば器用貧乏と言えるかもしれない。ちなみに戦闘力は直接的な戦闘に係る数値、気力はスキルの効果に関係し、魔導力は高いほど魔法の効果が上がり、魔力は魔法を扱う上で必要になるエネルギーといったところだ。
後こっちに来て一点称号が追加されていた。異世界の交流者がそれだ。
だけどどんな効果かはわからない。称号はどうやら得ると何かしら効果があるようなんだけど、称号の効果はステータスで見てもわからないんだ。
それはそれとして改めてスキルについてだが、先ず迷宮察知。これは文字通り迷宮の場所を察知出来るスキルだ。
俺が地球にも迷宮が現れたと察することが出来たのもこのスキルのおかげだな。
後はデスケープのスキルに目を向けた。これは死んだ時、いや正確には死にそうになった時に勝手に発動しどこかに飛ばされるという効果がある。
問題はこの飛ばされる先がどこになるか全く読めないことだが、改めて思い出すと元の世界からこっちにこれたのはこのスキルの影響なのかもしれない。
つまり死んだと覚悟を決めた瞬間スキルが発動し地球に飛ばされてしまったと……なぜ世界を越えたのかは正直よくわからないが。
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