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猪突猛進
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『ほいっ!』
「危っ!!」
視界に入った小石を拾おうとした矢先の突進に、バランスを崩し横に転がる。
回避です~とは言い訳できそうにない無様を晒していると、木の枝で仁王立ちするスイハにまた煽られた。
『ねぇねぇ何ですっ転ぶの? ぶきっちょなの?』
「一々うるさい! こういうのは慣れだって言ってるだろ?! 理屈は理解していても咄嗟に動けるほど簡単じゃないのっ!」
言い終わりと同時にさっき拾った石を投げ付ける。 が、また数cm差で当たらなかった。
ただでさえ雑草伸び放題で視界が悪い中、投擲出来るサイズの小石を見つけるだけでも大変だってのに。 拾おうと屈むと狙いすましたタイミングでスイハの攻撃が飛んできて……いや、スイハ本人が燕のように飛んできて、あの短い分身の手でタッチしてくるのだ。
スイハに石を投げ当てるだけの簡単なチュートリアルだった筈が、余りにも当たらずに焦れたスイハが勝手に『タッチされたら負けね!』ルールを追加し難易度上げやがった。
一応、枝で防ぐなり叩くなりも+1点と許可されたが、これが中々に難しい。 それなりに運動神経は良い方だと思っていたのに、重心が傾いたタイミングで顔面に来たり、銃撃でもされたのかって程の速度で真横を通り過ぎていったりなどとされると、反射で避けようとしてしまい重心が崩れて転ぶ。 という流れが続いている。
てか+1点って何だ。 合格ラインとかあったの?
当然、審判をしているシチシさんにはあの速度も見えており、
『今ので-52点な』
「ぐっ……」
投石が当たらない、防御ができない、反撃できない、と-1づつされていた。
いや俺にも白い一筋が見えてはいるんだよ? 反応できないだけで。
これがフィクションと現実の差か。 丁度良かった長さの棒も、片手では重く長く、無用の長物でしかない。
せめて短刀くらいのサイズ感なら小回りも効くのに……。 バント狙いだと突っ込んですら来ないし。
そもそも薙刀の心得すら無い俺が持っていた所で、登山に使うトレッキングポール代わりでしかなく。 目が合っても攻撃手段として使えない以上は、威嚇か逃げのどちらかしか無いと覚えておいた方が賢明だろう。
運動神経は良い方だった……も、今では恥ずかしくて口にしたくない。
ちなみに、投石なんかしてて獣に当たったらどうする!という心配は杞憂だった。 なんせ視界に入らない距離に俺の肩で届く筈もなく、仮に大暴投かました所で周囲の木にカンッと当たるだけなのだから。
むしろ現状を通りすがりの冒険者に見られないかの方が不安だったりする。
『次はどうしよっかなぁ~』
スイハが頭上を通り過ぎ、シチシさんに指定された進行方向を先導していく。 その余裕綽々で楽しげな様子を見て、俺は次で勝負を仕掛ける決心を固めた。
これは何となくそうなったルールなのだが、スイハからの攻撃は進行方向の枝に止まってから、となっている。 でないとスイハが四方八方から飛んでくるため警戒を要し、足が進まなくなるからだ。
なので、次はそこを利用する。
枝は左手のまま、前方に浮かぶスイハを警戒しながら歩は進めつつ、足下の石を探す。 スイハはあれでも随分と手加減してくれていて、石を拾おうと意識が向いてからじゃないと飛んでこない。
そこからは、じゃんけん。
1・そのまま動かず投石を待つ。
2・顔面めがけて飛んでくる。
3・枝から消えていてランダムに何処かから銃撃スピードで体を横切る。
策にハメるなら2しか無い。 ただし重い枝では軌道を変えられて防ぎすらさせてもらえないため、狙いは防御ではなく反撃一択に絞る。
右手のコレを使って。
それからまた少し前進していると、新たな獣道に出た。 木の間隔が変わったからか木漏れ日が増し、わずかだが風も肌で感じる。 ちょっと広めなのも、視界が悪いよりは歩きやすい。
それはスイハも同様だったらしく、『やっと飛びやすくなった!』と嬉しそうに旋回していた。
やるなら今か……
雑草が少なくなったおかげでいくつかの小石も視認した俺は、「おっし……」と身を屈め此れ見よがしに近くの小石へと手を伸ばす。 と、気が付いたらしいスイハが慌てて近くの枝に一旦止まり。
『ウリャッ「』ふっ!」
気の抜けた掛け声で突っ込んできた。
なので俺は寸前で小石は拾わず、視線はそのまま予め隠し持っていた小石を手首のスナップのみで下から投げ上げる。
実は、先に拾ってスイハへ投げていたのは割れていた石の半分で、本命は隠し持っていたもう半分の方だった。
この攻撃への対処法は、タイミングを合わせて不意打ちするだけ。 音ゲーと大差ない。
狙うは俺の顔の少し手前に来る、スイハの腹。 勝負は1秒。
『ふわっ!』
タッチしようと俺の頭目掛けて飛行してきたスイハを、小石が突き上げた音がした。
よし! あたーー
と思ったと同時。 バチッ!と俺の額にスイハが激突し、和紙製とは思えない衝撃に上体が仰け反る。
小石はスイハの勢いに引っ張られたのか、背後の大木をガン!と鳴らした。
何が起こったのか……半ば放心状態のまま、小石でゴツゴツした地面へ仰向けに倒れる。 後頭部が痛い。
『お前ら大丈夫……ではあるようだな』
あまりの光景に心配して近寄ってきたシチシさんが、顔の上に降り立つ。
『いやぁ~、一本取られたなスイハ』
『ふえ~……やられたぁ~』
ケラケラ笑うシチシさんに、起き上がり残念がるスイハ。
まるでゲーセンで3000円溶かした小学生なノリだが、これは俺の勝ちで良いのだろうか?
2人に討ち取られた巨人みたいな構図してるけど。
カウンターが先に当たっていたので、その後がどうあれ俺の得点。 という事であれば+1されてー51点になるが。
ー51かぁ……
つまり最短でも後52パターンの戦略でスイハをハメれば、俺の勝ちという訳で。
無理に決まってるだろ。
三頭身のペラッペラな和紙製分身で、器用に座る2人。
『お腹にいきなり来るんだもん。 ビックリだよ~』
『上手く足に絡まった後、前へとバランスを崩し上に飛んだから良かったものの。 運が悪ければ顔面に直撃していただろうな』
額にスイハ、鼻尖にシチシさんがそれぞれ腰を下ろしている光景は、まるでスカートを覗こうとする変態の視点で。
「っておい、お前らいつまで他人の顔に乗って……ん?」
いつまでもどく気の無い2人をいい加減払い除け……ようと手を上げた時、2人の間に広がる枝葉の隙間から細長い緑がスルスルと動いて来るのが見えた。
蔓?
「おい、なんあれ」
『『ん?』』
2人も頭上を見上げる。
と、
大木の隣にあった木がメキメキと尋常ならざる轟音で軋み、こちらに向かって倒れてきた。
「おわぁ!」
全身全霊で上体を起こし、その勢いのまま連続前転。 顔面に張り付いた2人が『『ぬわわぁ~!』』と叫ぶ。
健康マットでも敷いてあるのかと勘違いしそうになるゴツゴツした足場は、背骨や肋骨が折れそうな程の痛さで。 進行方向にあった別の木に背中からぶつかって止まったと同時、逆さまの視界を木の幹が遮った。
砂を巻き上げ、大地が震える。
「………………」『『………………』』
瞼を閉じて砂が落ちきるのを待ちながら、俺達3人は数秒呆然としていた。 目を開くと、危うく木に圧し潰される所だったと悟った。
「…………んっ! とっ!」
顔に貼り付いていた2人が浮かび上がり、なんとか体を転がして立ち上がる。
2人が無言で倒木の根元を確認しに行く間、俺は身の危険を今更ながらに実感……は勿論しながらもーー
……もし、これで幹が腐ってなかったら。
ーーと頭上や付近の茂みの警戒を優先した。
我ながらよくパニックを起こさないなとは自覚している。 心臓は破裂しそうなほどうるさくとも、直前に蔓のような細長い緑を見てしまったのだから仕方がない。
いざその時が来たら足が震えて動かないのではと……昨夜、布団の中で不安に感じていたが、幸い杞憂だったらしい。
と、2人が根元から戻って来る。
「腐って……は、なかったんですね?」
『おっ、察しが良いな』
何故そう感じたのか?
それはこの2人がやけに静かだからだ。
本当に不運の事故なら、あのスイハが黙っていられるとは思えない。
スイハが自分から胸ポケットに収まり、耳元にまで寄るシチシさんからは小声で話し掛けられる。
『とりあえず枝拾え。 そしたら全力で付いて来い』
「…………っ! はい」
静かに、緊張感が増した。
俺達は今、何かの間合い内にいるのだと。
言われるがまま、スイハとの顔面衝突時に手放していた枝を拾いに行く。 そこは元いた場所の斜め前で、茂みの近くだった。
警戒している事を悟られないよう、普段通りに歩く。
違和感はあった。
こちらに転移した時の花畑はやけにふかふかした弾力のある腐葉土で、森の中も質は違うが、長年蓄積し続けて来た腐葉土、といった様子だった。
それに比べてここはどうだ。 地肌が見え、小石はそこかしこに露出しており、一定の広さ以上の道に木が生えていない。
一見、山道でしかないが、ここが異世界である以上もう1つの可能性も考えられた。
それは木が倒れてきた時の違和感とも合致する。
さっき幹が腐っていたのかを確認にしていたのには、ちゃんとした理由がある。
木は腐ると、自重を支えきれず自然に倒れてしまうのだ。 実際、街路樹やキャンプ場では根本が腐食している木を伐採している。
では腐食していない木が倒れる理由は?
1・過荷重が掛かり支え切れなくて。
2・何者かに押し倒された。 切り倒された。
3・地中から根ごと押し出された。
転がっていた枝に手を伸ばす。
1は、自重を支えきれない量の果物が成るとは思えないし、仮に何かが木のてっぺんに居たとして、そいつは今何処に行った?
2は、押し倒れる程の衝突音も、幹が切られる音もしていなかった。 何よりそれなら倒した張本人は今どこにいる?
事前に切られていた、折れかけていたのが今倒れたとするならば、2人が黙っていられるとは考え難い。
多分、分身でも伝わるくらいニヤニヤしならがら口数が多くなり、ドッキリ大成功!したがるだろう。 たった2日の関係だが分かる、この2人はそういう性格だ。
であるからして、消去法で3の可能性が一番高いと俺は判断した。
この木は根ごと倒れてきたのだ。 平地なのに。
直前に蔓のような緑が動き、地中から根ごと押し出せる存在。
忘れてはならない。 ここが異世界だと。
フェイントの要領でバッとしゃがみ込み杖を掴む。 茂みから3本もの蔓が這い出て来たのを一瞥し、反動で俺は全身をバネのように伸ばすと、一気に加速した。
振り返るな! 先導するシチシさんだけを頼りに走れ!
後方からガサガサと激しく枝葉の揺れる音が複数し、地面からも何かが土を掘り起こして出てくるような、数十の根が軋しむ音がする。
もうここまで来ると視認する必要すら無い。
木の魔物・トレントだ。
こっちの世界のトレントがどういう生態をしているかは知らないが、仮に相手を動く木の魔物・トレントだとすると、両手で大事に持って走るこの枝だけでは絶対に勝てない。
だから立ち止まるな。 好奇心に負けて振り返るな。 ナメプできるほど俊足か俺は?
例え明らかに地面から出てきて、器用に根と蔓で走って追いかけて来ている音が背後からしていてもだ。
蔓に絡まれ引っ張られた木々が激しく悲鳴を上げ、地は土砂崩れの如く鳴動している。 走っているのに微振動が靴底から伝わる。
幸いなのは初動で勝ったため、伸ばしてくる蔓の領域外である一点のみ。 あの巨体で何故自重に潰されないのか……走っても走っても距離が変わらない。 歩幅(根の長さ)の問題か。
漫画キャラのように悲鳴や文句を叫ぶ余裕も無く、飛びながら先導してくれるシチシさんを無言で追い駆け続ける。
足裏が痛い! 小石ばっかで邪魔だし、まぁまぁなサイズの石や露出した木の根だとグネりそうになる!
そんな中でも余裕があるのか、シチシさんがトレントについて解説してくれた。
『奴等は獲物を潰して養分とする! だが巨体を魔力で動かしておるゆえ、速度と持久力に劣る! 最速を維持する必要は無い、とにかく長く、奴が見失うまで走り続けろ!』
「だろうね!」
言われなくとも枝を魔法使いのロッドみたいな持ち方してるので、最初からタイムの更新なんぞ狙っていない。
背筋を伸ばして上体はほぼ垂直に、無駄に力まず足の回転と着地の角度を意識している。 長距離用の負担を減らす走り方である。
上体は腕が振れないので、枝を体に密着させて脇を締め、肩で推進力を少しでも得ていた。
おかげでトレントとの距離が縮まる様子は今のところ無い。
今日ばかりは身軽で助かった。 持久力とは違うが、距離を走るのに不要な重りが少ないのは陸上部を続けられている最大の理由だ。
いつもは女顔と相俟ってイジられがちでも、自分の体を重いと感じた事だけは一度も無いのが自慢である。
シチシさんの解説は続く。
『追ってきとるのはあれ、石の当たった大木の方だな。 倒れてきたのは根っこから掘り起こされた普通の木だったし』
うっわ想像通り過ぎて怖い。
石を当てられた事に激怒したのだろうか。 ……いや、そんな敏感肌には見えなかったし、本能に従った捕食行動だろう。
『ただ、こちらのトレントはゲームでよく見るモンスターのような、人の顔は無い。 まんま木から蔓と根がウヨウヨ伸びてきて、体を絡め取りにくる。 身体強化魔法みたいなもんで一時的に移動すら可能とした、食虫植物のデカい版だとでも思え!』
ここまでご丁寧に解説してくれるのはアレか? 俺が気になって振り向くかもしれないからか?
安心してほしい、こちとらペースコントロールに必死過ぎて返事もできないほどだから。
あと単に直視したくない。
『アレで意外と軽くてな、高級木材として貴族に売れる』
今いる? その情報。
強くなったらまた来て金にしてやる。
『因みにトレントの明確な弱点は雷しか無い。 それも雷属性魔法ではなく雷な。 水分が多いから燃えにくいわ、魔力で強化せずともクソ硬いわで、専門の脳筋共が蔓と根を地道に切断していかんと売り物にもならん』
よく考えたら強くなってからここに寄り道する暇なんて微塵も無かったわ。
なのでここでサヨナラだ。 例え美少女化しても再会する気にはなれん。
『このまま真っすぐ突っ込むぞ!』
「うんっ!」
シチシナビに雑な返しで応じる。
道を真っすぐ走り続けていると、いきなり道が無くなり進行方向がまた手付かずの藪になった。 薄暗さと乱立する木々に、まるで行き止まりかと錯覚しそうになる。
いや今まで走ってきた道も人の道とは思えなかったが。
低木や蜘蛛の巣を警戒して枝を棒高跳びの形に持ち変え、目と視界を守りつつ薮に踏み込む。 当然だがこの姿勢を維持したまま足は止めない。 視界が悪く速度は落ちようとも、この程度で逃げ切ったなどと勘違いするつもりは毛頭なかった。
ふと思う。 これ多分だが、トレントが仕掛けた罠だったのでは?
ここまで道が直線だったのも、左右に木が立っているのも、トレントに都合が良過ぎると感じていた。
もし一人きりでパニックになっていれば、ここが行き止まりだと本気で絶望していたかもしれない。
逆にいえば、道が途絶え、木々が乱立する藪の中はあの巨体にとって障害でしかなく。
『見ろ! 森から出るぞ!』
「おっ?!」
転ばないよう足元しか見えていなかったが、少し視界を上げると50m前方、木々の隙間から光が差し込んでいる。
道……は確認できないけど、草むららしき緑の平地を日差しが照していて。
走れ走れ走れ走れ!
低木の直撃は避けつつ、露出した根は足を折り曲げてジャンプ、細い枝は体で折るつもりで。
藪に入ったおかげで足場が腐葉土に戻り、石は少なくなった。 障害物はあっても健康マットよりは走りやすい。
多分あそこがゴールだ。
とはいえ、光を目指しながらも油断はできない。 日没までに村内でセーブしてからがゴールである。
残り半分まで来た辺りで、背後から事故としか思えない衝突音が空気を震わせた。 コンビニの壁を破壊する車みたいな、あの勢いで木々に突っ込んだのだろう。
が、さすがに力不足だったらしく、木々が押し倒されていく音までは聞こえない。
胸ポケットのスイハが嬉しそうに顔を出す。
『逃げ切ったんじゃない?』
『いや、蔓がまだだ!』
シチシさんの言う通り、広範囲から複数の低木を揺らす葉擦れの音が近付いて来る。
何だこの、蛇の大群に追われているみたいな耳障り、気持ち悪い!
『蔓だけでも油断はするなよ! 捕まったら刃物でないと断てんし、魔力を吸い出すスキルでも持っていると思え』
「は?! ドレイン的な!?」
『あぁ、自身の魔力を相手に注入し、相手の魔力諸共根こそぎ吸い取っていく。 吸い出される側が子供であれば激痛で即死する場合が多い』
トレント凶悪過ぎない!? 自然界最強だろコイツ!
『お前の場合、吸い出される魔力が少な過ぎて痛いだけだろうがな』
それは子供以下って意味ですよね?!
いや実際転移してきたばかりだから、そうなんだけれど。
『何にせよ捕まれば結局圧し潰される。 油断するなよ』
分かっている。 だから返事も疎かにこうして走っているのだ。
幸い、蔓だからといって俊敏性が上がる訳ではなかったらしく。 本来なら数と奇襲が強みだったのだろう、距離を保ってさえいれば恐れるに足らず。
俺は木々の間を駆け抜け、日の当たる草むらへと辿り着いた。
「よっ!……しぃ?」
予想だにしていなかった光景に変な声が出る。
鬱蒼とした森から出た先は、まるでキャンプ場みたいな広場で。
そこで佇む先客、20頭の狼と目が合った。
「危っ!!」
視界に入った小石を拾おうとした矢先の突進に、バランスを崩し横に転がる。
回避です~とは言い訳できそうにない無様を晒していると、木の枝で仁王立ちするスイハにまた煽られた。
『ねぇねぇ何ですっ転ぶの? ぶきっちょなの?』
「一々うるさい! こういうのは慣れだって言ってるだろ?! 理屈は理解していても咄嗟に動けるほど簡単じゃないのっ!」
言い終わりと同時にさっき拾った石を投げ付ける。 が、また数cm差で当たらなかった。
ただでさえ雑草伸び放題で視界が悪い中、投擲出来るサイズの小石を見つけるだけでも大変だってのに。 拾おうと屈むと狙いすましたタイミングでスイハの攻撃が飛んできて……いや、スイハ本人が燕のように飛んできて、あの短い分身の手でタッチしてくるのだ。
スイハに石を投げ当てるだけの簡単なチュートリアルだった筈が、余りにも当たらずに焦れたスイハが勝手に『タッチされたら負けね!』ルールを追加し難易度上げやがった。
一応、枝で防ぐなり叩くなりも+1点と許可されたが、これが中々に難しい。 それなりに運動神経は良い方だと思っていたのに、重心が傾いたタイミングで顔面に来たり、銃撃でもされたのかって程の速度で真横を通り過ぎていったりなどとされると、反射で避けようとしてしまい重心が崩れて転ぶ。 という流れが続いている。
てか+1点って何だ。 合格ラインとかあったの?
当然、審判をしているシチシさんにはあの速度も見えており、
『今ので-52点な』
「ぐっ……」
投石が当たらない、防御ができない、反撃できない、と-1づつされていた。
いや俺にも白い一筋が見えてはいるんだよ? 反応できないだけで。
これがフィクションと現実の差か。 丁度良かった長さの棒も、片手では重く長く、無用の長物でしかない。
せめて短刀くらいのサイズ感なら小回りも効くのに……。 バント狙いだと突っ込んですら来ないし。
そもそも薙刀の心得すら無い俺が持っていた所で、登山に使うトレッキングポール代わりでしかなく。 目が合っても攻撃手段として使えない以上は、威嚇か逃げのどちらかしか無いと覚えておいた方が賢明だろう。
運動神経は良い方だった……も、今では恥ずかしくて口にしたくない。
ちなみに、投石なんかしてて獣に当たったらどうする!という心配は杞憂だった。 なんせ視界に入らない距離に俺の肩で届く筈もなく、仮に大暴投かました所で周囲の木にカンッと当たるだけなのだから。
むしろ現状を通りすがりの冒険者に見られないかの方が不安だったりする。
『次はどうしよっかなぁ~』
スイハが頭上を通り過ぎ、シチシさんに指定された進行方向を先導していく。 その余裕綽々で楽しげな様子を見て、俺は次で勝負を仕掛ける決心を固めた。
これは何となくそうなったルールなのだが、スイハからの攻撃は進行方向の枝に止まってから、となっている。 でないとスイハが四方八方から飛んでくるため警戒を要し、足が進まなくなるからだ。
なので、次はそこを利用する。
枝は左手のまま、前方に浮かぶスイハを警戒しながら歩は進めつつ、足下の石を探す。 スイハはあれでも随分と手加減してくれていて、石を拾おうと意識が向いてからじゃないと飛んでこない。
そこからは、じゃんけん。
1・そのまま動かず投石を待つ。
2・顔面めがけて飛んでくる。
3・枝から消えていてランダムに何処かから銃撃スピードで体を横切る。
策にハメるなら2しか無い。 ただし重い枝では軌道を変えられて防ぎすらさせてもらえないため、狙いは防御ではなく反撃一択に絞る。
右手のコレを使って。
それからまた少し前進していると、新たな獣道に出た。 木の間隔が変わったからか木漏れ日が増し、わずかだが風も肌で感じる。 ちょっと広めなのも、視界が悪いよりは歩きやすい。
それはスイハも同様だったらしく、『やっと飛びやすくなった!』と嬉しそうに旋回していた。
やるなら今か……
雑草が少なくなったおかげでいくつかの小石も視認した俺は、「おっし……」と身を屈め此れ見よがしに近くの小石へと手を伸ばす。 と、気が付いたらしいスイハが慌てて近くの枝に一旦止まり。
『ウリャッ「』ふっ!」
気の抜けた掛け声で突っ込んできた。
なので俺は寸前で小石は拾わず、視線はそのまま予め隠し持っていた小石を手首のスナップのみで下から投げ上げる。
実は、先に拾ってスイハへ投げていたのは割れていた石の半分で、本命は隠し持っていたもう半分の方だった。
この攻撃への対処法は、タイミングを合わせて不意打ちするだけ。 音ゲーと大差ない。
狙うは俺の顔の少し手前に来る、スイハの腹。 勝負は1秒。
『ふわっ!』
タッチしようと俺の頭目掛けて飛行してきたスイハを、小石が突き上げた音がした。
よし! あたーー
と思ったと同時。 バチッ!と俺の額にスイハが激突し、和紙製とは思えない衝撃に上体が仰け反る。
小石はスイハの勢いに引っ張られたのか、背後の大木をガン!と鳴らした。
何が起こったのか……半ば放心状態のまま、小石でゴツゴツした地面へ仰向けに倒れる。 後頭部が痛い。
『お前ら大丈夫……ではあるようだな』
あまりの光景に心配して近寄ってきたシチシさんが、顔の上に降り立つ。
『いやぁ~、一本取られたなスイハ』
『ふえ~……やられたぁ~』
ケラケラ笑うシチシさんに、起き上がり残念がるスイハ。
まるでゲーセンで3000円溶かした小学生なノリだが、これは俺の勝ちで良いのだろうか?
2人に討ち取られた巨人みたいな構図してるけど。
カウンターが先に当たっていたので、その後がどうあれ俺の得点。 という事であれば+1されてー51点になるが。
ー51かぁ……
つまり最短でも後52パターンの戦略でスイハをハメれば、俺の勝ちという訳で。
無理に決まってるだろ。
三頭身のペラッペラな和紙製分身で、器用に座る2人。
『お腹にいきなり来るんだもん。 ビックリだよ~』
『上手く足に絡まった後、前へとバランスを崩し上に飛んだから良かったものの。 運が悪ければ顔面に直撃していただろうな』
額にスイハ、鼻尖にシチシさんがそれぞれ腰を下ろしている光景は、まるでスカートを覗こうとする変態の視点で。
「っておい、お前らいつまで他人の顔に乗って……ん?」
いつまでもどく気の無い2人をいい加減払い除け……ようと手を上げた時、2人の間に広がる枝葉の隙間から細長い緑がスルスルと動いて来るのが見えた。
蔓?
「おい、なんあれ」
『『ん?』』
2人も頭上を見上げる。
と、
大木の隣にあった木がメキメキと尋常ならざる轟音で軋み、こちらに向かって倒れてきた。
「おわぁ!」
全身全霊で上体を起こし、その勢いのまま連続前転。 顔面に張り付いた2人が『『ぬわわぁ~!』』と叫ぶ。
健康マットでも敷いてあるのかと勘違いしそうになるゴツゴツした足場は、背骨や肋骨が折れそうな程の痛さで。 進行方向にあった別の木に背中からぶつかって止まったと同時、逆さまの視界を木の幹が遮った。
砂を巻き上げ、大地が震える。
「………………」『『………………』』
瞼を閉じて砂が落ちきるのを待ちながら、俺達3人は数秒呆然としていた。 目を開くと、危うく木に圧し潰される所だったと悟った。
「…………んっ! とっ!」
顔に貼り付いていた2人が浮かび上がり、なんとか体を転がして立ち上がる。
2人が無言で倒木の根元を確認しに行く間、俺は身の危険を今更ながらに実感……は勿論しながらもーー
……もし、これで幹が腐ってなかったら。
ーーと頭上や付近の茂みの警戒を優先した。
我ながらよくパニックを起こさないなとは自覚している。 心臓は破裂しそうなほどうるさくとも、直前に蔓のような細長い緑を見てしまったのだから仕方がない。
いざその時が来たら足が震えて動かないのではと……昨夜、布団の中で不安に感じていたが、幸い杞憂だったらしい。
と、2人が根元から戻って来る。
「腐って……は、なかったんですね?」
『おっ、察しが良いな』
何故そう感じたのか?
それはこの2人がやけに静かだからだ。
本当に不運の事故なら、あのスイハが黙っていられるとは思えない。
スイハが自分から胸ポケットに収まり、耳元にまで寄るシチシさんからは小声で話し掛けられる。
『とりあえず枝拾え。 そしたら全力で付いて来い』
「…………っ! はい」
静かに、緊張感が増した。
俺達は今、何かの間合い内にいるのだと。
言われるがまま、スイハとの顔面衝突時に手放していた枝を拾いに行く。 そこは元いた場所の斜め前で、茂みの近くだった。
警戒している事を悟られないよう、普段通りに歩く。
違和感はあった。
こちらに転移した時の花畑はやけにふかふかした弾力のある腐葉土で、森の中も質は違うが、長年蓄積し続けて来た腐葉土、といった様子だった。
それに比べてここはどうだ。 地肌が見え、小石はそこかしこに露出しており、一定の広さ以上の道に木が生えていない。
一見、山道でしかないが、ここが異世界である以上もう1つの可能性も考えられた。
それは木が倒れてきた時の違和感とも合致する。
さっき幹が腐っていたのかを確認にしていたのには、ちゃんとした理由がある。
木は腐ると、自重を支えきれず自然に倒れてしまうのだ。 実際、街路樹やキャンプ場では根本が腐食している木を伐採している。
では腐食していない木が倒れる理由は?
1・過荷重が掛かり支え切れなくて。
2・何者かに押し倒された。 切り倒された。
3・地中から根ごと押し出された。
転がっていた枝に手を伸ばす。
1は、自重を支えきれない量の果物が成るとは思えないし、仮に何かが木のてっぺんに居たとして、そいつは今何処に行った?
2は、押し倒れる程の衝突音も、幹が切られる音もしていなかった。 何よりそれなら倒した張本人は今どこにいる?
事前に切られていた、折れかけていたのが今倒れたとするならば、2人が黙っていられるとは考え難い。
多分、分身でも伝わるくらいニヤニヤしならがら口数が多くなり、ドッキリ大成功!したがるだろう。 たった2日の関係だが分かる、この2人はそういう性格だ。
であるからして、消去法で3の可能性が一番高いと俺は判断した。
この木は根ごと倒れてきたのだ。 平地なのに。
直前に蔓のような緑が動き、地中から根ごと押し出せる存在。
忘れてはならない。 ここが異世界だと。
フェイントの要領でバッとしゃがみ込み杖を掴む。 茂みから3本もの蔓が這い出て来たのを一瞥し、反動で俺は全身をバネのように伸ばすと、一気に加速した。
振り返るな! 先導するシチシさんだけを頼りに走れ!
後方からガサガサと激しく枝葉の揺れる音が複数し、地面からも何かが土を掘り起こして出てくるような、数十の根が軋しむ音がする。
もうここまで来ると視認する必要すら無い。
木の魔物・トレントだ。
こっちの世界のトレントがどういう生態をしているかは知らないが、仮に相手を動く木の魔物・トレントだとすると、両手で大事に持って走るこの枝だけでは絶対に勝てない。
だから立ち止まるな。 好奇心に負けて振り返るな。 ナメプできるほど俊足か俺は?
例え明らかに地面から出てきて、器用に根と蔓で走って追いかけて来ている音が背後からしていてもだ。
蔓に絡まれ引っ張られた木々が激しく悲鳴を上げ、地は土砂崩れの如く鳴動している。 走っているのに微振動が靴底から伝わる。
幸いなのは初動で勝ったため、伸ばしてくる蔓の領域外である一点のみ。 あの巨体で何故自重に潰されないのか……走っても走っても距離が変わらない。 歩幅(根の長さ)の問題か。
漫画キャラのように悲鳴や文句を叫ぶ余裕も無く、飛びながら先導してくれるシチシさんを無言で追い駆け続ける。
足裏が痛い! 小石ばっかで邪魔だし、まぁまぁなサイズの石や露出した木の根だとグネりそうになる!
そんな中でも余裕があるのか、シチシさんがトレントについて解説してくれた。
『奴等は獲物を潰して養分とする! だが巨体を魔力で動かしておるゆえ、速度と持久力に劣る! 最速を維持する必要は無い、とにかく長く、奴が見失うまで走り続けろ!』
「だろうね!」
言われなくとも枝を魔法使いのロッドみたいな持ち方してるので、最初からタイムの更新なんぞ狙っていない。
背筋を伸ばして上体はほぼ垂直に、無駄に力まず足の回転と着地の角度を意識している。 長距離用の負担を減らす走り方である。
上体は腕が振れないので、枝を体に密着させて脇を締め、肩で推進力を少しでも得ていた。
おかげでトレントとの距離が縮まる様子は今のところ無い。
今日ばかりは身軽で助かった。 持久力とは違うが、距離を走るのに不要な重りが少ないのは陸上部を続けられている最大の理由だ。
いつもは女顔と相俟ってイジられがちでも、自分の体を重いと感じた事だけは一度も無いのが自慢である。
シチシさんの解説は続く。
『追ってきとるのはあれ、石の当たった大木の方だな。 倒れてきたのは根っこから掘り起こされた普通の木だったし』
うっわ想像通り過ぎて怖い。
石を当てられた事に激怒したのだろうか。 ……いや、そんな敏感肌には見えなかったし、本能に従った捕食行動だろう。
『ただ、こちらのトレントはゲームでよく見るモンスターのような、人の顔は無い。 まんま木から蔓と根がウヨウヨ伸びてきて、体を絡め取りにくる。 身体強化魔法みたいなもんで一時的に移動すら可能とした、食虫植物のデカい版だとでも思え!』
ここまでご丁寧に解説してくれるのはアレか? 俺が気になって振り向くかもしれないからか?
安心してほしい、こちとらペースコントロールに必死過ぎて返事もできないほどだから。
あと単に直視したくない。
『アレで意外と軽くてな、高級木材として貴族に売れる』
今いる? その情報。
強くなったらまた来て金にしてやる。
『因みにトレントの明確な弱点は雷しか無い。 それも雷属性魔法ではなく雷な。 水分が多いから燃えにくいわ、魔力で強化せずともクソ硬いわで、専門の脳筋共が蔓と根を地道に切断していかんと売り物にもならん』
よく考えたら強くなってからここに寄り道する暇なんて微塵も無かったわ。
なのでここでサヨナラだ。 例え美少女化しても再会する気にはなれん。
『このまま真っすぐ突っ込むぞ!』
「うんっ!」
シチシナビに雑な返しで応じる。
道を真っすぐ走り続けていると、いきなり道が無くなり進行方向がまた手付かずの藪になった。 薄暗さと乱立する木々に、まるで行き止まりかと錯覚しそうになる。
いや今まで走ってきた道も人の道とは思えなかったが。
低木や蜘蛛の巣を警戒して枝を棒高跳びの形に持ち変え、目と視界を守りつつ薮に踏み込む。 当然だがこの姿勢を維持したまま足は止めない。 視界が悪く速度は落ちようとも、この程度で逃げ切ったなどと勘違いするつもりは毛頭なかった。
ふと思う。 これ多分だが、トレントが仕掛けた罠だったのでは?
ここまで道が直線だったのも、左右に木が立っているのも、トレントに都合が良過ぎると感じていた。
もし一人きりでパニックになっていれば、ここが行き止まりだと本気で絶望していたかもしれない。
逆にいえば、道が途絶え、木々が乱立する藪の中はあの巨体にとって障害でしかなく。
『見ろ! 森から出るぞ!』
「おっ?!」
転ばないよう足元しか見えていなかったが、少し視界を上げると50m前方、木々の隙間から光が差し込んでいる。
道……は確認できないけど、草むららしき緑の平地を日差しが照していて。
走れ走れ走れ走れ!
低木の直撃は避けつつ、露出した根は足を折り曲げてジャンプ、細い枝は体で折るつもりで。
藪に入ったおかげで足場が腐葉土に戻り、石は少なくなった。 障害物はあっても健康マットよりは走りやすい。
多分あそこがゴールだ。
とはいえ、光を目指しながらも油断はできない。 日没までに村内でセーブしてからがゴールである。
残り半分まで来た辺りで、背後から事故としか思えない衝突音が空気を震わせた。 コンビニの壁を破壊する車みたいな、あの勢いで木々に突っ込んだのだろう。
が、さすがに力不足だったらしく、木々が押し倒されていく音までは聞こえない。
胸ポケットのスイハが嬉しそうに顔を出す。
『逃げ切ったんじゃない?』
『いや、蔓がまだだ!』
シチシさんの言う通り、広範囲から複数の低木を揺らす葉擦れの音が近付いて来る。
何だこの、蛇の大群に追われているみたいな耳障り、気持ち悪い!
『蔓だけでも油断はするなよ! 捕まったら刃物でないと断てんし、魔力を吸い出すスキルでも持っていると思え』
「は?! ドレイン的な!?」
『あぁ、自身の魔力を相手に注入し、相手の魔力諸共根こそぎ吸い取っていく。 吸い出される側が子供であれば激痛で即死する場合が多い』
トレント凶悪過ぎない!? 自然界最強だろコイツ!
『お前の場合、吸い出される魔力が少な過ぎて痛いだけだろうがな』
それは子供以下って意味ですよね?!
いや実際転移してきたばかりだから、そうなんだけれど。
『何にせよ捕まれば結局圧し潰される。 油断するなよ』
分かっている。 だから返事も疎かにこうして走っているのだ。
幸い、蔓だからといって俊敏性が上がる訳ではなかったらしく。 本来なら数と奇襲が強みだったのだろう、距離を保ってさえいれば恐れるに足らず。
俺は木々の間を駆け抜け、日の当たる草むらへと辿り着いた。
「よっ!……しぃ?」
予想だにしていなかった光景に変な声が出る。
鬱蒼とした森から出た先は、まるでキャンプ場みたいな広場で。
そこで佇む先客、20頭の狼と目が合った。
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