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外出用 家用 就寝用

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 7月。
 うっすら清涼感(ミント風味)ある空気とはいえ、夏なんだから、暑いもんはやっぱ暑い。
 海のように真っ青な空には、えがいたのかってほどの見事な積乱雲が立ち昇っている。 んだけど、そのもっと上の位置に太陽がいるので、悲しいことに折角の巨体で日差しをさえぎってくれる気は無さそうだ。

 なんて見上げつつ椅子に座っていると、「お待たせしました~♪」とエレオノールさん・クーテルさんが、私達のいるテラス席へ人数分のパフェを持ってきてくれた。

 ……パフェ?……えっと、サンデー……かな? ガラスコップみたいなのでスポンジとクリームとフルーツが層になっているスイーツって何て言うんだっけ?
 こういう感じのって、こういったカフェっぽいお店とかでちゃんとしたの食べた経験無いんだよねぇ。 前はブ男だったもん……。 似たようなのはスーパーやコンビニにある、ほら、あのちっちゃい容器のやつ、あれなら半額のを見付けるとよく買っていた。

 透き通った氷のようなグラスいっぱいに詰め込まれた、四角いスポンジと白いクリームと鮮やかなフルーツの層。
 もうちょっとひねろよと言われそうなシンプルさだが、その分お安く、そもそも宣伝効果を狙った商品なので、これでガッチリ儲けるつもりは微塵もないらしい。
 というのが、お母さん情報である。

 私とお母さん、エレオノールさんにフローラちゃん、クーテルさんミテル・キーテル姉妹はこの日、果樹園の直売所にあるカフェスペースを訪れていた。
 テラス席なのは無論、店内が満席だったからだ。 運が無い。
 だが心配することなかれ、直射日光や雨対策としてもちろん屋根はあるし、今日は涼しい微風そよかぜが森の方から来ているので、私みたいな1歳半女児でも結構快適にくつろげている。
 純・女児の3人ですら初カフェに瞳を輝かせているのだから、数時間も居座らない限り問題無いだろう。

 「へぇ、全然良いじゃん♪」「思ってたより種類豊富で、迷っちゃいました♪」「これなら子供でも食べきれそうねぇ♪」なんて感想を交わしつつ、お母さんの「それじゃぁ、いただきましょ」を切っ掛けに、私達は「「「いただきます♪」」」と手を合わせた。
 私とフローラちゃんももちろん、親の真似っこをするように手を合わせて、ちゃんと「いーたぁます!」と言ったぞ。
 ヒンヤリと冷たいグラスを左手で支え、小さなスプーンで角切りのフルーツとクリームをすくう。 桃や蜜柑みかんのような果肉の香りが凄い。

「はむっ……ン~フフフ~♪♪」

 口に入れてすぐ、甘さ控えめな濃厚ミルククリームと、甘酸っぱいジューシーな果汁が舌の上で混ざり合い、思わず鼻から感動の溜め息がれた。 それすらもまた香り良い。

 あ~美味しい♪
 毎日食えるわぁ。

 実際、銅貨3枚(300円ほど)とこの味この量にしてはお安く、フルーツも組み合わせ自由で毎日楽しめるのは過言じゃない。
 場所も徒歩数十分とそんなに遠くないし、マイグラス(3200円ほど)さえ購入すれば銅貨2枚でお持ち帰り可なのがまた嬉しい。
 こっちには使い捨ての容器なんて無いからさ。

 未だ犬歯の無い隙間の空いた乳歯でモグモグモグモグ咀嚼そしゃくしながら(あ~これ食パン欲しい~! フルーツサンドにしたいぃ~!)などともだえつつ、ふと視線を上げる。 と、既にお母さん達も子供たちも、姫踊子草の時とはまた違う幸せそうな笑みに満ちあふれていた。
 たがいに「この青いの(ブルーベリーみたいな果実)も美味しいよ♪」「んっ、あま~♪」と教え合うミテル・キーテル姉妹、ほっぺにクリームを付けながらスプーンを逆手に握りしめて頬張るフローラちゃん、談笑するお母さん達。
 そんな見ているだけで幸せな姿に、私は……下にスポンジが入っていたことを思い出し、お行儀など気にせず直下掘りを開始したのだった。


「うっぷ……」
「エメルナ、無理して食べなくて良いからね……?」
「…………」

 お母さんが心配そうに見守る中、残り4分の1といったところで、私はグラスを握り締めたままスプーンを止めて硬直していた。
 小学生の頃、クレープの半分くらいまで食べ進めたところで気持ち悪くなっていたのと同じ状態だ。 チョコバナナが好きだったんだけど、その甘ったるさのせいか胃の容量からか、途中から吐きそうになりながらチビチビ食い進めたものだ。

 共通点といったら……やっぱクリームかな?
 乳脂肪的なので胃がもたれてる感覚。

(コーラ欲しい……)

 氷水でも可。

 前世の私は、甘いものを食べると必ず飲み物も欲くなっていた。 何かこう、喉にこびりつく糖分を洗い流したくなるのだ。
 アイスを買い食いした時だって、必ずコーラを買っていたし。 思えばクレープで気持ち悪くなっていたのも、それが原因だったのかも。

 心配そうに見ていたエレオノールさんが、娘の口をハンカチでぬぐいながらお母さんにたずねる。

「魔力……じゃないですよね?」
「いやぁ~……熱くないから、食い意地の方だと思うんだけど」

 なんてうなじ側のチョーカーに手を添えられ、隣から聞こえる呆れたような溜め息に耳が痛い。

 我が家では昨夜まで、乳離れも兼ねたさくとして、私の食量調査が行われていた。
 それっぽく言ったが何てこと無い、ただ毎食徐々に量を増やしていき、どれだけ残すかで胃の許容量と満足度を計ろうというものである。
 んで、私ってば今のところ、一度も残した事がないのだ。 苦手な物以外は。
 いやね、勿体無いじゃん?
 前世で散々、食料難や遭難そうなん飢饉ききんなどで餓死がししそうなほど過酷な状況を生き抜いてきたシーンが出てくるアニメ等を見てきた私としては、思うところがある訳ですよ。
 これにはお姉ちゃんも同意見で。 幼い頃、食に苦労した実体験から、可食物なら味を問わず残したくないらしい。
 そんな私達の頑張りに両親が気が付いたのは、昨日の夕飯終わり。 明らかにテンションだだ下がりな中それでもスプーンを休み休み口に運ぶ娘の姿に「あっ、これ駄目だ」と後ろから抱え上げられ、夕飯けん食量調査は中止となったのだった。
 これは、食い意地が張っていると見られても仕方がない。

 なんて話しをお母さんがしていると――

「あ~。 うちも、まんまそんな感じだったわ」

 と、私の奇行に、クーテルさんがまさかの共感を示した。

「えっ! 2人も?!」

 目を丸くするお母さん達と共に、私も思わずミテル・キーテル姉妹に視線を向ける。 2人は食べ終わった空グラスを口に当て、「わぅわぅわぅわぅ!♪」と音の反響を楽しんでいる。

「お腹より口が優先されるのか……結局、母や職場の皆にも相談して、量は変えずに味を少し濃くしたり、いっぱい噛むようにって教えてるの。 ほら、この子達ってば放っておいても勝手に走り回ってるでしょ?」

 確かに、この2人ならどれだけ食べても太りそうにないわ。
 普段のじゃれ合いを見ている分、説得力がまるで違う。
 私も、今世は太らないよう見習わないと……。

 結局いつまでも私待ちではいられず、サンデーの残りはお母さんにペロリと片付けられ、私達は次の買い物へと席を立った。
 ……ご飯も、残したら食べてくれるのかなぁ?

 ・ ・ ・

 夜、居間。
 魔石が内蔵されている小型加湿器サイズのクーラーにより、剣と魔法のファンタジー異世界らしくない快適な夕飯を終え。

「は~ん、それでか」

 デザートとしてお持ち帰りもしていたあのサンデー、その一口目を断固イヤイヤした私に納得しながら、パジャマ姿のお父さんが安堵の笑顔を浮かべる。

「てっきり嫌われたのかと思った」
「嫌われるような事をしたの?」
「してない筈だから、焦ったんだよ」

 確かに、身に覚えの無い理由で幼い娘から嫌われるとか、心臓縮み上がるわな。
 誤解させちゃってごめんね。 今度からは一口くらいなら甘えさせてもらうとしよう。

 私に向けていたスプーンを自分の口へと運び、「んっ、美味しいね。 次は一緒に食べに行こうね」と優しく頭を撫でてくれるお父さんを見上げ、「いく~!♪」と笑顔でお腹にもたれかかる。 そう、私は今、椅子に座る父の、暖かくもちょっと堅い膝の上に、ティアラペンギンのぬいぐるみを抱えながら座っている。
 我ながらクッソあざとい仕草だけど、(こうして無邪気に触れ合えるのも、幼い今の内だけなんだよね……)と気が付いてからは、良き愛娘であろうと、退院して以降積極的にこうするようになっていた。 

 頭上からひろがる甘酸っぱい香りを楽しみつつ、お父さんが食べ終わるのをモフモフしながら待つ。 と、お父さんが思い出したように気になる話題を口にしだした。

「ぁそうだっ。 温泉、来月には入れるってさ」
「えっ、もう?」

 近くで洗濯物を畳んでいたお母さんの手が止まり、驚きの表情でこちらを見上げる。

 温泉に入れる。 と言っても、お客さんを迎え入れられる施設が完成したという意味ではない。
 トムねぇが来ていた時に話し合っていた、利便性や効能・接客等の問題点を見付け出すための試験運用。 それらに参加し、レビューと引き換えに無料で温泉を楽しめる権利をられる一般客。 をつのる前に……
 実はこっそりと、フローラちゃん一家と私達一家だけで、安全性の最終確認として入浴しておこうと言う話しになったのである。 越権行為などではない、むしろ我が身を使った人体実験である。
 無論、提案し、参加したがっていた言い出しっぺのトムねぇは除いてだ。 当たり前だ、支援者でもある貴族様で安全性の確認なんて出来るかっての! 折角のお肌が黄ばんだらどうする!?

 てな訳で、お父さんの言う「温泉に入れる」とは、『関係者だけで入浴出来る最低限の準備は整った』という意味でもある。
 にしても、お母さんが疑問に思ったように、ちょっと早過ぎる気はするけど。

 と、お父さんが「ぁー……っとなぁ……」などと言い淀みながら、頬をひきつらせる。

「それがな……トムねぇの私兵団が来ていたらしくて、特訓だとか言い張って風呂と囲いをとてつもない手際で作った挙げ句、軍用テントを放置したまま帰っていったらしい。 今日の昼になってタジトさんから聞かされたよ……」

(何それ見たかった)

 続いて、トムねぇ自由過ぎない? とも思った。 いやまぁ、貴族様であり領主家様なら、これくらいは当然なのかもしれんが。

 お母さんが、またか……と呆れたような、精神的にドッと疲れきった表情で娘の幼児服を折り畳んでいく。

「一応、いつ来ても対応出来る準備だけは整えておいて。 さすがに関係者以外立ち入り禁止を無視できる立場じゃないんだから、お忍びで来そうだけど」

 前回、トムねぇが来ると聞いた時はワクワクな様子を隠そうとすらしなかったお母さんにしては結構ドライな気がしていると、続くお父さんとのやり取りで察しがついた。

「ノマッドさん達まで来たときはどうする?」
「折角だし、訓練に付き合ってあげましょ。 幸い夏なんだから食には困らないし、もうテントだって設置済みなんだから」

(それは入村拒否と言うのですよ? お母さん)

「分かった」

(分かっちゃうの?! どんだけ嫌われてるんだよノマッドさん!)

 この時の両親の微笑みは、私から魔素を吸い続けるぬいぐるみよりも冷えッ冷えだった。

 ・

 我が家の就寝は早い。
 お父さんが帰ってきて、お風呂入って、夕飯食べて、暫く家事をこなしつつ談笑してからなので……大体、日が沈んで数十分後くらいかな。
 両親の職業柄、夜遅くまで起きているより、朝早くに目覚めた方が何かと便利だし楽だからである。 深夜に叩き起こされるようなトラブルが舞い込んで来たとしても、寝不足でミスる心配が少ないのも大きな利点だ。
 まぁそりゃぁ、前世より科学技術が未発達なファンタジー異世界だし、見たいテレビ番組やオンラインゲームでのイベント等が無いのも勿論1つの理由ではあるのだが、お姉ちゃんいわく、仕事なり趣味なり遊びなり、深夜まで活動している人達はこっちにだって大勢いるらしい。
 ただ私が幼すぎて、その時間帯を知らないってだけで。

 プラネタリウムのような星明かりがカーテン越しの室内にまで届き、青白い薄闇に両親の寝息がスースーと続く。

 一目で察せる夫婦仲。 ではあるのだが、実を言うとここは夫婦の部屋ではなく、お母さんの部屋だったりする。 お父さんの部屋は別にある。
 じゃあ何でお父さんまでここで寝ているのかと言うと、娘の夜泣きに対応するためだ。
 一度も起きてきてくれた事は無いんだけどね。
 何年か前にテレビ番組で、脳科学的に男性は夜泣きでは起きられないと言われていたのを身を持って思い出す。
 もちろん個人差はあるのだろうが、今世のお父さんはどうにも起きられないタイプだったらしい。 理由は忘れたので後でお姉ちゃんに検索してもらうとして、気持ちは分かる。 私だって前世では雷が鳴っても地震で家が揺れてても熟睡していたらしいのだから。 ……ちょっと違うか?
 当然、そのせいで夫婦仲がギクシャクし始めたなんて事態は起こらず、翌朝お父さんが申し訳なさそうに謝り、お母さんに「ベッドが狭くなっただけよね」と笑われる程度で済んでいた。 どうやらこっちでは、旦那さんが夜泣きで起きられないのは最早もはや一般常識化しているらしい。
 じゃあ何でまだこっちで寝てんだよとなるだろうが、そりゃぁ勿論、娘が遊び疲れて眠るまでひたすら構うためである。 この時間になると家事を終えたお母さんも参加するため、逆に両親が娘で遊んでいる感さえあり、結構ハードだ。
 熱が出てからは柔軟体操や体幹たいかんストレッチみたいになったものの、それでも両親との耐久・片足バランス対決は今夜も白熱した。

 そんなルーティーンを終え、ペンギンぬいぐるみを抱いたままの私を寝かし付けた両親が、私から少し離れたお母さんのベッドに入り……こうして、私の異世界ライフは緩やかに日常を取り戻していくのだった。






 深夜。
 何気ない寝返りで、脱力した腕が音もなくシーツに落ちる。
 呼吸に合わせて上下する小さな胸。 と、その上でただ揺れるだけだった筈のソレは、突如綿わたの詰まった短く平らな両腕を幼女の胸に突き立てると、独りでに、まるで眠りから覚醒した生物ような緩慢かんまんな動きで、自らの体を自ら起こした。
 布の皮膚、骨格などあるはずもなく、瞳の代わりに縫い付けられている桜色のボタンが、まるで深海に潜む補食者のように僅かな光を反射する。
 
 生物をしてはいても、決して生き物ではない。
 そんな、魔石を内蔵したティアラペンギンのぬいぐるみが、誰もが寝静まる時間を見計らい、
 遂に、立ち上がる。


 同時刻、夢の中。

 おっ?! おっおっおっおっ……きたきたきたきたきた!

「こう……で、こう?」

 お姉ちゃんがつたない手付きで念じた通りに、ぬいぐるみの左足が上がり、そのまま私の上からコロリと転げ落ちる。
 やっと掴みかけていたバランスを崩したのだ。

 あぁ~!

 私達のテンションも転がり落ちていく。

「あぁありゃりゃりゃっ、思ってたより難しいねこれ。 しかも凄い邪魔されてるし」

 どうやらGPSミサンガ+医療用チョーカーのせいで、糸のように伸びる魔力の繋がりが乱されやすくなっているようだ。
 そういえばシア先生が言ってたな、『寝惚けて家燃やされたくなかったら両方付けさせな』って。 魔法に慣れていないうちは、これで誤発を抑えられるのかも。

 初心者同士、考えてても無駄だからやってみようと始めた魔動人形の試運転なのだが、ここ数日間でようやっとバッテリー(魔石)が充電(魔力の)を完了して数十分、未だずっとお姉ちゃんのターンだった。
 不満は無い、そんな嫉妬やウズウズなんてのは腕が動き始めてすぐ、どっかに吹っ飛んでいった。
 今はとにかく、この状況を見守っていたくて仕方がない。

 その後何度か交代を挟みながら、終始この夜は立って転んでを不慣れなキー操作ゲーのように繰り返し、タイムリミットである朝日を迎えた。
 あっ、また夜更かししちゃった?
 いやでもでもだって、こんなラジコン手元にあったら気になって眠れ
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