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第3章・白蛇団
第46話 黒髪山
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唐津から南に十里弱のところに黒髪山という霊山がある。
牧ノ山、青螺山から続く連山の一峰であり、高さも千七・八百尺程度という、遠目にはあまり目立たぬ山である。
だが、その麓である宮野という土地には黒髪神社の下宮があり、山頂近くにもまた上宮が鎮座しているという、周辺の信仰を集める山なのだ。
社の縁起によれば、起源は崇神天皇の時代に遡るという。
それほどの長きに渡る信仰を育んだのは、やはり、間近に望むとわかるその険しい山容であろうか。
古い火山であり、浸食のためところどころは奇観を呈している。
特に、頂きに天童岩、中腹に雄岩と雌岩という巨岩が聳え立つ様はこの世のものとも思われず、まさしく神々の宿る場所とはこのような所であろうかと感じさせる。
祭られてある神は伊弉冉尊、速玉男命、事解男命、そして第一の祭神としてこれらの神々よりも先に名が挙げられているのが、黒髪神社原初の神である闇於加美神。
クロカミという山の名は、岩上に鎮まる神の座、すなわち巨石信仰からきたものか。あるいはクラオカミ神に由来するものか。
そしてまた、この闇於加美神は竜神なのである
その黒髪山に巨大な白蛇が現れ、周辺の村々が難儀しているという。
話を持ち込んだのは黒髪山一帯を治める領主、後藤助明という壮年の人物であった。
自身の領内にある村々の長らしき老人たち数人と連れ立って砦を訪れ、
「こちらには八郎為朝様という武勇絶倫の若武者がおられると聞いております。是非その方に大蛇を退治し、私共を救けて頂きたいのです」
揃って深々と頭を下げ、懇願するのである。
助明によれば、問題の大蛇は長さが五十間をゆうに超える白蛇であり、頭には七俣の角。
巨大な目は鬼灯のような深紅に爛々と輝き、その吐く息は烈火のように熱く、たちまちにして木々や草木を枯らす。
人語を解すばかりか自らも話すのだとか。
半年ほど以前に山中に現れ、村を脅しては食料や酒など捧げ物を要求し、ついには生贄として若い娘を差し出すことを求めてきたという。
聞けば聞くほど古の怪物譚さながらである。
この俄かには信じ難い話に、まず不審を示したのは義親であった。
「奇妙じゃのう。そんな怪異があったのなら、何故もっと早く儂の耳に話が聞こえてこなかったのか」
これに助明が答える。
義親とは予てから懇意の仲である。
「口封じを命じ、噂が広がるのを懸命に抑えておったのです。怪異が知れ渡れば、黒髪山近辺だけではなく他の村々の者共も恐れおののき、只では済まぬでしょうから」
「恐怖、混乱、そして逃散か」
「はい、仰る通りで」
「だが、後藤殿もただ腕をこまねいていた訳ではあるまい。貴殿の武勇は近隣に聞こえておる」
「手勢を引き連れ向かうと姿をくらまし、容易に我らの手にはかからぬのです。人語を解するだけあって、相当に知恵も回るとみえます。ならば大人数ではなく、小勢で忍び寄り退治するしかないかと。そのために八郎為朝殿の力をお借りしたい」
「件の大蛇こそが竜神・闇於加美神なのではないか。退治などして良いのか」
「そうも考えましたが、闇於加美神が生贄を求めたなどという話は古来から伝わっておりませぬ。竜神の姿とはいうものの、闇於加美神は黒髪山におわす原初の神、黒髪山の化身でございます。邪な妖ではない。なぜゆえ生贄などを欲する必要がありましょうや」
「うーむ」
もちろん義親は、人語を話す巨大な白蛇などの存在を信じてはいない。
当時としては稀な、極めて合理に徹した男なのだ。
だが、助明ほどの男がこうまで真剣に懇願するの対して、何かしら不可思議な、無下に一笑に付すこともできないものを感じていたのである。
躊躇なく難色を露わにしたのは重季であった。
「昔から、怪力乱神を語らずと申します。ましてや戦を目前にしたこのような時に、大蛇などという怪しげなものに関わり合っている暇などありましょうか」
助明の語るところを荒唐無稽と断じ、大事の前に迷惑千万といった顔である。
確かに、常識人である重季にとっては到底信じられる話ではなかったろう。
そんな世迷言を相手に無駄な時を費やすようなことをせず、合戦の準備に専念すべしというのは至極真っ当な、誰もが頷く意見と思われた。
だが、八郎には逆に閃くものがあった。
(これは何かあるな)
子供騙しの御伽噺としても稚拙な出来である。
そのような露骨に疑わしい、およそ誰も信じない絵空事を、なぜ今この時期に唐津に持ち込んだのか。
後藤殿とやらの話しぶりにも真に切迫した様子がない。
大蛇の姿や恐ろしさを事細かに語りながらも、本当に救ってほしいという必死さが伝わってこないのだ。
しかも、村々が難儀していると言う割に、その長であるという老人たちの身なりはこざっぱりとして、貧苦の様子がおよそ感じられぬではないか。
どういうことだ?
老人たちは時折義親や八郎の顔色を窺い、明らかに目を合わせることを避けている。
なぜこんな話を持ち込んだのか、事情は分からぬが、やはり大蛇など居りはせぬ。
ただの嘘であろう。
それを我らに吹き込む片棒を担がされ、かといって我らを騙すのも本意ではなく、困り果てているのではないか。
こうした時、八郎のやり方はひとつである。
ずばり切り込んでみるのだ。それも相手の最も予期せぬ角度から。
「後藤殿、それは嘘ですな」
直截な物言いに対し助明は返答に詰まる。案の定である。
そして、八郎の次の言葉は助明にとって甚だ意外なものであった。
「だが、嘘と承知の上で引き受けましょう。居りもしない大蛇を退治に参ってみましょうぞ。それも面白かろう」
助明は驚きに目を丸くする。
「居りもしない大蛇を退治とは?」
「おや、これは失礼した。ここは大蛇は確かに居るということで話を進めねばな。つまりじゃ、五十間もの長さのある白蛇とやらに会いに行ってみようということです。退治も良いが、それ程の体躯の大蛇ならば、さぞ長い年月を経て、知恵も経験も豊かであろう。しかも人語を話すときては、何ぞ面白い話でも聞かせてくれるやもしれぬ。もしかすると退治などせずとも、友となり、説いて貢物や生贄などの非道を諦めさせることができるかもしれぬではありませぬか」
大蛇は実在するのかしないのか、もはやそれすらもどうでもいい、支離滅裂な言い草である。
明らかなのは、面白そうだから黒髪山に出向いてみようということだけ。
これに重季は呆れ、当然ながら八郎を諫めにかかる。
「八郎君、酔狂もいい加減になさいませ」
「酔狂ではない。俺は本気ぞ」
「合戦前のこのような時に与太話めいた大蛇を退治などと、酔狂以外の何でありましょう」
「戦の前だからこそ行くのだ。そんな化け物を退治すれば軍の士気も上がろう。いや、もしかすると大蛇などではない、別のものに会えるかもしれぬな」
「いったい何に会えると仰るので」
「それは分らん。大宰府か信西の手の者かもしれぬ」
「馬鹿な! なれば尚の事おやめなされませ。みすみす罠に飛び込むなど、正気の沙汰ではございません」
「罠ならば食い破ってみせるだけのことだ。敵の驚く顔を見てみようではないか」
ここで、腕を組んで沈思していた義親が口を開いた。
「重季よ、八郎がここまで言うのだ。思うようにさせてやるがよい。考えるところがあるのだろう」
「しかし、大宰府か信西入道と聞いては」
「それはあるまい。ここは後藤殿を信用しようではないか。何か我らの思いもよらぬめずらしいものが出てくるかもしれぬぞ。戦の準備がなければ儂も同行したいところじゃ」
義親は大笑する。これで場は決した。
呆気に取られる助明と長たちを尻目に、八郎はすぐさま出立の準備にかかる。
付き従うのは重季、弁慶、そして時葉。
時葉は囮、すなわち生贄となる娘の役回りである。
牧ノ山、青螺山から続く連山の一峰であり、高さも千七・八百尺程度という、遠目にはあまり目立たぬ山である。
だが、その麓である宮野という土地には黒髪神社の下宮があり、山頂近くにもまた上宮が鎮座しているという、周辺の信仰を集める山なのだ。
社の縁起によれば、起源は崇神天皇の時代に遡るという。
それほどの長きに渡る信仰を育んだのは、やはり、間近に望むとわかるその険しい山容であろうか。
古い火山であり、浸食のためところどころは奇観を呈している。
特に、頂きに天童岩、中腹に雄岩と雌岩という巨岩が聳え立つ様はこの世のものとも思われず、まさしく神々の宿る場所とはこのような所であろうかと感じさせる。
祭られてある神は伊弉冉尊、速玉男命、事解男命、そして第一の祭神としてこれらの神々よりも先に名が挙げられているのが、黒髪神社原初の神である闇於加美神。
クロカミという山の名は、岩上に鎮まる神の座、すなわち巨石信仰からきたものか。あるいはクラオカミ神に由来するものか。
そしてまた、この闇於加美神は竜神なのである
その黒髪山に巨大な白蛇が現れ、周辺の村々が難儀しているという。
話を持ち込んだのは黒髪山一帯を治める領主、後藤助明という壮年の人物であった。
自身の領内にある村々の長らしき老人たち数人と連れ立って砦を訪れ、
「こちらには八郎為朝様という武勇絶倫の若武者がおられると聞いております。是非その方に大蛇を退治し、私共を救けて頂きたいのです」
揃って深々と頭を下げ、懇願するのである。
助明によれば、問題の大蛇は長さが五十間をゆうに超える白蛇であり、頭には七俣の角。
巨大な目は鬼灯のような深紅に爛々と輝き、その吐く息は烈火のように熱く、たちまちにして木々や草木を枯らす。
人語を解すばかりか自らも話すのだとか。
半年ほど以前に山中に現れ、村を脅しては食料や酒など捧げ物を要求し、ついには生贄として若い娘を差し出すことを求めてきたという。
聞けば聞くほど古の怪物譚さながらである。
この俄かには信じ難い話に、まず不審を示したのは義親であった。
「奇妙じゃのう。そんな怪異があったのなら、何故もっと早く儂の耳に話が聞こえてこなかったのか」
これに助明が答える。
義親とは予てから懇意の仲である。
「口封じを命じ、噂が広がるのを懸命に抑えておったのです。怪異が知れ渡れば、黒髪山近辺だけではなく他の村々の者共も恐れおののき、只では済まぬでしょうから」
「恐怖、混乱、そして逃散か」
「はい、仰る通りで」
「だが、後藤殿もただ腕をこまねいていた訳ではあるまい。貴殿の武勇は近隣に聞こえておる」
「手勢を引き連れ向かうと姿をくらまし、容易に我らの手にはかからぬのです。人語を解するだけあって、相当に知恵も回るとみえます。ならば大人数ではなく、小勢で忍び寄り退治するしかないかと。そのために八郎為朝殿の力をお借りしたい」
「件の大蛇こそが竜神・闇於加美神なのではないか。退治などして良いのか」
「そうも考えましたが、闇於加美神が生贄を求めたなどという話は古来から伝わっておりませぬ。竜神の姿とはいうものの、闇於加美神は黒髪山におわす原初の神、黒髪山の化身でございます。邪な妖ではない。なぜゆえ生贄などを欲する必要がありましょうや」
「うーむ」
もちろん義親は、人語を話す巨大な白蛇などの存在を信じてはいない。
当時としては稀な、極めて合理に徹した男なのだ。
だが、助明ほどの男がこうまで真剣に懇願するの対して、何かしら不可思議な、無下に一笑に付すこともできないものを感じていたのである。
躊躇なく難色を露わにしたのは重季であった。
「昔から、怪力乱神を語らずと申します。ましてや戦を目前にしたこのような時に、大蛇などという怪しげなものに関わり合っている暇などありましょうか」
助明の語るところを荒唐無稽と断じ、大事の前に迷惑千万といった顔である。
確かに、常識人である重季にとっては到底信じられる話ではなかったろう。
そんな世迷言を相手に無駄な時を費やすようなことをせず、合戦の準備に専念すべしというのは至極真っ当な、誰もが頷く意見と思われた。
だが、八郎には逆に閃くものがあった。
(これは何かあるな)
子供騙しの御伽噺としても稚拙な出来である。
そのような露骨に疑わしい、およそ誰も信じない絵空事を、なぜ今この時期に唐津に持ち込んだのか。
後藤殿とやらの話しぶりにも真に切迫した様子がない。
大蛇の姿や恐ろしさを事細かに語りながらも、本当に救ってほしいという必死さが伝わってこないのだ。
しかも、村々が難儀していると言う割に、その長であるという老人たちの身なりはこざっぱりとして、貧苦の様子がおよそ感じられぬではないか。
どういうことだ?
老人たちは時折義親や八郎の顔色を窺い、明らかに目を合わせることを避けている。
なぜこんな話を持ち込んだのか、事情は分からぬが、やはり大蛇など居りはせぬ。
ただの嘘であろう。
それを我らに吹き込む片棒を担がされ、かといって我らを騙すのも本意ではなく、困り果てているのではないか。
こうした時、八郎のやり方はひとつである。
ずばり切り込んでみるのだ。それも相手の最も予期せぬ角度から。
「後藤殿、それは嘘ですな」
直截な物言いに対し助明は返答に詰まる。案の定である。
そして、八郎の次の言葉は助明にとって甚だ意外なものであった。
「だが、嘘と承知の上で引き受けましょう。居りもしない大蛇を退治に参ってみましょうぞ。それも面白かろう」
助明は驚きに目を丸くする。
「居りもしない大蛇を退治とは?」
「おや、これは失礼した。ここは大蛇は確かに居るということで話を進めねばな。つまりじゃ、五十間もの長さのある白蛇とやらに会いに行ってみようということです。退治も良いが、それ程の体躯の大蛇ならば、さぞ長い年月を経て、知恵も経験も豊かであろう。しかも人語を話すときては、何ぞ面白い話でも聞かせてくれるやもしれぬ。もしかすると退治などせずとも、友となり、説いて貢物や生贄などの非道を諦めさせることができるかもしれぬではありませぬか」
大蛇は実在するのかしないのか、もはやそれすらもどうでもいい、支離滅裂な言い草である。
明らかなのは、面白そうだから黒髪山に出向いてみようということだけ。
これに重季は呆れ、当然ながら八郎を諫めにかかる。
「八郎君、酔狂もいい加減になさいませ」
「酔狂ではない。俺は本気ぞ」
「合戦前のこのような時に与太話めいた大蛇を退治などと、酔狂以外の何でありましょう」
「戦の前だからこそ行くのだ。そんな化け物を退治すれば軍の士気も上がろう。いや、もしかすると大蛇などではない、別のものに会えるかもしれぬな」
「いったい何に会えると仰るので」
「それは分らん。大宰府か信西の手の者かもしれぬ」
「馬鹿な! なれば尚の事おやめなされませ。みすみす罠に飛び込むなど、正気の沙汰ではございません」
「罠ならば食い破ってみせるだけのことだ。敵の驚く顔を見てみようではないか」
ここで、腕を組んで沈思していた義親が口を開いた。
「重季よ、八郎がここまで言うのだ。思うようにさせてやるがよい。考えるところがあるのだろう」
「しかし、大宰府か信西入道と聞いては」
「それはあるまい。ここは後藤殿を信用しようではないか。何か我らの思いもよらぬめずらしいものが出てくるかもしれぬぞ。戦の準備がなければ儂も同行したいところじゃ」
義親は大笑する。これで場は決した。
呆気に取られる助明と長たちを尻目に、八郎はすぐさま出立の準備にかかる。
付き従うのは重季、弁慶、そして時葉。
時葉は囮、すなわち生贄となる娘の役回りである。
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